4月, 2025年

第4262話

2025-04-18

鳴子百合

 

日本古来の伝統的文化は沢山ありますが、いずれも「日本の心」を育んで来た精神文化でもあります。雅楽・能・歌舞伎・謡・浄瑠璃・華道・茶道・香道・舞踊・邦楽・武道・柔道・相撲・歌道・俳句・和歌・・・・。「道」と呼ばれるものは沢山有りますが、その文化の原点は仏教に端を発しています。

 

 

奈良時代に仏教を中心とした政治が行われ、その事が今日の伝統的日本文化の礎になって来たものと思われます。またその精神文化は祭りとしても発展し、仙台の七夕祭りや秋田県の竿頭まつりを始め全国的にも仏教と深く関わる祭りが多く見受けられます。今日伝統的文化を若者に継承していく取り組みがなされていますが人口減少とともに悩ましい状況にあるようです。

 

やまぶき

 

大安禅寺では昨日まで未生流福井支部いけばな展「春風 ~春風福寿を生ず~」が開催されて来ましたが、4月19日(土)からは文房流晴心会野口支部の皆様による華展並びに20日(日)には茶会が開かれますので、ブログを御覧頂いている皆様には是非ご鑑賞くださると同時にお茶のひとときをお楽しみ頂けましたら幸いです。

 

瓢箪木

 

岡田家 三回忌御供養諷経を修業いたしました

 

さて本日も霊苑にて岡田家墓前3回忌諷経が修業されましたが、気温はなんと25℃を超え夏日となる中での追善供養となりました。宝勝寺境内の草木はよりいっそう新緑の色を濃くしております。「春は花 夏ホトトギス 秋は月 冬雪冴えて涼しかりけり」とは道元禅師の御歌ながら、季節の移り変わりは人間の心に癒しを与えてくれているようです。暖かくなりましたがくれぐれも御身体ご自愛ください。友峰和尚より

 

暖かな夕方 中庭の苔いじり

第4261話

2025-04-17

 

 

 

暖かい朝を迎えました。日中気温は23℃を超え、久しぶりに寒さから解放された一日となったようです。午前中に飛騨高山市国府町より安国寺住職 祥岳和尚が御来寺くださり、来る7月3日(木)に執り行われる前住職・大雄英信和尚小祥忌(一周忌)法要の導師拝請(はいしょう)を拝受しました。

 

安国寺先代住職 大雄英信和尚小祥忌法要 導師のご依頼を承っているところ

 

 

このたび故・大雄和尚の頂相(ちんそう)が完成し、その肖像画に讃を入れるため漢詩の偈を依頼されました。光陰矢の如しで昨年病床を訪れお見舞いに参上して早や8ヶ月が過ぎようとしています。先代大雄和尚とは大学時代からの親友で、海清僧堂でも同じ釜の飯を食し長くともに修行をした仲間でもあります。

 

故・大雄英信和尚 / 2017年10月 宝勝寺落慶法要並びにふれあいパーク霊苑竣工式にて

 

 

最近では同級生の他界も増えてきましたが、それだけ自分も歳を取ったということを自覚するものの、やはり別れは寂しく思うものです。和尚も人生の限られた残りの時間を歩んでいますが、まだまだ夢や希望を持って力強く前進して参りたいと普段からの健康管理に重点を置いて努力を続けていきたいと念じています。安国寺住職と昼食をともにしながら懇談しましたが、寺に戻ってからも庭で和合茶礼のひとときを過ごしました。

 

茶室の中庭にて

 

りんどう

 

飛騨高山市国府町 安国寺住職 祥岳和尚

安国寺 [岐阜県] | 国宝を巡る旅

 

世代交代が進む中、和尚も来年5月に新命玄峰副住職の晋山式(住職就任式)を予定しており今から楽しみしています。“住職は自由職!である”とは和尚の理想的思考乍ら、ようやく念願が叶えられるわけですから大いにグローバルに活動して参りたく思うものです。

 

少林寺にて

 

さて夕刻からは引き続き墨蹟制作のため少林寺に出向きました。少しづつながらお気に入りの書が書けるようになってきたと思います。只管黙々と頑張って描き続けて参りましょう!継続は力なり!! 友峰和尚より

 

墨蹟制作の合間に 墓域に除草剤を散布しました

第4260話

2025-04-16

 

“春はあけぼの ようよう白くなりゆく山際 すこしあかりて 紫だちたる雲のほそくたなびきたる”...清少納言「枕草子」の巻頭の文ですが、今朝あたりの白山の頂きはまさしくその風景です。

 

「 夢 」 渓仙 書

 

一千年前も今も少しも変わらぬ春の山々の風情ながら、近年は黄砂飛来の影響からか霞んでしまうこともあります。兎にも角にも春は早起きが一番で、昔から早起きは三文の徳と言われますように早朝の境内の散策は値千金で爽やかそのものです。

 

都忘れ

 

午前中に、以前卑山カフェをご利用くださった坂下様ご夫妻が御来寺くださりしばし懇談しましたが、カフェをご縁に宝勝寺との御法縁を頂く方が増えており本当に有り難く感謝しています。

 

「 道 」 渓仙 書

 

「 心 」 渓仙 書


そもそも寺院の役割とは人とのご縁を結ぶ場所ゆえに当然と言えば当然の事なのですが、近年は寺離れが加速していく状況だけに色々工夫しながら布教活動の場としての面目を保っていかねばなりません。

 

いろはもみじ


寺院の建物を伽藍(がらん)と言いますが、ガランとした人気の無い所の意味で使われてはたまりません!お寺は人の集まる所でありたいと和尚は願っています。
さて午後からは昨日に引き続き少林寺アトリエで、フランス・アンジー市で開催される墨蹟禅画展の書画制作にあたりました。

 

「 愛 」 渓仙 書

 

和尚にとって書道をする時間はこの上ないほどの深く充実した気持ちに浸れますから大好きです。書は体を表すと言われるだけに気持ちが安らぐような作品を目指して参りましょう!今日も沢山沢山練習しましたが、先発隊として発送する墨跡を近日中には完成させたいと念じています。友峰和尚より

 

「 花 心 」 渓仙 書

第4259話

2025-04-15

 

火曜日は和尚の休息日ですが、午前中は庭でゆっくりコーヒーブレイクしながら身体を休めました。自分で作庭しただけに手入れには余念なく隅々まで毎日点検していますが、春の庭の風情は格別で日々青葉若葉が成長していく姿は言い知れぬ癒しを感じさせてくれます。

 

 

「空の青!雲の動き!時折降って来る春雨!雲の合間から薄日が差す光景!春風に揺らぐ青葉若葉!・・・」などなどキリがありませんね。一日一度は自然の風景を観賞しましょう!終日家の中にいては心の安らぎは得られないと思うものです。

 

大安禅寺 / 未生流福井支部の皆様による生け込み

 

 

 

 

 

未生流福井支部 山口啓甫先生

 

休息日には近場の小高い山をトレッキングしたり、海に出向き岸に寄せる波を観賞したり水平線を眺めるのも癒し効果があります。若き頃には感じ取ることが出来なかった自然の営みの光景がこれほどまでに心を慰めてくれるものだと、改めて「気づき」の大切さを思います。

 

 

 

 

 

さて午後からは少林寺に出向き墨蹟に取り掛かりました。6月の渡欧まであと2ヶ月ばかりとなり、墨蹟制作と送付を急がねばなりません。最近はますます時間の過ぎゆく早さを感じています。おそらく人生の残された時間が限られているからだと自覚するがゆえの感覚なのかも知れません。

 

未生流福井支部 華展 「 春風 ~春風福寿を生ず~ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生け花を観賞される 文房流晴心会野口支部 野口翠智先生 

 

 

元気で溌溂と逞しく清々しく生き生きと!なんて言葉が遠のいていく昨今です。情けないったらありゃしない!だけどチャレンジ精神は和尚にとって不可欠の要素でもあります。頑張って参りましょう! 友峰和尚より

 

第4258話

2025-04-14

イワヤツデ、ホタルブクロ

 

「さしのぼる 朝日の如く さわやかに もたまほしきは 心なりけり」とは明治天皇が詠まれた和歌ですが、今日はまた素晴らしい朝を迎えることが出来ました。太陽が東から昇る際に新緑の葉を照らし、キラキラとまるで真珠の珠々のように繋がって光り輝く様には思わず合掌しました。この時季の景色は早朝が一番です!鳥がさえずり庭では猫が戯れ日向ぼっこしている姿には笑みがこぼれます。

 

 

午前中に西村家の葬送之儀に出向きましたが、まるで故人の御徳を示すかのような暖かく穏やかな気候となり無事にお葬儀を円成出来たことへの安堵と共に心より感謝申し上げました。人間は色々な場面に遭遇しながら深い安らぎを感じるものだと自分でも不思議に思うものです。

 

ハナニラ


昨日まで自坊大安禅寺での法務に当たっていましたが、ダイナミックな自然の風景に癒され本日は宝勝寺での朝日に照らし出される新緑の庭木と鳥達や猫のたわむれる姿に癒されました。ストレス社会と言われる今日ですが、時間の許すかぎり一日一度は自然の風景の中に自分の身を重ねたいと念じます。

 

(株)ココ・プランニングの 川面専務 と

 

以前も申しましたが、日本文化のひとつに庭造りがありますが、小さな坪庭であっても石組みや砂や樹木を工夫して用い小宇宙の世界を創造する日本人の智慧には驚きます。人間の自由な心の広がりを感じさせてくれる日本の庭は常に安息の時間を与えてくれているようです。友峰和尚より

 

 

第4257話

2025-04-13

 

新緑の美しい景色が広がる大安禅寺の山々はまさに絶景です。松雲亭の池では春のカエル達が合唱して和尚を迎えてくれました。金沢の街なかでは聴くことの出来ないダイナミックで見事なまでの鳴き声で本当に心が癒されました。

 

大西家 分骨供養諷経を修業いたしました / 大安禅寺 枯木堂にて

 

 


午前中に大西家の分骨供養諷経がご家族御参詣のもと厳粛に修業されました。故人とは長年ご厚誼を頂き、先代實道和尚より家族ぐるみで今日までお付き合いを頂き、その御法縁でこの度卑山に分骨されました。法要後はご家族皆様と故人を偲びながら懇談いたしました。

 

法要終了後、松雲の間にて ご家族皆様と懇談いたしました

 


午後からも会合並びに御来客者との歓談の席となりましたが宝勝寺での法務遂行のため自坊に滞在出来る時間も限られており、本日は慌ただしい一日で夕刻には妻に福井駅まで送ってもらい金沢に戻りました。

 

開山堂にて

 

< 27日(日)まで いけばな展が開催されています >

 

愈好亭にて 酒井清章総代とともに

 

愈好亭から望む新緑

 

それでも和尚にとっては自坊で過ごす時間を大切にしています。故郷ほど有り難く気持ちが落ち着く場所はありませんね。一番嬉しく感じるのは春の息吹きを感じさせてくれる匂いなのかも知れません。

 


さて元気を回復出来た自坊での短い時間ながら値千金の休息時間でもありました。気分を一新して明日から再び精進して参りましょう。友峰和尚より

第4256話

2025-04-12

紅色と白色、紅白の絞りの花を咲かせる 源平しだれ桃

 

気温の上昇にともない人の出入りも急に多くなってきた土曜日の一日となりました。金沢市内の桜の名所はどこもが賑わいを見せており、特に国の名勝・兼六園と金沢城内は人気を博し多くの外国人観光客で賑わっています。午前午後ともふれあいパーク霊苑での御供養諷経を修業いたしましたが、苑内にある枝垂れ桜の花が舞い散る中での読経となりました。

 

 

 

ふれあいパーク霊苑にて 武田家 御納骨之儀を修業いたしました

 

 

午後より 池田家 年忌御供養諷経を修業いたしました

 

日々生長する霊苑内の植物 水仙、紫陽花、雪柳、牡丹など

 

法要中には時折寺カフェ利用の外国人観光客が霊苑に来られ、読経中の風景を見学されていたようです。外国人の方が寺カフェを利用される際には玄関に置いてある和尚の外履き用の白い草履を室内スリッパと間違えそれを履いて座敷に上がってくることもしばしばあり、文化の違いを感じる昨今です。とても面白いですね!「知らぬが仏」です。

 

 

さて追善供養の日々が続いていますが気候良しで霊苑内でのご供養諷経は大変安らぎを感じながらの修業となっています。桜が散るが如くに4月も早や半ばを迎えようとしています。光陰惜しむべしで、一日一日を大切に過ごして参りたく思うものです。くれぐれもご自愛ください。

櫻花 散り行く果ての 古寺しずか 友峰

読経する 僧も桜も 遊戯三昧 友峰

 

利休梅

第4255話

2025-04-11

宝勝寺 山門前庭の“源平しだれ桃”

 

幾分早朝の気温が高くなり寝起きもずいぶんと楽になった昨今ですが、宝勝寺の境内をぐるりと散歩するのが日課となって来ました。先般の電柱地中化工事後、山門前の庭を復元すると同時に新たに植樹した源平しだれ桃の花が咲きなんとも愛らしい姿を見せています。

 

 

まだ背丈は低く小さい木ですが、来年にはもっともっと沢山の花を咲かせることと思っています。和尚の今年77歳の喜寿を迎えた記念として作庭され約1ヶ月が経ち、次第に庭全体に落ち着きが出て来たように感じます。

 

 

宝勝寺 おかめ桜の下で咲き始めたスミレ

 

 

この時季の境内一帯の樹木や花を観賞するのは実に楽しい気持ちになるもので、特に新芽を出し青葉若葉が広がってやがて花のつぼみが大きく膨らんでいく姿は否応なく癒されるものです。若い時代には気づくことも無かった自然の営みのダイナミックな働きは人間の心臓の鼓動にも似て、ひとときも休むことなく活動し続けているようです。午後からは晴れ間の見える穏やかな気候となり、法務の合間を見てウオーキングに出掛けました。

 

尾山神社

 

 

玉泉院丸庭園

 

 

本日の 犀川大橋からの景色

 

犀川沿いの満開の桜も強い風に煽られ桜吹雪となって舞い散る姿も見事です!「桜花無尽蔵」まったくにあるがままですね!皆様、元気に参りましょう! 

桜散る 浄土の道や 僧行きて 友峰

犀川に 桜まい散る 破願僧 友峰

第4254話

2025-04-10

 

「散る桜 残る桜も 散る桜」「三日見ぬ間の桜かな」と名残惜しい満開の桜並木ですが次第に散り始めています。終日大気の状態が不安定で雨模様の天気となりましたが気温は上昇して18℃と比較的に暖かさを感じるなか、午前中には少林寺檀家総代・中山家の月参りに出向きました。月参りもかれこれ約10年近くなり、読経後は御当主と親しく歓談の席となっています。

 

午前10時半より 山﨑家 開眼納骨供養ならびに満中陰忌墓前諷経を修業

 

帰山後はふれあいパーク霊苑にて開眼納骨供養ならびに満中陰忌墓前諷経を修業し、午後からも引き続き宙(そら)真前にて納骨之儀が修業され追善供養の一日となったようです。

 

午後より 林家 納骨之儀を修業いたしました

 

ふれあいパーク霊苑ではこれまでに多くの方々との御法縁を頂いており、最近では彼岸会、盂蘭盆会に関わらず毎日のように墓参に来られる方が増えており和尚の理想とする祖霊供養の風景が広がりを見せ、大変嬉しく思っております。また霊苑内の草木も青葉若葉の新芽を出し、ほのかな匂いが参詣者の心を慰めるようでした。

 

霊苑内では バラの新芽が生長しています

 

和尚の日々の法務遂行の中心は墓前での読経に有りますが、黄砂や花粉やPM2.5など大気汚染の影響からか喉の調子が悪くうがいや喉の薬が欠かせないのが難題となっており、昔の話ですが遂には声が出なくなった時期もあっただけに喉の調子との対話が続くこの頃となっています。蜂蜜やのど飴が効果があるとの事ですが、糖分が高いため頂くには悩ましいかぎりですね。さて気温の上昇に合わせボルテージも少しずつ上げて参りたいと思います。皆様にはくれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

 

第4253話

2025-04-09

毎日のように参詣者が来られる ふれあいパーク霊苑

 

爽やかな気候のもと、午前中に木村様御兄妹による御両親の年忌法要と各尊霊の追善供養を本堂で修業した後、岡部家の追善供養も併せて厳粛に執り行いました。

 

木村家年忌法要 ならびに 岡部家追善供養を修業いたしました

 

 

 

岡部様は常日頃からふれあいパーク霊苑に参詣に来られており、和尚とは長年御法縁を頂いています。宝勝寺兼務住職として就任して以来14年目を迎えていますが、その間多くの方々との御法縁を頂いて来ており本当に感謝申し上げている次第です。

 

アセビの花が 満開を迎えています

 

 

 

 

午後からは松浦建設(株)の中島現場監督並びに文化財建造物保存技術協会の伊藤現場主任とともに現在大安禅寺の襖を修復している石川県文化財保存修理工房を訪ね、修復作業現場を見学させて頂きました。

 

石川県文化財保存修理工房にて

 

 

 

 

工房では鯖江市の市橋建具店主と合流し、梶主任のご案内で視察しましたが、以前見学した時よりずいぶんと修復が進み江戸初期の越前の画家・狩野元昭作の水墨画が見事に復元され心より有難く思ったものでした。今年の9月頃には全ての本堂襖が完成するとの事で今から楽しみにしています。

 

 

 

 

毎日色々な事柄に遭遇しますが確実に進化し続けているように感じます。和尚の年齢的にも後退は許されない状況ゆえに、微速ながら一歩一歩前に進んで行くことに感謝しています。「なにものの おわしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」と詠まれた方がおられますが、本当に同じ心境を感じます。全てが仏縁によって導かれていきますが、多くの御法縁に感謝する今日この頃となっています。友峰和尚より

 

左から 文化財建造物保存技術協会・伊藤現場主任 と 松浦建設(株)・中島現場監督です

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