和尚のちょっといい話
ベルモントでの朝を迎えました。広い農場に馬が放牧されていて、とても長閑な風景を見せていました。明日は雪になるという予報でした。今日は午後からニューヨークへ戻ることになり、午前中に支度を整えて一つの荷物を郵便局から日本に送った後、グリフィス教授の運転する車でニューヨークへ向かいました。途中、コネチカット州在住のメアリーさんと夕食を共にする約束をしていた為、ハートフォードで高速道路を降りてメアリーさんと再会、一緒に食事をしました。
個展にも来てくれたメアリーさん、故郷コネチカットで再会
ニューヨークへ戻ると簡単に言いましても、広い広いアメリカ大陸ですから平均時速120キロぐらいで、何時間もかけての移動で流石に腰がきしむ思いでした。グリフィス教授のお宅に着いたのが午後の9時半でした。運転するのは只一人グリフィス教授ですから、本当におつかれさまでしたと労いの言葉を掛けるのが精いっぱいで、大変お疲れになったことと思います。今日だけで500キロ以上走ったという事でした。明日からは再びニューヨークでの生活に変わります。サラ・ローレンス大学での学生との懇話も残されているので、頑張って締めくくりたいと思っています。友峰和尚より
北陸観音霊場巡礼の事が大安禅寺のホームページに出ていましたが、国が変われば人間の行動の何もかもが違ってくるのが実感として伝わってきます。ただ一つだけ、心の安心を求めている行動には共通点を見出します。ニューヨークでの個展に参加くださった加賀容子様の巡礼されているお姿が有りましたが、環境の急激な変化の中での巡礼の旅だったと思います。帰国しましたら心境などお聞かせ頂くことを楽しみにしています。
大自然の中での休息
ベッキーさん手作りのアップルパイは、すべて自家栽培
ホームページのおかげで、海外に居ても大安禅寺や寶勝寺の現在の状況がよくわかるので安心して毎日を過ごすことが出来ています。本当に有り難い事です。寶勝寺のホームページに初めて墨蹟パフォーマンスの動画が掲載されました。このこともより一層リアルな感じで皆様にお伝えできることと思います。緊張の連続だった毎日でしたが、改めて動画を見るとその時の緊張感を思い出します。スタッフの皆さんが色々サポートして下さっている事もわかりました。
自坊の大安禅寺を守っている玄峰副住職はじめ職員の皆様にも感謝いたします。アメリカでの滞在も残り少なくなってきました。今日はベルモントから車で再びニューヨークに戻ります。サラ・ローレンス大学でもう一度グリフィス教授の授業に参加し、学生達との懇話会を持って今回の禅文化個展の最終といたします。しばしのスローライフを味わったベルモントでの休息でした。友峰和尚より
斎藤公一様へ 此の度の個展に御参加いただき、本当に感謝しています。いつも和尚の作品を立派に表具して下さり、アメリカでも評判です! グリフィス教授が掛軸を友達に見せています。最後に書いた大作の表具も無事間に合い、個展を盛り上げてくれました。いろいろ大変だったと思いますが、大きなサポートをしていただき有り難う。帰ってからはまた新たな作品の制作にかかります。今後ともよろしくお願いします。
グリフィス教授の御妹・ベッキーさんのお家にて
さて、今日は、ベルモント州にあるグリフィス教授の妹さんの家に来ています。午前中はお母様の住まいにお邪魔して友人の御夫婦と一緒に昼食をしました。お母様は87歳で、約20年ぶりにお会いしましたが大変お元気で嬉しく思いました。昨日は素晴らしい田舎のホテルに泊まり大休息をしたおかげで、今日は体も軽く腰も順調で、多くの方と会うことを楽しみに感じています。極めて残念なのは、英語が出来ないことですね。本当に残念です。早く同時通訳の電子機器が出来て欲しいものです。ベルモントの家は森の中にあり、大きな牧場もあり、さっそく馬に挨拶しました。
時間が止まるほどゆったりとした空間です。ここでもアメリカの国土の広大さを痛感します。何もかもが壮大で圧倒されますよ。毎日が過ぎるほどに、あの、個展開催に向けて準備に忙しかった日々や、開催中のことを思い出しています。本当にハードな日程でしたね。苦あれば楽ありでしょうか! 帰国が楽しみになってきた今日この頃です。友峰和尚より
ハプニング続きの移動日から一夜明け、ニューハンプシャー州・ハノーバーのホテルにて
グリフィス教授と、ご息女・ハナちゃんとともに
グリフィス教授のお母様と、久方ぶりの再会
ゆったりとした時間のなかで朝食
グリフィス教授が、お母様に個展の様子を説明
個展開催期間中のハードな毎日が嘘のような、のんびりした時間です
11月1日です。日本は2日ですね。今年もあと2ヶ月となりましたが、本当に1年があっという間に過ぎて行きます。11月は霜月と言うように間もなく北陸は厳しい冬を迎えますから、この時期は今年最後の休息月間という事でしょうか。
仁さんの家の近くの森にて / ミシガン州アンナーバー
和尚は今、アメリカです。今年の締めくくりの月でもあるので、この1年を振り返り猛省したいと思っています。3月の金沢市・しいのき迎賓館での墨蹟禅画展に始まり、10月、ニューヨーク州サラ・ローレンス大学での禅文化展を今年の大きな実践行動と捉えています。その間、寶勝寺での新たな活動や大安禅寺における法務の修業等、どの場合でも多くの方々の支えが有って円成していきます。世の中すべて、密接な関わりをもって新たな縁が生じていきますから、どのような縁も未来への種子となることを今年も身を以て体験したものです。サラ・ローレンス大学での個展開催にあたっても、加賀好さんがまだ小学6年生ながら参加され、活発にお手伝いをして下さいました。和尚にとっても、緊張を解してくれるマスコットのような存在でした。また今回の催事を通して新たなスタッフを得たような感じでした。
好さんの書が、学生さん達のお手本になりました。/ 書道教室にて
容子様と一緒に、2度の坐禅会に参加
仁さんのお手伝いをされる好さん
黙々とお手伝い中・・・
学生さんとの懇談会にも参加されました。
この御縁も故、加賀信行氏に有りました。奥様の容子様は御主人亡き後、今日も尚、大安禅寺の金曜坐禅会に出席されていますが、その御精進には頭の下がる思いです。容子様が今回の個展に参加されることを聞き、大変嬉しく思いました。御主人とは長い長い御厚誼を頂いて居ました。勿論御主人も長く坐禅会に来ておられました。そのようなご縁から今回参加頂きましたが、容子様も積極的にお手伝い頂き、言葉にならないほど心の中で感謝申し上げました。きっと御主人のお導きではなかったかと感じています。個展開催中にあっても、好さんが日々成長を見せる姿に感心いたしました。
撮影:加賀 好さん
2度の墨蹟パフォーマンスでは、好さんが写真撮影を担当してくれました。
今後、彼女が夢に向かって大いに努力されることと頼もしく思っています。全ての御縁に感謝の真を捧げる1年となりました。これからも周りの人との御縁を大切に、まい進していきたいと思います。友峰和尚より
帰国された野口先生始め御社中の皆様へ。今回のサラ・ローレンス大学での個展と華道茶道展に御参加いただき改めて厚く御礼申し上げます。何かと気配りが十分でなかったことも多々あったことと思いますが、皆様のご参加が初めてのニューヨーク個展開催を成功に導いて下さったと心より感謝申し上げております。日本における沢山の流派の中で、文房流晴心会の煎茶並びに華道デモンストレーション、ワークショップを大学内で開催できましたことを和尚も大変に光栄に感じています。野口先生とは40年に渡る御厚誼を頂いておりますが、一緒に禅文化展を開催できたことに喜びを感じています。また、パリに続いて社中皆様にも力強い支援を頂きかさねて厚く御礼申し上げます。時間が経つごとに、もっともっと社中の皆様の希望に沿うことが出来ていればと反省を深くしています。まだアメリカにおりますが、帰国しましたら皆様から色々とご意見をお聞きしたいと思っています。和尚は今、個展開催中とは全くに異次元のゆったりした時間を過ごしています。この事もまた次の展開への大きな動力源となることと思っています。アメリカという大きな国の力を感じながらの毎日です。昨日はミシガン大学のBAND-O-RAMA 「LETS GO BOO!」を聞きに行きましたが、ミシガン大学生の演奏するバンドの大迫力に圧倒されました。今少しアメリカ大陸の文化に触れてみたいと思っています。今のところ元気に過ごしています。野口先生も文化祭で多忙を極めている事と思いますが、時差ボケに負けず頑張って頂きます様念じています。野口御社中皆様のご盛会を願って御礼の言葉といたします。友峰和尚より
仁さんの家での休息ですが、今日は、真理子さんのお勤め先であるミシガン大学と、仁さんのオフィスを訪ねました。アメリカ社会が、ベンチャー企業を育てるため色々な施設を提供していることが伝わってきます。今回の個展で使われた14個の花台や、和尚の掛軸を展示する特別な台などは全て仁さんが構える工房の制作場で作ったそうで、コンピューターを操作して自動で作る工作機械や電子関係の工房など見せてもらい、ただただ感心するばかりでした。
実際に個展会場に行った初日、以前大安禅寺で製作した掛軸台とまったく同じ製品があったのには驚きと感動を受けましたが、今日、改めて仁さんに感謝したものです。
アメリカに来て13日が過ぎました。個展を終えて、今日はミシガン州アンナーバーにある、仁さんの家にお邪魔しています。お母様の真理子さんとは久しぶりの対面で、懐かしく思い出話に花が咲きました。真理子さんはソーシャルワーカーとしてミシガン大学病院に勤務されており、入院患者の精神ケアにあたっているそうで、日本も同じ現象が起きていますが、アメリカでも現在お年寄りの精神面のケアが重要視されてきているそうです。とにかく、真理子さんとは随分と長くお会いしていなかったため、明日からの滞在を楽しみにしています。
お家はとても素敵なアンティーク調の設えで、まるで日本にいるかのような錯覚を起こすほどでした。ニューヨークにいた時は毎日忙しく、ホテルに戻ると夜の10時過ぎで寝る間もない程だっただけに、ウソのようなゆったりとしたリズムに戻りました。40年ぶりのアメリカ訪問なので、時間の許す限り多くの方々とお会いしてみたいと思っています。個展のお手伝いを頂いた皆様も全員無事に帰国されたと聞き、ほっといたしました。今はきっと安堵されている事と思います。
今日の夕食は本当に久しぶりの真理子さん心配りの日本食でした。温かいご飯にお味噌汁などなど、五臓六腑にしみこみました。こちらに来てからずっと洋食でしたから胃も喜んだことでしょう。真理子さんからマインドフルネスの話を聞きましたが、和尚も色々老後の精神ケアについて考えてみたいと思った夕食の一時でした。友峰和尚より
個展が終了したというのに、今日も何となく奇妙な感覚の中にいます。これは一体何なんでしょう?ニューヨークにいるのに、何処かほかの国にいるような感覚です。
朝方8時半、最後までお手伝いして下さった7名の方を御見送りして、その後、ホテルの部屋で自分の荷物の整理をしましたが、体全体が弛緩したような、昨日までの自分とは別人のような感覚で、今まで何をしていたんだろうってポカンと気の抜けた状態が続き、なかなか次の行動に移行できませんでした。そこへグリフィス教授が迎えに来られ、サラ・ローレンス大学まで戻って、昨日梱包した掛け軸や備品を日本に送るため一緒に郵便局へ行きましたが、これまた大変な作業でなんと2時間要しました。野口先生の荷物が送れるか心配されましたが無事に通過して一同ほっとした次第です。
荷物を本国に送り返した時点でようやく終わった感覚がしました。それと同時に、グリフィス教授はじめ仁さんはこれまでどんなに準備に労を費やしてきたかをしみじみと感じ入りました。また、野口先生始め御社中の皆様、斎藤様、加賀様、好ちゃん、事務局の山口さんの深甚なるサポートに感謝の念でいっぱいになりました。いつもそうですが、終了するまで気が抜けず参加くださった皆様への気配りに欠ける事を本当に申し訳なく思います。もっともっとみなさんのお気持ちに添うように心を尽くさねばなりませんね。毎回終了して知る反省の心です。無事に終了できたのも偏に皆様の温かい思いやりと協力が有っての事と深く感謝申し上げます。また、留守を守ってくださっているすべての方々の御支援にも心より感謝申し上げます。 和尚の我儘にお付き合い頂いて居ることに甘えず今後は少しでもお返しできるように頑張って行きたいと思います。本当に本当に有り難うございました。有り難うございました。友峰和尚より