和尚のちょっといい話

iihanasi_top

友峰和尚のちょっといい話 【 第2086話 】
2019年 05月 05日 談

大安禅寺本堂前は写真の如くこれまでの風景とは一変して、350年前創建当初の趣を醸し出しているようです。連休中ということで工事はストップしているだけに、不気味なほどの静けさの中に重文建造物群がその威容を見せつけています。

 

長き年月の間に建物よりも遥かに大きく成長した松や紅葉の木がこの度の修理工事の為ことごとく伐採され建物だけが残されている為、創建当初の様子が伺えます。連休明けから一斉に準備工事が始まるとの事で、今の風景も見納めなのかもしれません。休日を利用して孫達が遊びに来ていましたので、記念写真を撮りました。和尚の記憶の中から、つい先日までの境内風景が過去のものとなって行くようです。

さて、今日は午後より今回のサンリス・アートサクレ芸術祭に参加した野口翠智先生始め社中皆様との帰国打ち上げ会が開催され、それぞれに持ち寄った写真を見ながら時間の過ぎ行くのも忘れ午後4時ごろまで歓談しました。

 

こちらの思い出は日々膨らむ一方で、鮮明な記憶と共に感動が蘇って来ます。人々の脳の働きは実に不可思議な作用をするもので、感情を言葉で言い表す事へのジレンマさえ覚えます。人間個々それぞれに経験の受け止め方も表現方法も、すべてが違うことを懇親会の中で感じたものでした。

 

楽しい時間は瞬く間に過ぎ去って行きます。それだけ充実した時間を過ごしていたのだと自覚します。思い出は尽きませんが、次なるステージアップを目指して頑張って参りたいと念じています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2085話 】
2019年 05月 04日 談

くさんの 薔薇のつぼみ / ふれあいパーク霊苑にて

これ以上望むべきも無いほどの爽やかな好天気に恵まれた一日となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか! 10連休という大型の休みも愈々終盤に入り、カフェを楽しむ観光客の皆様も滞在時間が長くなっているようです。明日は子供の日、所謂「端午の節句」です。気温も上昇し初夏を思わせる天候ですから、思いっきりアウトドアを楽しむのも良いかと思います。

 

和尚もアウトドアといきたいのですが、今のところ望むべきも有りません! 只管仕事に打ち込んでいます! 明日はサンリス・アートサクレ芸術祭参加の野口翠智先生始め同行された社中皆様との打ち上げ会が予定されており、記念品として「令和」の色紙を書きました。今日は新しき天皇陛下の一般参賀が皇居で行われましたが、和尚も金沢から東京に向けて合掌し御代の弥栄をご祈念申し上げました。

 

寳勝寺カフェご利用の方の中にも和尚直筆の「令和」の色紙を求められるお客様も多くおられ、お祝いムード一色でした。いまだに芸術祭の感動が忘れられない今日ですが、そろそろ気分を一新して重文大安禅寺諸堂修理工事浄財勧募に全力を挙げて取り組んでいきたいと念じています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2084話 】
2019年 05月 03日 談

昨晩はサンリス在住で今回の「アート・サクレ芸術祭」事務局、荒木芳栄さんより連絡が有り、無事に終了したとのこと。フランスはじめ地元の新聞やテレビで大きく報道され、その記事をメールで送って来てくれました。和尚の名前がなぜか「タカハシユウコ」となっている記事もあり気になるところでした。また墨蹟大書の写真が大きく掲載されており、フェイスブックの動画でも多数紹介され坐禅中の写真も掲載されており本当に有り難く思っています。後日には芸術祭の全てのシーンを編集して送付してくれるとの事で、今から楽しみにしています。

大型連休は天候に恵まれ、依然観光客の流れは留まることなく続いており、今日も多くの方が寺カフェでの休憩を楽しんでいたようです。午後には須貝遼さんが東京より一時帰郷されたということで寺に寄ってくれました。会うたびごとに成長を見せる須貝君を頼もしく感じたものです。

ご来寺 誠にありがとうございました

 

少林寺 応接室の設え

寺カフェの手伝いの合間には野町・少林寺の設えに出掛け、今回の芸術祭に出展した「禅 ○△□」の掛軸を床の間にかけてみました。掛軸をじっと見ていると、アートサクレ芸術祭で墨蹟大書をした時の事が思い出され感慨無量の気分に浸ったものです。時期を見て、少林寺本堂で墨蹟回顧展を開催したいと願っています。

 

さて、本日のサプライズですが、滋賀県在住の長女よりこの度の芸術祭成功祝いの手紙を添えた手編みの帽子を送ってくれました。本当に有り難く嬉しく思ったものです。今日は急激に気温が上がったものの、さっそく帽子を着用して「令和」の色紙を沢山書きました! とっても良く書けました。きっと娘の思いやりが「令和」の字に伝わった事と思います。新しい元号を迎え、気持ちも一層爽やかな一日となったようです。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第2083話 】
2019年 05月 02日 談

清々しいお天気の休日となりました。大型連休の中盤ということで、観光客の方々も中休みといった感じでゆっくりとした流れでした。午前中には、県外の大学生からの寺カフェインタビューが有り、久しぶりにこれまでの寺院再建の経過などお話ししました。午後からは寳勝寺お檀家の北條直敬様が来寺され、サンリス市「アート・サクレ芸術祭」招待でのエピソードなどお話しさせて頂きました。

北條さまとともに

 

光陰矢の如しで、芸術祭参加がどんどん過去の出来事のように遠ざかっていきます。法務の合間を見て野町・少林寺の応接間の工事を視察に行きましたが、渡欧している間に修理工事も進み、本日は空調機取付工事が行われていました。お部屋の壁は漆喰工事で真っ白に塗られ、見違えるほどでした!

少林寺 空調工事のようす

応接室 漆喰の修復

まだまだ本堂や下間の間の壁面修復工事が残っていますが、第二期工事に委ねたいと思います。大型連休が終了次第、少林寺に入り、事務整理や寺院内の整備を進めたいと計画しているところです。今回の渡欧では多くの外国人並びにフランス在住の日本人方々との交流を深めたわけですが、皆様が来日を希望されている為、その受け入れ体制も視野に入れての普請となっています。

サンリスにて あやめさん(中央)とご友人とともに

生け花ワークショップを体験されているところ

さて、この度サンリスへ同行された野口社中の皆様から丁寧な御礼のお葉書やメールまたお土産が届いています。本当にご苦労様でした。日を増すごとに感謝の念でいっぱいになります。本当に有り難うございました! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2082話 】
2019年 05月 01日 談

昨晩は午前0時に新しき「令和」の年を迎え、御代の弥栄と日本国の平和を祈願致しました。午前中より多くの観光客の方々が新元号になった本日を記念するかのように御朱印を求められ、堂内の空気も何処となしか清々しい感じがしたものでした。仏前のローソクと香は終日焚かれ、参詣者が次々に合掌祈願していました。

清々しい気持ちで 令和と揮毫しました

 

午前中に天皇陛下即位式がライブで放映されましたが、本当に厳粛な儀式と天皇陛下のお言葉には心から慶賀を表しました。昭和、平成に続き令和の時代を迎えることが出来た事に、感慨無量の気持ちを覚えるものです。つい先日までのフランス・サンリス市での芸術祭参加が遠い昔の出来事に感じるほど日々変化していき、諸行無常で有る世事を実感する毎日です。

 

新緑のまぶしい 雨の寺カフェとなりました

さて10連休も中日に入りました。午後からは、高倉さん前田さんご両人の飛び入りサポートで台所方も大助かり! 寺カフェを開業した頃の、スタッフ不足で夕刻には疲労と腰痛に悩まされていた当時が懐かしく感じます。「寺カフェ!凄い!やっぱりお寺や!おしゃれ!素敵!」 色々な声が飛び交う寳勝寺カフェ、今では金沢観光客の憩いの場所として定着してきているようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2081話 】
2019年 04月 30日 談

大安禅寺に一旦帰山して驚きました! 野町・少林寺お檀家の堀光子様よりお便りが届いており、その中には心温まるお手製の品々とお手紙が添えられていました。お写真の如くですが、御年91歳を越えられても尚、いつも矍鑠(かくしゃく)としておられ、少林寺でのご法要の時は楽しく歓談させていただいています。この度の渡欧に際し、はなむけの言葉とお祝いの金子をご恵送下さったわけですが、大安禅寺の花「花菖蒲」の自作の絵に手作りの花のブローチという真心のこもった贈り物でした。芸術祭は終了しましたが、さっそく絡子(らくす)に付けてみました。出来れば墨蹟大書の際に付けておればと真に残念に思いました。堀様、本当に有り難うございました!

 

最後の文に、「平成を締めくくる快挙と存じます」と御言葉が添えられていました。その平成は今日が最終日! 愈々明日から新しい元号「令和」になります。この31年間は和尚にとって怒涛の日々でした。先代住職が遷化したのが昭和63年11月23日でした。その翌年が平成で、住職に就任して31年になり、平成の元号と共に今日まで布教活動に邁進してきました。明日からは「令和」です、心機一転して新たな人生にトライしていきたいと強く念じています。友峰和尚より

桜由乃ちゃん と 「令和」の色紙と共に 

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第2080話 】
2019年 04月 29日 談

寳勝寺式台玄関にて オダマキのつぼみ

大型10連休の3日目を迎えました。まだまだ時差ボケが残っているものの、少しずつ解消に向かっています。幸運にも、今回の渡欧では往路も復路も飛行機に空席が有り、しかも和尚の後ろの席3列が空席というめったにない事でした。おかげさまで長時間、横になることが出来、ずいぶんと腰の負担が軽減したものでした。しかしながら時差だけはどうにもならず、帰国して3日目ですが夜中に目が覚めるなどまだ身体が重く感じます。

 

今日は朝一番にお檀家様の月諷経があり、本格的に法務遂行に入りました。また午後からもふれあいパーク霊苑での供養諷経が行われ、サンリス芸術祭の余韻を残す間もなく次の法務へ集中が必要のようです。

 

サンリスの街角にて 美しい風露草

さすがに本日は一日中観光客で賑わいを見せた寳勝寺カフェでしたが、和尚も御朱印を書き続けました。いよいよ明後日、新しい元号「令和」を迎える為、御朱印書きの合間に記念の「令和」の色紙を書き、職員皆様に差し上げました。どこかしら気持ちが高揚して行くように覚える一日となったようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2079話 】
2019年 04月 28日 談

寺カフェの朝、ファンヒーターを点火しました

ゴールデンウイーク2日目を迎えました! 例年とは打って変わって寒い寒い朝を迎え、とても4月下旬とは思えない気温となりました。観光客の出足も遅く、午後になって寺町界隈にも賑やかさが戻って来ました。帰国後の時差ボケがひどく、昨晩は午前3時ごろまで眠れず午前4時になってようやく床に就きました。時差ボケは3日目がピークと言いますから、明日が心配されます。

すずらん / 宝勝寺 境内にて

新しい元号を迎える5月1日まで残すところあと2日となり、今日は時間の合間を見て「令和」の元号の色紙を沢山書きました。連休中に元号が替わる為、観光客の方にとっては記念すべき旅行になると思います。御朱印帖も例年より多くの人が求められ、5月1日からは「平成」が「令和」に替わるという記念すべき御朱印となりますから、きっと希望者が急増する事と思います。良いお天気に恵まれた大型連休! 金沢市内観光を楽しむご家族の会話が終日続いた寺カフェとなったようです。

 

モッコウバラ / 宝勝寺 境内にて

それにしましても、国が替わるとこうも日常生活が違うものかと驚くばかりです。生活リズムも空気も鳥のさえずりさえも違って感じます。都会の喧噪の中で、人々の心もずいぶんと環境の影響を受けながら生きていることを知った、この度の渡欧経験でした。友峰和尚より

 サンリス ホテル内のオープンカフェ

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第2078話 】
2019年 04月 27日 談

シャルルドゴール空港にて 荒木さんとのお別れのご挨拶

昨晩、無事に帰国しました。10日間に渡る渡欧でしたが、大変有意義な日々を過ごすことが出来たと思います。これまでにフランス・パリそしてアメリカ・ニューヨーク州で個展を開催しましたが、今回のサンリス市でのアート・サクレ芸術祭は規模も大きく、墨蹟の展示も歴史的建造物である聖ピエール教会を使っての催事で、やりがいのある環境でした。

参加の皆様 おひとりずつ、ご挨拶をしました

羽田空港、小松空港にて 各自 解散しました

 

開催第1日目の開幕イベントとして墨蹟大書といけばなデモンストレーションが実施されましたが、日本禅僧の墨蹟並びに伝統的華道の生け込みはサンリス市民の間でも大きな反響を呼んだそうで、終了後も事務局に多くの問い合わせがあったと聞いて大変嬉しく思ったものです。坐禅会にも多くの市民やアーティストが参加し、こちらも通訳を通して禅の心を説くことが出来ました。禅の布教には法話が一番ですが、言葉で疎通できない外国では、書の実践や読経・坐禅体験が最も効果があると思います。色紙に墨書しながら多くのサンリス市民と交流出来た事も、大切な禅の布教でした。

 

今回出展された 荒木さんの作品

 

禅語の意味について質問を受けながら、通訳の方が適切にその意味を解説するに至っては次々に書を求められ、有り難く感じました。初めて日本の茶道・華道に触れる方ばかりで、生け花ワークショップも人気でした。和尚の墨蹟に使用した紙は越前和紙作家・長田和也さんが漉いたものですが、こちらも多くのアーティストから問い合わせが有り嬉しく思いました。野口先生が生け花ワークショップで使用された花器も国成窯・前田和伸氏の越前焼で、とても素敵な器(うつわ)でお花とマッチして生け花を体験された方が喜ばれていました。

 

生け花ワークショップ 参加者の作品

 

今回の芸術祭は、ディレクターのマーク・イゴネ氏と荒木芳栄画伯が企画されたサンリス市で初めての大きな芸術イベントでしたが、期間中にはお隣りのシャンティ市からも芸術祭開催を願う要請があったと聞き、フランス国民の芸術に対する造詣の深さを改めて感じ取る事が出来ます。

マークさん・荒木さんと 各国の担当者皆様 / 4月21日 オープニングレセプションにて

世界中から約300名を超える芸術家が参加し、約700点の作品が展示された第1回アート・サクレ芸術祭に招待されたことに大きな誇りを感じた、この度の芸術祭参加となったようです。友峰和尚より

4月27日 桜由乃ちゃんとともに

友峰和尚のちょっといい話 【 第2077話 】
2019年 04月 26日 談

荒木さんと オペラ座周辺からサンマルタン運河へ移動

今から7年前、サンリス市在住の荒木芳栄さんの友人、マーク・アンリさんが来日した折、親友のフランソワーズさんと大安禅寺に来られ楽しい時間を過ごしたものです。記念にと和尚の禅画を提案したところ、バッファローの水墨画に禅語の賛を希望されたので、特別に描いて差し上げました。大変喜ばれ、その御礼として革製バッグを製作して必ず日本へ送りますとの事でした。 あれから7年の歳月が流れ、今回の渡欧を知ったマーク・アンリさんから連絡が入り、バックが完成したので芸術祭が終了したらフランソワーズさんの会社に取りに行って欲しいとラインで伝えてきました。

フランソワーズさんの経営する会社にて 久々の再会

最終日の今日、荒木芳栄さんが同行してくださり、パリ・リパブリック地区にあるフランソワーズさんの経営する会社を訪ねました。到着するやフランソワーズさん自身が会社の工房を案内して下さり、革製品が出来上がるまでの工程を実演して説明して下さいました。その後、社長室に案内され、約束のバッグを下さいました。

お手製のショルダーバックをプレゼントされました

感激のあまり 思わず合掌しました

セ、マニフィック!素晴らしい!素晴らしい!の連発でした。世界にひとつしかないショルダーバッグです。フランソワーズさんへは、アート・サクレ芸術祭招待記念として、会場に展示された「和」の額を差し上げました。 フランソワーズさん曰く、7年の歳月をかけて制作したとのこと、これはジョークではなく本当の話です。真心こもった自作の革バッグでした。大切に使いたいと思います。

フランソワーズさんも とても喜んでくれました

打ち合わせに来られていた ブランドデザイナーさんにご挨拶

さて、この度のサンリス市「アート・サクレ芸術祭」招待は、これまでに経験した事の無い新鮮な感覚と感動を覚えました。300名にも及ぶ各国から出展されたアーティスト作品との出会いやサンリス市民との交流など、本当に思い出に残る禅の布教活動になりました。催事ディレクター、マーク・イゴネさん荒木芳栄さんに深く感謝と御礼を申し上げます。友峰和尚より

パリ市役所

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870