和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第903話 】
2016年 02月 07日 談

今日2月7日は聖徳太子がお生まれになった日だそうですが、日本の新しい国造りを目指して二十歳の時に天皇を助ける摂政(せっしょう)に就き、十七条の憲法を制定したと伝えられています。その第一条が「和をもって貴しとなす」で、あまりにも有名な言葉です。この2月11日に建国記念日を迎えますが、日本の未来の国造りの指針として「和をもって貴しとなす」の精神を心の原点にして頂きたいものです。

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世界的に見て小さい国ながら今日まで発展を続けて来た日本、その根本には「和の精神」が国民に浸透してきたからだと思います。「和」の言葉の意味の裏には「忍耐」が有りますが、世界のどの国よりも辛抱強い国民であると自負するものです。和尚が思うに、我々禅宗の修行もまた、己事究明の際には厳しい忍耐の行が求められます。ひと口に忍耐と言っても想像を絶するほどの精神的にも肉体的にも過酷なものですが、その状況の中にあって初めて「和」の精神が体得されていきます。我が国は古来より農業を主体として国家を支えて来た経緯が有りますように、国造りの根本精神は農業育成に有り!と和尚はいつも思っています。さて、今年のテーマは「温故知新」ですが、村々のおんちゃん・おばちゃんから学ぶことの大事さでも有ります。「和」の精神は、村の長老の皆さんの心でも有るように思う今日この頃です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第902話 】
2016年 02月 06日 談

桜島が再び噴火した二ュースが伝えられましたが、今日はまた台湾での大地震のニュースが飛び込んできて、どうも地底ではマグマが活発に活動しているようです。一時期は富士山の噴火が騒がれましたが、ここに来て再び信憑性を帯びて来たようです。そんなニュースの中、和尚は締切日が迫った全文連「文化財通信 100号」に掲載される原稿書きに終始しました。

DSC07068 (500x373) 大安禅寺の建造物 2007年発行「大安禅寺伽藍」より

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大安禅寺の伽藍はその多くが重要文化財の為、地震災害が一番心配されるわけですが、過去には昭和23年6月に発生した福井大震災で被災しており、現在は大規模な修復計画が進行中で、このところの度重なる地震が心配されます。原稿を書きながら思いましたが、福井大震災の震源地は丸岡地区で、卑山から近いにもかかわらず建造物の倒壊を免れたのもその地盤に有ります。大安寺山を通称「岩山」と呼ばれているように、硬い岩盤で出来ている為にかろうじて倒壊から免れたわけですが、やはり、江戸時代の当時にあっても建物を造る際にはずいぶんと地質調査がなされたことと思います。それが福井藩の永代菩提所となれば尚更の事です。

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最近は色々な場所が開発され、次々に集合型住宅が造成されていますが、住宅などを新築される場合には十分な地質調査が必要かと思います。今後も重要文化財を維持管理して行くためには何が必要なのか、またどうしたらよいのか、色々思案しつつ原稿を書き上げたものでした。もはや火山国家日本!に於いて、何処に住んでいても危険と隣り合わせならば、建造物の耐震補強工事が今まで以上に必要だと感じた今日のニュースでした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第901話 】
2016年 02月 05日 談

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「友、遠方より来る また楽しからずや!」 高校卒業後50年ぶりの再会で、高校時代に所属していた美術部の後輩・竹内さんが訪ねて来てくれました。彼は長く東京でデザイン会社を経営していたそうですが、故郷の福井で余生を過ごそうと一昨年帰省したとか。なんて言ったって50年ぶりの再会ですから思い出すのに必死でしたが、話しているうちに次第に当時のことが蘇えってきました。最近どういうものか、突然高校時代の同級生や後輩が訪ねて来ることが増えています。その原因は昔を懐かしむに年相応となったのかも知れませんが、旧友と再会するのは本当に嬉しいものです。60歳半ばと言えば、一般社会に於いては殆どの方々が現役を退いていますから、昔を懐かしむのも当然だと思います。

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そんな日に限って妙に来客も増え、午後からも楽しい歓談のひと時を過ごすことが出来ました。成る程!加齢と共に身体の動きは鈍くなり、口だけが達者になるとは将にこの事です。立春を過ぎて、なんだか心もウキウキして来たような気がします。春の到来は多くの人達との出会いの季節でも有るようですね。「友、遠方より来る また楽しからずや」 とても響きのいい言葉です。小鳥たちのさえずりも、このところ一層力強くなって来たように感じます。本日は御来寺頂き、心から御礼申し上げます。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第900話 】
2016年 02月 04日 談

IMG_5349 (500x334)2016年「節分会」 ご祈祷のようす

立春を迎えましたが皆様お元気にお過ごしでしょうか? 昨晩開催された「節分会」には、地元をはじめ福井市内からも大勢の善男善女が参詣され、盛大な祈祷祭となりました。大勢の子供達がはしゃぐ甲高い声を聴いていると、心から嬉しく安心するものです。

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大型スクリーン画面を使用した紙芝居 「小僧の地獄めぐり」を上映

北陸のどんよりとした空の、長い長い冬期間に有って、少しでも地元の人達の心の解放と仏縁を願って始めた「節分大祈祷祭」もやがて三十年になります。その間、色々と工夫を凝らしながら続けてきましたが、今では地元の恒例行事としてすっかり定着した感が有ります。節分会は親子参加の祭りで有り、お寺との縁を結ぶチャンスでも有ると同時に、行事の中に子供向けのアトラクションを取り入れた布教活動も合わせて行ってきました。昨晩はシンセサイザーと大型スクリーン画面を使った紙芝居「小僧の地獄めぐり」の劇もあり、参加者の皆さんには大変好評でした。

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たくさんの子供達とともに

お寺の行事では一年を通して布教活動が行われているわけですが、とりわけ「節分会」は宗派を問わず、誰もが参加できる仏教行事として親しまれています。祈祷祭後の福引大会にも、お寺に日頃ご縁を頂いているスポンサー各社皆様からの御協力を得て景品などの御寄進を頂き、感謝しています。

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福豆まき と 福引大会  のようす

「福は内!福は内!」の大歓声と共に節分会を終え、無事に四節気の一つである「立春」を迎えました。さて、今日は午後より運転免許証の更新に行き、こちらもまた一新しました。もちろん和尚は優良運転者ですから30分で講習も済みましたが、流石に節分会明けということで「最優良模範運転」で帰山した事は言うまでも有りません。「無事是貴人」本当にそう思いました。何もかもが「無事」であることが一番大切だと思います。 まずは「安全運転」を心掛けながら、春の到来を心から喜びたいと思います。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第899話 】
2016年 02月 03日 談

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今日は節分会! 厄年を迎えられている方々は是非ともご参加いただきたいと思います。節分会の「節」は、一年を二十四節気とし春夏秋冬の最初の節気である「立春」を迎える前日を特に重視して、古来より「追儺(鬼やらい)」としての行事が今日まで続けられて来ました。

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厄年に於ける厄払い祈祷などは迷信のように思われがちですが、一年を二十四節気に分けたように人間の身体もまた自然界と同じく十年毎に節目を迎えるようですから、厄年には前厄・後厄を含め三年間は日々の精進が大切のようです。まずは厄払いの御祈祷を受けて頂き、「無心無我の大安心」の御利益とともに「報恩謝徳」の念を自覚して頂きたいと願っています。

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皆様もお気づきかと思いますが、新聞やテレビのニュースで見るかぎり、どうも厄年の方々が圧倒的に多く事件事故に遭遇されてるように思われます。それは偶然の出来事なのでしょうか? 人間の身体はあくまで大宇宙からお借りしている借り物ですから、当然、自己管理が求められています。厄年は自己の身体の節目でも有ると考えて、心身共々、いつもより慎重に日々の生活を規則正しく過ごして行くことが大切かと思います。今日を元気に暮らしていることに対して、感謝と真の心を念じるのが「節分会」だと思います。和尚も全身全霊で「節分大祈祷会」に臨みたいと思います。福は内!福は内!福は内! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第898話 】
2016年 02月 02日 談

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大安禅寺の渓谷一帯を包み込む空気の中に春の匂いが漂っていて、心がウキウキするものです。それは実にデリケートな感覚で、山々に雪の残るまだ肌寒い環境ながら、春はもうすぐそこまでやって来ています。こんな贅沢な気持ちを味わえるのも、悠久の歴史を経た霊地の佇まいの中に有っての感覚なのかも知れません。和尚は今「街中の寺と山中の寺」を行き来する生活を送っていますが、今までに味わったことのない味わい深い禅風を感じ取っています。どちらも四百年の歴史を有した禅寺ながらその禅風は全く違った形で、人それぞれに個性が違うように、建物も又それぞれの特質を有しているようです。さて、愈々明日は節分会です。本日の午後からは和尚も心を込めてご祈祷を致しました。御祈祷の意味合いとは総じて「感謝の真」を捧げるものです。人々は様々な願いごとをして、それが成就することを期待するものですが、一番大切なのは「今まさに健康でいる自分に感謝」することです。「健康で有れば何でもできる!」「自分に出来ないことは無い」、ご祈祷とは静かに自分を見つめ、神仏の御加護によって「本来の自己に戻る」という事でしょうか。 和尚の読経と参詣者のこころが一体となり「無心無碍」の世界に導かれる時、願い事が感謝の心へと変わり、やがてその思いが成就の道へと誘われていきます。ご祈祷はまさに、全宇宙の法力をもって人々の難事を救済していくものです。

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昨年の節分会 ご祈祷のようす

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明日の大祈祷会に是非ともご参加ください。がらりと気持ちを入れ替えて立春を迎えましょう!「鬼は外!!」「福はうち!!」皆さんのご参加をお待ち申し上げております。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第897話 】
2016年 02月 01日 談

小雪の舞い散る寒い寒い朝を迎えましたが、雪が降る朝は流石に寝床の中にいても肌に冷たさが伝わって来るものです。暦の上ではまもなく立春を迎えますから、大雪の心配もなくなり何となくホッとしています。大安禅寺では2月3日の夜に行われる「節分会」の準備に追われているとか、一年の干支も立春を迎えて替わりますから、今はまだ年末ということになります。実に昔の人々は、日々のより良き生活の仕方について暦を中心に深く考え、知恵を絞って過ごして来ました。現代社会のようなスピードと効率を追い求める生活になると、一日一日の大切さが疎かになってしまう危険性が有ります。所謂心の整理がつかないまま、惰性の如く日々を過ごしてしまうという感覚です。

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古来からの祭事は、一年365日を人間の一生と心得て、十二ヶ月間をどのような心構えで過ごしていけば良いかを暦に添って教えてくれています。新年の「お正月」は「心を正す」という意味。一月は「睦月」で「仲睦まじく」の意味。節分は春夏秋冬の四節期をいい、特に2月3日は立春を迎える前日ということで「鬼やらい」として厄年を迎える方々の「厄払い祈祷祭」が古来より行われて来ました。このように、大晦日に始まり除夜の鐘-新年参賀-左義長祭り-大般若祈祷祭-節分会というふうに気分を一新させながら、新たな人生を歩む為の心の準備がなされていきます。禅語に「日々新たなり」と有りますように、「一期一会」の理(ことわり)を自覚する事の大事さを教えています。

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さて、かかる意味からも、今年は寶勝寺でも坐禅会を是非発足させたいと思い、卑山檀信徒で花園会長の北條直敬様と坐禅会立ち上げの相談をさせて頂きました。4月頃から開始したいと思っていますので、皆様是非ご参加ください。日時などはホームページでお知らせしたいと思っています。「坐禅に来たれ!!」友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第896話 】
2016年 01月 31日 談

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一月晦日、快晴の日曜日です

昨晩から本日深夜にかけて戦われたサッカーアジアカップU23決勝・韓国戦は、見ごたえのあるすごい戦いでした。前半戦は韓国が1点をリードして後半戦を待ったわけですが、前半を見るかぎり韓国選手のスピード感あふれる力強い戦いであった為に、後半戦はあまり期待できない状況にも思われました。和尚も応援のためにせっかく深夜まで起きていたのだから、後半も更に最後まで応援パワーを送ろうとテレビ観戦を続けましたが、終盤の逆転劇はまさに値千金の見事な勝利であったと感動しました。

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境内の白梅の木

選手の活躍もさることながら、手倉森監督の采配が勝利に導いたわけで、監督采配の力を見せつけられた試合でも有りました。監督の期待に応えた浅野、矢島、豊川選手の活躍も素晴らしかったと思います。それにしても、監督より指名を受け、その期待に応えようとしている選手は、顔つきが違いますね。浅野選手の顔がクローズアップされた時には、「浅野はやってくれる!」という気迫を映像からも感じ取ったほどです。案の定、後半の残り少ない時間の中で2点ものゴールを決めるとはまさしく「天晴れ!天晴れ!」でした。まもなく「リオデジャネイロ五輪」が開催されますが、またひとつ観戦の楽しみが増えました。日本のアジアカップ優勝は、日本全国民に大きな喜びと希望を与えてくれた「若人達の力」でした。

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大満足の中で久しぶりにぐっすりと眠ることが出来た日曜日深夜の出来事でした。皆様はどのようにお過ごしでしたでしょうか? 深夜の2時!夢の又夢の中におられましたか? さて、明日より二月を迎え、まもなく立春です。もうすぐそこまで春がやってきているようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第895話 】
2016年 01月 30日 談

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「 心外無法(しんげむほう)」

寒の戻りで今日から再び荒れ模様という予報でしたが、終日穏やかな良いお天気となりました。天気が良いとなんだか心まで穏やかになるもので、特に今日は重要な会議が行われた為、たまには良いほうに予報が外れるのもいいものです。いつもでしたらこの時期は猛烈な寒波に襲われるだけに、一日でも穏やかな天気に恵まれれば極楽!極楽!です。

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立春を目前にして、和尚的には今年一年の計画を今いちど吟味している毎日ながら、伝え聞くニュースのバリエーションの多さに驚くと同時に自分の気持ちを引き締めています。お寺にいると実に相談事も色々ですから、世の中の出来事となるとより難題が多発するのもうなずけます。またそれらの事象を一つ一つ吟味してみれば、やはりそこには人間の計り知れぬ煩悩が渦巻いて生じる因果の結果のようです。この事を仏教では「因果応報」と説いていますが、この世の出来事は一つとして因果の法を離れては存在しない事が良く理解できます。昔より「何にも思わぬは仏の稽古也」とは申せ、自分の心を滅するもまた難しい事ですね。このようなお話をするのも、今日の午後に行われた「寶勝寺ふれあい霊苑パーク会議」を通して思ったことです。

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「十人十色」と言われるように、人みなそれぞれに考えも意見も違いますが、唯一「仏縁」だけが皆の意見を同じ方向へと誘(いざな)っていきます。実に摩訶不思議です。心の計らいを止めて「不昧因果(ふまいいんが)」、因果をくらまさずの心境で有ることの大切さでも有ります。「心は萬境に隋って転ず 転処実によく幽なり」という禅語が有りますが、相手の心とひとつになって行くとき、すべての事柄が良き方向に向かっていくことを思うものです。一月は「睦月」です。皆んな仲睦まじく過ごして参りたいものですね。会議に参加された皆様には大変ご苦労様でした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第894話 】
2016年 01月 29日 談

「見ざる 言わざる 聞かざる」で有名な三猿の彫り物が栃木県・日光東照宮の建物に飾られており、いま観光客の人気を呼んでいるそうです。勿論、今年が申年ということもあっての注目度だと思いますが、あの有名な彫刻師「左甚五郎」の作なれば尚更の事だと思います。それにしましても年明けより今日までの間、次から次へと大きなニュースが報道されているわけですが、どれも「見ざる 言わざる 聞かざる」で済まされない事件事故、それも政治・経済・スポーツ・芸能・一般に渡る広範囲での問題だけに、これから何が起こるか心配されます。

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ゥキーッ

そもそも申年の「申」の意味は前にも言いましたが「伸ばす」また「稲妻」を表し、樹木の果実が熟して行く状態の時期で、十二支の中でもとりわけ運気の強い干支でも有るわけですが、この一年で最も影響するのが7月、また「丙(ひのえ)の申」ということで稲妻の力も大きく、今年の7月は要注意の鬼門の月となりそうです。今年の7月と言えば国政選挙で、8月にはオリンピックが予定されており、一体何が起ころうとしているのでしょうか? 心配していても仕方ありませんね。キーワードは「金(申)」と「火(丙)」と「光(稲妻)」ですから、お互いに相克を意味し、結果「争いの年」と出ます。このような年回りを乗り切るための知恵としては、「お互いに辛抱しながら争い事を避ける」が肝要かと思います。ブログをご覧いただいている皆様!「君子、危うきに近寄らず」です。

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やれやれ・・・

さて、明日からまた北陸地方は寒くなり雪模様の毎日とか。何もかもが真っ白に覆い尽くされた雪景色の大地を見るのも心が落ち着くものですね。友峰和尚より

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