和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第789話 】
2015年 10月 16日 談

一周忌ご法要修行のため、午前中は野町・少林寺に出向きましたが、本当に法要日和の中でのお勤めとなりました。「光陰矢の如し」の語そのままに、一年の過ぎゆく速さを肌で感じています。少林寺奥様の入れてくださったお茶を頂きながら昨年の事を思い出していましたが、久しぶりにお会いした故人のご家族や親戚の皆様とお話していますと、まるで昨日のことのように思われます。時間ほど大切なものは無いと思います。待った無しの人生ですからね。

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「寶勝寺霊園改葬工事会議」

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午後からは「寶勝寺霊園改葬工事会議」が行われましたが、最近になって霊園墓地関係縁者方々とのご縁が深まっています。なんと言いましても卑山は武家寺であり四百年の歴史を有する古刹でもありますので、尊厳な故人の霊魂に対して慎重かつ丁寧な改葬をしていきたいと強く思っています。墓石の一基、一基の調査が進むにつれ、そのお人なりの在りし日の姿を偲びつつ御供養をしているわけですが、和尚とてそう遠い話ではない黄泉の国への旅立ちに思いを馳せながらの会議となりました。最近は寺離れが問題となっていますが、御先祖への報恩謝徳の念ほど大切なことは有りませんね。さて、会議も無事に終え、明日より一層ご供養に専念して参りたいと思います。「有とみて 無きこそ元の姿なれ とは言うものの ぬるる袖かな」太田道灌の妻の一句でした。皆様、お元気にお過ごしください。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第788話 】
2015年 10月 15日 談

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中庭のツワブキ

今日も秋晴れの良いお天気となり、寺町を散策される観光客の方が多く見かけられた一日となりました。この時期は自坊の法務のほかに教区や本山関係の仕事も増え、それにつれて書類の整理もままならぬ状態で今日は終日事務整理をしましたが、溜まりに溜まった書類を仕分けするのは大変でした。書類などはその折々にきちんと整理すべきなのですが、どうも和尚には苦手意識が有りついつい後手後手になってしまいます。どうにか書類を分類して整理を終えた時は流石に気分のよいものでしたが反省しきりです。皆様はどのように整理されていますか? 今日は悪戦苦闘とまでは行きませんでしたが、今後は大事な書類はすぐにファイルして保存しなければとつくづく思ったものでした。手紙や葉書などは改めて読んでみると、実に心のこもった文章が多い事に気づくものです。そういえば父親の亡き後、保存されていた多くの遺品を整理していた時、一番多く残していたのが手紙や日記であったことを思い出しました。綺麗に整理されており、やはり大切な思い出の品だったのかも知れませんね。最近は「終活」と称して身辺整理をされる高齢者の方が増えてきているとか、そうですね。和尚もそろそろ思い出の品々を整理しておきたいと感じた今日のお仕事でした。事務整理の終わったところで、明日からは再び頑張って法務に専心しましょう。「今という 今こそ今が大事なり 大事の今が生涯の今」だって! 納得しました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第787話 】
2015年 10月 14日 談

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寳勝寺式台玄関 いとすすきの穂

今日のような秋晴れの爽やかなお天気は今後数えるほどしかないだろうと思うような、心和む一日となりました。昨年の今頃はアメリカ、ニューヨーク州・サラローレンス大学での個展開催に際し19日出発を目前に、その準備に慌ただしい日々を過ごしていた事を思い出していました。あれからちょうど一年を経過して、当時の事をいろいろ懐かしく思います。

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本日 午前に行われた「楽く楽く法話」

先日の10日にNHKで放送された「私が愛する日本人 ドナルド・キーン 文豪との70年」は大変感動的な番組でした。和尚がドナルド・キーン博士を知ったのは平成6年の6月13日、天皇・皇后両陛下ご訪米の折、当時のクリントン大統領が歓迎スピーチの中で詠み上げられた橘曙覽(たちばなのあけみ)の歌「楽しみは 朝起きいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」からでした。橘曙覽は卑山・大安禅寺に眠る福井幕末の歌人ですが、実はこの歌を紹介したのがドナルド・キーン博士だったわけで、本当に驚いたと同時に当時大安禅寺では「橘曙覽特別展」を開催していましたから、尚更でした。

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それ以来、ドナルド・キーン博士について色々知るにつれ、日本の素晴らしい文豪達を世界中に知らしめた立役者であったことを知りました。今から数年前に福井市でも講演が有り拝聴させて頂きましたが、その時も深く感銘を受けました。平安時代の源氏物語以来、今日に至るまで、優れた文豪を輩出した日本の文学界を大いに称賛して来られた博士に改めて敬意を表したいと思います。今日の午前中には、飛騨高山・古川町からの団体様が寶勝寺に御参拝くださり「楽く楽く法話」が行われました。「楽しみは 旅行で訪ねし禅寺で 和尚の法話 笑い聞くとき」有り難うございました! 友峰和尚より

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法話終了後、皆様の無事安寧を祈願するご祈祷をしました。

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御来山、誠にありがとうございました。

友峰和尚のちょっといい話 【 第786話 】
2015年 10月 13日 談

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ラグビーW杯・日本代表選手が本日午後に帰国し、記者会見が行われましたが、他のスポーツの記者会見とはどこか違った、一人一人の選手のコメントが実に男らしいと言いますか、日本男児の模範のような選手達でした。五郎丸選手に至っては今回の戦いで一躍スター選手となりましたが、その謙虚な態度にはより一層、多くのファンを得たようです。ラグビー競技が日本選手の大活躍によって一躍クローズアップされ、しかも多くの国民に感動を与えたのは実に素晴らしいことでした。ノーベル賞に続いての日本国民の快挙で、誰もが誇らしく思った一カ月間となったようです。

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さて、10月も中盤に入ってきましたが、そろそろ一年を振り返る大切な時期でも有りますから、十分に反省して更なるステージアップを目指して行きたいと思っています。午後からは、地元の小学生達が秋休みを利用しての坐禅体験学習となりました。日本の未来を担う子供達の一所懸命の姿に、心温まるものを感じたチビッ子坐禅の時間でした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第785話 】
2015年 10月 12日 談

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大安禅寺 参道

「体育の日」の今日は、全国各地でマラソン大会が催されていますが、参加者の中には80代の方もおられるとか。さすが長寿国・日本!といった感じですが、最近はマラソンブームに乗じて、60歳を過ぎてから走る人が増えてきているそうです。確かに、体力づくりや老化防止の方法としては「ウオーキング」や「ランニング」が最も有効な手段らしいですが、急激なトレーニングはかえって筋肉を傷める為、何事もほどほどが肝要かと思います。ある自治体では、町の体育館を使って高齢者対象の筋トレ体操を一年を通して実施したところ、ずいぶんと効果を上げているそうですから、寝たきり防止対策として今後は積極的に、全国の自治体主導の「高齢者向け筋トレ体操教室」を実施して頂きたいものです。

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和尚などは、アップダウンの激しい寺内を動き回っているので毎日が筋トレに近い状態で、特に大安禅寺のアトリエまでの、3階建てに匹敵する階段を上り下りするのは良い運動になっています。問題は金沢の寳勝寺での運動不足で、努めてウオーキングに出掛けるようにしていますが、流石に筋力の衰えを痛切に感じている今日この頃です。皆様はどのように日頃の運動不足対策をされていますか? 人間は40代を過ぎると急激に筋力が衰えるそうですから、油断は大敵ですね。

IMG_2578 (500x334)体育の日の今日は、和尚はマラソンの代わりに竹箒を持っての境内のお掃除でした。これがなかなか筋トレになりますよ! やはり運動不足にはお掃除が一番です!体全体を使っての外掃除は大変気持ちの良いものでした。落ち葉の季節、おおいに外掃除を心がけて参りたいものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第784話 】
2015年 10月 11日 談

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皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 三連休の本日は地元白山神社の秋祭りで、8時半に御神輿が卑山・大安禅寺に到着しました。少子化の波は大安寺地区でも例外でなく、年々子供達の姿が少なくなっています。神輿の担ぎ手が大人たちという現象が続いていて、今後の祭りの継続が心配されるわけですが、今が踏ん張りどころなのかも知れませんね。若い衆の「わっしょい!わっしょい!」の元気な掛け声とともに神輿を上げて、どうやら今年も無事に神様の御加護を授かることが出来たようです。

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「わっしょい!わっしょい!」

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それにしても、「わっしょい!わっしょい!」っていう掛け声ですが、何故「わっしょい」と言うのか、皆様ご存知ですか? 最近、和尚も日本古来よりの色々な行事の中での言葉に興味があって調べています。この「わっしょい!わっしょい!」ですが、一般的には「和を背負う」「和と一緒」から来ているとの事ですが、諸説あって、韓国語の「ワッソー(来た)」の発音から来たとも、面白いですね。大いに学習しながら、日本の伝統的行事を後世に伝えていって欲しいと思います。秋の観光シーズンを迎えて、今日も愛知県や石川県からお参りに来ています。この時期は坐禅の季節でも有りますね。大いに坐って、身体と呼吸と心を整えましょう!坐禅に来たれ!! 友峰和尚より

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本日の生き生き法話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第783話 】
2015年 10月 10日 談

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昨日まで京都でしたが、一夜明けてみればがらりと風景が変わって、山中静かな秋の風情いっぱいの佇いの禅寺で目を覚ましました。何気なしに机に目をやると、つい先日送られて来た小冊子に目が行き、その題名がなんと「先斗町地名考 ~ポントの謎を解く~」で、京都・先斗町の名前の由来についての杉本重雄氏の書かれた大変興味深い一冊の本でした。思えば学生時代、友人達とよく先斗町に遊びに出掛けたものでした。当時はなぜ先斗町(ぽんとちょう)と言うのかなど知る事も有りませんでしたが、考えて見れば随分と変わった名前では有りますね。京都と言えば「祇園に先斗町」とすぐに思い出すほど、実に有名な地名です。昨日は自坊の法務の為、会議終了後はわき目も降らず福井へ戻りましたが、気持ち的には、せっかく京都に来たのだから木屋町や高瀬川、祇園、先斗町など散策してみたいと思ったものでした。そして一夜明ければ目の前に「先斗町の本」という事で、やはり京都とは縁が有りそうです。早速に先斗町の風景を思い出しながら読ませて頂きましたが、結論は次のようでしたので、皆さんにも知って頂きたいと思います。

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先斗町の呼称の由来・・・「東山を臨んで、家々が鴨川に面した先ばかりに立ち並ぶ景勝の地で有ったことから」、或いは、「その北端部が三条河原に位置し、かって先(首)ばかりが置かれた刑場の地であったことから」、「カルタ賭博用語 ポント(先斗)=先ばかりの意、との洒落で名付けられた」と有ります。どうですか? 皆さん。為になりましたか? 地名ほど面白くその場所の歴史や由来を語るものは有りません。全国には同じ地名が沢山ありますが、往々にしてその地名の由来には共通点が有るというものです。地元「田ノ谷町」地名の由来も、約千二百年前に「竜王山 田谷寺(でんこくじ)」が有った場所に由来しているわけですから、地名は大切な文化記憶遺産でもあると思いますね。今度京都に行ったときは是非、先斗町を訪ねてみたいと思いました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第782話 】
2015年 10月 09日 談

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全国定期宗務所長会議を無事に終えて帰路につきました。相変わらず京都駅は観光客で賑わっていましたが、修学旅行中の団体も多く見受けられ、子供達を引率する先生方も楽しそうな雰囲気で微笑ましい感じを受けたものです。和尚の学生時代から何度も訪れた京都ですが、やはり千年の歴史を有する古都らしく、来るたびに新鮮な感覚があります。

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さて、気分を一新して再び自坊の法務に戻り、夜の金曜坐禅会に備えました。瞬間移動とまでは行かないものの、先程まで居た京都から福井に戻れば、そこには自然がいっぱいの大安禅寺。今の時代だからこそ味わえる、ダイナミックな環境の変化体験でも有ります。心から贅沢な経験だと思いました。交通インフラがもたらす異次元体験といった処でしょうか! 会議ではひたすら当局者説明のヒヤリングに徹し、坐禅会では自分の心のヒヤリング、どちらもヒヤリングながら、人間の持つ能力の不可思議さを感じ取ります。坐禅は実に有り難いですね。夜の深まりとともに頭の中も身も心も静まって、世の喧騒を離れてたった一人きりの有意義な時間を過ごすことが出来そうです。最近は坐禅会に参加する方も増えて来ました。きっと皆さんは一人っきりの「遊戯三昧」の心境を味わっているようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第781話 】
2015年 10月 08日 談

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大本山妙心寺での全国定期宗務所長会に出席しましたが、京都は秋の観光シーズンを迎えて多くの外国人旅行者の方々で賑わいを見せていました。毎年この時期に開催される会議ですが、本山にお参りできる事を大変に嬉しく思っています。地方にいますと次第に自己本位になりがちですが、本山に来ますと初心に戻ったようで、和尚にとっては大切な会議参加となっています。明日の正午まで会議がなされますが、本派の色々な問題点が議題に取り上げられるにつれ、今日の社会問題も複雑化しているのが実感として伝わってきます。毎回、会議に参加しながら宗派に関する情報収集に徹しているわけですが、全国それぞれの教区によってずいぶんと問題点が違うものだと感じます。

IMG_7050さて、お堅い話はこれまで、世界的にも観光地として人気のある京都ですが、タクシー運転手さんの話ではフランス・パリを抜いて世界ナンバーワンの観光都市になったとか。それが本当なれば嬉しい事ですね。いまや日本国は世界中から観光客が押し寄せており、そんなニュースをたびたび目にするわけですが、金沢市も新幹線開業以来、例年の三倍以上の観光客が押し寄せています。和尚も学生時代は4年間京都に住んでいましたが、改めて古都の素晴らしさを肌で感じています。金沢市もまた、小京都と言われていますように大変魅力のある歴史的町です。歴史を有する町は人々の心を魅了して止まないようですね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第780話 】
2015年 10月 07日 談

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全昌寺 様と (曹洞宗・大垣市)

日本人御二方のノーベル賞受賞のニュースは、日本全国の国民に大きな幸せ感を伝えたようです。小国ながら、世界中の研究者達の中から毎年の如く日本の研究者が受賞される姿を拝見すると、やはり大変誇らしくまた嬉しく思います。そんな幸せな気分に包まれながら、今日は久しぶりに自坊大安禅寺での午前・午後の「生き生き法話」となりました。

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超高齢化社会が進む日本では、家族間の会話が極端に減少傾向にあるとか。少子化にも原因が有ると思いますが、それだけでなく、電子機器の普及による会話不足もその原因の一つに挙げられています。和尚の法話を聞いた後、「久しぶりに笑いました。なんだか気持ちが晴れましたわ!!」なんてコメントされると、嬉しいやら心配やら、複雑な気持ちに駆られます。それでも、和尚のお話を家に持ち帰り、何らかの会話が家族間でなされることを期待したいものです。

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満面、笑顔笑顔で帰られる拝観者皆様の姿をお見送りする時ほど安心するものは有りません。核家族化が進む中での和尚の「生き生き法話」が少しでも、高齢者方々の心をほぐす要因となる事を願いたいものです。さて「七十八十は、鼻たれ小僧、九十、百で花盛り!」と言うた人がいるそうですが、それなら和尚もまだまだこれからです。頑張って参りましょうか! 友峰和尚より

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