和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第587話 】
2015年 03月 28日 談

気温が上がると体の動きもスムーズになって行くのが体感できます。所謂、若い頃はそんなことは意識だにしなかったのに、加齢とともに如何に人間は自然の営みと共生しているかと実感として捉えられるものです。と言うより人間そのものが自然の一員にしか過ぎないという事なのかもしれませんね。寶勝寺での寺生活は大安禅寺でのそれとは全く正反対で一日の運動量も少なくあまり健康的とは言えませんが、高齢の住職には丁度良い広さなのかもしれません。運動不足を補うためには寺町を散歩するのが最善の策のようです。

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土曜日の今日も朝からウォーキングを兼ねた観光客の方が寺町周辺に多く見受けられますが、金沢の有名な観光地は市内に集中している為、歩いて見て回るのが一番です。ニュースでは北陸新幹線がガラガラなんて言っていますが、どっこい実際には昨年より寺町周辺は観光客がぐんと増えているように思います。兼六園や東茶屋も例年より賑わっていますし、これからが花見のシーズン、ちょっと心配ですね。さて、和尚は黙々と皿洗いに集中? いやいや寺カフェのお手伝い程度ですが、最近は来訪者も結構増えてきましたので接客にあたっています。4月上旬は大安禅寺での法務となりますので、御用のお方は福井を訪ねてくださいね。皆様のご来寺をお待ち申し上げております。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第586話 】
2015年 03月 27日 談

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白山連峰に朝日が昇る様は絶妙で、思わず合掌してしまいます。寶勝寺の山号を「太白山」と付けた理由もここにあったかと思います。理屈抜きに敬虔な気持ちに誘われるものですね。思うに、もし太陽が昇って来なかったら人生一巻の終わりですからなんて。歳を経ても山登りをされる「山岳愛好家」が多く見受けられるのもきっと、一度味わった神聖な感覚が自分の心を常に呼び覚ますからであろうと想像します。ところで、真に残念なことに、和尚は日本百名山をこれまで一度も登ったことが有りません。とは申しましても一度だけ、新穂高岳のロープウェイで山頂近くに降り立ったことはありますが、お話になりませんね。

DSC03130 (363x500)大安禅寺の鐘楼から白山連峰に朝日が昇る様も見事です。日本人の心は常に太陽と共にあることは、日常会話がお天気の具合から始まることからして歴然です。そんな素晴らしい夜明けを体験した本日、空気も澄んで、春の匂いが犀川に沿って漂ってきました。雪解けの春水の匂い、桜木の匂い、人々の春を待つ匂い・・・。自ら心の安らぎを求めるまでも無く、自然はあちこちから安らぎを運んでくれています。妻との電話の会話も俄然、花が話題の中心となって行きます。東京から薔薇の苗木が送られて来て、今、植樹に精を出しているとか。和尚も大安禅寺の花菖蒲が気がかりですよ。

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そんなことを思っていたら、文房流晴心会の野口美智子様から、福井市浜町・香櫨園で4月に開催される「ニューヨーク個展回顧華展」についてのお電話を頂きました。どの話題も「華」でした。はなはだ恐縮ながら長々と書いてしまいました。このところ、和尚のブログは気合に欠けておりますことお許しください。皆々様にはどうかくれぐれも、お元気にお過ごしいただきたいと切に念じております。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第585話 】
2015年 03月 26日 談

「春は花 夏ホトトギス 秋はもみじ葉」とは良寛和尚の辞世の歌です。まったくその通り!! 春は花!です。お花屋さんには国内外の色々な春のお花が満載で、今日は寶勝寺近くの松下種苗店を訪ね、玄関口を彩る為の花を求めてきましたよ。

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写真の如く、とても可愛らしい可憐な花を選んで買ってきました。プランターに苗を植えていましたらさっそく寺カフェに観光途中の若い女性のお客様が入ってこられ、会話を交わしながらのお仕事でした。

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鉢植えしたお花の名前は、マーガレット、デモルホセカ、オステオスペルマム、ゼラニウム、チューリップ、クチナシ等々。いっぺんに入り口が明るくなった感じがしました。お客様に喜んで頂ければ大変嬉しい事ですね。

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先日までの寒さも今日は緩み、花の植え替えにはちょうど良いお天気。運動を兼ねての外仕事で、気持ちの良い一日となりました。境内の桜の花はまもなく満開となります。犀川沿いの桜並木も大粒の花芽を付けていてこちらも4月上旬には満開を迎える事と思います。花いっぱいの好時節。皆様もこの時期は大いに花友とお過ごしください。

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今日の夕刻、大安禅寺檀信徒の中内幸雄様ご夫婦が、春休み中のお孫さんを連れ「寺カフェ」を訪ねてくださいました。短い時間では有りましたが本当にありがとうございました。また来てくださいね! 友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第584話 】
2015年 03月 25日 談

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北陸新幹線開業日から12日間が過ぎましたが、ここに来て金沢市も漸く落ち着きを取り戻した感が有ります。各学校は春休みに入っている為、この週の土日頃から再び観光客で卑山も賑わう事になるかと思います。

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助野瑠梨香さま、中山さまとともに / 宝勝寺応接間にて

和尚は法話開始のための本堂の設え準備や法話内容についても構想を練る毎日です。また4月になりますと一気に観光ムードになると思う為、あらゆる要望に対応できるようにパンフレットや案内板の作成なども並行して準備に入っています。先般、カドカワ出版の全国版「金沢女子旅」に寶勝寺「寺カフェ」が掲載されました。最近は少しずつながら観光情報誌の取材を受けているので、観光資料写真なども今後は必要になって来るかと思います。

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今日は、友人の西川氏の案内で地元某テレビ局の社長様を訪ねました。大変丁寧な応対をして頂きまた昼食を共にしながら寺町の今後の寺活などお話し致しました。地元メディアの取材も大変ありがたい事です。社長様の御話では、この4月上旬に寺町寺院の協力を得て坐禅体験や朝粥体験のイベントが企画されているとか、どうやら今後は寺町寺院群に光が当たって行くような気配を感じながら聞き入っていました。

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寶勝寺内は今日も終日、お線香の「アラマ寺ピー」のほのかな香りが心を癒してくれた一日でした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第583話 】
2015年 03月 24日 談

桜の開花宣言がなされましたが気温はぐんと下がって、花冷えどころか真冬に戻ったような寒さの一日となりました。寶勝寺は火曜日でお休みのはずが、クローズの看板もどこ吹く風。せっかくの観光旅行中のお立ち寄りなので、急遽「寺カフェ」を開始することに。午前中は、先般お約束をした「ピルゼン会」(臨時ネーム)の仲間が来寺されて、応接間でのしばし楽しい時間を過ごすことが出来ました。もちろん和尚もお休みの日ですが、お友達の来訪は大歓迎です。

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今後も多くの若者たちが集うお寺になるといいですね。久しぶりの休みを利用して、寶勝寺霊園の今後の計画について構想を練ってみました。まだまだ課題は山積みですが、少しずつ前進を見せています。これからの時代、墳墓の形や管理の仕方などは激変して行くことかと思われます。百年後を見据えた、我々の行く末に沿う霊園構想が重要となって来ていますね。

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さて、今日は新しい発見が有りました。「ピルゼン会」に参席された「あとりいえ」代表の山田のり子さんが、和尚のアイフォンに「外国語同時音声通訳機能システム」をインストールしてくださいました。100万力を得た気分になりました。すごいですね! まったくに正確な音声同時通訳システムですよ!これで寺カフェ来訪の外国人観光客とも意思が通じ合うというものです。便利な世の中になったものですね。ますます進化して、今後は自分の声が同時通訳音声で発せられるとか。もう海外旅行での語学は必要なくなりますよ。そんなわけで、今日も大きな収穫が有りました。日々成長です。そうそう和尚の身長もまた少し伸びたように思います。どうしてなんでしょうね? 摩訶不思議!? 摩訶不思議!? 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第582話 】
2015年 03月 23日 談

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「寺カフェ」を利用するお客様が言われるのは、お寺は天井が高いため、お部屋のゆったり感がたまらないほどの魅力を感じるそうです。また、畳敷きのため、会話をしていても話す声がほどほどの感じでお耳に届くのかこれまた心地良いという事で、なるほど日本の家屋はもとより畳の文化であることを認識する場面でもありますね。ある意味防音装置効果みたいなものが畳にはあるのかもしれません。

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本堂に焚かれたお香の香りもまた「アロマ寺ピー」の役割を如何なく発揮しているようです。もとより寺院の建築構造は人々の憩いの場所として設計された感が有ります。本堂でのお祈りもまた心の癒しの場所で有り、書院などは今で言う談話室的場所であったと想像します。寺院の事をサンスクリット語で「ビハーラ」と言うのもその意味は休憩するとか安息するとかの意味からして、「寺カフェ」は理想的な寺本来のスタイルという事が言えるかと思います。

DSC03056 (375x500)助野さまから頂いた、たくさんの美しいバラを飾っています

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今後、全国の多くの寺院がもっともっと「寺空間」を解放されんことを願ってやまないものです。そして、お寺に来られた方々とのコミュニケーションも大切です。現代仏教を葬式仏教と揶揄されていますが、お葬式も大切ながら、人々の集まる生き生きとした寺院活用の有り方をも模索しながらの「寺カフェ活動」が続きます。さて、彼岸会の御先祖供養も無事終了して、心爽やかな一日を過ごしました。無限の御霊に守られての寺生活。今日の早朝坐禅は霊魂との交流でもあったように思いました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第581話 】
2015年 03月 22日 談

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桜の開花 寳勝寺式台にて

寶勝寺の彼岸会が午前10時半より厳修されました。地元の檀信徒皆様を始めとして東京、栃木、横浜からも多数参詣され、また、法要終了後には卑山霊園改葬の為の説明会が行われ、株式会社いせや・代表取締役社長の中本様から今後の構想など丁寧な説明がなされました。

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くしくも今朝方のテレビ特番では、「これからの霊園の有り方」についてお坊さんも交えての討議が放映されていました。寶勝寺霊園は、これからの先祖供養の有り方を踏まえ理想的なシステムと墓地を目指していて、まさに今日の諸問題に呼応した墓地の形成をしようとしています。少子高齢化社会の進む中での思案が求められているようです。勿論の事、寺町は伝統的建造物群指定地区でもありますので当局の指導を受けながらの工事進行となります。

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さて、連休の二日目ということもあって、午後からは寺カフェ利用の観光のお客様で賑わいを見せました。東京から新幹線を御利用の方も多く見受けられます。やはり「新幹線」効果は現実のものとなりつつあるようです。思いますに遠き昔、和尚の子供の頃は乗り物と言えばバスで、しかも「木炭車」でした。たった70年で時速300キロで走る乗り物が登場することなど夢にも思いませんでした。今日までの交通インフラの整備こそが、人・物・金の流通を促し、日本の高度成長に寄与してきたその恩恵を今まさに受けようとしています。新幹線の開業は御仏の御利益と改めて寶勝寺本尊観世音菩薩様に御先祖の御霊供養と共に深く御礼申し上げた「彼岸会法要」となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第580話 】
2015年 03月 21日 談

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素晴らしいお天気になりました。鶯も春を待ちかねたかのように素敵な鳴き声を境内に響かせるなか、午前10時半より大勢の参詣者を迎えて涅槃・彼岸会法要が厳粛に執り行われました。最初に大安禅寺御詠歌婦人部の奉詠がなされましたが、日ごろの練習の成果が存分に発揮された、素晴らしい歌声が堂内の隅々に浸透するかのように、極楽浄土を現出してくださいました。

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僧侶の皆様の読経もまた、天地宇宙に轟くがごとく生き生きとした聲明で実に有りがたく思いました。普段より多くの参詣が有ったことに和尚は安堵しましたものです。寺離れや墓じまい、そして散骨等最近の宗教感が急速に変化して行く世の中にあって、伝統的宗教行事の本分を後世に伝えて行くことの大切さをしみじみと思う今日この頃です。人とのつながりは御先祖すなわち故人とのつながりでもあります。

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「有りとみて 無きこそ元の姿なれ とはいうものの 濡るる袖かな」とは、太田道灌の妻が亡き夫を思う心のこもった一句です。この世こそ、この世こそ、この世の行いこそが来世への道しるべであることを深く思った供養の一日となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第579話 】
2015年 03月 20日 談

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「涅槃団子」と呼ばれているこのお団子、最近ではずいぶんと珍しい物になって来ていますが、それでもいまだに、それぞれのお寺で昔ながらの伝統的作り方を継承しつつ御供え物として作られています。大安禅寺の涅槃団子も、恐らくは約400年に渡って代々引き継がれて来たものと思われます。昔、物の無い時代にあっては、五色のお団子はとても珍しい貴重なお菓子的存在であったようにも思われます。御先祖への報恩の供養と共に、法要を通して参詣者の皆さんが御供え物を楽しんでいたのかも知れませんね。
そんなことを想像しながら今年のお団子の出来栄えを見て楽しみました。

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和尚も毎年、色々と工夫を凝らして模様を変えてみるのですが、さて皆さん、今年のお団子の図柄は如何でしょうか?ハートの形をしたものや、サイケデリックな模様など色々有ります。大安禅寺の涅槃彼岸会と寶勝寺の彼岸会にはこのお団子を御仏前に沢山お供えし、法要終了後、参詣いただきました皆様にお分けしたいと思っています。涅槃団子を頂く事は、御釈迦様の御加護と天地宇宙の御利益有りとの言い伝えがありますから、今後も頑張って後世に伝えて行かなければなりませんね。話は変わりますが、「涅槃」という言葉はサンスクリット語の「ニルバーナ」から来ていて、その意味は、「吹き消す」いわゆる『心の「安心」』を言い、また「彼岸」は「パーラミター」で、「川の向こう岸」すなわち「極楽浄土の御悟りの世界」を言うとあります。いずれも”心安らかに過ごす一日とす”という事になりましょうか。明日がお彼岸会です。どうか皆様、御先祖の御供養をして、家族の和合を願いましょう。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第578話 】
2015年 03月 19日 談

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早朝4時より花団子作りのための台所準備が始まり、すべて終了したのは午後1時過ぎとなりました。檀家さんはじめ大勢の世話人皆様の加勢を得ての花団子作りでしたが、今尚、昔ながらの手法が受け継がれていることに誇りと驚きを感じます。

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この「花団子」ですが、何より尊いのは、村々への涅槃托鉢で頂いたお米を粉に引き、さらに多くの方々によって手作りで作られていく所に有ります。人と人とのつながりが極端に薄れつつある今日、何が故にこのような、手間ひまをかけての作業が受け継がれて来たのかは究極、「報恩」の一語に尽きるかと思います。

IMG_5518 (500x333)IMG_5515 (500x320)あらゆる物事が簡略化されて行く時代にあって、「伝統的行事」を後世に伝承することの大切な意義が見えてきます。心のこもった手作りの「花団子」、その五色の意味は、「自然界の命」そして「心」を表します。涅槃・彼岸会の当日は、この花団子をお供えして厳粛に法要が営まれますので、皆様には是非お参り頂きたいと思います。

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一年に一度だけ、涅槃図を公開しています。/ 大安禅寺・御成りの間にて

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創建当初から伝わる、狩野元昭 真筆の涅槃図

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彼岸会には、涅槃図の御前にお団子がお供えされ、法要が厳修されます。


さて作業もひと段落して、和尚は春雨の降りしきる大安禅寺の風情を楽しんでいます。この時期の雨は誠に春到来の喜びに満ちた「法雨」と感じます。寺を取り巻く木々は、春雨を受けてこれから一気に緑を濃くして行きます。こんなダイナミックな自然の有り様を感じることが出来るのも、山中に住むからこその御利益ですね。心休まる時間の流れる一日を過ごすことが出来ました。「南無観世音菩薩」 友峰和尚より

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