和尚のちょっといい話
早春の日差しが降りそそぐ中庭で 外掃除をしました
天気が回復するのを見てさっそく庭の整備に入りました。誰でもそうだと思いますが、自分で工夫しながら作庭していくのは実に楽しいものです。庭師さんにお願いするのもそれはそれで良い仕上がりになりますが、庭作りの醍醐味はその過程にあると思います。
庭石ひとつ見ても色も形も大きさも違いますし、人それぞれに素材の使い方も違うため当然ながら完成した時の趣も異なります。自分であれこれ考えながら庭石や植木の選定や移植場所などを決定していくための感性も養われますから日々の仕上がり度を楽しめるというものです。本日は仮植えしてある木々の移動準備と中庭の掃除をしましたが、特に中庭の入口付近は長い間手つかず状態だったのでなんだか新鮮な感覚を覚えました。先日から新たに作庭している場所の続きでもあるので限られた土地の有効利用に繋がるものと思っています。
中庭の入口付近で庭づくりの準備
庭作り作業は身体全体を使うためほどよい運動にもなり一石二鳥と言ったところでしょうか。ただこのところ厳しい寒さが続いており、作業時間を3時間程度に制限して進めるようにしています。
さて2月も残り少なくなって来ました。この時期は例年なら豪雪に見舞われている状況ですが、今年は暖冬で除雪をする機会も少なく本当に助かりました。このような現象を喜んでいいのかどうか判断に困りますが、除雪の労苦から解放されるのは和尚にとっては実に有難いことです。八百屋の店先には旬の筍や蕗の薹などが並んでいましたが、暖かい春はすぐそこまでやって来ているようです。友峰和尚より
一夜明けてびっくり気温は2℃と、剃髪した頭皮が凍てつくほどに思わず目が覚めました! 今はまだ2月、この時期なら当たり前と言えば当たり前の気温ながら今にも雪が降りだしそうな感じで身震いするほどでした。
3連休の最終日を迎えましたがこの寒さに寺町界隈の人影もピタリと消え、時折観光客の方が肩をすくめながら寺カフェに入って来ました。午後からは岡部家年忌法要修業のために外出しましたが、日中気温も上がらず本当に寒い1日となりました。これだけ寒いとやはり能登半島地震で避難所生活を強いられている方々の健康状態が極めて心配になります。医療従事者の方やボランティア関係者の多くの方も支援に当たっているそうですが本当にお疲れのことと心よりお見舞い申し上げます。
寳勝寺に縁の深い 敦賀市議会議員 北條 正 様が来寺くださいました
最近のニュースは世界各地で起きている多国間の戦争や紛争そして自然災害と心の痛む事象が多く見受けられ、子供達の未来が心配されます。仏教の教えに有るように「報恩謝徳」の心を実践しながら日々皆様方の平穏無事を祈念して参りたく思います。
ガーデンシクラメン
2月は昔から「逃げる月」と言われているようにあっと言う間に月末を迎えていますが、3月に入ればスポーツが目白押しに開始され長い寒さから解放されるのも待ち遠しいですね。寒い寒いと不平を言わずに進んで身体を動かして参りましょう!!「楽しみは 朝起き出でて昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」ご自愛ください!! 友峰和尚より
まもなく満開を迎える 本堂正面のしだれ紅梅
三連休の中日を迎え金沢市内の観光地にも人流が戻って来たようです。昨日は日帰りで自坊の法務遂行に出向きましたが、金沢駅構内は多くの人でごった返していました。いつもの風景と少し違うのは、外国人観光客の姿が少なく感じることでしょうか。能登半島地震発生からまもなく約2ヶ月になろうとしていますが被災地ではいまだに約2万人を超える方々が避難所生活を余儀なくされている現状から、地元の人にとっては気持ちの晴れない日々が続いています。
北陸応援割引が3月16日から開始されるのに合わせ福井芦原温泉各旅館はすでに予約が満館状態だそうで、1名1泊旅行代金が2万円を上限に50パーセント割引となり、2泊以上の交通付き旅行では1名最大3万円割引となるそうですから予約が殺到するのも無理からぬ話です。最近ではどの県の温泉旅館でもこれまでの宿泊料金とは随分と高くなっているため、安価な宿泊施設を探すのもひと苦労です。3月16日は北陸新幹線敦賀駅延伸開業日でも有り、県内外から多くの観光客を迎えようと各自治体でも総力を挙げて被災地支援に奮闘している現在です。
さて本日は卑山お檀家の額様が御送付くださった色とりどりの金魚草を真前にお供えしました。毎年この時期に送付くださっていますが、本当に可愛い花で堂内に一遍に春が到来した気分になります。本当にありがとうございました。
吉田さん御夫妻が御挨拶に来寺くださいました
楓奈(ふうな)ちゃんです
話は戻りますが北陸応援割引の件ですが、地元和倉温泉を始め能登半島の各旅館はこの度の地震で多大な被害を受けており営業を再開できる旅館は限られているそうですから心配です。何か別の方法で長期的な支援をして頂きたいと心から願っています。気温の低い大変寒い日々が続いていますが、皆様にはくれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
「 日々是好日 」 萬松山主大安友峰 書
まもなく新幹線開業を迎える JR福井駅にて
雪まじりの冷たい雨の降り続く一日となりました。自坊での卑山総代 吉田家の法要修業のため帰山しましたが、福井駅前はすっかり様変わりして正面には高層ビルがそびえ立ちまた駅前広場には恐竜が大きな声で吠え続け、まもなく3月16に北陸新幹線敦賀駅延伸開業を控え福井駅構内もその準備のためか慌ただしさを増している風景を見せていました。
正面の高層ビルは コートヤード・バイ・マリオット福井
なんとも摩訶不思議な感覚を覚えながら妻の車に乗車し、車窓から街並みを望みながら自坊に向かいました。北陸新幹線の福井駅開業を首を長くして待ち望んでいた者の一人ですが、福井駅と金沢駅間が約30分で行き来できるのは本当に有難い事ですし、また東京まで約3時間で行けるのも嬉しい話です。
和尚の大学時代はJRで京都まで2時間半ほど掛かりましたからずいぶんと速くなったものです。中学の修学旅行は東京見学でしたが、当時は国鉄時代、蒸気機関車で新潟周り車中1泊での上野駅着でしたから今では隔世の感を覚えます。
大安禅寺 枯木堂にて 責任役員総代 吉田家の祥月命日忌法要を修業いたしました
松雲の間にて 吉田家ご家族の皆様と
さて本日は日帰りでの法務遂行となりましたが、今後は新幹線を利用して頻繁に行き来出来ることと今から楽しみにしています。ますます利便性を増していく現代社会、いつの日か空飛ぶドローンで行来する日もそう遠くは無いものと期待は膨らむばかりです。それまで健康に気をつけて頑張って参りましょう。待てば海路の日和あり!ピコ! 友峰和尚より
庭作り作業を続行したいと願っても外気温度が4℃に加え冷たい雨の降る中では高齢者には到底無理と言うものです。それにしても先日来より法務の時間の合間を見ながら庭作りに没頭しましが、なかなかどうして坪庭ながら良い雰囲気が出て来ました。やはり卑山は約400年の歴史を有する禅寺だけに、寺院のどの場所を切り取ってみても枯淡で落ち着きのある雰囲気を感じます。それだけに庭作りにも工夫が必要ですが、以前からの庭は和風庭園であるが故に、今回は和と洋を折衷させゆっくりと寛げるように仕上げています。まだまだ完成には程遠いのですが、今後は樹木の移植を中心に四季折々の花が咲き誰もが親しめる作庭を目指したいと思います。
今日は終日室内での事務仕事となりましたが、それはそれで結構楽しめます。特に日々送付されてくる郵便物の整理などは、普段はゆっくり目を通せないでいる寺院向けカタログなど具に点検しながら今後必要な品物には付箋を貼って保存しています。以前は職員にお願いしていた事務も現在では自分でやらなければなりません!和尚にとって一番苦手な分野でも有るのですが、認知症予防となれば結構頭脳を使う作業で一石二鳥なのかも知れません。
福邦銀行金沢支店 堀口さんと
整理作業の途中で地元銀行の行員の方が来られましたが、お話しによると日経平均株価が本日3万9千円越えの市場最高値を付けたとか!物価が高騰する中での新記録達成ですが賃金のアップも願いたいものですね。日本経済の好循環と共に景気が少しでも良くなることを祈念しています。以前講演で「経済」とは「経世済民(けいせいさいみん)」を短くしたものでその意味は「世を豊かにし人々を救う」だそうですから、本当に経済成長を願っています。気温も下がり懐も冷たい風が吹き抜けていく今日この頃、皆様にはくれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
朝方の気温が3℃と、もはや異常気象としか思えないほど昨日より急激に気温が下がり身震いするほどでした。午前中に寳勝寺に入りましたが真冬に戻ったような感じで、今にも雪が降って来るのではと思うくらいに冷え込む1日となったようです。
昨日 大安禅寺での諸堂修復工事打ち合わせにて
文建教・高木主任 と 松浦建設(株)・中島現場監督
自坊での滞在時間が限られているため昨日は午後から諸堂修復工事関係者との会合を持ちましたが、庫裡の全面修復工事準備がまもなく始まるとの事で庫裡に保管している什器や仏具、古書、仏像はじめ私物の整理移転の段取りなどについて協議しました。すでに電気系統や水回り並びに足場を組むための養生工事が始まっている状況で保管物移転が急がれます。寳勝寺の法務遂行を制限して3月上旬に再び自坊に帰山し整理移転作業を進めたいと計画しています。
滋賀北陸教区宗務所長 齢仙寺御住職が来寺くださいました
寳勝寺に帰山すると直ぐに滋賀北陸教区宗務所長の齢仙寺(滋賀県東近江市)後藤住職が能登半島地震に関する被害状況視察を兼ね本山に届ける地震罹災申請届の書類を持参くださいました。金沢兼務寺院の建物被害は最小限度で済んだものの仏像などの破損被害は甚大で、今後の修復にはかなりの費用が必要に思われます。いずれにしましても石川県輪島市、珠洲市、能登町等々石川県全体の広範囲におよぶ被害状況がようやく認知され始めている昨今です。
教区青年僧の会に於いても被災地でのボランティア活動計画を立てているようで有難く思っています。最近つくづく思うのは日々の健康管理の大切さで、何をやるにしても気力と体力が充実していなければ如何ともし難し!加齢を憂うのではなく日々の心身鍛錬に精進努力する事が今の和尚自身に求められています。ウオーキングぐらいでは埒が飽きませんから、今後は身体作りに全力を注ぎたいと念じながら頑張って実行有るのみです。喝!!友峰和尚より
福井市役所にて 西行 茂(さいぎょう しげる)福井市長と
更にスピードアップするかのように日めくりカレンダーが薄くなり、気がつけば2月も終盤と気持ちが追いつけないほどに日々が過ぎていきます。若い頃のように仕事の計画を立てて1日1日を余すことなく使い切っていくのでも無く、また何かしようと思っても思うように身体が機能しない自分にいら立ちさえ覚える今日この頃。時間だけがいたずらに過ぎ去っていきます。「人生は無目的である」と言った方がいますが、そうはいっても限りある人生ゆえに愚図愚図としていては埒が明きません!
さて本日は新命副住職ならびに修理委員会の吉岡会長、卑山蒔田総代とともに西行茂福井市長表敬訪問に出向きました。昨年12月に行われた福井市長選挙で当選され第17代福井市長に就任され、そのご挨拶に訪問致しました。
先代實道住職も歴代知事並びに歴代市長と親しく交流されていた関係上、和尚の幼少の時より福井市長も大安禅寺によく来寺されていたのを思い出します「歴史の見える街づくり」を目指している福井市ですが、悠久の歴史を有する卑山も現在は重要文化財諸堂保存修理工事が進められており、約10年後の竣工を心待ちしています。
「泰澄大師の昔より、えにしゆかしき大安寺・・・」と大安寺小中学校の校歌に有るように、約1200年の歴史を有する霊地に建立された福井藩松平家菩提所・大安禅寺ですが、時の名僧 開山・大愚宗築禅師ゆかりの越前の禅道場としての面目躍如を果たして参りたく念じています。寒暖差の激しい毎日となっていますがくれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
見事な風格を見せる鐘楼 / 大安禅寺参道から
久しぶりの帰山となっていますが、さっそく活動開始! 加齢とともに時間差が生じるのか、自坊を少し離れているだけなのに故郷が極度に懐かしく感じます。いよいよ黄泉の国が近づいて来たのかも知れません! 記憶と現実が乖離(かいり)するのは明らかに老化現象の始まりですから要注意ですが、そのような現象はなんら不思議では無く実に当たり前で、加齢とともに記憶することが難しくなっていくからだそうです。ならば猶更の如くに心身を活性化すべく働かねばなりませんね。
本堂修復工事現場視察
礎石部分 と 本堂床下部材
<右側から> 文建教・高木主任 と 松浦建設(株)・中島現場監督
本堂内 壁の修復
本堂屋根耐震ならびに免震補強
76歳にもなると全ての機能が日々衰えていきますから、自己の責任において老化現象を防ぐためのあらゆる対策を講じなければなりません。時々「毎晩よく眠れない」と訴える高齢者の方がおられますが最早寝ている場合では無いのです!残された人生の時間は限られているだけに、寸暇を惜しんで身体を動かし頭を働かせて健康管理に全力を投じる事が大切です。
屋根部分にて
早く目が覚めましたら布団の上で瞑想しましょう!直ぐに眠たくなりますから、しっかり目を覚まし呼吸を整えるだけで不眠症から脱皮できます。人生はあまりにも短いのです!頑張って参りましょう! 友峰和尚より
午前11時よりANAクラウンプラザホテルに於いて満中陰忌法要が営まれましたが、元旦に発生した能登半島地震での不慮の事態で犠牲になられた御方の四十九日忌で本当に心からご冥福をお祈り申し上げました。いまだに多くの方が避難所での生活を強いられているだけに心痛の極みです。徐々に災害復旧が進んでいるとはいえ被災地に向かうには色々な制限があり、ボランティアの方々も十分には活動できないようですから悩ましい状況が続いているようです。
金沢市内には少しずつ人流が戻っているとはいえ観光客も少なく、各商業施設や観光地は閑散としている状態です。さて和尚は所用で自坊に帰山しましたが、今年は大安禅寺諸堂保存修理工事に重点を置き4月14日(日)の「本堂上棟式」の準備を進めたいと思っています。卑山諸堂の「令和の大修理」も今年で4年目を迎え、竣工までにはまだ約10年掛かるそうですから今では我が身の健康管理との戦いともなっており至難の毎日です。「なせば成る!」と豪語した40代から70代の今では「成さねばならぬ」現実に直面しています。なんとか頑張って参りましょう!友峰和尚より
タイルが水平になるように 調整しました
気温が上がると本当に身体が楽になるから不思議なものです。今日は10℃と過ごしやすく外作業をするには絶好の気温で、さっそく庭に敷き詰めたタイルを水平に整え目地には砂を入れどうやら完成したようです。庭木の植え替えは今後も続けられますが、少しずつ完成度が高くなって来ました。時折椅子に座って瞑想しながらの作業が続きます。
タイルの下の砂を少し取り除き...
再びタイルを置いて 踏み固めています
東京に住むフランス人のマーク・アンリさんより連絡があり、フランスの友人キャロラインさんが御子息と金沢を旅行しているので本日寳勝寺に立ち寄りたいとのこと、午後に来寺くださりしばし楽しく歓談しました。と言っても和尚は外国語はまったく無理なため、海外旅行にも必ず持参している翻訳機「ポケトーク」をフルに活用しての会話となりました。
フランス南西部 レクトゥールから来沢された キャロラインさんと御子息とともに
それにしても便利な機械ですね!以前に渡欧した時も本当に助かりました。今では長文の会話でも即時に翻訳し音声で伝えることが出来るので大活躍です。卑山には約1時間の滞在でしたが、翻訳機のおかげで支障なく意思疎通ができました。これも文明の力で、長生きはするものです。
それにしても12年前に寳勝寺住職に就任した頃は来客もなく寂しいかぎりでしたが、現在は連日多くのお客様が来寺くださり、寺院は仏縁を結ぶ場所ゆえに本当に有難く感謝しています。帰り際にキャロラインさんから今度は是非フランスの我が家に泊まってくださいと言われました。世界も狭くなったものです。せっかくのお招きに甘えて再び北欧行きを計画したいと念じた1日となったようです。友峰和尚より