和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第518話 】
2015年 01月 18日 談

小春日和の今日、久しぶりに金沢市内散策に妻と出掛けました。昨年の3月に「しいのき迎賓館」で個展を開催しましたが、あれから間もなく1年が経とうとしています。日曜日ながら静かな佇まいを見せる建物は、和尚にとって思い出深い場所となっています。しいのき迎賓館での個展をきっかけにニューヨーク州サラ・ローレンス大学内での墨蹟・禅画展を挙行したわけですから、思いもひとしおのものが有ります。食事をしながらの妻との会話は当然ながらその折々の話題に波及していきましたが、つくづく人との御縁を感じています。そもそも「しいのき迎賓館」とのご縁を頂いたのは、その館にお勤めになっている女性の方からの御依頼でありましたし、そのことを契機にアメリカ行きを決断したわけですから、その女性とのご縁がなければ恐らくどちらの個展も開催されることは無かったかと思います。金沢に縁あって4年目の春を迎えようとしている今日、これからも益々、人との縁の広がりを感じています。食事の後は、石川県立美術館を訪ねました。現在「没後400年記念 高山右近とその時代」の展示が行われていました。南蛮美術展に興味があって訪ねましたが、大安禅寺に収蔵されている「南蛮図屏風」がいかに重要であるか、改めて認識したものです。

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美術館内のカフェ「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」にて

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今では年間に約1000万人の外国人が訪れる日本。400年前の当時、ポルトガルよりはるばる船で渡来した外国人に出会った日本人の驚きは、想像以上のものだったに違いありません。和尚の心はいつしか遠き時代に遡って、織田信長や豊臣秀吉、高山右近、徳川家康、千利休達との会話の中に引き込まれていった、妻との休日となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第517話 】
2015年 01月 17日 談

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インフルエンザが年明けから全国的に猛威をふるっています。それだけではなく、ノロウイルス感染も広がりを見せているとか。兎に角、近年はウイルス対策が急務のようです。予防方法としては、こまめな手洗いを奨励していますが、目に見えない細菌ゆえに厄介な話です。和尚自身も昨年、インフルエンザの予防注射を受けたものの、残念ながらその後、風邪をひいてしまい、今に至っても咳が続いています。予防対策は十分にしていたつもりでしたが此の有り様ですから、皆様も十分に気を付けてお過ごしいただきたいと思います。「俺は大丈夫だ!」なんて豪語しておられる方も今は大丈夫でも最後にかかるのが「トリインフルエンザ」ってことにならないようにね。冗談ですよ。節分会を目前にして準備が進められていますが、これとて「鬼退治」から始まった行事。「鬼は外!福は内!」と叫びながら煎り豆を撒くわけですが、まかり間違ってもいけないのは、この「鬼」とは自分の心を指すという事です。「今に見てろ!」「黙ってろ!」「覚えてろ!」などの逆恨みの心が「鬼」と化すのですから、お間違えの無いように願いたいものです。心の鬼を退治しての和合の豆まきこそ「節分会」の本分ですぞ。

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こんな世語が有ります、「恐ろしき 地獄の底の鬼とても 己が噴き出すものと知らずや」ってね。さて、和尚の干支色紙描き、今だに続けられています。「羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹・・・・」なんだか眠くなってきましたZZZZZZZZZZ・・・友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第516話 】
2015年 01月 16日 談

林修先生の「今でしょ!」が流行語大賞となったのは記憶に新しいわけですが、先日、テレビを見ていましたらある60代半ばのおばさまが「もうこの年になると、林先生の今でしょ!なんて言えません。あとでしょ!!」って笑いをとっていましたが、なるほど! ポジティブに考えれば「今でしょ!」ですが、「あとでしょ!」もなかなかに味わいのあるギャグだと思ったものです。と言うのは、加齢とともにすぐには行動できなくなることが多くなりますから、自分のリズムに合わせてとなると「あとでしょ!」の方が、良い仕事が出来そうです。「急いては事をし損じる」なんて諺があるくらいですから、どうやらネガティブ的言葉と受け取られがちな「あとでしょ!」を今年の流行語大賞となるべく皆様使ってみてはいかがでしょうか?「和尚さん、頼んでいました墨蹟、出来ましたか?まだですか?いつ書かれますか?」。。。「あとでしょ!」(ひょうきんに言う)もう一つ、「和尚さん、美味しいお菓子が有りますが、いつ食べられますか?」。。。「あとでしょ!」(声を高くして言う)。。。面白くないですか!? もちろん高年齢の方のみが使える「あとでしょ!」です。和尚も最近になって行動が鈍くなってきましたので、否応なく「あとでしょ!」の方が楽に思えてきました。そんな事をもやもやと思っていましたら、野口美智子様が年始の御挨拶に来られました。流石にこのことだけは「あとでしょ!」っていうわけには行きません。やっぱり「今でしょ!」が正解のようですね。友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第515話 】
2015年 01月 15日 談

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寶勝寺の本堂屋根修復工事が進められている中、今日は新年の挨拶ということで佐藤元治さんが尋ねてこられ、よもやま話に花が咲きました。佐藤さんのお仕事は生命保険の営業部ですが、和尚など生命保険どころかすでに「消費期限」いや「焼却期限」が刻一刻と迫りくる中での出会い、保険より保健の方が大切かもね。話は盛り上がり、究極、営業の秘訣とは「コンパクトにインパクト!」という言葉で結論を見る事になりました。成る程そうですね、セールスのポイントは「短い説明でいかに商品のインパクト」を印象付けるかがカギのようです。このことは人生全般にも言えることで、何をやる上においても「時間を無駄にしないでいかに効率よく働けるか」が日々の充実感にもつながって行くように思います。

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そういえば過去、競走馬に「ディープインパクト」という名馬がいたのを思い出しました。名前の如く実に大活躍をした名馬でした。やはり「コンパクトにインパクト」が事の成否のキーワードのようですね。時を同じくして金沢市役所の歴史建造物整備課の皆様が文化財関係者の方々と工事の視察に来られました。コンパクトな寶勝寺がどうやって今後インパクトを与えることが出来るかと、思わず頭の中を駆け巡った一日となりました。皆様本当にご苦労様でした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第514話 】
2015年 01月 14日 談

新年最初の玄峰副住職の「生き生き法話」が始まりました。地元テレビ局の取材もあり、穏やかな天気のなか観光客の方々も何処か華やいだ感じが見受けられました。旅行ほど楽しいものは有りませんが、その旅先で楽しい法話が聞けるということなれば尚更の事です。

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法話終了後の皆様は満面の笑顔でまさしく「笑う門には福来る!」でワイワイガヤガヤ、何ともかんとも極楽浄土の趣でした。この3月14日に北陸新幹線が開業となりますが、今年に入ってさらにニュースとして盛んに取り上げられています。日本で初めて新幹線が開通したのが1964年(昭和39年)10月1日ですから、41年ぶりにして漸く北陸に新幹線が開通するという実に気の長い話でもありましたが、やはり東京ー金沢間が2時間20分で直結されるというのは本当に素晴らしい事だと思います。これまで、東京都心までは乗り継ぎでしか行けなかったわけで有りますから、あらゆる面で経済効果があるのは言うまでもないことです。簡単に申せば1300万人の御得意先が急遽発生するようなものですね。また、長野県・群馬県とも交流が盛んになると思います。福井駅とつながるのは約6年後だそうですから楽しみに待ちたいと思いますが、現在は金沢市で一足早く活動を始め、6年後の福井開通につなげたいと念じています。交通のインフラは人間の体内血管のようなもので、情報を伝えるための大切なパイプでもあります。電子社会がどれだけ発展してもやはり現地現場に立ってみて肌で感じてみる事が大切だと思います。素晴らしい海と山に恵まれた北陸地方は大都会の人々にとってオアシスの地としてきっと満喫されることと思いますし、また我々にとって世界的にも素晴らしい大都会・東京は未来創造へのエネルギーを貰い受ける事の出来る「マンパワー」の魅力あふれる街であることを思いつつ、今年最初の観光客の皆様を御見送り致しました。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第513話 】
2015年 01月 13日 談

「も~いくつ寝るとお正月~」なんて思っていたら月日はたちまち過ぎ行き、一月も早や中盤に入ってしまいました。さて、皆様に於かれましてはお正月をゆっくり過ごせましたでしょうか? このところの穏やかな気候で和尚の気持ちはすでに春模様といった感じながら、身体は凍結状態で運動不足を補うために日々お掃除を心がけています。また、間もなく節分会を迎えるため、卑山と長らく御法縁を頂いています多くのスポンサー様への干支色紙描きに専念しています。この時期になると、干支色紙も最初の頃とはずいぶん変化してシンプルに描けるようになって来ます。毎年のことながら、絵の変化に自分でも感心するときが有ります。何度も何度も羊の写真を見て研究しながら干支の絵も進化して行くわけですが、羊の絵からの鳴き声が和尚の耳にはっきり聞こえてくるまで頑張って書き続けたいと念じています。皆様、ここまでの絵の変化をご覧ください。

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一枚として同じ物は有りませんね。その時々の心の有り様によって、微妙な筆の線を作り出していきます。羊さんに成り切っての干支の絵描き。今年も良い一年になることを願ってやみません。寶勝寺では、おトイレの工事が始まろうとしています。禅寺では、おトイレのことを「東司」(とうす)と呼びます。東司とはトイレの守護神「烏枢沙摩明王」を指し、昔は「東浄(とうちん)」とも呼ばれていました。

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長らく物置として使用されていたおトイレの場所

寺院に於いて「東司」はとても大切な場所だけに、今後吟味して作って行きたいと思います。健康の源は日々のお通じが重要かと思いますよ。「ごもっとも、ごもっとも」。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第512話 】
2015年 01月 12日 談

AFC2015アジアカップが‏始まった。日本人選手の世界的レベルも以前とは格段の差があるだけに、大いに期待したいものです。‏近年の日本人選手のスポーツ界における活躍は目を見張るものが有ります。‏体力的には世界水準よりやや劣性を強いられてはいるものの、精神力に於いては群を抜いて力強さを発揮してくれますから、本当に応援のし甲斐があります。‏昨日は、札幌スキー場で行われたジャンプ競技で沙羅選手が見事逆転優勝し、ワールドニュースでも取り上げられていました。日本人選手が本番に弱いというトラウマ的評価は今や過去のものとなりつつあるようです。スポーツは勝ち負けがはっきりしているため無条件に楽しめますね。‏勿論の事、スポーツ界のみならず、音楽、芸術、料理、化学、物理などなど、色々な分野で日本人の活躍がクローズアツプされています。応援する側にも力が入りますが、また自分も頑張らねばという気持ちにもなります。

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‏NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の中で、「勉学の向上と努力」についての台詞が印象的でした。「何が故に我々は勉強しなければならないのか!」の答えとして、「いつの日か、自分が国の為に役に立つときがきっと来る、その時のためにこそ勉学の向上を目指して努力するのだ」‏と。日本人の勤勉さこそが、現代の力強い日本国家の根底を成しているのだとサッカーの試合を観戦し応援しながら思ったものでした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第511話 】
2015年 01月 11日 談

「正月」と呼ぶのは”心を正す月”という事からなったそうで、本日10時より開催された「修正大般若祈祷会」の意味も同じくして心を正しく修める祈祷という事になります。大般若経全六百巻を転読するわけですが、檀信徒皆様と共に御祈祷する寺は全国広しといえども卑山のみではないかと思います。7時から行われた町内の左義長(どんどやき)の御祈祷に引き続いての行事でしたが、檀信徒皆様の気合の入った転読は、毎年のことながら有りがたく思うものです。

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午前7時から行われた左義長の様子 / 福井市田ノ谷町

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 大般若祈祷会の様子

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 檀信徒皆様による大般若経転読

大安禅寺に保存されている大般若経全六百巻は創建当初(1658年)の物で極めて大切にされてきただけに、この300年間、檀信徒各家代々に渡って連綿と御祈祷を受け継いでいます。その御利益あってか、愈々本年度より、大安禅寺の諸堂大修復工事が開始されようとしています。「真理を行ずる者には必ず仏天の加護がある」との御利益の結果なのかもしれません。「石の上にも三年」という格言が有りますが、和尚的には「石の上にも300年」といった方が納得がいきます。一年や二年また十年や二十年で物事が成就できるとはとても思えません。先祖代々、長い長い歴史の中で、我々の思いも命も引き継がれていくものだと思った本日の大般若祈祷会でした。

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檀信徒総会ならびに御年賀式の様子

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檀信徒の皆様、本日は本当にご苦労様でした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第510話 】
2015年 01月 10日 談

今年成人式を迎える新成人数は126万人で、昨年より初めて5万人多いそうです。このところ少子化問題がクローズアップされている中での増加報告ですから少々嬉しいニュースという事でしょうか。「子は国の宝なり」ですから、国の未来を担う大切な若者でもあります。

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それにしても、まだまだ人口増加現象には程遠い数字で、和尚の生まれた昭和23年は300万人を超えた時代、いわゆる団塊の世代といわれる時代で、数が多いことはやはりお互いに「切磋琢磨」した時代でもありますから、「活気世代」でもあったと思います。何かと最近は「コンパクト社会」と言われ続けているようですが、これも少子化に端を発しての言葉なのかもしれませんね。さて、126万人の成人を迎える皆様にはこころからお祝い申し上げたいと思います。長い人生の中で最も大切な儀式でもあり、社会人として大いにご活躍くださることを切に願いたいと思います。

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大安禅寺の御本尊 聖十一面観世音菩薩立像

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修正大般若祈祷会にて転読される、歴史有る経本

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大安禅寺の方では、明日は修正大般若祈祷会が開催されます。この一年の無事を心を込めて御祈祷申し上げたいと念じています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第509話 】
2015年 01月 09日 談

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金沢市野町の少林寺様の本堂をお借りして、寳勝寺檀信徒様よりお申し出のありました新年のご先祖供養とご祈祷を致しました。返す返すもご先祖様の御供養ほど大切なものはないと思います。じぶんが今日あるのは偏に祖先の御徳のおかげと、ただ感謝あるのみです。ご供養の意味は多義にわたると思いますが、究極「報恩謝徳」に尽きると思います。長いようで短い人生、日々無事に過ごせたならば、これはもう父母並びに祖先の恩のおかげとしか言いようがありません。

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少林寺御奥様との新年のご挨拶 / 少林寺応接間にて 

「おかげさま」の心をご供養を通してご先祖様にお伝えするのが「ご法要」です。ところで生前にどれだけ父母に感謝できたかと言えば本当に冷や汗の出る思いがします。だれもが思い当る事だと思いますが、歳を重ねて漸くわかる父母への感謝の思いなのかもしれません。最近、今は亡き両親の位牌の前に立ち「ごめんなさい、ごめんなさい」「口答えばかりしてごめんなさい」と反省の弁仕切りの和尚の日課。無言のままの両親の遺影なれど何処か微笑んでくれているように思えるこの頃です。友峰和尚より ・・・・(それはあなたの思い込みというものですよ!母より)

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