和尚のちょっといい話
![]() |
アメリカ・ニューヨーク州より長年の友人であるグリフィス教授が来ていますが、大学生徒のエイブさんがしばらく大安禅寺に滞在する為、和尚の友人皆様にお願いして明日からの行動日程を立てるために午前中、卑山に集まってもらいました。英語での会話が飛び交う打ち合わせとなりましたが、なかなか面白い風景となったものです。エイブさんにとっては初めての来日で色々な事に興味を持っているようで、明日からの行動を楽しみにしているようでした。午後からは、現在、寳勝寺霊苑改葬工事でお世話になっている㈱ココ・プランニング会長の中本隆久様と、社長の中本大資様が来山され、今後の打ち合わせがなされました。
寳勝寺霊苑改葬工事会議のようす / 大安禅寺 応接室にて
つい先日、会長の御母堂様が93歳で逝去され、懇談終了後には本堂にて初七日忌の法要を営みました。仏縁とは不思議なものです。今日はどういうわけか次々に和尚の縁者が集まって来られ、終日、応接間が賑わっていました。お寺に来られる用事は人それぞれに様々ですが、お互いに何某かの仏縁に結ばれている事には違いないようです。いつも言いますが、世の中に偶然という事象は無く、必然的にご縁が結ばれていくのだと思います。
昔から「似た者同士」という言葉が有りますが、向上心を持ってのご縁を広げて行きたいものですね。多くの方々との出会いも「一期一会」です。現在も過去も未来も一体のものですから、その時その時を大切にしながら日々を過ごして参りたいと思います。友峰和尚より
最早ブログで日々の気温を伝える必要もなくなったようで、今後も30度を超える真夏日が連日続くという予報です。6月恒例のお祭りがようやく終わったと思っていたら、今日はチャリティー和太鼓コンサートが卑山・枯木堂を会場に開催されました。地元の太鼓奏者はじめ県内外各地から参加され、再び賑わいを見せた一日となりました。詳しくは大安禅寺ホームページをご覧ください。
「絆 和太鼓 live in 大安禅寺」 復興祈願会・熊本大震災物故者追善法要
和太鼓ライブの様子 大安禅寺 枯木堂にて
夕刻には、和尚の長年の友人でも有り、先年、ニューヨーク州サラ・ローレンス大学を会場に「墨蹟禅画展」を開催した時、大変お世話になったグリフィス教授と生徒さんが来られました。学生のエイブさんは暫らく滞在されるという事で、家族が一人増えた感が有ります。この月はお盆月ですから和尚も何かと忙しいわけですが、お盆の行事も含め日本の伝統的文化にも触れてもらうべく、色々計画しています。日本の伝統的文化がどれほど素晴らしいものかは、国外に行くとよくわかります。勿論、国それぞれに優れた文化は無尽蔵にありますが、我が国の古来より引き継がれて来た文化や風習の中には仏教の精神が深く根付いているように思います。短い滞在時間なれど、少しでも学生さんに感動を与えることが出来れば幸いかと思っています。最近は民泊も流行の兆しを見せています。その事もより日本の文化に接してみたいという希望の表れだと思います。どうやら7月もまた多忙の日々となりそうな気配を見せた和尚の一日でした。友峰和尚より
寺町・西方寺様が来山くださいました。
今日から7月!昔の暦で文月(ふみづき)に入った途端に気温が午前中から33度まで上がり真夏日となりました。愈々夏本番を迎えたようです。9時半にお檀家様の月参りに出掛けましたが、汗が容赦なく背中を滴り落ちて夏本番を肌身で感じ取ったものでした。読経の声が家じゅうに響き渡る時にはお盆の季節到来をも同時に感じたものでした。供養の専門家が言うのもなんですが、月参りほど敬虔な気持ちを感じさせてくれるものは有りません。お檀家様のお仏壇の前に座りますと、言葉では言い表せないような安らぎを覚えるものです。ましてこの時期はお盆月でも有るので尚更の事、普段のお参りとは格別な心境を味わうわけです。これからは墓前での諷経も始まりますが、故人との霊交流でも有るので心を込めて精進して参りたいと思います。
皆様もどうかこの月はお仏壇を掃除して故人の好物やお花などをしっかりお供え頂き、菩提寺の和尚様に御先祖供養をお願い頂きたいと念じて止みません。「無相の相を相として 行くも帰るも余所ならず 無念の念を念として うたうも舞うも法の声」ですね。これを読み取るのは難しいですか? 目に見えないものを見、耳に聞こえない音を聞く事の大切さです。心の世界は無念無想にて初めて仏法に触れることが出来ます。仏法とは限りない心の安らぎである事は言うまでも有りません。御先祖のお参りを通して大いに心の安らぎを味わいたいものですね。友峰和尚より
底紅むくげ / 寳勝寺本堂前庭にて
六月最後の一日でしたが、午前と午後に渡っての二組の来訪者との懇談となりました。最近は何かと自分の時間が取れず気持ちも落ち着きを失いがちでしたが、今日はあらかじめ予約されていたために時間を取ってのゆったりとした懇親タイムとなりました。不思議なものでこれまでの慌ただしかった日々から一辺に解放されたような不思議な一日となりました。人間、心に何か考えごとが有ると時間も矢の如く過ぎて行く感があります。「忙しい」という漢字は「心を亡くす」の意味だという事をよく耳にしますが成る程その通りで、日頃からの大切な方々とのお付き合いも疎遠になってしまうのは大変いけない事です。夕刻には兼務寺院の金沢市本多町・瑞光寺に法務遂行のため出向きましたが、寺庭でもある奥様とのお話しも大切で、七月の盂蘭盆会の日程などの打ち合わせをして寳勝寺に戻りました。本当にゆったりとした時間が流れて行きました。自分の心次第で時間はどのようにでも使っていけるようです。人々の日々の過ごし方には色々あると思いますが、時間の余裕とは自分が作って行かねばならないと深く反省いたしました。六月一か月の緊張状態から解放された今、今年の後半に向かって心のゆとりをもって歩んで行きたいと念じています。友峰和尚より
今月は「小」の月であと一日を残すのみとなりました。いつもの月よりたった一日少ないだけですが、感覚的には随分と短い感じがするものです。七月を昔の暦で「文月(ふみづき)」と呼ぶように、御先祖の霊と言葉を交わすお盆月でも有ります。最近では全国的に八月十五日の旧盆に御先祖供養を行う県が多いようですが、金沢市は今でも七月にお盆の行事を行っています。金沢特有の「キリコ」が御先祖墳墓に祀られ始めますと、「愈々お盆の季節が来たな~」と実感するものです。
お墓にお供えされた沢山のきりこ / 平成26年 少林寺にて
和尚の子供の頃には、九頭竜川で灯篭流しをした事を思い出します。年々、昔からの伝統的仏教行事が失われいく今日、それに伴って御先祖の恩を想う気持ちも薄れていくように思います。幸いに大安禅寺では、創建当初より四百年間に渡って連綿として年中行事が遂行されて来ています。本当に有り難い事です。
本日の霊苑改葬工事会議の様子
寳勝寺でも三年前にお盆の行事を復活させ、この七月十日に盂蘭盆会施餓鬼供養を修行致します。御先祖供養は自分の心の供養でも有り、自分の命に感謝する日でも有ります。人々の心の中から先祖を想う気持ちや感謝の心が失われて行くことは本当に寂しい事です。父や母の霊を偲ぶとき自分が生きている事の意義を実感できます。七月はお盆月、どうか皆様方の御先祖の霊が安らかならんことを心からお祈り申し上げたいと思います。友峰和尚より
穏やかな時間が過ぎて行く一日となりました。今日はお寺の休息日でしたが、午後から御挨拶のお客様が来られるため早朝より応接間の設えをいたしました。寳勝寺はお部屋に限りが有る為、色々設えの工夫しながらお客様をお迎えしています。禅寺としての枯淡な風情を大切に、お話がスムーズにできるような工夫です。職員がお庭で茶花を切って来てテーブルの上に飾った水鉢がなんとも清々しく加えて涼しさを演出していました。
時を同じくして福井より木下様が訪ねて来られ、久しぶりの対面となりました。木下様は大安禅寺で長くお世話になった職員でも有り、お茶を頂きながら懐かしく歓談したものでした。和尚にとっては福井からわざわざ訪ねて下さる縁者皆様との会話は本当に嬉しいものです。誠に有り難うございました。午後からのお客様は、これから始まろうとしている「寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事」施工会社の社長様はじめ関係者の方々でしたが、金沢に来て6年、地元の方々との交流も次第に広がりを見せて来ています。
本日は誠にありがとうございました
7月はお盆月でも有るので、祖先の霊供養を懇ろに弔いたいと思っています。7月10日には卑山・盂蘭盆会施餓鬼法要を修行予定となっていますが、檀信徒の皆様には是非お参り頂きたいと願っています。「報恩謝徳」の心をもって霊苑改葬工事が無事に遂行できることを念じて参りたいと意を強くしています。「南無観世音菩薩」 友峰和尚より
大安禅寺の沙羅双樹
最近の風潮として物事の判断を「是か非か」で決める傾向が有りますが、大切な案件の決め事ではやはり十分に論議をしてかつ十二分に人々に説明を尽くす事が重要かと思います。説明が不十分なままの採決は時として思わぬ方向に向かってしまいかねないからです。多数決で決める時は尚更です。「急いては事を仕損じる」だと思います。日々起きてくる出来事は何事も他人事とは思わずに自分の事として捉えなければなりません。寳勝寺の今回の霊苑事業も慎重に論議を尽くしながら進めています。
片岡正明先生とともに
さて花菖蒲祭も無事に円成して、今日は後片づけの一日となりましたが、お祭りの余韻が残る中での作業はなんとも不思議な感覚に襲われるものです。昨日までの賑わいとは打って変わって堂内も境内も元の落ち着きを取り戻し、静寂の中に有りました。人気のないもったいない程の空間が心に安らぎをもたらしてくれます。両親の御霊にお参りした後、一路金沢に向かいました。車を運転しながら心から無事円成出来たことに感謝したものです。一か月に渡った大安禅寺花菖蒲祭、今年もまた多くの方々とのご法縁を頂いたお祭りとなったようです。友峰和尚より
佐藤さん、須貝さんと懇親会 / 金沢にて
文房流晴心会 野口支部 野口美智子先生、黒川芳江先生とともに
千秋楽の本日は午前中は雨でしたが午後からは梅雨晴れとなり、お祭りの名残を惜しむかのようにアジサイの花が色を際立たせていました。朝一番に野口美智子先生と黒川芳江先生が最後の生け花直しに来られ、妻と共に御一緒にお茶を頂きました。今年で33回目を迎えた「花菖蒲祭」でしたが、今から35年前、稲田に花菖蒲の苗を植えた時のことを思い出します。政府の政策で卑山の田んぼも減反を強いられ、先代が60年に渡って耕してきた稲田をやめる決断をしたわけですが、その転作として花菖蒲を選択しました。今では、大安禅寺は「花菖蒲の寺」として多くの方に知られるようになっています。
裏千家 田野弘吉様、田野宗冨先生 と 皆様とともに
和尚も子供の頃から父と共に稲田を手伝ってきただけに、減反後の農地利用方法には色々と思案したものでした。今になって思えば当時「花菖蒲」を選択したことが大変良かったと思っています。参詣者方々の笑顔を見ているだけでも嬉しい限りです。間もなく7月「文月」を迎えますが、お盆月でも有りますのでしっかりと御先祖の御霊の御供養に専念して参りたいと思います。「無事是貴人(ぶじこれきにん)」の禅語の如く、この1か月間、スタッフ一同の協力のもと「無事」に千秋楽を迎えることが出来ました事に深く感謝を致したいと思います。またご支援を賜りましたスポンサーの皆様、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。本当に有り難うございました。友峰和尚より
渓仙舎にて
一宮市の奥村様より、手作りのお野菜を頂きました。
第33回花菖蒲祭も明日が千秋楽となりました。北陸地方は梅雨入り宣言がなされていますが、昨夜からの雨がお祭りの名残を惜しむかのようにお花を濡らしていました。本日は、滋賀県彦根市で開催された臨済宗妙心寺派・滋賀北陸教区の花園役員会に出席しましたが、このところ会合が続いていた為、昨晩は彦根市内のホテルに一泊して休養しました。国宝の彦根城を正面にした彦根キャッスルホテルはリゾートタイプのホテルで、以前にも宿泊したことがありますが今回もまたゆっくりとくつろぐことが出来ました。気分を一新して会議に臨みましたが、滋賀北陸教区発展の為の重要な会議で全ての役員が改選となりました。新しく就任された皆様への役職内容の説明とお願いの場となり、和やかな雰囲気のなか無事終了しました。一路福井に戻ったわけですが、山門をくぐる時の気分は最高で、別世界に入ったようなとても嬉しい気持ちになったものでした。いよいよ明日が最終日ですが、毎回、何とも寂しく切ない気持ちになるものです。一所懸命に整備して来た園内にもどこか安堵感が漂っているようにも感じました。開催期間中には本当に多くの方々にご来山頂きました事、心より厚く御礼申し上げます。明日は和尚も終日お寺に居りますので、皆様是非ご来山ください。お待ちしております。友峰和尚より
「申年は荒れる!」との昔からの言い伝えを今年ほど実感する年は有りません。連日伝えられる国内外のニュースには驚くばかりです。こういった年にはどのような心構えが必要かと申せば「泰然自若」として慌てず驚かずの心境が一番なのでしょうが、どっこいそんな簡単では有りません。今年も一年の半分を過ぎようとしていますが、今後も予断は許されない状況が想像されます。そんな年回りですから和尚も又、その事をわきまえながら日々を慎重に石橋を叩いて渡るが如く過ごさねばと思っています。されども心の中はいつもの年より「ざわざわ」としている感が有ります。ご用心!ご用心!の毎日です。さて今日は早朝より久しぶりに妻が管理している薔薇園に出向きましたが、あたり一面に薔薇の花の甘い香りが漂い、雨上がりの風情をより一層清々しく感じさせてくれました。紫陽花も今が見頃で、こちらもまた玉露がキラキラとして見事でした。世の中の出来事の何もかもを忘れ去る一瞬でした。東屋に身体を横たえて大の字になって、しばし時間を忘れて園内の風景を眺めていました。妻が薔薇の枝を剪定する音が心地よく響いていました。自然っていいですね!
文房流晴心会・野口翆智社中の皆様による生け花 / 大安禅寺 枯木堂
愈好亭にて
お寺の中のあちこちには、文房流晴心会・野口翠智社中の皆様による生け花が和尚に語り掛けるようにそよめいていました。「和尚さん、お帰りなさい!」 そんな言葉が微かに聞こえて来たようにも思いました。野口先生と社中の方との一服のお茶が、忘れかけていたゆとりの世界に誘ってくれたような感覚でした。いつも本当にお世話になります。社中の皆様、有り難うございました。間もなく花菖蒲祭も千秋楽を迎えようとしています。友峰和尚より