和尚のちょっといい話
帰国された野口先生始め御社中の皆様へ。今回のサラ・ローレンス大学での個展と華道茶道展に御参加いただき改めて厚く御礼申し上げます。何かと気配りが十分でなかったことも多々あったことと思いますが、皆様のご参加が初めてのニューヨーク個展開催を成功に導いて下さったと心より感謝申し上げております。日本における沢山の流派の中で、文房流晴心会の煎茶並びに華道デモンストレーション、ワークショップを大学内で開催できましたことを和尚も大変に光栄に感じています。野口先生とは40年に渡る御厚誼を頂いておりますが、一緒に禅文化展を開催できたことに喜びを感じています。また、パリに続いて社中皆様にも力強い支援を頂きかさねて厚く御礼申し上げます。時間が経つごとに、もっともっと社中の皆様の希望に沿うことが出来ていればと反省を深くしています。まだアメリカにおりますが、帰国しましたら皆様から色々とご意見をお聞きしたいと思っています。和尚は今、個展開催中とは全くに異次元のゆったりした時間を過ごしています。この事もまた次の展開への大きな動力源となることと思っています。アメリカという大きな国の力を感じながらの毎日です。昨日はミシガン大学のBAND-O-RAMA 「LETS GO BOO!」を聞きに行きましたが、ミシガン大学生の演奏するバンドの大迫力に圧倒されました。今少しアメリカ大陸の文化に触れてみたいと思っています。今のところ元気に過ごしています。野口先生も文化祭で多忙を極めている事と思いますが、時差ボケに負けず頑張って頂きます様念じています。野口御社中皆様のご盛会を願って御礼の言葉といたします。友峰和尚より
仁さんの家での休息ですが、今日は、真理子さんのお勤め先であるミシガン大学と、仁さんのオフィスを訪ねました。アメリカ社会が、ベンチャー企業を育てるため色々な施設を提供していることが伝わってきます。今回の個展で使われた14個の花台や、和尚の掛軸を展示する特別な台などは全て仁さんが構える工房の制作場で作ったそうで、コンピューターを操作して自動で作る工作機械や電子関係の工房など見せてもらい、ただただ感心するばかりでした。
実際に個展会場に行った初日、以前大安禅寺で製作した掛軸台とまったく同じ製品があったのには驚きと感動を受けましたが、今日、改めて仁さんに感謝したものです。
アメリカに来て13日が過ぎました。個展を終えて、今日はミシガン州アンナーバーにある、仁さんの家にお邪魔しています。お母様の真理子さんとは久しぶりの対面で、懐かしく思い出話に花が咲きました。真理子さんはソーシャルワーカーとしてミシガン大学病院に勤務されており、入院患者の精神ケアにあたっているそうで、日本も同じ現象が起きていますが、アメリカでも現在お年寄りの精神面のケアが重要視されてきているそうです。とにかく、真理子さんとは随分と長くお会いしていなかったため、明日からの滞在を楽しみにしています。
お家はとても素敵なアンティーク調の設えで、まるで日本にいるかのような錯覚を起こすほどでした。ニューヨークにいた時は毎日忙しく、ホテルに戻ると夜の10時過ぎで寝る間もない程だっただけに、ウソのようなゆったりとしたリズムに戻りました。40年ぶりのアメリカ訪問なので、時間の許す限り多くの方々とお会いしてみたいと思っています。個展のお手伝いを頂いた皆様も全員無事に帰国されたと聞き、ほっといたしました。今はきっと安堵されている事と思います。
今日の夕食は本当に久しぶりの真理子さん心配りの日本食でした。温かいご飯にお味噌汁などなど、五臓六腑にしみこみました。こちらに来てからずっと洋食でしたから胃も喜んだことでしょう。真理子さんからマインドフルネスの話を聞きましたが、和尚も色々老後の精神ケアについて考えてみたいと思った夕食の一時でした。友峰和尚より
個展が終了したというのに、今日も何となく奇妙な感覚の中にいます。これは一体何なんでしょう?ニューヨークにいるのに、何処かほかの国にいるような感覚です。
朝方8時半、最後までお手伝いして下さった7名の方を御見送りして、その後、ホテルの部屋で自分の荷物の整理をしましたが、体全体が弛緩したような、昨日までの自分とは別人のような感覚で、今まで何をしていたんだろうってポカンと気の抜けた状態が続き、なかなか次の行動に移行できませんでした。そこへグリフィス教授が迎えに来られ、サラ・ローレンス大学まで戻って、昨日梱包した掛け軸や備品を日本に送るため一緒に郵便局へ行きましたが、これまた大変な作業でなんと2時間要しました。野口先生の荷物が送れるか心配されましたが無事に通過して一同ほっとした次第です。
荷物を本国に送り返した時点でようやく終わった感覚がしました。それと同時に、グリフィス教授はじめ仁さんはこれまでどんなに準備に労を費やしてきたかをしみじみと感じ入りました。また、野口先生始め御社中の皆様、斎藤様、加賀様、好ちゃん、事務局の山口さんの深甚なるサポートに感謝の念でいっぱいになりました。いつもそうですが、終了するまで気が抜けず参加くださった皆様への気配りに欠ける事を本当に申し訳なく思います。もっともっとみなさんのお気持ちに添うように心を尽くさねばなりませんね。毎回終了して知る反省の心です。無事に終了できたのも偏に皆様の温かい思いやりと協力が有っての事と深く感謝申し上げます。また、留守を守ってくださっているすべての方々の御支援にも心より感謝申し上げます。 和尚の我儘にお付き合い頂いて居ることに甘えず今後は少しでもお返しできるように頑張って行きたいと思います。本当に本当に有り難うございました。有り難うございました。友峰和尚より
最後の墨跡デモンストレーションに向けて、全員で準備 / 撮影:加賀 好さん
千秋楽の今日は暖かい一日となりました。12時からの最後の墨蹟デモンストレーションに全身全霊で挑みましたが、大学の副学長様も見学に来られより一層力が入りました。
観覧された方々の質問に答えるグリフィス教授
これで全てのカリキュラムを終了しましたが、何とも妙な感覚の中にあってまだ実感として終わった感覚が出てきません。今後、時が経つにつれて少しずつ感じるのかも知れませんね。ニューヨークでの個展開催という事で随分心配もしましたが、グリフィス教授と子息の仁さんの力強いサポートで無事に円成出来ましたことを安堵とともに大変嬉しく思っています。会期中は野口美智子先生と御社中の皆様には幾重にもお世話になり、厚く御礼申し上げます。後片付けの際にも野口先生はじめ社中の皆さま、加賀様、好ちゃん、斎藤さん、グリフィス教授さま、仁さん、山口さん、には大変お疲れのところお手伝いいただき無事にすべてを綺麗に片づけて梱包できましたことにも厚く御礼申し上げます。
墨蹟パフォーマンス終了後、会場を撤収
夕方6時、会場として10日間お世話になった、サラ・ローレンス大学図書館を出発
夜の講義があるため大学に留まるグリフィス教授と、お別れのご挨拶
最後の夜を、大学近くのレストランにて
今後、今回の経験を色々な場面で活用していきたいと強く念じています。留守中をお守り頂いています全ての皆様に心から御礼申し上げ、個展終了のご報告といたします。有り難うございました。友峰和尚より
野口社中の皆様、本当にご苦労様でした。今日は4名の方が朝8時半に帰国の途に就かれ、ホテルで御見送りしましたが、何ともさみしい限りでした。明日で「サラ・ローレンス大学個展」も最終日を迎えます。野口美智子先生、姉崎志乃様、姉崎ともよ様の三名が、明日の墨蹟デモンストレーションのお手伝いとして残られまた、加賀容子様、好ちゃんも最終組として残られました。今日も午前中から大学生との懇談会が開催され、和尚をはじめとして、野口先生、加賀容子様、加賀好ちゃん、そして家内も参加しての質疑応答となり、学生たちの熱い思いの中で楽しい懇談となりました。
午後も引き続き学生達との懇談が行われ、グリフ教授も参加しての大変に内容のある質疑応答となりました。夕方6時からは坐禅が行われましたが、今日はこれまでで最高の14名の学生並びに一般の参加者が有り、好評のうち坐禅会も終了しました。学生との懇談会の最中にサラ・ローレンス大学の副学長様も個展会場に来られ、終日賑わいを見せたものです。何よりも嬉しいことは、日にちを経るごとに学生達が会場に顔を見せるようになってきたことです。此の一週間、実に有意義なものでした。初めて禅に触れる学生ばかりですが、墨蹟や茶道、華道、ミーティングの催事を通して少しずつ興味を示しはじめ、特に現在、日本語を勉強している学生は熱心に何度も会場に足を運んでくれたことは大いに元気づけられた感が有りました。
サラ・ローレンス大学副学長様とご挨拶
愈々明日、正午より、大学生対象の墨蹟パフォーマンスが開催され、今回の個展千秋楽となります。反省する間もないほどハードなスケジュールでしたが、今は充実感の中に日々を過ごしています。グリフ教授を始め仁様には並々ならぬご苦労と心づかいを頂いていることに改めて感謝申し上げたいと思います。友峰和尚より
グリフィス教授のご自宅付近の風景
今日は、昨日の3時から行われた墨蹟パフォーマンスの後片付けの為に大学へ行き、その後はグリフ教授の案内でニューヨーク郊外の紅葉を鑑賞に行きました。「サラ・ローレンス大学個展」も愈々あと2日間を残すのみとなりました。明日は10時から学生との懇談会が予定されており、二度目の開催となります。大学の雰囲気に慣れるにつれ、学生たちとの距離感も縮まってきた感が有り、もっともっと交流してみたいと思うこの頃です。和尚の大学時代の頃を思い出しながら学生と接していますが、何とも不思議な気分になるものです。大安禅寺や寶勝寺も今後国外の留学生などを受け入れてあげたいものです。学生時代に見聞を広げることは大いに賛成ですし、どんどん国外に出て色々な文化の違いを体験して欲しいですね。地球を取り巻く環境は昔と違って随分と世界が狭くなってきています。いろんな意味で多くの国々との交流をしてほしいと願ってやみません。さて今回のニューヨークでの個展開催が今後の創作活動にどのようにプラスされて行くか楽しみにしています。あと二日間になりましたが気を引き締めて頑張って行きたいと思います。友峰和尚より
今回の個展開催で最も重要な「墨蹟デモンストレーション」を午後3時から行い、全力で臨みました。今日はニューヨーク市民対象という事でしたが、一般市民とともに学生さんも沢山見学に来られ、気合を入れながらのパフォーマンスに大きな拍手を頂きました。何が故の「墨蹟デモンストレーション」かと言えば、禅は成りきることの大切さを説きますから、筆と紙と墨と心とが一つになる瞬間が無心の当体であり、その事を知ってもらうには実際に見てもらうことが一番早く納得してもらえます。本当に快晴の天候に迎えられての催事となりました。くどくどと言葉を並べるより今日のパフォーマンスの写真をご覧いただければと思います。野口先生の生け花とお茶会も大盛況でした。
何もかもが縁のなせる業でありますが、一日を無事に終えてひたすら感謝あるのみです。心より感謝感謝感謝。多くのご縁で無事に終えることが出来ました。愈々明後日、「サラ・ローレンス大学個展」の最終催事・墨蹟デモンストレーションに挑みたいと意を強くしています。友峰和尚より
大変おつかれさまでした、また日本で再会しましょう!
肌寒い気候ながら爽やかな秋風を受け、今日は久しぶりの休息日となり、9時にホテルを出発して一路ニューヨーク市内へと向かいました。昨日まで個展イベントに集中していた為、周りを見る余裕すら有りませんでしたが、今日は休養も兼ね市内観光に出かけました。野口社中の一部の方々が早朝に帰国されたため、総勢13名で一緒に出掛けたわけですが、ほとんどの方がニューヨークは初めてとあって世界の中心都市のダイナミックな高層建築群や風景に酔いしれることとなりました。
和尚は40年ほど前に来ましたが、その頃よりダントツに街が綺麗になっていることに驚きました。何もかもが人間のワザとは思えないほどの高層建築群にはさすがに圧倒され、40年前とは比べ物にならないほど建築物が増え、しかも建物が超高層となっていることに感動すら覚えたものでした。
十分に休息できたかどうかは分かりませんが、とにかく時差と寝不足と極度の疲れとが相まって、不思議な感覚の中での一日となりました。何事もそうですがやはり現場に来なければ実感できないものが有ります。写真やビデオの映像をもってしても現実に目の前に広がるニューヨークの絶景には息をのむほどでした。誰もが「素晴らしい!」「素晴らしい!」の連呼でした。
明日は今回の個展催事のメインイベント、ニューヨーク市民に対しての墨蹟パフォーマンスと坐禅指導が有ります。また野口先生はじめ社中の皆様は終日、華道デモンストレーションとワークショップ、そして夕方にはお茶会が予定されています。今日の市内観光の感動をもとに全力で頑張りたいと念じています。どうか日本の皆様からもお力を送って下さいますようお願い申し上げ、今日は早めに就寝したいと思います。友峰和尚より
開催2日目を迎え、カリキュラム遂行も時間との戦いで、午前中は書道教室や坐禅体験の会場セッティングのために走り回ってのハードさとなりました。午後2時より、日本語を学んでいる1年生と飛び入りの学生、合わせて18名を対象に、書道教室が個展会場で開催され、午後4時からはメディテーションルームにて初めての坐禅指導が行われました。坐禅には、昨日、夕食パーティに御招待くださったサラ・ローレンス大学の学長様も参加され、初めての経験だったそうですが、大変満足された様子でした。
午前中は個展会場にて大学生とのコミニュケーション懇談「MEET THE ARTIST」がありましたが、少人数ながら書道や禅に興味を示していました。会場に展示された作品もすっかり大学の空気に溶け込んで、新たな作風を感じさせてくれています。
野口社中の皆様は本日、学内の大変落ち着いた雰囲気の音楽堂で、多くの学生さんの参加の中、お茶会を開かれました。漸く学内の雰囲気にも慣れ、スムーズな行動が取れるようになって来たこの頃です。個展会場が大学内であることを充分に意識する瞬間は「昼食の時間」で、大学側のはからいで学食を利用していますが、多くの学生に囲まれての食事は個展参加者の楽しい時間となっています。明日は休息日!ゆっくり休んで明後日のメインイベント、墨蹟デモンストレーションに臨みたいと思います。友峰和尚より