和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第774話 】
2015年 10月 01日 談

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浅野川 (写真提供:金沢市)

今日から10月! 昔の暦では神無月と言いますが、やはり九月とはどこか境内の趣も違って「嗚呼!今年も残り少なくなって来たな~…」なんて実感するものです。午前中は檀家様の月諷経に出掛けましたが、金沢市内の観光地は相変わらず混雑していて、しばしば車の渋滞に巻き込まれる始末。そんな事も有ろうかと早めに出発したのが幸いして約束の時間にはお家に着く事が出来ました。浅野川周辺は犀川とはまた違った風情が有り、特にいま観光地として全国的にも有名になったひがし茶屋街から主計町茶屋街にいたる町並みは、昔の趣をそのまま残しているとても素敵な観光スポットです。

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ひがし茶屋街 (写真提供:金沢市)

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主計町茶屋街 (写真提供:金沢市)

その主計町茶屋街から数百メートルの所に住まわれているお宅にお伺いしたわけですが、昔ながらの小路が幾本も通り、タイムスリップするかのような歴史の重みを十分に感じ取る事の出来る風景で、和尚もこれからは努めて、今までに行った事のない金沢市内を散策したいと思ったほどでした。諷経を終えて寶勝寺に戻る道中も、町の名前を頭に刻みながらの運転でした。昔から伝わる町名はとてもいいですね!一見してその場所がなんであったかが分かりますから、福井市などもこれからはどんどん昔の町名に戻して欲しいと願ったものです。生活の匂いを今に届けてくれる町並み・歴史をもっともっと大切にしてほしいと思った、今日の月参りでした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第773話 】
2015年 09月 30日 談

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寶勝寺ホームページ総閲覧者数がこの2年間で8万人を超えましたが、本当に有り難い事です。じわじわと水が浸みて行くが如くに人との縁の広がりを見せることは、住職としてこの上ない喜びでも有ります。連日の悲しむべき事件事故のニュースを見聞きしていますと、やはり現代社会には、若者たちの心の拠り所となる場所が少ないような感じを受けます。大安禅寺などは檀信徒方々と密接なつながりを持っている為、幼少期から子供達がお寺に遊びに来て、和尚と多くの仏縁を結ぶことが出来ます。また、成人してからも突然訪ねて来たりして、近況報告に華を咲かせ、無事であることを確認できたりもします。色々な意味で寺院の持つ役割は重要ですが、寺離れの加速する今日、寺院を預かる住職自らがあらゆる工夫をしながら、若者たちが集うお寺を目指して寺院活性化に尽力して頂きたいと願ってやみません。

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来月の3日(土)4日(日)には大安禅寺で「ザ、フェス」と称して多くの若きミュージシャンが集う音楽祭開催が予定されていますが、副住職の祈祷とお話もあり、大いに盛り上がって頂き、お寺の枯淡な雰囲気を堪能して欲しいと思います。「心の安らぎ」とは自分の心の故郷に触れる事でも有りますから、お寺と常に仏縁を結ぶことが即、安心につながると和尚は思います。いつもぶらぶらしているように思われがちなお寺の和尚さん!結構、間に合いまっせ!使わなそんそん(尊,尊)!ですわ! 金沢寶勝寺にも、福井の方から訪ねて来られる方が少しずつ増えてきました。仏縁の広がりを見せ始めた「太白山寶勝寺」、今後ますます地域の人とのつながりをも深めて行く「出会いの寺」を目指したいと念じています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第772話 】
2015年 09月 29日 談

九月もあと1日を残すのみとなりましたが、皆様にはお変わりなくお元気にお過ごしでしょうか? 季節の変わり目でもあるので、健康には十分に気を付けて頂きたいものです。10月は各地で体育祭が催される月。身体強化の月と心得て日々ウオームアップして行きたいものですね。

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近年はテレビや新聞・雑誌に至るあらゆる面で健康に関する広告が目立つようになって来たかと思います。敬老の日に発表されましたように、65歳以上の高齢者が三千万人を突破した日本社会。60歳を過ぎると筋肉も急激に衰えはじめるそうで、ウオーキングやストレッチが欠かせない日々の日課となっています。植木等さんの歌に「わかっちやいるけどやめられね~」という文句が有りますが、「やめられね~」では無く「わかっちゃいるけど、やれね~」というのが本音で、日増しに老いを感じる高齢者にとってまず精神面でのトレーニングが求められているようです。さて、今日も素晴らしいお天気の中、和尚もウオーキングを兼ねて買い物に出掛けました。今までは犀川沿いグリーン地帯をウオーキングしていましたが、今度は街なかショッピングセンターウオーキングに変えました。色々な品物を見ながら歩くのも結構楽しい「脳トレーニング」となって一石二鳥の感が有ります。「来年の健康体づくりは十月に有り!」そう心得て、日々の運動に心掛けて参りたいものですね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第771話 】
2015年 09月 28日 談

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それにしましても昨晩の満月は実に美しく、いつまでも眺めてしまいました。お月さんのまわりには更に赤い光が後光のように輝き、まるで御仏を拝んでいる様な心境になったものです。今日も青空の広がる良いお天気となりましたから、再び、昨日よりもいっそう大きなスーパームーンを観賞することが出来ました。此のスーパームーンですが、見た目が通常より1.14倍大きく見えるそうですよ。

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坂本九ちゃんの歌に「見上げてごらん、夜の星を・・・」というのが有りますが、やはり壮大な宇宙に広がる無数の星を眺める事も気分転換になるものです。最近は街全体が照明器具で明るいため星も良く見えませんが、和尚など山の中に住んでいますから、時折、深夜に散歩に出て空を見上げますと「星が降って来る」という感覚を体験できます。言い換えれば、星の河の中に自分が流されていくような感覚ですね。大変に気持ちの良いものです。さて、中秋の名月と巡り合うことが出来、大満足の気分で二日間を過ごしました。「奢るなよ 月の丸さも ただ一夜」って、誰かさんが一句詠んでいましたが、欠けて行く月もまた風流だと和尚は思います。皆さん頑張って参りましょうか! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第770話 】
2015年 09月 27日 談

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「月々に 月見る月はおおけれど 月見る月は この月の月」 今日は「中秋の名月」の日。明日はお月様が最も大きく見えるスーパームーンの日。いまどき「お月見」なんて言ってみても誰も反応しない時代なのでしょうか? いえいえ、そんなことはありませんよ。お餅屋さんでは、月見団子と称して色々な団子が並べられていました。

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この時期のお月様は格別な風情が有りますね。和尚もこれまでに海外の色々な場所でお月様を眺めましたが、やはり日本で見るのが一番美しいと感じるのは何故でしょうか? 恐らく日本は山岳国家で、四季の美しい国だからかも知れません。

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お月見をする時には欠かせない「ススキ」「お団子」「お神酒」の3点セット。いったい誰がこんなことを考え出したのでしょうか? いづれも神様を迎える為の必需品ながら、実に美しい飾り付けとなりますから不思議なものです。日本でのお月見はきっとずいぶん昔から今日まで続けられて来たことなんでしょうね。幸いに良いお天気に恵まれた本日、中秋の名月を拝みながらしばしタイムスリップして、ロマンの世界に心を遊ばせたいと願ったお月見となりました。友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第769話 】
2015年 09月 26日 談

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昨晩は副住職が留守の為、久しぶりに金曜坐禅会に出ましたが、あまりの女性参加者の多さに驚きました。20年前には1人か2人でしたが、今では男性を追い抜くほどです。なるほど今の世の中は女性の進出が各所に目立つ時代ですから、当然の現象なのかも知れません。此れまでが閉塞感を味わってきたに違いない女性社会、大いに頑張ってトライして頂きたいと思います。今でいう「禅ガール」皆さんの真剣な坐禅への取り組み方に和尚も心を打たれましたが、この時期の坐禅は実に気持ちの良いものです。その気持ちよさを一晩持続させた本日は再び、墨蹟三昧の一日となりました。

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今日の書題は「佛心」でした。このような神聖な字を書く時にはやはり精進してから書く必要があると思っていましたら、幸いに昨晩の坐禅会に参加できたおかげで、大変気持ちよく書けたものです。字を見ているだけで清々しい気持ちになる、そんな「佛心」の書になりました。

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これでようやく、依頼されていた墨書が総べて完成しました。さっそくに斎藤表装店の斎藤公一氏が作品を取りに来てくれました。今度は表具の完成が待ち遠しい日々を過ごす事となりそうです。「苦あれば楽あり」ですね。友峰和尚より

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斉藤氏とともに、作品を選定しています。

友峰和尚のちょっといい話 【 第768話 】
2015年 09月 25日 談

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「温故知新」

雨だれの音が心地良く感じる本日、夜には金曜坐禅会が予定されています。そもそもお寺の行事に参加されるというのは何らかの御利益を願って参詣される方が多いと察しますが、こと坐禅に於いては古来より、長く修練を続ける事によって確実に「六神通」が身に着くと言われていますから大いに参加して頂きたいものです。「六神通」の詳しい説明はインターネットでの検索や辞書を引いて調べて頂きたいのですが、簡単に言えば、「毎日の生活が縁に従ってスムーズに流れ、幸せな気分で日々を過ごすことが出来る神通力」を修得できるとでも言いましょうか。

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「直指人心 見性成佛」 / 「今日無事」

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「喫茶去」

例えば今日なども、朝から墨蹟を書こうと準備をしていたところに前々から申し込まれていた方がひょっこり来られたりする現象は、「天耳通力」または「他人通力」だと思います。和尚の「縁」に引かれるように当事者が現れることを言うのですが、坐禅をしたことが無い方でも、誰もが平生に経験するこのような不思議な出来事はみな「六神通力」の作用からなのだと思います。人間の持つ潜在的な神通力をはっきりと自覚出来るようになるのが、「坐禅瞑想による無作の妙用」の働きなのではないかと思います。坐禅の究極は、「漏尽通力」を得ることに有るのかも知れません。そんな素晴らしい神通力を修得できる坐禅です。大いにご参加ください!!「坐禅坐禅と言わしゃるけれど 腰の根太が痛うござんす!」 朝打三千!暮打八百!友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第767話 】
2015年 09月 24日 談

お彼岸明けの境内一帯はどこまでも穏やかで、静寂世界そのもので、悠久の歴史を感じさせる建造物群さえも重厚な趣を見せているかのようでした。彼岸・放生会が済むと一気に秋が深まって行きますが、寺を取り巻く山々の木々もうっすらと紅葉を始め、全山が真っ赤に燃えるような風景となるのもそう遠くはないようです。昨晩は「ラグビーW杯・イングランド大会 日本対スコットランド戦」をテレビで鑑賞しましたが、誠に残念ながら敗戦したとはいえ今や日本のスポーツ界は活気に満ち満ちている感が有ります。

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近年の日本人の体格も世界と引けを取らないほどに逞しくなってきており、特にアスリート界の女子達は筋力や精神力に於いても世界のトップクラスに位置しているようです。5年後の東京オリンピック開催に照準を合わせるかのような見ごたえのある戦いが繰り広げられていることは、本当に頼もしくも有り、観戦にも熱がこもるというものです。日本のラグビー界はサッカーブームに圧されていた感がありましたが、今後は再び人気を博してくるものと実感した今回の戦いぶりでした。何はともあれ、一所懸命集中して戦っているスポーツ選手の姿は極めて気持ちの良いものですね。文句なし!!ですよ。試合には負けたものの、日本の選手に盛大な拍手が送られていたシーンこそがスポーツの醍醐味ではないでしょうか。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第766話 】
2015年 09月 23日 談

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御詠歌奉納

秋晴れとなったシルバーウイーク最後の本日、大勢の参詣者を迎えて「秋季彼岸会」と「放生会」の法要が大安禅寺で厳修されました。堂内に吹き込む秋風は銀木犀の香りをも運んできて、お参りの方々の焚く香の香りと交じってまさに「アロマ寺ピー」的、効果抜群といった処でした。

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今年最後の卑山年中行事だけに、早朝坐禅に挑んでの法要参加となりましたが、無事に修行されて安心いたしました。近年の寺院を取り巻く環境は全国的に大きな変化を見せ始めています。最近マスコミなどで盛んに取り上げられる事もその一因になっているようですが、いつの時代に於いても人間の「こころ」の問題は未知なる世界で有る為、いかなる状況でも「泰然自若」とした対応が求められていきます。ある意味、若者達がお寺に関心を持って頂けるチャンスでもありますし、また各寺院の伝統的仏教布教の正念場ともなっているようです。戦後70年を経て我が国の政治の世界も大きな転機を迎えようとしていますから、今後はあらゆるジャンルに於いて変化や改革が求めれらる時代なのかも知れませんね。

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施餓鬼棚の下に設けられた池の鯉に、参列者が水を注いでいる様子

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皆様に、お供えされたお餅をお分けしているところ

そんななかに有って、歴史の持つ重要性がクローズアップされています。「伝統的継承とは一体、何なのか?」「その重要性とは、何処に有るのか?」など、我が寺の年中行事の修行を通して次第に明確に自覚する今日この頃です。さて、シルバーウイークもあっという間に終わりましたが、深まりゆく秋の風情を大いに満喫しながら皆様のお元気と共に頑張って参りましょう! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第765話 】
2015年 09月 22日 談

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大安禅寺にて 彼岸会のお餅搗きのようす

明日のお彼岸会準備のため、多くの檀信徒世話人と共にお供え物の御餅つきをしました。孫の手も借りながらの小餅づくりでしたが、お手伝いの奥様方との会話も弾み、同じ餅でもこちらは世間話や孫の話題で「もちきり」でした。兎に角、いつもながらの和気藹々の時間が過ぎて行くなかで無事に終了しました。

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何かと近代化が進む今日ですが、お寺だけは今でも釜戸を使っての台所作業で、開始早々に煙突掃除の不備で薪が上手く燃えず、まずは煙突掃除をする羽目になりましたが、こんなところがなかなか面白いレトロの部分かと思いました。何もかもが支障なくスムーズに事が進む文明社会であるが故に、一度事故が発生しますと全てがストップしてしまいます。特に電化が進んだ近代建築は、停電など起きようものならほとんどの器具が使用不能に陥ります。トイレや台所器具はたまた空調器具に至るまで使えなくなり不自由を強いられる災害地での映像シーンをしばしば拝見していますと、結構レトロな生活も意義が有るのかも知れませんね。

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今の生活と違って昔むかしの生活の利点は何であったのだろうかと考える時、やはり人とのコミュニケーションの多さが一番重要だったと想像します。小さな子供からお年寄りに至るまで、皆が参加しての作業は互いの会話が大いに弾む場であったに違い有りませんね。昨日の新聞に、「シルバー連休中に言葉が無い家庭は危ない!」なんて記事が有りましたが、偏に文明の発達が人間社会を崩壊させていく誘因になっている事だけは間違いのないようです。孫達や嫁、そして檀信徒世話人皆様との会話が何よりの安らぎの一時であることを有り難く感じた彼岸会前日のお寺の風景の一コマでした。友峰和尚より

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