和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第2801話 】
2021年 04月 18日 談

この時期の木々の新緑は目に染み入るほどです。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の句はあまりにも有名な江戸初期の俳人・山口素堂の一句ですが、「青葉」と「ほととぎす」と「鰹」の関係は、季節の移り変わりを視覚・聴覚・味覚で表したものと思われます。春から初夏の息吹を視覚を通して感じ、けたたましく啼く不如帰の声に感じ、鰹の味覚で感じ取っています。

寳勝寺の境内には色々な木々が植えられていますが、紅葉の新緑ほど美しいものは有りません。幼子の手のひらの如くに、透き通るような葉脈から生命の息遣いを感じます。紅葉の木も幾種類かあり、それぞれに葉っぱの大きさや色も違いそれがまた個性を映し出しています。お日様に葉っぱが照らし出されるとよりいっそう緑色が変化し、風が吹けばそよそよと揺らぎまるで会話をしているかのようでした。

さて5月を目前にして寝ても覚めても自坊の花しょうぶ園の状況が気になり、整備に向けての気持ちが逸ります。コロナウイルス禍で6月の花しょうぶ祭は今年も中止ですが、花しょうぶ達が和尚を呼んでいるようですから一刻も早く戻って作業に入りたいとわくわくしています。友峰和尚より

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