3月, 2022年

第3148話

2022-03-31

木瓜

気温が一気に下がり冷たい雨の降る一日となりました。大きく膨らみ始めた桜の蕾も肩をすくめるかのように再びくるまってしまいました。昨年はとっくに散っていた桜の花ですが、今年は随分と気温が低く満開になるのはまだ先のようです。和尚は幼少の時より雨だれの音が大好きで、特にこの時期の屋根から落ちて来る雨だれの音には聞き入ってしまいます。本格的な春の到来を告げるかのように軽快に響き渡り、自分の心さえもハイテンションになるのを覚えます。

 

スノーフレーク

昔、修行時代に坐禅をしながら雨だれの音に耳を澄まし、深い深い安心を感じたのを思い出します。「風は息 虚空はこころ 陽は眼 海山かけて わが身なりけり」という道歌が有りますがまさしくそれで、二宮尊徳先生が言われた「天地(あまつち)や 無言の経を 繰り返し」と心境を同じくします。自然の生命の営みは我々に色々な教訓を示しているように思います。3月も今日で最後、明日から愈々新学期を迎えます! 身も心もリフレッシュして頑張って参りましょう!新入生の皆さん! 新社会人となられた皆さん! 刻苦光明必ず盛大なり!です。「石中に火あり 打たざれば出でず 人中に仏性あり修ぜずんば現れず!!」 和尚も頑張りまっせ!!負けてたまるか! 友峰和尚より

 

第3147話

2022-03-30

 

寳勝寺 庫裡側玄関のしだれ桜

 

入学式の準備や新たに社会人となる就職準備の為か、親子連れの姿が多く見受けられる金沢市内の繁華街やデパートとなっています。昔「ピカピカの1年生」という言葉が流行りましたが今も同じで、本当に初々しくピカピカでなんとも微笑ましい感じがします。昔と違うのは子供たちのファッションで、とてもお洒落で学生さんによってはイヤリングやお化粧をしている方も見受けられ時代の違いを実感するものです。まもなく卯月4月を迎え、入社式や歓迎会などますます街中の賑わいが増すに連れ今がまだコロナ禍に有る事を留意しながらの催しとなりそうです。

 

中庭の雪囲いを片付けました

 

本日は清々しい天気に恵まれ外作務にはうってつけとなり、さっそく中庭雪囲いの撤去作業をしました。昨年の3月は暖かい陽気が続いたため早々と片付けましたが、今年はずいぶん遅い撤去作業と成りました。雪囲いを外すとやはり庭は生き生きとして息を吹き返したようで、春の暖かい日差しを受け杉苔も青々として美しい緑を濃くしていくようです。小さな坪庭ながら、応接間から臨む景色には欠かせない存在となっているように思います。

 

 

 

 

応接室から 春の中庭を望む 

 

さて少林寺と伝燈寺の雪囲い撤去も気になるところですが近日中には片付けたいですね。本当に月日の過ぎゆく早さには驚きます。じっとしていても時は過ぎ去って行きますが仕事が無い時は特に早く感ずるものです。日々頭を使い、体全体を動かし、心を活かして使って働いている時は貴重な時間を充実して使う事が出来ているように思う今日この頃です。友峰和尚より

 

第3146話

2022-03-29

紫陽花 / 寳勝寺境内

 

朝一番に少林寺檀信徒総代の中山家祥月命日忌諷経に出向きましたが、諷経終了後には御当主が淹れて下さったお煎茶を頂きながらしばし歓談しました。話題は石川県知事選挙結果に始まりウクライナ戦争、コロナ禍状況など次々と尽きずついつい長居をしてしまいました。そもそもお檀家月諷経はそれぞれのお家の状況に沿いながらお話しし、最後には仏教についても触れる事にしています。

 

羽田家 御家族の皆様が来寺くださいました

 

午後には横浜市より卑山お檀家の羽田様御夫妻と息子様御家族が墓参に来寺され、墓前ご供養の後は久しく歓談しました。新型コロナウイルスが3年前に発症して以来なかなか県境を越えての移動が制限されていたため本当に久しぶりにお会いすることが出来、お孫さんも大きく成長されその頼もしい姿を拝見し大変嬉しく思ったものでした。

 

江戸時代に建立された 羽田家御先祖様の御墓に お参りをされました

御家族様の御墓に お参りされています

御先祖様の御位牌を 間近に参詣されました

 

和尚も寳勝寺に御法縁を得て11年目に入り、お檀家様との親交も随分と深まっています。先般まん延防止等重点措置が解除されようやく関東地方始め全国からの観光客が徐々に増えつつある金沢市内ですが、やはりお檀家様との対面での交流は心が和むのを覚えます。

 

早咲きの桜が 満開となりました / 寳勝寺本堂裏庭にて

 

さて春季彼岸会修業より霊前ご供養を通し教化布教の続く毎日でしたが、本日ですべて無事円成することが出来ました。本当に「気力・体力・持続力」が問われた修行の月間となったようです。更に参ぜよ30年!! 友峰和尚より

 

本日は御来寺を賜り 誠にありがとうございました

 

第3145話

2022-03-28

澄み渡る春空のもと 御供養を修業いたしました

つい先日、お檀家様で大正12年生まれの御方の葬送儀を修業しましたが、本年3月に満99歳のお誕生日を迎えられ数え年でいきますと100歳という事になります。大正・昭和・平成・令和と元号が4回代わっており、その生涯は一世紀を生きられたことになり真に敬服の至りです。

 

利休梅 / 寳勝寺境内にて

今日、日本社会は超高齢化社会を迎えていると言われ、100歳以上の方が昨年9月に発表された数字では43633人で毎年約1000人以上増え続けているそうです。65歳以上の高齢者となると3640万人で昨年より約20万人ほど増加したとの事で、和尚が生まれた昭和23年は411万人だそうですから約10倍増えたことになります。

 

馬酔木の花 / ふれあいパーク霊苑にて

午後より 墳墓開眼供養を修業いたしました

 

和尚も気が付けば今年74歳を迎え最早後期高齢者の仲間入り寸前ですが、それでもそんなに長く生きて来た感覚が有りません。しかしながら100歳までにはあと20年ばかり余生の時間が有ると思うと、やはり100歳達成はなかなか難しくそれには並々ならぬご本人の生命力と日々の精進、そしてご家族皆様の手厚い介護あってのことだと強く思ったものです。

 

 

昔から「長生きは ただ働くの他は無し 流るる水の 腐らぬをみよ」と有りますから、長生きするためにはやはり健康で働く事が一番のようですね。ここ数日間は法務遂行で多忙を極めましたが、忙しいと一日が長く感じるのは不思議な話です。充実した人生を送るためにはやはり日々一所懸命働くことが大切だという事です。頑張って参りましょう! 友峰和尚より

 

第3144話

2022-03-27

寳勝寺 本堂裏庭の桜

昨日は風速20メートルを超える台風並みの強風が吹き荒れ消防車や救急車のサイレンの音が鳴りやまない一日となりましたが、本日は一変して穏やかな朝を迎えることが出来安堵しました。

ふれあいパーク霊苑にて 墳墓開眼供養を修業いたしました

今日は日曜日と有って午前午後とも霊前御供養を修業しましたが、やはりお天気が良いと気持ちもずいぶんと違うもので特に墓前供養に於いては爽やかな春風を受けながら読経する声が霊苑内の隅々まで響き渡り、故人の御徳を偲びながらご冥福をお祈りしました。

 

ユキヤナギ

 

本堂にて 満中陰忌法要が修業されました

読経三昧の日々が続いているためか声も次第にかすれがちになり、時々裏声になったりハスキー声になったりで本当に自分の声なのかと心配してしまいます。そもそも自分の声など録音テープを聞いてみてもどうも違うような気がしてしまいますが、全身全霊、一所懸命に腹の底からお経を唱えています。修行時代を思い出しますが、兎に角師匠から「坊主はお経!」と読経に対する厳しい指導を受けた事に心から感謝しています。

 

さて「梅は咲いたか桜はまだかいな 柳やなよなよ風しだい~」の歌の文句じゃありませんが、犀川沿いの桜の開花が待ち遠しい今日この頃です。まだまだ祖霊供養諷経が続きますが、心を込めて読経三昧の日々です。人生、心の花を咲かせましょう! 友峰和尚より

第3143話

2022-03-26

寳勝寺玄関の 小さな桜の木

花が咲き始めました

3月もあっという間に過ぎ去って行く感が有りますが、ブログをご覧くださっている皆様にはお元気にお過ごしでしょうか? 寳勝寺ではここ数日間はご法要が続いていますが、ウクライナ戦争の報道の中で連日多くの市民や兵士の犠牲者を伝えるニュースを見るたびに心痛の極みとなっています。

年忌の御法要が修業されました

本来の御供養の意義は亡くなられた物故者の霊の菩提を弔う慈悲の行だけに、市民が無残に殺害されていく状況には言い知れぬ憤りを拭えません。道端に次々と臨時に埋葬されていく映像に向かい合掌してご冥福をお祈りしています。卑山では第2次世界大戦から約70年の月日が過ぎ去った現在でも英霊のご供養を欠かさず続けていますが、本当に戦争の無い平和な世界を願って止まないものです。本日は終日法務遂行に専心しましたが、祖霊供養を通し「追福修善 供給資養」の大切さを思う今日この頃です。友峰和尚より

第3142話

2022-03-25

寳勝寺中庭にて

穏やかで良いお天気に恵まれた一日となりました。明日以降も暖かい気候が続くという予報に安堵しています。桜の開花が始まった地域もあるそうですが、金沢犀川沿い桜並木の開花は4月7日頃だそうで今から首を長くして待ちましょう!

 

寳勝寺檀信徒 髙畠家の年忌法要が修業されました

 

午前中には卑山御檀家・髙畠拓幸家の年忌法要が修業されましたが、年中行事には必ずご参詣頂いており、拓幸様とは和尚と同い年ということもあって法要後の話題はやはり健康管理の話になってしまいます。

 

法要終了後、御家族の皆様との 和合の茶礼

 

午後からは墳墓開眼供養を修したのち檀信徒様の通夜諷経の準備に入りましたが、法務を遂行する際は常に坐禅三昧の心境で臨んでおり、つくづく若き時代の修行の賜物と感謝するばかりです。坐禅の呼吸法はまさしく疲れた時に効果が有り、短時間で正常な状態に整えることが出来ます。コロナ禍に有って長らく坐禅会も中止となっていましたがそろそろ再開したいですね。今年は少林寺でも観光旅行者向けの坐禅体験コーナー開催を願っています。

 

 

やりたい事は山ほどあれど、なにをするにしても健康でなければ何も出来ないのが現実。まもなく4月を迎えますが、身体作りの為にもウオーキングは必須のようです。頑張って参りましょうか! 友峰和尚より

 

第3141話

2022-03-24

この度、大安禅寺の重要文化財・山門 修理保存工事が終了し、その威風堂々たる姿を現しました! これまでは素通り状態の存在となっていましたが、山門の階段も復元され檀信徒皆様も立ち止まって見学していました。

 

国指定重要文化財 大安禅寺 山門

 

創建当初は門がかたく閉ざされ、僧侶以外の立ち入りが許されないほど厳格に管理されていたそうですから当時の威容を取り戻した感が有ります。また重文・鐘楼も約9割程度が完成しつつ有り、こけら葺きの屋根も最終段階に入っていました。4月の中旬頃に両棟の完成式典を修業する予定となっています。

 

国指定重要文化財 大安禅寺 鐘楼 屋根

 

 

本堂建物 かさあげ工事

法務のため昨日より一泊で自坊に帰り、今朝は明日行われる法要の準備のため寳勝寺に戻りましたが、列車内や金沢駅構内は「まん延防止等重点措置」が解除となった影響を受けて大変混雑していました。これまでも解除になる度に多くの観光客がどっと訪れていましたが、今が春休みという事もあってか学生さんの姿が目立って見受けられました。

 

北陸新幹線 福井平野

活気を取り戻しつつある金沢市内ですが、再びコロナ感染拡大に繋がらない事を祈るばかりです。明日からは法務が目白押しとなっていますが、まずは健康に留意しながら頑張って参りましょう。千里の道も一歩からです!人生はコツコツと歩め!負けてたまるか! 友峰和尚より

第3140話

2022-03-23

桜のつぼみ / 寳勝寺境内

関東では春雪の舞う雪模様の天気となったそうですが北陸地方も寒い朝を迎えました。暦もあっという間に4月を迎えようとしており3月は残すところあと一週間ほど、「暑さ寒さも彼岸まで」の格言の如くに気持ちは桜の開花を待ち望んでいるようです。

 

野町 少林寺にて

本堂入口に 「伝統的建造物」のプレートが設置されました

 

最近は孫達からのメールを読むのを楽しみにしながら少し心の余裕が出て来たように思います。しかしながら日々刻々と戦況が伝えられるウクライナ戦争のニュースに心を痛めながらその経過を心配していますが、皆様も恐らく同じ不安な心境の中にいる事と察します。ウクライナの兵士や国民はじめロシア兵士の死者数が発表される度に、深い慟哭と悲しみに包まれます。

 

クリスマスローズ / 寳勝寺境内にて

先般の彼岸会でも世界平和の御祈祷を修しましたが、一日も早い停戦を毎日祈願しながら「一即一切」の心願が届くことを願って止みません。“恨みは恨みなきによってのみ静まる”との仏教真理を御祈祷によって浸透させたいと願っています。春季彼岸会を終え今年の法務遂行もこれから本格的に始まりますが、坊主はお経!に徹し「追福修善 供給資養」すなわち「追善供養」の意義を教化して参りたいと念じています。友峰和尚より

第3139話

2022-03-22

 

北條様御夫妻とともに

朝一番に卑山 北條英俊総代御夫妻が帰路のご挨拶に来寺くださりしばし歓談しましたが、盂蘭盆会には檀信徒皆様に是非ご参詣頂けるように心から願うものです。コロナ禍社会が約3年にも及び、昨日ようやくまん延防止等重点措置が解除となり安堵するも、再び感染が拡大しないことを祈るばかりです。

 

ふれあいパーク霊苑 奥の院  歴世塔の御真前にて / 春季彼岸会

心配した和尚の腰痛もここ数日間はどういうわけか穏やかで、無事に「春季彼岸会」を円成出来た事に感謝しました。彼岸会法要の最後に世界平和と檀信徒各家の無事を祈る御祈祷を修しましたが、殊にウクライナ戦争の一刻も早い停戦を願いました。「念ずれば花開く」と言いますから、どうか皆様に於かれましても朝夕世界平和を念じて頂きたいと思います。

 

あけびが いっせいに開き始めました

 

春からの日程表を見てつくづく休息が欲しいと思うもののそれもままならず、黙々と法務遂行に全力集中です。若き頃、寸暇を惜しんで法務に外作務にと頑張ることが嬉しかった自分を懐かしく思いつつ、「若い時は2度ない」と今さら自分に言い聞かせてみても現実は74歳! 掛かりつけのお医者様からは「和尚さん、もう歳ですから」と引導を渡される始末! そこで今日の日めくりカレンダーの一訓を拝見したところ、「諸行は過ぎ去るものである」と。ガッテン!ガッテン!「諸行無常 諸法無我」とは仏教の真理ゆえに愚痴は言うまいこぼすまい、ひたすら南無観世音菩薩と唱えつつ「なんにも思わぬが仏の稽古なり」と自覚あるのみです。

 

安藤様と 御家族の皆様とともに

さて昨日はふれあいパーク霊苑での御法縁を頂きました安藤様がご家族で来寺下さり、床の間に掛けてある「喫茶去(きっさこ)」の字を褒めてくださいました。「何とかもおだてりゃ 木に登る」と言いますが、和尚は「穴があったら入りたい」心境でした。それでも嬉しい気持ちでいっぱいになりました。心身共々疲れ切った中での有り難く安らいだひとときとなりました。友峰和尚より

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