4月, 2021年

第2803話

2021-04-20

花しょうぶ園の整備が始まりました

これまでの自分の人生を振り返ってみると有言実行の日々を優先して来たように思いますが、最近では不言実行を優先するようになっているような気がします。どうして変わったかと言えば、やはり加齢と共に「有言」の必要性が無くなって来たように思うからなのかも知れません。

手ごわい雑草引き

誰に褒められるでも無くまた非難されるでも無く、73歳になった今、両親や師匠そして尊敬する諸先輩方々も亡くなり、ある瞬間にハッと自分の存在の無常に気づき、これからは不言実行の日々を生きていこうと思ったに違いありません。

子供は親の背中を見て育つと言いますが、それなら猶更のこと不言実行でなければいけません。有言実行は自分を鼓舞するための手段でしたが、今後は不言実行の毎日を歩みながら残りの人生を楽しんで生きていきたいと願うものです。

齋藤公一氏とともに

さて今日から花しょうぶ園の整備に入り、いつもお手伝い下さる斎藤公一さん並びに副住職とともに作業を開始しました。いつの間にか手強い雑草が菖蒲の周りに群生して思いのほか時間が掛かりそうです。何事も辛抱との闘いですから頑張って参りましょう!

文化庁 建造物保護調整室長・長尾 充 調査官が来寺されました

午後1時半からは文化庁より長尾充調査官が来寺され、松雲の間にて福井県・福井市の文化財関係者並びに文建協関係者そして修理委員会吉岡泰英会長出席のもと会議が行われ、その後現場視察をしました。自坊に戻れば寸暇を惜しんでの活動が続いていきます。更に頑張って参りましょう! 友峰和尚より

松雲の間にて 長尾調査官によるご挨拶

関係者の方々が出席し 修理委員会が行われました

大安禅寺 創建当時の図を御覧になっている様子

第2802話

2021-04-19

大安禅寺 鐘楼前の菩提樹

明日は文化庁から担当者の方が来寺され「重文諸堂修理保存工事現場視察」が予定されているため午前中に自坊へ戻りましたが、現在は鐘楼の解体修復工事が始まっていました。工事は順調に進められている様子で、寺に戻ると同時に工事現場を一周して進捗状況を確認しました。境内を取り巻く山々は新緑一色で、そのスケールの大きさに圧倒されます。鐘楼前の菩提樹も新芽を吹き随分と背丈も伸び立派に成長していました。

保存修復工事中の鐘楼にて

新緑の紅葉 樹齢四百年の木々

「一樹春風両般有り 南枝は暖に向かい北枝は寒」という禅語が有りますが、真にこの時期の木々の枝は自分の位置をわきまえているかのように暖かい方向にある枝も北向きに有る枝も互いに太陽の日差しを分け合いながら見事に成長していくものです。我々の心もしかりで、和合専一に日々を過ごして参りたいものです。さて明日から一気に暖かくなるとか、やはり寒いのはどうも苦手です。まもなく5月、皐月を迎えます。元気を出して頑張りましょう!! 友峰和尚より

第2801話

2021-04-18

この時期の木々の新緑は目に染み入るほどです。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の句はあまりにも有名な江戸初期の俳人・山口素堂の一句ですが、「青葉」と「ほととぎす」と「鰹」の関係は、季節の移り変わりを視覚・聴覚・味覚で表したものと思われます。春から初夏の息吹を視覚を通して感じ、けたたましく啼く不如帰の声に感じ、鰹の味覚で感じ取っています。

寳勝寺の境内には色々な木々が植えられていますが、紅葉の新緑ほど美しいものは有りません。幼子の手のひらの如くに、透き通るような葉脈から生命の息遣いを感じます。紅葉の木も幾種類かあり、それぞれに葉っぱの大きさや色も違いそれがまた個性を映し出しています。お日様に葉っぱが照らし出されるとよりいっそう緑色が変化し、風が吹けばそよそよと揺らぎまるで会話をしているかのようでした。

さて5月を目前にして寝ても覚めても自坊の花しょうぶ園の状況が気になり、整備に向けての気持ちが逸ります。コロナウイルス禍で6月の花しょうぶ祭は今年も中止ですが、花しょうぶ達が和尚を呼んでいるようですから一刻も早く戻って作業に入りたいとわくわくしています。友峰和尚より

第2800話

2021-04-17

擬宝珠

いっこうに収束の目途すら立たない新型コロナウイルス感染拡大ですが、本日4月17日は今から2年前、サンリス・アートサクレ芸術祭参加のため小松空港からパリ・シャルル・ドゴール空港に向けてへ出発した日でした。その時には今日の新型コロナウイルスが発生するなど微塵にも思うことなく、参加者全員が空港ロビーで無事出発出来ることを喜び合っていました。

あれから丸2年が経ち、サンリスでお世話になったホテルは廃業に追い込まれ、友人の多くもコロナウイルスに感染したとの事、今なお外出もままならないほどの困難な生活を余儀なくされているとかで心から心配しています。

「一寸先は闇」という諺が有りますが、本当に明日、いや今日にも、いや今すら何が起こるかは誰にも知る由もない事です。「油断大敵」「人間万事塞翁が馬」「好事も無きに如かず」 色々な座右の銘が有りますが、今回の新型ウイルス発生はどれにも当てはまらない困難事で、今は感染しないように十分に予防対策を講じることが肝要のようです。本来なら参加者皆様とお会いしてサンリス・アートサクレ芸術祭参加2周年記念の会を催したいところですが、来年には必ず開催できることを願っております。

桂岩寺ご住職とともに

ここ数年間は墨蹟禅画の制作と個展開催に向けて努力を続けて参りましたが、コロナウイルス禍の中で活動を中止していました。そろそろ再開させていこうと気持ちを鼓舞しています。友峰和尚より

第2799話

2021-04-16

少林寺お檀家の桑島敏彰さんが学生時代の恩師をご紹介下さるというので楽しみにお待ちしていました。恩師の御名前は松田章一氏で、桑島さんの同級生の長井裕氏と共に来られましたが、実に楽しい充実した時間となりました。

松田章一 様

事前に桑島さんより松田先生の略歴や著書などを頂いていたため前知識として調べておきましたが、写真の如く著書の題にも書かれてあるように教壇に立っていた頃の思い出を綴った内容の本で、御年85歳、大変面白く有意義な歓談の席となりました。長井様も現役で英語の通訳案内士の仕事をされており、仕事の内容などの話題で盛り上がりました。コロナ禍にあって布教活動も停滞気味ですが、来訪者の皆様との幅広い内容の会話は布教以上に勉強になるものです。桑島さんが持参くださったケーキを頂きながらの禅談義となったようです。

長井 裕 様 と 桑島敏彰様

とても面白く 興味深いお話を伺うことが出来ました

お客様をお見送りした後、金沢が生んだ禅哲学者・鈴木大拙先生や山本良吉先生、西田幾多郎先生、久松真一先生そして北條時敬先生の名前が次々に話題に上ったことに対し、本日は久しぶりに禅の世界を垣間見る時間となったようです。友峰和尚より

第2798話

2021-04-15

穏やかな良いお天気が続いていますが気温はまだまだ低いようで、午前中に墓前供養が修業されましたが、時折吹き抜ける風は冷たく身震いするほどでした。コロナウイルス禍が続いていますが、久しぶりに霊苑の見学者が多く訪れていました。

霊苑 奥の院の 鳴子百合が咲き始めました

承証寺御住職とともに

卑山お隣の承証寺御住職が所用で来られ懇談しましたが、寺町寺院の相互間交流や寺活などについても話題になりました。金沢に入り約10年目を迎えていますが、寺院運営への色々な課題に直面しながら解決の糸口を模索しています。

㈱セミ・チャームドライフ・アソシエイツ 新谷竜輔社長 とともに

午後からは、先般導入した音響機器の点検のため ㈱セミ・チャームドライフ・アソシエイツの新谷社長が来寺され、マイクスタンドなどの新たな設備を設置しました。今後は感染防止対策を図りながら再び法話活動を始めたいと思っています。

設備の操作方法について 説明を受けているところ

音響の調整をされているところ

私事ですが最近、加齢とともに歯の具合が急激に悪くなり歯医者通いが始まっています。本当に歯ほど人間の健康にとって大切なものは無いとつくづく思います。咀嚼するにも歯が無いと食べ物が外に出てしまい、如何に歯が口の中で色々な役目を果たしているかを認識するものです。今更「は~っ」と反省しても手遅れか! どうか皆様! 小さい子供の時から歯だけは特に大切に守ってあげるよう心から願って止まないものです。「夫婦とは入れ歯のようなものである。」その心は「無いと不自由する。」 ごもっとも!ごもっとも! 友峰和尚より

第2797話

2021-04-14

ユキノシタ

自坊の大安禅寺と金沢寳勝寺との行き来によって生じる、色々な生活環境の変化による精神的影響を身を以って感じ取るこの頃です。多くの方々は人生の殆どを同じ環境の下で過ごされることと思いますが、中には全国を転勤しながら幾度も生活環境が変わる方もおられ、また仕事の都合で家族全員で海外へ引っ越しされる場合もあり、ひと口に日常生活と言っても人それぞれに随分と違った環境で異なった精神的影響を受けながら過ごされているのを思い知らされます。ましてや現在コロナ禍にあるため、ストレスも更に積もる一方だと思います。

ストレス解消の方法として自主的に生活習慣を変えてみることも大切で、ウオーキングやトレッキング、スイミング、軽いスポーツや登山、寺院参拝、ドライブなど感染予防に留意しながら生活リズムを変化させ、ストレス解消を図る事も大切かと思います。

㈱フォレストヒルズ・森本晃一社長 と ㈱ペット愛葬社・中村修二会長とともに

さて午前中には㈱ペット愛葬社の中村修二会長と㈱フォレストヒルズ・森村晃一社長が来寺下さりしばし歓談しました。コロナ禍の中、企業経営陣にとっても大変困難な状況下に有りますが、ポジティブ思考で打開策を見出す努力が続けられているようです。歩む道は違えども人々の安寧を守るためにも更に尽力して参りましょう。友峰和尚より

第2796話

2021-04-13

新命副住職とともに 回信墨蹟の確認をしました

毎年この時期になると、和尚の寝室の床下でウシガエルの合唱が始まり一晩中鳴いています。何が故に床下なのかと不思議に思うかも知れませんが、和尚の寝室は山の斜面に接しているため、床下に所々湧き水が溜まり小さな水溜りとなっており、繁殖期になると決まってその水溜りに卵を生み付けるようです。

お寺の床下の高さは約1メートル程あり、柵もあるため外敵から子供を守るには最適の環境なのかも知れませんね。兎に角ひと晩じゅう鳴き続けて、まるで騒音公害のようですが、1ヶ月ほど経つとある日突然鳴き止み何処かへと姿を消すから不思議です。ウシガエルの求愛の鳴き声が今や春先の風物詩とさえ思える大安禅寺夕刻の風情を醸し出します。

㈱船井総合研究所 アソシエイト 萩尾有美子様

さて、本日は大阪市より㈱船井総合研究所の萩尾有美子さんが取材の為にご来寺下さいましたが、福井駅より路線バスにて来られたそうで、大安禅寺門前停留所を下車し約三百メートルの坂道を徒歩で登って来たとの事。車社会にあって真に天晴れ!天晴れ! 昔はみな参道を歩いてお参りしたもので、参道を登りながら心を浄めたものです。

約2時間ばかりの取材でしたが、その取材内容とは「寺院運営」に関する質問でした。なるほど㈱船井総合研究所様は天下に名を馳せた経営コンサルティングの会社、若手の社員教育の一環としての取材でもありましたが、日本経済発展の未来を担う若手社員の大いなる志と奮起を願って止まないものです。友峰和尚より

第2795話

2021-04-12

このところ過ごしやすいお天気が続いていますが、皆様にはお変わりなくお元気にお過ごしでしょうか。境内の木々はいっきに新緑の色を濃くして参りましたが、花菖蒲園内の池では蛙が大合唱を繰り返しながら新しい生命を育んでいるようです。

初々しい若葉の吹く 新緑の大安禅寺

自坊で過ごす時間を大切にしていますが、やはり周囲を自然に囲まれた環境は無限の安らぎを与えてくれますし、四季折々の風情を体感出来るのは大変幸せなことだと感謝するものです。特に現在コロナ禍に有るだけに、全国に有る約7万カ寺にも及ぶ寺院の広々とした空間を大いに利用して欲しいと願います。

さて、本日は長らく保管されて来た事務書類の整理に当たる予定ですが、どの資料も想い出深く捨てがたい書類ばかりです。自己人生の足跡でも有る沢山の資料ですが、思い切って断捨離を試みたいと思っています。友峰和尚より

第2794話

2021-04-11

現在、花菖蒲園の作庭が進んでいます。和尚が約40年に渡り花菖蒲園を整備し毎年6月には花菖蒲祭を開催して来ましたが、昨年の新型コロナウイルス発症以来すべての行事が中止を余儀なくされ、花菖蒲の管理も困難になって来ました。

今年に入ってからは全面的に大改革をし、新命副住職の提案を受けて新たな山水庭園造りが始まっています。勿論、花菖蒲園を活かした庭造りで、今から完成を楽しみにしています。

午前中には枯木堂にてお檀家様の法要を営みましたが、最近ではお寺での法要修業が増えており、お堂の活用の一つとして今後も推奨していきたいと願っています。午後には地元の衆議院議員・稲田朋美代議士がご来寺下さり御挨拶申しましたが、大変お元気そうで久しぶりに楽しく懇談する事が出来ました。

衆議院議員 稲田朋美代議士 が 御来寺くださいました

花菖蒲園を視察されているところ

兪好亭にて

自坊での1日もあっという間に過ぎていきます。やりたいことが山ほど有るのですがなかなか時間が足らないようです。思うようにならないのが世の中なれど、寸暇を惜しんで行動しなければ愚痴になってしまいますから、頑張って参りましょう! 明日は倉庫の大掃除ですが、心の掃除と整理整頓も併せてやりたいと張り切っています。友峰和尚より

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