和尚のちょっといい話
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大安禅寺愈好亭から臨む緑
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の一句は、今から約三百年ほど前の俳人・山口素堂の作品ですが、この時期に読んだ名句でもあります。春の鳥、ウグイスの鳴き声から次第にホトトギスのけたたましい鳴き声に変わって行きますと、まさに夏の到来を感じさせてくれるものです。
長らくお待せ致しておりました…
姫観音図が完成いたしました。
もちろんウグイスも負けじと啼いてはいますが、ホトトギスの声には圧倒されます。青葉若葉が目に染みいるようなこの時期に有って夏の到来を告げる初鰹の食感はたまらなく旬を感じさせてくれますし、日本人特有の感性は四季の移り変わりに感応しながら培われて来たものと思われます。この一句は、欲張りにも季語を三つも重ねる型破りの歌ながら作者の興奮が伝わって来ると同時に、和尚とてもじっとして居れなくなる気分になるものです。日常生活に流されず、自然の微妙な移り変わりの様をつぶさに感じ取って行きたいものですね。
さて、ニュースではしきりに火山噴火を危惧する危険情報を伝えています、地底のマグマさえもまた一つの宇宙の命であることと受け止め、共存の道を歩んでいかなければなりません。「大いなるものに抱かれある事を今朝吹く風の涼しさに知る」恩師、山田無文老大師猊下の言葉が心に響くこの頃です。ブログを御読み頂いて下さっている皆様には大いに安らかな日々であることを念じて止みません。友峰和尚より
この時期のお花屋さんは辺り一面に最高に素敵なにおいを漂わせ、気分を和やかにさせてくれます。今日は妻と鯖江市に有る小林農園へ行き、新しい品種の薔薇の苗を買い求めましたが、お店にはありとあらゆる花や木々の苗が所狭しと並べられており、実に圧巻でした。どれもこれも欲しい苗ばかりでしたが、本日は目的の苗のみに絞って買い求め早々に引き揚げました。色々な種類の木々や花から発せられる匂いに身も心も奪われました。勿論、和尚は山の中に住んでいますから草木の匂いに包まれる日々ながら、流石に一堂に会した苗木となりますとまた格別なものを感じますね。
さて、お寺に戻ってからは早速に仕事ですが、垣根の剪定作業に取り掛かったものの機械がずっしりと重く腰にきて思うようにはかどらず、何とも歳を感じたものでした。
「若い時は二度無い!」と父からくどくど言われましたが、今まさにその言葉が重く圧し掛かってきます。「来年の話をすると鬼が笑う!」「嗚呼!来年なんてどうでもよい、兎に角、いま自分に出来ることをやるのみさ!」なんて、愚痴を言ったら罰が当たります。和尚の隣では84歳の大工さん、高島様が塀を直していますよ。上には上がいるもんだな!そうは言ってもやっぱり来年は剪定作業は無理かもね。来年の分も明日から頑張ってやっておこうと思いました。友峰和尚より
全国植樹祭が天皇皇后両陛下ご臨席のもと本日、石川県小松市で開催されましたが、それはそれは素晴らしいお天気になりました。寶勝寺山門前に掲げられた日の丸国旗も今日ばかりは太陽に燦燦と照らし出されて初夏の風に吹かれ、たなびいていました。国旗のあまりの美しさにしばし見とれてしまったほどです。
最近は祝日でも国旗を掲揚される家が少なくなっているようですから、卑山に掲揚されている国旗を不思議に感じられる方もおられるかと思いますが、天皇皇后両陛下がご来県されるのは今後随分と先のことになると思いますので、心から歓迎の深意を表したいと思いました。開催地が小松市ということで金沢市内は平常通りで、早朝より観光客の方々が寺カフェを利用されていました。
一年を通じて本当に今が一番気候の良い時期であると感じます。団塊の世代の定年退職者を多く迎える我が国において、退職を記念して夫婦で旅行をされている姿を最近は多く見かけるようになりましたね。なぜそんなことがわかるのかと言えば、退職者三点セットを身に着けておられるからわかります。三点セットとは、「カメラ・ビデオカメラ・デイパック」ですが、加えて双眼鏡でしょうか。スタイルも決まっていますし、ペアルックも決定的と言えます。長い長いお勤め生活から解放されての夫婦での旅行は、恐らくは新婚気分かと察します。卑山の寺カフェでゆっくりとくつろいでおられるお姿を拝見しながら、「お疲れ様でした!」と言いたい気分になります。されど和尚はまだまだ現役です!本当に旅立つのは最後の最後になりそうです。ジャンジャン!かな? 友峰和尚より
全国植樹祭のため天皇皇后両陛下が石川県にお見えになっておられ、金沢市も街全体が不思議な緊張感に包まれる中、和尚も一般市民に交じって沿道でのお迎えに参加しました。両陛下の御徳を示されるかのように雨も上がり陽光の指す中、目の前を車列が通過して行きましたが、車内で御手を振っておられる両陛下のお元気そうな御尊顔を拝することが出来、大変嬉しく思いました。
今日は朝から、厳重な警戒警備の為か人通りも少なく、土曜日ながら静かな時間が流れて行きました。寶勝寺門前に掲げられた日の丸の国旗もどことなしか悠然とたなびいているように見えたものです。午後からは寺カフェ利用のお客様も増え始め、いつしかいつものリズムに戻って行きました。それにしても警備をされている警察官の、市民に対しての丁寧な誘導や言葉がけには感心したものです。多くの市民が日の丸の小旗を持って沿道で両陛下の車列を長時間待ち続けているわけですが、その間、実に親切に分かりやすく語りかけている警察官や刑事さんの姿が印象的でした。時代も随分と変わったものですね、素晴らしいことだと和尚は思いました。
天皇皇后両陛下のお元気な御姿と笑顔で手を振られていた姿がいつまでも心に残ったホットな気分の一日となりました。スターと出会った時に、きっと皆様もこんな幸せな気分を味わっているのでしょうね。友峰和尚より
午前中、霊園掃除をしました。
流石にこの時期に有っての急激な気温上昇は、体に応えますね。お寺の庫裡に備えられている寒暖計も午後1時には28度を超えていましたから、恐らく室外は30度を超えていたに違い有りません。そんな中、午後1時半より第3回目となる「寶勝寺霊園改葬工事計画連絡会議」が市役所関係者をお招きして行われましたが、この度の寶勝寺霊園デザイン設計、宮崎様の当局に対する丁寧な説明を聞かせて頂き、新たな感動を覚えたものでした。
会議のようす / 金沢市の担当者様、㈱悠・宮崎様、寳勝寺総代・須貝様とともに
和尚の人生を振り返って見るに、何を成すにも先人の恩徳を奉じることが第一であったように思います。今日は会議後にも、北條家ゆかりの御方が卑山の檀家様であります北條直敬様ご夫妻のご案内でお寺に来られ、本当に仏縁の不思議さを感じました。
最近は「墓じまい」や「永代墓」がよく話題に上がりますが、本当に残念に思えてなりません。祖先の恩徳を讃えてこその我々子々孫々の未来でありますから、先祖墳墓を守って行くことの大切さを願ってやみません。今日において、大安禅寺や寶勝寺の復興がなされていくのも須らく祖先の恩徳をもって成就されていくものであると感じます。北條直敬様の東京からのお客様とは、本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。何もかもが仏縁ですね。寶勝寺復興がもたらすご利益は今後もまだまだ続きそうです。ブログをお読み頂いている皆様、父母の恩そして祖先の恩を忘れずに日々をお過ごしくださいますよう、切に願った衆生縁の一日となりました。友峰和尚より
寶勝寺の六道地蔵さんは以前、御堂が台風で吹き飛ばされ、それ以後は本堂入口のところに安置されていました。先般の本堂修復工事の折、御堂の建っていた元の位置に戻しましたが、現在は仮屋根のため日差しが直接お地蔵さんに当たり、あまりにも暑そうだから今日はすだれを掛けてあげました。
地蔵さんはサンスクリット語で「クシティガルバ」と言い、クシティは大地を指し、ガルバとは胎内を意味するところから「地蔵菩薩」と訳され、特に六道地蔵が有名ですね。我々にもっとも近いところで人々を救済される菩薩として親しまれて来ました。寶勝寺の地蔵さんは皆お顔が違って、とても穏やかな表情をされています。最近の急激な気温の上昇でさぞかしお暑いことと察し、今日はすだれを掛けてお守りすることにしました。
そうですね。他人は、「石で出来ているから、暑さなんて大丈夫ですよ?」と言うかもしれませんが、和尚にとっては自分のように感じますからね。地蔵さまたちが喜んでいるかどうかは、また別の問題です。そういうわけで、これで少しは和尚も六道輪廻(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)から救われるかもしれません。暑い時にはすだれが一番です。すーだね、すーだね。オンカカカビサンマエソワカ 友峰和尚より
台風一過でホッとしたのもつかの間。今日はその吹き返しなのか台風よりも強い風が吹き荒れ、気温も一気に上昇して27度となりました。金沢市寺町は、海から吹き上げる風が野田山めがけて強く吹くために、寶勝寺の看板も吹き飛ばされる始末。なんとも良い事はいくつもありませんね。このような気象変化をフェーン現象と言うのでしょうか? 天気が良いのがせめてもの幸いでした。
さて、明日からは寳勝寺霊園のお掃除に入る予定ですが、この15日に開催される、第三回目となる金沢市役所当局との霊園改葬計画説明会議の為にさらなる調査を必要としています。最近、テレビのニュースなどでは盛んに近年の激変する墓地事情について報道がなされていますから、やはり理想的な未来墓地を目指したいものですね。和尚とてそう命は長く有りませんから、ボチボチやっていたのでは間に合いませんので、少しスピードアップして頑張って参りましょうか。
寶勝寺に着いた途端に、和尚のお客様が来られました。また新しい御方との出会いですが、それも墨蹟を通じてのご縁です。和尚お気に入りの一字「空」を依頼され、本日お渡しすることが出来ました。墨蹟がとりなすご縁ですから、和尚が死んでも後々まで書が代わりにメッセージを伝えて行くことでしょう。
世の中は一切空なり! いいですね!いいですね! 大空に舞い立つがごとくに、心は晴れ晴れとした日々を過ごして参りたいものです。友峰和尚より
台風6号の影響で昨晩から大風が吹き、朝、目覚めてみれば境内は落ち葉で荒れ放題の始末。掃除をしようにも吹き荒れる雨風には手の施しようがありません。こんな時は部屋に篭って黙々と宿題をこなすのみと、随分と前に依頼を受けていた「姫観音図」に挑みました。もう長らく描いていなかったため、観音様の描き方も忘れ悪戦苦闘の時間が過ぎて行きました。「姫観音図」は和尚のお得意の禅画なれど、やはりしばらく怠けていたためか良い御顔にならず何度も挑戦しました。
写真の如く、可愛いお顔になってきたのは夕刻を迎える頃で、本当に、観音様に成りきるまでに時間がかかりますね。「六十の手習い」なんて言葉が有りますが、何でもやってみてわかるものが有りますから、皆様も大いに色々な趣味や習い事にトライして欲しいものです。宿題制覇にはまだまだ時間がかかる気配ですが、何事もやり始めたら事はスムーズに動き出しますから、引き続き頑張ってやりましょう。それに致しましても、この時期の雨は和尚にとっては良い響きとなって聞こえて来ます。花菖蒲達が心待ちしていた雨なんです。このミネラルウオーターを受けて一気に株が成長していきます。雨に呼応してカエルさん達も一斉に鳴き声を上げていますよ!「カエルの親子 仲良し親子 ゲロ ゲロ・・・」カエルの子供たちが無事にかえる事を願っています。友峰和尚より
福井市役所おもてなし観光推進室の方々による視察 / 大安禅寺「千畳敷」へ続く参道にて
7年後には北陸新幹線が福井駅開業となるとかならないとか、いずれにせよ来ることには違いないようですから、今から観光面で色々準備をしていきたいと強く思っています。和尚自身、現在金沢での法務が主になっている関係で、今回の北陸新幹線・東京ー金沢間開業に立ち合うことが出来たことには大きな意味が有りました。新幹線効果は目を見張るものが有り、これからの7年間は観光面でのコンセプトやビジョンを練る上で極めて重要な期間となりそうです。大安禅寺の魅力は旧福井藩の歴史と共に有りますので、福井市が推し進めている「歴史のみえる街づくり」に協賛して、更に努力を続けて行きたいと思います。
福井市役所おもてなし観光推進室の方々による視察 / 駐車場のお手洗い所にて
そんななか、今日は福井市役所・おもてなし観光推進室の皆様が、卑山の観光施設の視察に来て下さいました。行政サイドの指導を仰ぎながら、一層の観光施設の充実を図りたいものです。さて、毎日が多忙になってきました。昨日に引き続き、依頼を受けました禅画や墨蹟を完成させ、落款を捺しました。
いくつになっても宿題は辛いものですね。達磨図の賛は、「一華五葉を開く」と書きました。
是はなんでしょう
皆様の日々の努力が大きく花開くことを願ってやみません。友峰和尚より