和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第609話 】
2015年 04月 19日 談

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小雨模様の中、午前11時半より亡き母の三回忌法要を営みました。92歳での旅立ちでした。和尚も長く親元を離れて暮らしておりましたが、両親の晩年に共に暮らせたことを幸せに思っています。母親の8人いた兄弟も、今ではたった御一人となりました。どこの御家でもそうであると思いますが、自分のおじさんやおばさんが亡くなっていくのは実に寂しい限りです。今日は兄弟家族中心の法要となりましたが、無事に終えて安堵しています。ふとまわりを見れば、孫たちがはしゃいで遊びまわっている姿に心の安らぎを覚え、遠い自分の子供の頃を思い出していました。法要終了後のお食事の時間がゆっくりと流れて行きました。窓越しに外を臨めば、いつしか葉桜となった樹々が春雨に打たれ故人の霊を偲んでいるかのようでした。法要厳修の大切な意味をしみじみと感じ取った一日となりましたが、明日からはまた多忙な毎日の中に入って行きます。今日の法要を通して、今は亡き両親から大きな力を得て再び頑張って参りたいと思います。さて、間もなく「御像祭」がやってきます。約400年間続けられて来た、大安禅寺開基・松平光通公の御法要です。脈々と「報恩菩提」の行が続きます。友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第608話 】
2015年 04月 18日 談

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土曜日の朝は久しぶりに、ぽかぽか天気の爽やかな日和となりました。最近の気候は本当に寒暖の差が激しく、油断していますと風邪をひきますからご用心、ご用心!です。そんな陽気につられて何かお昼の食べ物を作ってみようと、先般、須貝総代様から頂いた「氷見うどん」を使って「僧堂風すすりうどん」を作ってみました。この氷見うどん、長らく仏様の真前にお供えされていたもので、仏様も十分にお召し上がりの事と察して恐れながら頂くことにしました。

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「僧堂風」とはいったい何がそうかと言えば「薬味」と「出汁」に秘訣が有って、写真の如く「五味の薬味」として、大根おろし、いりごま、おろし生姜、刻み葱、海苔を揃え、出汁には必ず薄揚げの細切りを隠し味にします。もちろんのこと、一夜水に浸けておいたこぶ出汁を使うのがいいのですが、今回は出汁の元を使いました。次に大切なことは、湯つきうどんの為、食べる寸前に沸騰したお湯の中にうどんを入れることですね。

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また食べ方にもこだわりが有り、うどんを割り箸で掴んで少しだけつゆに入れ、一気に「音をたてて」すすることが肝要です。この時「うどんに成りきって」自分と、うどんと、音が一体になることが求められますからご用心です。「うん!!」と声が出れば満点!これぞ「うんどん」(運呑)の冥利に尽きます。そんなわけで今日の昼食は和尚お薦めの「すすりうどん」を頂きました。皆様も是非お試しくださいませ! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第607話 】
2015年 04月 17日 談

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『「後期高齢化社会」は「高貴高齢化社会」と書くと、高齢者の方も元気が出るでしょう!』と、ある御婦人が和尚に進言してくれました。なるほど!何事もプラス思考で前向きに考えた方が元気に居れそうですね。「和尚、74歳近くになると、何もかもが嫌になるよ。」ってある御方が言っておられましたが、和尚自身もその年齢に近づき、理解できるようになって来つつ有ります。

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なにが嫌な気分なのかと分析してみれば、たぶん、「人生の終焉」を宣告されたような気分になるという事だと思います。そこで和尚は思います。「年齢は年0(れい)! だから常に、ゼロだと自覚しましょう!」すなわち「今が大切、今を生きよ!」しかありませんね。少し強がって言ってみましたが、流石に和尚も身体の衰えとともに、精神的耐久力低下も否定できない今日この頃。「老後をのんびりと過ごす」為にも、まずは健康管理が一番大切と結論付けました。この歳まで健康にこれたのも偏に母のおかげです。健康に産んでくれたことに感謝します。明後日に亡き母の三回忌法要が営まれますが、心から感謝の真を捧げたいと念じます。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第606話 】
2015年 04月 16日 談

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しだれ桃 / 寳勝寺にて

大きな災害や事件事故が発生するたびごとに、人々は翻弄されつつも解決に向かって大いなる知恵を発揮していきます。「なぜそのような事件事故が起きるのか?」ではなく、人間が生きていく上での、避けて通れない難事なのかもしれません。「艱難、難事を玉とす」などの諺はまさにそれで、人間の危機対応能力には素晴らしいものが有ると信じます。

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寳勝寺のお地蔵様

それに致しましても、最近発生する事件や事故は、過去のそれと比べますと随分と違った感覚を覚えるものです。ひと口に言えば「無差別的行為」とでも言いましょうか。社会全体が不満のターゲットになりつつあるようにも思います。今日の全国各寺院活動の中でも、「思いやりの心」や「ありがとう、おかげさまの心」を旗印に、積極的な檀信徒教化を展開しています。脚下照顧では有りませんが、まずは一番身近なところからの心の交流が大切ですね。今日また、「寺小屋」的活動も始まっています。子供の頃、お寺の日曜学校などで学び遊んだ良き時代の復活版ですね。「三つ子の魂百まで」という古来の言葉が今、最も重要性を帯びてきているようです。寶勝寺も今後あらゆる活動を視野に、積極的布教をして参りたいと思います。

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さて、久しぶりに暖かいお天気となった本日は、御近所の素敵な奥様方が寺カフェを利用してくださいました。どうやら井戸端会議場としてもファンを集めつつあるようですよ。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第605話 】
2015年 04月 15日 談

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北陸新幹線が開業して昨日で1ヶ月が経ちましたが、寶勝寺「寺カフェ」も確実に東京や長野方面からのお客様が増えています。寺町自体に増えているのではなく、近くにある妙立寺(通称 忍者寺)や西茶屋街を訪れる旅行者が急に増えているわけで、その途中でカフェに寄るお客様が多く見受けられ、どのお客様にも「寺カフェ」が好評を得ているようです。

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特に、雨の日や風のきつい日などに利用される方が多いようで、成る程!やはりお寺は昔より休憩所としての役割を担っているようです。寶勝寺「寺カフェ」開業の目的はまさしくそこに有ったわけですから、多くの観光客の休憩場所として役に立っている事を嬉しく思っています。今後は国選定伝統的建造物群・寺町の案内所としての使命も果たして参りたいと思っています。

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寺町には魅力ある寺院がまだまだ多くありますし、金沢市歴史建造物群ウォーキングコースとしても良い場所だけに、和尚も自分なりに色々工夫をしながら観光客集客に尽力したいと念じています。

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金沢市にご縁を得て5年目を迎えましたが、まさに「歩々是道場」の禅語の如く、一歩一歩、また一歩といった感が有ります。金沢市全体の歴史状況も最近ではよく見え始めてきたようにも思いますので、和尚の新しいお散歩コースの設定もしてみたいですね。

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さて、皆様には如何お過ごしでしょうか? この時期の雨もまた風流ですね。「春雨じゃ!濡れて行こう」って気分ですよ。皆様お茶しませんか? 皆様のご来寺を心より御待ち申し上げておりますぞ。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第604話 】
2015年 04月 14日 談

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早朝の境内掃除から始まった一日でしたが、このところの運動不足もいっぺんに解消されていくようでした。ひと口に掃除と言っても、大雑把な掃除から綿々密々にやる掃除までありますから、その意味合いは仕方で随分と違ってきます。竹箒での掃き掃除には限界が有り、狭い場所や細かい部分は掃除道具を色々と変えて丁寧にやっていきますと、石組みや植え木にも愛情が湧いてくるものです。

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例えば、つつじの木に杉葉などが引っかかっている場合は、女性の黒髪に付いた糸くずをそっと取ってあげるかのように極めてデリケートな動作が必要です。時折立ち木に声をかけながらのお掃除ですから、ぶつぶつ言っている和尚の姿を誰かが見たら、「変なぼんさん!!変なぼんさん!!」って思われるのは必定です。しかし声をかけながら掃除をした分、終わった後の庭の美しさには感動すら覚えるほど、輝いて見えます。

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たかが掃除、されど掃除です。近頃は色々な場面で、相手の人への応対や、接客の仕方に「虚しさ」を覚えるもので、その言葉にも態度にもどこか不十分さを感じます。日本の伝統的茶道や華道、武道、書道等から学ぶ基本中の基本は礼儀作法であろうかと思います。日本の伝統的思いやり精神も今日、風化の一途をたどっているように思えてなりません。お掃除の仕方から「思いやりの心」を学ぶ禅寺での研修を、各企業の幹部職員皆様に是非お勧めしたくなった早朝掃除でした。和尚も歳をとって愚痴臭くなって来たわいな! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第603話 】
2015年 04月 13日 談

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中越様から頂いた桜の盆栽が、今年も見事な花を咲かせました!

統一地方選挙投票日より一夜明けて各党派の全国の情勢が報道されるなか、今回、和尚が支援した地元選挙区での県会議員候補も当選し漸く肩の荷が下りました。昨晩は深夜に選挙事務所よりお迎えが来て、応援して下さった方々と万歳三唱をしましたが、本当に嬉しく思いました。これまで、僧侶という立場から中立・中道を守ってきましたが、郷土の発展の為にと後援会連合会会長の名のもとに、選挙区の候補者立会演説会に弁士として支援いたしました。何事も全力であたることが「禅」の生き方でもあるので、各地区での応援演説は地元支援者の皆様との信頼関係を深める為の、友好的お話をさせて頂いたものです。おかげさまで和尚も地元の多くの方々と久しぶりに交流が出来ました。数年前からは金沢に居ることが多くなって来ただけに、やはり福井の地元の人達とのコミュニケーションも大切ですね。
グローバル化社会の中にあっては、衆議院議員、県会議員、市議会議員の三者が三位一体となって郷土のあらゆる問題解決のためにアクションを起こしてほしいと切に願うものです。

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さて、春の観光シーズンに合わせて、今日も長野県大町市より薬師寺様はじめ檀信徒の皆様、名古屋市からも団体の多くのお客様が法話コースに参加されました。選挙運動から一変して、全力投球での「生き生き法話」全開です! 皆様も是非ご来山ください!

IMG_6513 (500x333)和尚の法話も今日まで。明後日からは、新命副住職の「パワフル法話」に交代です! 「ラッスンゴレライ!!」「いみわからんから・・・・」??? 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第602話 】
2015年 04月 12日 談

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大安禅寺 西の庭

今日は統一地方選挙投票日でしたが、気温も少し上がってお天気も良く、願ってもない投票日和となりました。皆様に於かれましては投票はお済みでしょうか?年々投票率が下がり、また無投票当選の選挙区も増えているそうですから、とても残念に思います。和尚自身、この度の県会議員選挙では地元候補者の応援演説に回りましたが、候補者の施政演説を聞きながらその都度、市民に向けての個人演説会の大切さをしみじみ感じたものです。普段はあまり議員と接することが有りませんから、個人演説会などはその人なりを知る重要な機会でもありますね。「しらけ社会、無関心社会」と言われてしまっては元も子もありませんから、なんらかの工夫をして、若者たちが政治に関心を持ってもらうように願いたいものです。

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さてさて、見事に咲いた桜の花もここに来て散り始めました。途端に、大安禅寺を取り巻く山々がいっせいに緑を帯びて行きます。ダイナミックな自然界の営みに感嘆せざるを得ません。青葉若葉のむせ返るような匂いを嗅いでいるだけで元気が出て来ます。空気汚染が叫ばれる今日、まだまだお山の空気の新陳代謝はしっかりと繰り返されているように思います。この時期のおいしい空気を胸いっぱいに吸って、身も心もお掃除したいですね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第601話 】
2015年 04月 11日 談

IMG_6420 (500x333)坐禅研修 / 大安禅寺 枯木堂にて

満開の桜が春風に舞い散る姿はまことに絶景かな!絶景かな! そんななか、今日も企業の新入社員に向けて、「法話・坐禅・写経」を組み合わせた研修会が開催されました。初々しい新入社員の皆さんと接していますと、自分までも初心に帰れるというものです。写経などはおそらく、生まれて初めての経験だと思います。日常の生活では筆を持つことも殆ど無い今日ですから、新鮮な気持ちで写経に挑戦している姿を微笑ましく思いました。いいですね!

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写経のようす / 書院にて

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写経の最後にはそれぞれに祈願文を書いてもらいましたので、明朝、御祈祷をしたいと思っています。新入社員の思いが今後叶う事を祈るばかりです。今日は御法事有り、御供養有り、法話有り、坐禅有り、写経有りと、真にもって多忙な一日でしたが、心から充実した気持ちで過ごすことが出来ました。

IMG_6397 (500x333)「生き生き法話」にて

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これで終わりでは有りませんでした。夕方からは、県会議員選挙候補者の総決起集会で和尚の最後の応援演説が有りましたが、会場には多くの支援者が集まっていましたので、これまでの疲れも吹き飛んだ感じでした。‏一日を振り返ってみて、本当に人それぞれ、色々な人生を歩んでいるものだと感じ取ったものでした。‏そして自分の人生を一所懸命に生きている事実を頼もしくも嬉しくも思った土曜日となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第600話 】
2015年 04月 10日 談

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「活、勝、喝」 渓仙 書

地元県会議員選挙も終盤に入り、各候補とも選挙カーで声をからしての「お願いします」の連呼の中、和尚は妻と「期日前投票」に行ってきました。最近ではこの方法が高齢者の方々に受けて、今日も次々と投票に来ていました。なかには身体を支えてもらいながら訪れている方や、車いすの方もおられ、ゆっくり投票できるのがなによりです。和尚自身これまでは、中立の立場から、公には特定候補の応援などに出る事を控えていました。しかしながら社会全体にこれだけ閉塞感が漂ってまいりますと、議員の方々には是非とも事態打破のための政策を実行して頂きたいと強く念じ、今回は地元選出議員候補の応援演説に毎日回っています。何が閉塞感かと言って、福井市中心部より車で20分足らずの大安寺地区も近年、急激な過疎化が進み、それに合わせるかのように町全体の活気が目に見えて失われて行くようで、地元に残る若者にとってはどうにもやるせない状況のようです。確かに、昔ながらの素朴な村々の風情は何物にも代えがたいものを感じますが、やはり、今日の世の移り変わりの激しい中では、今少し、村発展の工夫が有ってもいいのではないかと思っています。和尚としても地元の活性化の為に努力を続けてきましたが、これからは大いに地元議員に力を発揮して頂きたく、候補者の後援会連合会会長の名のもとに応援に回っているところです。「成せば成る 成さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」。さて、地元にとって何が活性化につながるかは愈々「公案三昧」の毎日です。友峰和尚より

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