和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第3806話 】
2024年 01月 18日 談

冷たい雨の降りしきる一日となりましたが、午前中に消防設備点検が地元業者の方によって実施され寳勝寺に引き続き少林寺も点検しました。防火については日頃より特に注意していますが、今回消火器や煙探知機など期限切れの器具を交換しました。また電気配線なども新しいものに切り替えていますが、火災予防対策として最小限の備えは整えています。

 

消防設備点検が行われました / 少林寺の台所にて

 

午前中には本堂で祥月命日忌供養諷経が修業され、法要終了後の火の始末には特に気をつけなければなりません。先日も線香の火から火事になったとの報道が有りましたように、仏壇にお参りした時のローソクの消し忘れや線香が出火原因となる事例が多く報告されていますので要注意です。

 

 

大場家 祥月命日忌供養諷経を修業いたしました

大場様 と 御子息とともに

 

 

本日は(株)ココ・プランニングの中本大資社長が新年の御挨拶に来寺くださり、ご供養に参詣された御家族と一緒に茶礼をしました。中本社長は東日本大震災発生時には東京におられ、ものすごい地震の揺れを体験されたとのこと。和尚は昭和23年6月に発生した福井大震災の年の1月に生まれ、その後、阪神大震災、東日本大震災そしてこの度の能登半島大震災と4度の地震を体験したことになります。福井地震は0歳での経験でしたから覚えていませんが、今回の能登半島地震は今までに経験したことのない大きな揺れを感じたものです。76年の人生で4回もの大きな地震を経験するのですから、もはや日本には安全な場所は無いのかも知れませんね。東海沖地震発生が以後約30年の間に起こるとの予測ですから心配は尽きません。とにかく防災対策はやれる範囲で直ぐに実行する必要があります。この度の地震発生でNHKアナウンサーが「津波から命を守って下さい!直ぐに逃げて下さい!」と何度も叫んだ強い口調が話題になりましたが、更に危機感をもって防災対策に当たりたいと思います。さてまだまだ油断は出来ません!「備えあれば憂いなし」です。少しでも命を守る為の備えをして参りましょう。友峰和尚より

 

(株)ココ・プランニング 中本大資社長とともに

友峰和尚のちょっといい話 【 第3805話 】
2024年 01月 17日 談

ずいぶんと冷え込んだ朝を迎えましたが、路面はしっかり凍りつき駐車場は融雪用の水が流れているため走行が危険なぐらいに凍結していました。この時期、天気が良いと気持ちもすっきりするものです。午前中に境内を見回りして工事現場を確認したあと寺を後にし、一路金沢に向かいました。

 

 

明日から寳勝寺での法務が入っているため今日は移動日となりましたが、石川県では余震が続いていることから防災用具を揃える準備をしたいと思っています。ニュース番組の中では防災用の便利用品を紹介していましたが、防災用具3点セットとしての必需品は「水・簡易トイレ・ラジオ」だそうで、最近では色々工夫された用品が増えているようです。

「災難は忘れた頃にやって来る」の格言に対し「喉元過ぎれば熱さを忘れる」との格言はもはや通用しない近年の自然災害発生ですから、最小限度の防災用品は揃えて置かねばと強い危機感を覚えます。また非常用食品も賞味期限の長いものが沢山あり、こちらも最小限度の品物は保管しておこうと思っています。今なお避難所生活を余儀なくされている方々への支援活動も活発になって来たようですが、極寒の状況の中暖かい環境改善を切に願って止まないものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3804話 】
2024年 01月 16日 談

自室からの景色

 

一転して寒い朝を迎えました。刻々と白山連峰の景色が変わっていきとうとう雪模様となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 雪が降るといっぺんに底冷えしますから体調管理に気を使います。

 

刻々と天気が変わり、瞬く間に雪景色に

 

 

目が覚めて自室のベランダを眺めてみると、なんと動物の通過した足跡が点々と続いていました。その足跡を早速スマートフォンで検索したところハクビシンと判明!どうやら留守中の自室のベランダは獣道になっているようです。

 

ハクビシンと思われる 野生動物の足跡

 

庫裡玄関

 

厳しい寒さの中 本堂で作業される職人さん達

 

午前中に修復工事現場を視察し、作業中の職人さん達を励ましながらぐるりと詳しく見て回りましたが、以前よりずいぶんと仕事が捗っているようで現在は本堂内陣の床工事と大屋根工事が進められており、厳しい寒さの中での作業となっていました。

 

修復工事 現在の本堂内のようす

 

大工師の菊池さん

 

 

 

午後には以前から予約をしていた運転免許証更新に伴う認知症機能検査のため地元自動車学校に出向き、約3時間余りの講習を受け無事に終了し帰山しました。講習を受けられる方は他にもおられましたが、それにしても認知症テストの図柄暗記問題は知恵熱が出るくらいで久しぶりに楽しむ事が出来たように思います。

 

地元の自動車学校にて

 

 

最近はテストなどからは遠ざかっていたため懐かしく学生時代を思い出しました。頭の体操テストは認知症を防ぐためにも必要不可欠であることを再認識した1日となったようです。急激に寒くなりました。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第3803話 】
2024年 01月 15日 談

 

隠寮からの景色

 

昨日は新年初行事の大般若祈祷会と檀信徒総会を無事に終え本日は休息日としました。自坊で過ごす時間を大切にしていますが、悠久の歴史を経た木々に囲まれた境内にはどっしりとした感が有ります。午前中に現在進行中の本堂修復現場の視察に回りながら歴史の重みを肌で感じ取っていました。

 

修復工事現場 / 本堂の内部にて

 

思えば禅修行を終え自坊に帰山して約50年が過ぎましたが、その間、寺院の復興に全力を注ぎ可能な限りありとあらゆる行動を起こし諸堂復興に当たって来ました。振り返れば無我夢中の半世紀だったように思います。

 

時折小雪の舞う寒気の中 粛々と工事が進んでいます

 

 

今は亡き先代・實道住職の悲願でもあった諸堂の修復工事でしたが、昭和23年6月に発生した福井大震災で被災して以来、76年の時を経てようやく諸堂の全面修復工事が現実のものとして進められている光景を先代・實道住職は目を細めて見守ってくれていることと想うものです。

 

 

 

 

 

今回の能登半島地震でも多くの寺院が倒壊し今後の復興が待たれますが、全面復興するには長丁場が予想されるだけに本当に心痛の極みです。「愛山護法」「寺院護持」は住職の一大使命ながら、少子化社会と檀信徒が減少傾向にある今日においてはますます重荷となっています。自坊の修復工事に連動して少しでも寺院の復興にお役に立てるよう今年も頑張って参りたく思っています。友峰和尚より

 

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第3802話 】
2024年 01月 14日 談

地元の広場にて 左義長が行われました

 

まるで早春の到来を思わせるほどの穏やかで良い気候の一日となりました。早朝に新命和尚が導師を務め地元左義長が執り行われましたが孫達も参加したようです。

 

 

午前10時より「新年修正大般若祈祷会」が部内御寺院御出頭のもと、檀信徒とともに一年の無事を祈願し厳修されました。行事の前に檀信徒責任役員総代に年頭の御挨拶をしたのち、新命和尚によって式次第の報告がなされ、修復工事進捗報告と4月14日に予定されている「上棟式」についても詳しく説明がなされました。

 

 令和6年度 修正大般若祈祷会 が厳修されました

 

檀信徒様全員での大般若経転読が行われているところ

 

 

1年間の最初の行事ということで従来は法要終了後「檀信徒新年会」が開催されていましたが、コロナ禍を受けて当面中止となりまたこの度の能登半島地震発生も考慮して静かな新年行事となりました。

 

大般若祈祷会に引き続き 檀信徒総会 が行われました

 

さて昨年の除夜の鐘に続き大般若祈祷会そしてまもなく節分会を迎え、気持ちは否が応でも新しき年に向かって切り替わっていきます。言い換えれば伝統的行事を受け継いでいく事の大切さでも有ります。「一寸先は闇」という諺が示すように、「明日をも知れぬ露の命」が故に、今を大切に「己事究明」に注力し気持ちを常に一新して難事に向かって対応して行かなければなりません。本日は満身の禅定力で御祈祷申し上げました。どうかこの1年、檀信徒皆様のご家庭が平穏無事で有りますよう心よりご祈念申し上げる次第です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3801話 】
2024年 01月 13日 談

JR金沢駅構内 / 令和6年1月12日

 

新年「大般若祈祷会」修業のため自坊に帰山しましたが、帰路の途中金沢駅構内は人も疎らで閑散とした状況でした。例年ですと観光客も含めこの時期は活気に溢れる光景を目にして来ましたが、この度の元旦に発生した能登半島地震の影響で観光客は勿論地元の方々も遠出を控えているように見受けられます。

 

 

被災者の皆様には一時避難として金沢へ移動される方が増えているとの情報ですが、今日は午後より雪模様となり気温もグンと下がっているだけに避難所で生活を余儀なくされてる方々の健康を心配しています。高齢者にとって低体温症は命に関わるだけに、あらゆる暖房器具と身体を温める為の寝具などを支援して欲しいと願うばかりです。

 

 

本日は日頃よりご厚誼を頂いている(株)アイソウシャ会長・中村家の年頭回礼に出向き、社長はじめご家族御一緒に年頭諷経を修し、諷経終了後には久しぶりに中村会長、社長と現況を踏まえゆっくり歓談しました。帰山後は修理保存工事主任・文建協の高木氏ならびに松浦建設(株)現場監督の中島氏から新年御挨拶を受け、その後、今年4月に予定されている「上棟式」の式次第について新命副住職を交え打ち合わせ会議をしました。

 

中村家 年頭回礼にて

 

文建協・高木主任 と 松浦建設(株)・中島現場監督との 打ち合わせにて

 

この度の地震で多くの重要文化財建造物が被災しているとの事で、今後の工事進捗状況にも少なからず影響を及ぼす可能性があります。現在は順調に修復工事が進められていますが、更に緊張感を持って努力して参りたく思っています。明日は早朝に地元の左義長(縁起物のお焚き上げ)で御祈祷が予定されており午前10時より大般若御祈祷会が厳修されます。さて厳しい冷え込みが予想されるだけに、皆様に於かれましてはくれぐれも温かくしてお過ごしください。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3800話 】
2024年 01月 12日 談

気温がいっきに下がり今朝方は3℃と例年の気温となり明日からは雪模様との事、地震被災地で避難所生活を余儀なくされている方々にとっては本当に気の毒に思います。朝のニュースでは金沢市内の各ホテルや行政の運営する住宅などを一時避難住居として確保したとの報道にひと安心しますが、今後の厳しい寒さを思うと一刻も早く実行に移して欲しいと思います。

 

寳勝寺 庫裡廊下にて

 

少しずつ被災者支援のスピードがアップして来た感があります。東日本大震災の時には津波によって広範囲で大規模な災害被害を受け、仮設住宅が建てられるまでには相当な時間が掛かったように思います。今回はその時の経験を受け行政でもスピード感をもって実施されている様子で有難く思っています。まだまだ油断は出来ませんが、今回の地震では前回の地震を受けて耐震補強された多くの家々も倒壊している現状から、今後の住宅建設においても耐震補強の建築構造について更なる工夫が求められているように思います。

 

 

さて明後日自坊の新年行事「修正大般若祈祷会」を厳修予定のため本日は移動日となりました。金沢市内兼務寺院4カ寺とも今回の地震での被害は小規模に留まり安堵していますが、予断を許さない状況だけにいつでも戻れるよう準備をしておきたいと思います。防災対策に於ける大切な事柄は今回の地震体験で大いに学ぶことが出来たように思います。「備えあれば憂いなし」の格言を常に忘れずに準備していきたいと念じています。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3799話 】
2024年 01月 11日 談

 

沙羅双樹 / 寳勝寺境内

 

午前中に葬送の儀が厳修されましたが、現在はこの度の能登半島地震に関連し被災により御逝去された方々の御葬儀が増えつつあります。本当に突然の訃報にご親戚の方も悲痛でやりきれない気持ちの中にあり丁寧に対応しています。

 

クリスマスローズ

 

時間が経過するとともに地震被害の実態が顕わになり想像を絶する状況が続いていますが、金沢市内には自衛隊車両や県外からの救助隊の車両が多く目に留まり、また個人でのボランティア活動は禁止されているものの市内各所に義援金箱が設置され多くの市民が寄進されています。地元のニュースでは特番を組んで現地の悲惨な状況を伝えていますが、日本全国に十分に伝わっているかが伺われます。能登半島の地域によってはいまだに孤立状態の町村が多くあるとのこと、地震発生からすでに11日が経過しているため本当に被災者の健康が心配されます。

 

鹿島建設(株)金沢支店 南部氏とともに

 

午後には鹿島建設(株)金沢支店の南部氏が御挨拶に来寺くださいましたが、元旦より休む間もなく災害復旧に当たっていることでした。多くの困難の中にある石川県ですが、これまでの災害復旧工事の経験を活かして素早い復興を切に願う毎日です。どのような状況下に置かれてもお互いの助け合いと思いやりの心が復興への大きな原動力となることと念じています。友峰和尚より

 

リュウノヒゲ

友峰和尚のちょっといい話 【 第3798話 】
2024年 01月 10日 談

能登半島地震発生から10日が過ぎ少しずつ災害復興への動きが進んできたように思いますが、本日はその災害復旧に当たっておられる(株)豊蔵組の豊蔵享一社長はじめ幹部の方々が卑山霊苑工事施工説明と新年の御挨拶に来寺くださり、地震災害状況などを聴くに及んで被害の大きさや復旧工事の難しさを実感しました。

 

(株)豊蔵組の豊蔵享一社長 と 職員の澤本さん

 

午前中に少林寺総代・中山家の月参りに出向きましたが、諷経終了後にはこの度の元旦地震での体験を話され、生まれて初めて経験する地震の恐ろしさで発生当時は自宅の2階に居たため揺れが大きく逃げる間もなく、ひたすら地震が収まるのを待ったとのことでした。

 

江川顧問 と 香林課長 です

 

午後からは松浦建設(株)の松浦義一会長もご挨拶に来寺くださいましたが、金沢市在住の方の中には能登方面に親戚を持っておられる方も多く、その心配度も並々ならぬものが有り心痛の思いですと話しておられました。現在の金沢市内は余震も減少し生活リズムを取り戻しつつあるように思いますが、地震災害復興に向けての支援の声が広がりを見せている昨今となっています。

 

松浦建設(株)の松浦義一会長 と 職員の方

能登地方の御寺院 建物被害状況を スマートフォンでご覧になっているところ

 

新年の挨拶まわりを含め新年会なども中止または延期を余儀なくされていましたが、こちらも少しずつ復帰しつつあるように思います。引き続き急ピッチで避難者救済の避難所確保が続けられている状況です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3797話 】
2024年 01月 09日 談

1月14日午前10時半より大安禅寺新年「修正大般若祈祷会(しゅうじょうだいはんにゃきとうえ)」ならびに檀信徒年賀会が行われる予定となっており、早朝には地元町内の左義長御祈祷会が行われ正月縁起物飾りなどのお焚き上げが行われます。

 

大安禅寺 地元の左義長御祈祷会 (令和5年1月15日)

 

和尚の修行時代には1月元旦午前3時より3日の朝まで通しで大般若祈祷会が厳修され、大勢の雲水さんが御祈祷中に発する大きな声が堂内に響き渡り荘厳でしかも幽玄な世界が繰り広げられました。3日目の御祈祷を終了する頃には声も枯れ精魂尽き果てた状態になりますが、その時に振舞われる餅雑炊の味が今でも忘れることが出来ません。しかしながら餅雑炊のお振舞いはその後も延々と続き鏡餅が無くなるまで食べ続けるため最後にはギブアップする雲水も出てくる始末! 大変な僧堂生活でのお正月のひとコマです。今振り返ると僧堂時代ほど充実した日々の生活は無かったと懐かしく回顧しています。

 

大安禅寺 修正大般若御祈祷会 (令和5年1月15日)

 

大安禅寺では檀信徒皆様の手によって大般若経典の転読が行われますが大変珍しいことです。全国の寺院では教区内の僧侶が多数参詣して盛大な御祈祷会が修業されますが、現在では僧侶も減少傾向にあり年中行事も縮小せざるを得ない状況となっています。

 

創建以来連綿と続く 大般若経転読

 

大般若祈祷会は仏法を守る神々、天界はじめ寺院を守護する御法の諸善神に感謝し、国家の安寧と檀信徒各家の災難消除・健康安心・家門隆盛を祈願する最も重要な行事となっているだけに、全身全霊で御祈祷申し上げたいと念じています。

 

 

さて本日は桂岩寺住職が年頭の御挨拶に来寺くださいました。住職の話ではこの度の能登半島地震で輪島市、珠洲市を始め多くの地域で各宗派の御寺院も焼失、倒壊したとの報告を受け慚愧に堪えません。また被災された御寺院の檀家様の家も同じ状況下にあり、御寺院の災害復旧会議に出席されるとの事で寺を後にされました。いま何か出来る事がないかを模索する毎日となっています。友峰和尚より

 

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