和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1157話 】
2016年 10月 18日 談

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10月も中盤を過ぎましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 思考の秋!悩める秋!なんとなく郷愁を覚えるのもこの時期です。今日は寺カフェはお休みでしたが、卑山に隣接するお家の庭の立ち木伐採の為、朝一番に御祈祷諷経をしました。

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御家の方に引き続き、㈱豊蔵組の担当者の方もお参りをされました。

どのようなものもそうですが、その物体には精霊が宿っているため丁寧な鎮魂の供養をしなければなりません。禅語で言えば「一即仏心」です。その意味を体得できたのは、インドの仏跡・ラジギール(霊鷲山)を訪ねた時でした。御釈迦様が初めて無量寿経や法華経を説法した場所として有名ですが、実に壮大な自然の森に囲まれ、しかも小高い山の上に位置した聖地でした。日本国と違って地平線が望めるような場所に座ると、ことさら悟りを求める必要も無く、そのままが真理の世界といった心境でした。皆様も機会が有りましたら是非一度、お釈迦様が修行をされたインド仏跡を訪ねて頂きたいと思います。和尚も、もう一度ゆっくり聖地を訪ねてみたいと思っています。「我という 小さきものを 捨ててみよ 三千世界に 障るものなし」そんな気分を味わいたいものですね。さてさて今日は休息日!嬉しい嬉しい休息日!なんて、なんて、喜んでいる間もなく、明日からの新たな法務の準備が待ち構えています。一難去ってまた一難か! エイ!! 人生は苦しみの中にこそ安らぎ有りと心得ました。頑張りましょう! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1156話 】
2016年 10月 17日 談

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昨晩より降り続いた雨も朝方には上がり、清々しい風が霊苑を吹き抜ける一日となりました。そんな爽やかな日和の中、午前11時より寳勝寺お檀家様の墳墓お骨上げ諷経が挙行されました。この1か月間続けられて来た改葬工事の為の「墳墓お骨上げ」も今日で全てが完了しました。多くの祖霊に見守られながらの修行でした。明日からは愈々豊蔵組様による本格的な改葬工事が始まります。

dsc00934-500x375檀信徒様立会いのもと、最後の御骨上げ諷経のようす

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現在収納されている御先祖の遺骨は全て、新しい「奥の院」墓所に安置されることになっています。和尚のブログも、この1か月間はその殆んどが「寳勝寺霊苑」に関するものでしたが、それだけ集中して今日まで祖霊との対話を重視して来たともいえます。明日からは元のリズムに戻って書画などの制作に取り組んでいきたいと思っています。

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ニュースでは相変わらず築地市場の豊洲移転問題が報道されていましたが、「食のブランド聖地」と言われたほどの築地ですから、移転先が何処であれやはり食の安全安心が確保されるまで論議を尽くしてほしいと思います。聞くところによれば、食の宝庫・北陸地方でさえもここ一番の食材は築地から仕入れて来たと言いますから、ブランドイメージを大切にしてほしいと願っています。さて和尚も「禅寺のブランド」をテーマに、さらに精進して参りたいと念じています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1155話 】
2016年 10月 16日 談

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大安禅寺では「大人の書道展」が開催されていますが、今回で四度目になるそうで大いに書を通して自己研鑽に精進頂きたいと思います。和尚も書家の端くれですが、このところは法務の忙しさで落ち着いて筆を持つ時間も無い日々です。書道は実に不思議なもので、一種、職人芸のようなものが有り、いくつになっても「これで良し」という感覚も無く、一期一会の如く「その場っきり」の境涯が映し出されていきます。言い換えれば「書」は人生その時々の心模様なのかも知れませんね。好い時も有り悪い時も有り、悲喜こもごもです。それ故に書道は奥が深いものであると承知しています。江戸時代の有名な禅僧・白隠慧鶴禅師は、大安禅寺開山・大愚宗築禅師の墨蹟を見て大いに悟ったと言いますから、まさに「書は体を現わす」とはよく言ったものです。一般的には書の良し悪しを論じますが、禅僧の書はあくまでもその人の悟り「悟りの境涯」を現わすものとして揮毫されるため、呼び名も「墨蹟(ぼくせき」と言いますから油断は禁物です。

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寳勝寺霊苑から西方寺様の御堂上空を臨む

さて、今日は「寺カフェ」も賑わったようでした。爽やかなお天気のもと、ゆっくり寛いでいる観光客の姿は和尚にとって菩薩様ですね。人間、やはり笑顔が一番ですよ。「和顔愛語(わげんあいご)」の人生です! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1154話 】
2016年 10月 15日 談

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9月15日から始まった寳勝寺先祖墳墓お骨上げの諷経も愈々17日を以て全てが終了する予定となりました。今日も御地蔵様のお精抜き諷経をしましたが、大変歴史のある地蔵尊のため、ふれあいパーク霊苑完成時には霊苑の入り口にお祀りされる事となっています。古来より「六道地蔵尊」と言って、「地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上」の六道から極楽の世界へと我々をお導き下さる菩薩様として崇められて来た仏様です。

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この一か月間は緊張の中に日々を過ごして来た感が有ります。故人との対話の時間でも有りました。墳墓を訪れる方も少なくなって来た今日での大規模な改葬計画ですが、一層精進しながら先人の御徳を讃えていきたいと願っています。

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午前中には卑山檀信徒年忌法要が営まれましたが、秋晴れの爽やかなお天気の中での御法要となりました。和尚の新たな檀信徒との出会いはその故人との出会いでも有ります。卑山は四百年の歴史を有する加賀藩の由緒ある禅寺ですから、お檀家様も武家一族の方々がほとんどです。今回の霊苑改葬工事が故人への「報恩謝徳」の行となるよう、念願して止みません。友峰和尚より

dsc00879-500x375お茶の花

友峰和尚のちょっといい話 【 第1153話 】
2016年 10月 14日 談

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朝方の気温が10℃と、あまりの寒さに驚きました。昨日までは京都に居て約25℃位あったかと思いますが、300キロ離れた京都と金沢では15度も温度差があり、日本列島がいかに細長いかを思い知らされました。爽やかな秋風が終日堂内を吹き抜けて行きましたが、この時期は何に遭遇してもしばし哲学してしまうような気分になるものです。

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今日は再び寳勝寺霊苑のお檀家様墳墓お骨上げ諷経から法務を開始しましたが、合間をみながら中庭のお掃除と整備をしました。小さな坪庭乍ら中々趣のある苔庭で、和尚「お気に入り」の庭でも有ります。来年には卑山全体を周回する和風庭園がお目見えする予定となっていますが、昔からあるお庭も大切にしていきたいものです。さて皆様はこの時期いかがお過ごしでしょうか? 百丈禅師曰く「一日成さざれば一日食らわず」、和尚の留守中に羽咋市の中越様から「能登神子原米」が届けられていました。

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米と言えば「コシヒカリ」と言われますが、「どすこい!」羽咋の神子原米(かみこはらまい)は「全国美味しいお米10」に入った有名な地元のお米です。平成17年には日本で初めてローマ教皇様に献上されたお米だそうです。本当に有り難うございました。明日からは美味しいお米を頂き更に法務に専心して行きたいと思います。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1152話 】
2016年 10月 13日 談

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京都はこの時期としては珍しく蒸し暑さの残る一日となりました。午前8時半から始まった全国宗務所長会議も正午には無事終了し、その後は一路金沢に向かいました。今回は妻の父の突然の逝去で御葬儀導師を務めたことも有って、引き続いての本山妙心寺での会議出席はとても疲れました。しかしながら、二日間という短期間に多くの人と出会い、多くの事を学んだ有意義な時間でも有りました。皆それぞれに自分の人生を一所懸命に歩んでいる姿を見て、大いに元気を頂いたものでした。「さらに参ぜよ30年!」この言葉ほど厳しいものは有りません。一度っきりの人生だからこそ、粉骨砕身して生きていかなければなりませんね。再び明日より寳勝寺での法務に戻ります。頑張りましょう!!頑張りましょうぞ。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1151話 】
2016年 10月 12日 談

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早朝の嵐山、渡月橋もまた絶景でした。京都を取り囲む山々は実に風情があり見事な借景となっています。大本山天龍寺のお庭も見事ですが今回は残念ながら時間が無く、一路妙心寺に向かいました。先日、滋賀北陸教区団体参拝で本山に参拝したところですが今回は会議という事で、今日明日の2日間再びご縁を頂きました。本山は何度訪ねても敬虔な気持ちにさせられます。

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会議は午後2時から始まり、宗務本所職員から伝達事項を受けました。今年度、全国宗務所長改選で多くの方が交代された為、新鮮な雰囲気の中での会議となりました。和尚も二期目に入って会議に臨む要領にも精通してきましたが、近年の宗教界を取り巻く環境は随分と複雑なものとなって来ており、法要や葬儀そして寺院運営、布教の在り方等、時代の価値観の変化と共に色々な対応を迫られているようです。いずれにせよ、本山での会議ほど有意義なものは有りません。何事も「マンネリ化」と「無関心」が最も危険ですから、常に「日々新たなり」の究明心が求められているようです。さて、新宗務所長との交流と懇親も大切です。情報化社会の進む中で、やはり実際に会って話し合うのが一番のようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1150話 】
2016年 10月 11日 談

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天下の名勝!京都嵐山・渡月橋を妻と共に訪れました。本当に久しぶりにのんびりと過ごすことが出来ました。嵐山を訪ねたのは十数年ぶりになるかも知れません。学生の頃は頻繁に通い続けたものでした。

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観光シーズンのこの時期、多くの外国人の方々で賑わいを見せていましたが、紅葉シーズンともなればそれこそ人、人、人、の波が押し寄せるほどの名勝です。今日ですら京都、嵐山の人気度の高さを実感させる賑わいでした。和尚は現在、金沢を拠点に法務活動している為、京都の有名観光地は色々な事を学ぶ上での素晴らしい勉強の場となっています。昨日は、外国風情豊かでお洒落な港町・神戸の街並みの素晴らしさに感動し、今日は古都の山々の風情を堪能した一日となりました。

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明日からは大本山妙心寺・宗務本所内での会議が予定されていますが、今日は会議の前の一服といったところでしょうか。ウソのようなゆとりの時間の中に身を置くことが出来ました。「苦あれば楽あり」です。悠久の歴史の厚さを感じる京都とは、これまでに生きて来た多くの先人達の魂の重みでも有ると感じた嵐山渡月橋でした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1149話 】
2016年 10月 10日 談

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10月10日は体育の日。これまでの統計から、この日は全国的に降雨量が少ないとか。流石に晴天域の広がる爽やかな一日となりました。午前10時より7日に逝去された、家内の父のお葬儀導師を務めました。六甲より神戸市内と大阪湾を見下ろす風景には圧倒されましたが、和尚にとっては久しぶりの神戸でした。平成7年に発生した阪神大震災の爪痕は何処にも見当たらず、穏やかな湾を眺めていると不思議なくらい懐かしさを感じ取っていました。西宮市・海清僧堂で修行していた頃は、檀家さんのお参りの時に芦屋や六甲の急な坂道を登り降りしたものでした。修行当時の色々な思い出が走馬灯のように蘇った御供養の一日となりました。明後日から京都・大本山妙心寺での宗務所長会に臨みますが、和尚にとって阪神間は心の故郷でもあるようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1148話 】
2016年 10月 09日 談

10月5日は禅宗の初祖・達磨大師の御命日です。この日は妻の父の誕生日でも有り、入院中の父のお見舞いのため妻が神戸に赴きました。妹と共に病院を訪ね、お祝いの言葉と闘病生活を労ったところ、父もたいそう喜んで下さったそうですが、その2日後の10月7日の早朝に86歳の生涯を全うされました。大往生だったそうです。人生とは本当に不可思議なものです。自分の誕生日すなわちこの世に生を受けた尊い日の近くで黄泉の国に旅立つと言われています。岸和田市内に「甘味処 とらやき本舗」を創業し、その人生を「商道」一筋に捧げて来られた大阪人でも有ります。我が子姉妹のお見舞いを受けた後、その生涯を静かに終えました。慎んで心からお悔やみ申し上げたいと思います。和尚はこの度、父との仏縁で葬儀導師を致しますが、感謝の心を込めて引導申し上げたく思います。

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さて、早朝の大安禅寺の境内一帯は賑やかな太鼓と笛の音で包まれました。地元白山神社の秋祭りです。大人と子供達が神輿を担ぐ姿ほど嬉しいものは有りません。少子化の波は我が村にも及んできていますが、村の伝統的行事が今後も長く継承されていく事を切に願ったものでした。友峰和尚より

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