和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第408話 】
2014年 10月 05日 談

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千客万来の一日となりました。富山県高岡市より観光客向けの法話としては初めてのお客様を迎え、法話後には寺カフェも御利用頂き、福岡観光旅行社の木村様には幾重にも御礼申し上げました。和尚にとっては今後の金沢市・兼務寺院三ケ寺の復興淨財として観光収入が基本と成る為、今日の拝観は何よりも嬉しい出来事でした。

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福岡観光旅行社様と自坊の大安禅寺とはこれまでに長い長いお付き合いを頂いており、今回は寳勝寺に御縁を頂きました。寳勝寺は本尊佛以外、特別にと拝観して頂けるようなものも無く、やはり和尚の法話を聴いて頂けるのは本当にありがたいことです。その後も地元金沢市の城南公民館の皆様も来られ、寺カフェのお客様と相まって終日賑わいを見せました。夕方には金沢学院大学の学生である土屋大河さんと坂下直樹さんが訪ねて来られ、和尚のこれまでの寺起こしの活動などについて色々質問を受け一時間余り歓談しましたが、寳勝寺にも次第に若い人が集まってくるようになり和尚として大変喜んでいます。

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長い間休眠状態にあった寳勝寺も漸く寺としての息を吹き返し始めたようです。何もかもが人との御縁を以て広がりを見せ始めて行くようです。本来、禅寺は若い方々が集まってくるところでなければなりません。未来を担う夢多き若人たちに大いに奮起して頂きたいと二人の青年を見て切に願ったものです。明日からは再び個展に向けて集中していきたいと思います。友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第407話 】
2014年 10月 04日 談

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白ほととぎす / 寳勝寺中庭にて

「金さん百歳、銀さん百歳」で一躍有名になった銀さんの長女・矢野年子さんが来年100歳を迎えるそうですが、四人姉妹揃って90歳を超えるお年だそうで、もう「驚き 桃の木 長寿の気」という感じで、流石に家系としての長寿DNAをお持ちだと感服します。思い出しますに、銀さんが108歳で御他界されたとき娘さんがインタビューに答え「ばあちゃんもっと元気でいてほしかった」と言われた時の娘さんの年齢が80歳を超える年齢だったので「すごい!」って思ったものです。あれから13年が過ぎ、今や日本における百歳以上の人は58820名と敬老の日に発表されました。一年間に約4000名ずつ今後も伸びていくそうです。

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オータムリリー / 寳勝寺中庭にて

最近自分も66歳を超えてふと思うことがありますが、父親の66歳の頃の姿を想像しますに、子供の目から当時は随分と年寄りに思ったものです。きっと31歳の息子も今、和尚の事をそう見ているに違いないと思う時があります。しかしながら父と同じ歳を迎えても全くに心の感覚は若き青年時代と同じで、「歳はとってみなければわからんわいな」と言っていた父の言葉が「なるほど!」と、ようやく腑にに落ちるようになってきた今日この頃の心境です。自分の姿を鏡に映せばゾッとするような容姿なれど、心は生き生きとして「歳取らず」というよりも、元より「無心無碍なる心」なればこその自分を支える「有り難い」佛の心と合点する毎日です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第406話 】
2014年 10月 03日 談

台風18号が本州に向かっているとの気象情報ですが、最近の台風も以前とは雲泥の差があって今回はかなりの大型となっているとか、怖いものの昔からの例え「地震 雷 火事 親父」も最近では「火山 台風 竜巻」が加わりますます恐ろしいものが増えていく感が有ります。「備えあれば憂いなし」の格言もこうまで日常茶飯事に次々と災害が襲ってくるようでは手の打ちようも無くなってしまいそうですが、最少限の防災に関するグッズは備えておかなければならないようです。新たな防災グッズとして「ヘルメット、ガスマスク」等も加えたほうが無難なようですね。いまや何処にあっても災難が降りかかってくる様相なので、車などにも防災用品を載せて置くといざという時に役に立つかもしれません。とにかく東日本大震災以降今日まで日本全土に於いて天地災害が続発している事に心を重くしています。卑山の裏山にも福井県土木課の事業として大きな砂防堰堤ダムが建設される予定となっています。日本国土が火山地帯の上にある現状からして急傾斜地区は無尽蔵にあります。今後の新しい住居建設には今まで以上に慎重な場所選びが求められているようです。400年の歴史を誇る大安禅寺にもじわじわと災害の足音が近づいて来ています。「油断大敵」ながら個人一人の力では如何ともしがたい時代を迎えるなか、昔のように村全体の結束力「町内力」が今後のキーワードのようです。友峰和尚より

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一宮市在住の奥村行保様・木村様から「野菜力」を沢山頂きました。何れも丹精込めて作られた自家製の野菜です。
友峰和尚のちょっといい話 【 第405話 】
2014年 10月 02日 談

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「ありがとう おかげさま」と書いた和尚の色紙を多くの方が求められるそうで、そのリクエストに応えて今日も色紙制作の続きをしました。今年に入ってからも次々と天地災害による大きな事故が起きていますが、事故が起こるたびに、家族や友人、グループの長年に渡る心の繋がりが一瞬のうちに絶たれていく現状を目の当たりにして、この世の無常を思い知らされます。またそのような現状を我が事として捉える時、日ごろから「ありがとう おかげさま」の気持ちを精一杯伝られるような行動をしなければと強く思います。「一期一会」の言葉のように人生は、一瞬一瞬が出会いであり別れなのかも知れません。本当に近年になって頻発する災害事故は当然のことながら明日は我が身に起きることと和尚も承知します。「人身受け難きを受け 仏法遇い難きに遇う」日々のお経の中にあるこの言葉、仏法の教えは真にもって「有り難し おかげ様」に尽きるかと思います。最近では子供たちが挨拶をしなくなったいうことをよく耳にします。「行ってきます!おはようございます!ご苦労様です!こんばんわ!ただいま!」何でもない日常に交わしている言葉が一番心に残りまた心安らぐことを知る今日この頃です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第404話 】
2014年 10月 01日 談

 

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昨日より色紙書きに専念した二日間となりました。秋の観光シーズンを迎えており10月は大安禅寺にも多くの参拝客が予定されており、志納所に出す不足分の色紙書きに集中しましたが、如何せん久しぶりに書くものが多く、頭の神経も混線状態で「うにうに」って感じでした。冷えピタを張っての頑張りでしたが、うっかり貼ったままの状態でお客様の前に出てしまう始末、「エーイ!」見栄えなど気にしていたらとても間に合いません。何とか半分ぐらい目的を達成できたでしょうか。10月19日にニューヨークへむけて出発予定なのですが、気持ちはかなり緊張していて毎日があっという間に過ぎていく感じです。昨晩は同行される皆様との結団懇親会が開かれました。

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野口美智子先生からのご挨拶のようす

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スケジュール表や会場見取り図などを基に説明をしているようす

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参加されます方々も相当ボルテージも高まってきているようです。野口社中の皆様から丁寧な励ましの言葉とお祝いや記念品など頂きましたが、社中の皆様が先日壮行会を開かれたとか、その時のお写真など見せて頂きました。余興なども交えての賑やかな激励の会となったそうで本当に出発前から盛り上がりを見せる今回のニューヨーク「禅文化美術展」です。

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此の所の好天気続きで、秋風が本当に爽やかですね。赤とんぼが沢山沢山空に舞っていました。空を見上げると今の忙しさがウソのようです。悠々と飛び交う赤とんぼ。冬がもうそこまでやってきている事を告げているかのようでした。友峰和尚より

 

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第403話 】
2014年 09月 29日 談

今月もあと一日を残すのみとなりました。Sarah Lawrence Collegeの仏教学博士、Griffith Foulk氏より墨蹟禅画個展開催の依頼を受けてから一年が過ぎました。もとより前々から個展の開催については話し合っていましたが、ついにその日が目前に迫ってきました。作品のほとんどはニューヨークに送りましたが、まだ大作三点が表具中で、それが仕上がれば備品とともに送りたいと思っています。

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今夏、大安禅寺で行われた個展打ち合わせ / グリフィス・フォーク教授と野口美智子先生とともに

今回の開催場所は、ニューヨーク州近郊のヨンカーズ市、サラ・ローレンス大学のキャンパス内です。サラ・ローレンス大学はアメリカでも有数の芸術家や映画俳優、映画監督等を輩出されており、それだけに和尚としてもこれまでにない緊張感をもって準備に専念しています。グリフィス仏教学博士とは和尚の修行時代からの友人でもあり、40年に渡るお付き合いが有り、彼の勤務する大学での個展開催を大変嬉しく思っています。長い間、書を書き続けてきましたが、66歳でのパフォーマンス故に数字の語呂合わせで「無、無」の心境で頑張ってきたいと思います。

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本日も、サラ・ローレンス大学個展で開催される墨蹟パフォーマンスに向けて練習しています。

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大学では学生向けに「書道教室」も予定されており、一緒に同行される文房流晴心会・野口美智子先生始め御社中の皆様の茶道、華道のパフォーマンスやワークショップと合わせてしっかりと日本文化を伝えてきたいと思っています。すでに来年には、アメリカ・コネチカット州の大学関係の方からも禅書の個展とワークショップの依頼が来ており、今回のニューヨークでの個展開催は次につなげる大きな試練の場ともなっています。

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いずれにせよ開催日が否応なく迫ってきました。今日も明日も出発ギリギリまで書の練習に励んでまいりましょう!さてこのところ気候も穏やかで日々の暮らしが過ごしやすくなってきました。皆様におかれましても心穏やかにお過ごしのことと思います。「安閑無事」こそ一番の安らぎの世界です。今年は午年という事で「天地一指」の言葉を座右の銘に掲げての日々です。人生は二度ありません、一度っきりの人生であるからこそ大いにチャレンジして行きたいものですね。皆様の幸せを切に念じております。明日は終日墨蹟制作に集中するため、「ちょっといい話」をお休みさせていただきます。友峰和尚より

 

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第402話 】
2014年 09月 28日 談

大本山妙心寺団体参拝も無事終了しました。今回は滋賀北陸教区全体の参拝の為に二百名を越える参加者があり、大変感謝しました。和尚の学生時代は妙心寺山内の寺院で過ごした為、何度参拝しても新鮮な気持ちになります。写経あり、御詠歌あり、供養あり、精進料理あり、拝観ありと盛りだくさんのメニューでした。

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早朝6時15分、 出発のバスの中での大安禅寺御詠歌講員の皆様

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京都大本山妙心寺に到着後、花園会館にて写経

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精進料理を大方丈で頂きました

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御詠歌の奉詠

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大安禅寺御詠歌講員の皆様

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御先祖供養の法要のようす

帰路のバスの中は笑顔と会話の尽きない、あっと言う間の時間で自坊に着きました。本山団参は毎年企画されますが、一回でも多く霊地巡礼と同じく参拝したいと願った一日となりました。卑山からもご詠歌講員の方を始め檀信徒皆様のご参加を頂きましたこと、厚く御礼申しあげます。友峰和尚より

 

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第401話 】
2014年 09月 27日 談

野町の少林寺、本多町の瑞光寺も兼務している為に、今日は月終りの御堂お参りに出かけました。さすがに観光シーズンとあって二十一世紀美術館や兼六公園周辺は大型観光バスで賑わいを見せていました。勿論、寺町の妙立寺(忍者寺)様も朝方から切れ目なく観光客が列をなす中、卑山にもそれなりに御参りの方が見えました。あすは滋賀北陸教区主催の本山団参があるために和尚は福井の自坊に戻りますが、昨年に引き続いての大本山妙心寺参拝となります。今回は教区全体での団体参拝の為、約300名近い方が参加されての御参りとなります。単にお参りをするだけではなく、参加者全員が本山で写経をし納経する予定となっており、檀信徒と本山とのご法縁をより一層強く結んでいただこうとの企画で有り難く感じています。

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副住職の御指導のもと、大安禅寺で行われている写経の会「洗心会」の様子 

和尚も若きとき「巡礼会」を組織して、お四国88か所霊場巡りや、北陸33か所霊場巡り、西国33か所霊場巡りなどしましたが、実に楽しく充実した霊場参拝だった事を思い出します。この時期多くの参拝者や観光客で賑わう古都京都、観光目的だけでなく多くの寺院と法縁を結んで歩く写経や納経などの研修内容を含んだ参拝もこれからのスタイルではないかと思いますね。

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寳勝寺の八臂弁財天坐像 / あらゆる強運をもたらすご利益があると言われています。

寳勝寺は今、観光客の休憩所となりつつあります。大いに身体を休めて金沢の観光を楽しんで頂きたいものです。それにしましても寳勝寺のおみくじが良く当たるとの評判です。皆様も一度お試しになってはいかがでしょうか。「大吉」が出ることを和尚は願っています。友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第400話 】
2014年 09月 26日 談

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日々のブログも早や400回目となりました。振り返って以前の文を読んでみますと、その時々の心境がよみがえって来るようです。「人生色々、和尚はヨロヨロ!」で、今と何が一番違うのかと比べればやはり「老化現象」の進み具合でしょうか?今朝一番の来訪者が言われていましたが、最近の話として、とある方が新聞の死亡欄を見て「まだまだお若いのにもったいないね~」と呟いたそうです。そこでそっと亡くなった方の年齢を見たら、なんと!88歳だったそうです。「驚き、桃の木、長寿の木!」。今や100歳100歳の時代。元気な方はどこまでも元気な世の中です。これからは健康をキープするための努力が必要となっていることを自覚するこの頃です。さて400回目記念の「ちょっといい話」ですが、お客様とお話しをしていますと結構「いい話」で盛り上がることがあります。歓談が終わって、あったかい余韻が残るのは、決まって思い遣りのこもった対人関係の話題のときです。「出会い、ふれあい、なごみあい、ゆくゆくお互い拝みあい」っていうわけですね。テレビ番組もそんなホットな話題を取り上げたものが増えているように思います。一時「おもてなし」の言葉が話題になりましたが、それとて「思い遣りの心」が「おもてなしの心」に比例します。「日本の心」は仏教の教えの「和」であると思います。「和を以て尊しとなす」、聖徳太子のこの言葉こそいつまでも日本の心を代表する言葉であって欲しいと思います。

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第二期本堂修復工事打ち合わせ / 松浦建設株式会社の吉田専務様、東野様と

いよいよ10月より寳勝寺の第二期工事が始まりますが、今回は式台と本堂屋根の吹き替え工事となります。工事の打ち合わせをしながら、国指定伝統的建造物群のひとつである寺町・寳勝寺も、今後の世代に残したい「和」の精神を伝えていく建物であると強く思いました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第399話 】
2014年 09月 25日 談

お彼岸が過ぎた途端にいっぺんに秋色を深めてきました。日が暮れるのも徐々に早くなって行きますが、それだけに一時一時が惜しく感じられます。サラリーマンの方々は毎日規則正しいリズムの中でお仕事をされていると思いますが、和尚などは実に不規則な毎日の法務生活なので、時間の割り振りや仕事の進め方など、きちんと決めないとあっという間に時間が過ぎてしまいます。時々、昔の修行時代を思い出しますが、日々の修行日程は極めて時間厳守で綿々密々の時間割となっている為、一日が長く感じられたものです。当たり前の事ながら早朝3時に起床し夜の11時頃までが修行時間ですから、一日たっぷりと余す所なく有効に時間を使い切っている感じだったですね。「若いときに鞭打て!」と言いますが、なるほど!年齢も七十近くになりますと気力も体力も含めて何もかもが不足しますから、行動よりも考えている内にどんどん時間が過ぎていきます。「光陰は光の如し」です。これは和尚の愚痴ではありません、であるからこその人生だと思います。「自分の事は自分で責任を果たしていく」の決意みたいなものでしょうか。毎日のようにニュースで伝えられている超高齢者社会日本。「一寸の光陰軽んずべからず。時、人を待たず」の格言が和尚にもひしひしと重く伝わってくる今日この頃です。

そんな中、先日お母様の一周忌法要を寳勝寺にて営まれた娘様より、大変丁寧な心のこもったお手紙を拝受しました。父母を想う心は幾つになっても自分の人生の心の支えとなります。「世の中に一億人の母有れど わが母にして優る母なし」誰の歌かは知りませんが和尚もそう思います。またこんな歌もありました。「月影の至らぬ里はなけれども眺むる人の心にぞ住む」と。そうなんですね、母親を想う心がそのまま、母親が今の自分を見守ってくれている心なんです。お母様の一周忌法要でしたが、ご家族の読むお経の中、お母様の微笑んでいる姿を感じ取った法要となりました。心の安らぎはいつも母と一緒に生きているところにあると思います。友峰和尚より

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