和尚のちょっといい話
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芸術家 ソン・ドン氏をお迎えして
今月15日より始まる「東アジア文化都市2018金沢」展覧会を前に、少林寺にて作品展示をされる中国芸術家ソン・ドン氏が本日卑山を訪問されました。今回は日本・韓国・中国の芸術家22名が、金沢市の石引エリア・広坂エリア・寺町、野町、泉エリアの3か所の会場で作品展を開催することになっています。


この展覧会は、平成30年度「文化庁文化芸術創造拠点形成事業」の一環として、金沢21世紀美術館が共催して実施される大規模な芸術イベントです。少林寺を会場とするソン・ドン氏の作品展テーマは「在家・出家」で、寺全体に立体的な芸術作品を多数展示されます。

禅や書画のこと、芸術のお話しで盛り上がりました

映像作家のジョンさんが準備している プロモーションビデオを鑑賞

少林寺 本堂のようす

先日撮影した 展覧会に寄せる少林寺住職としてのメッセージビデオ

現在は作品を搬入、組み立て中で、今から開催を楽しみにしています。お寺全体がギャラリーとなるわけですから、ソン・ドン氏の作品とどのように建物が変容するかがポイントです。また寺町台重要伝統的建造物群保存地区の雰囲気とのコラボレーションも楽しみですね!

同じく重伝建に指定されている寳勝寺の最終修復工事打ち合わせの為、金沢市歴史建造物保存課担当職員の方と施行業者さんを交えて現場視察が行われましたが、最近の天地災害の多発に鑑み、重要建造物を後世に残していく為の懸命の努力が続けられています。今回の展覧会のテーマが「変容する家」となっていますが、創建当初の姿をそのまま後世に伝えていく事も大切な文化事業の一つであると自覚するものです。友峰和尚より

1966年北京(中国)生まれ、同地在住。1989年首都師範大学美術学部を卒業。パフォーマンス、ビデオから写真、演劇、彫刻と多岐にわたる制作を通じて、人間の努力の非永続性や儚さを明らかにする。2009年にMoMA(ニューヨーク)で個展開催。モスクワビエンナーレ、ドクメンタ、ヴェネチアビエンナーレ、リバプールビエンナーレ、光州ビエンナーレ、サンパウロビエンナーレ、イスタンブールビエンナーレ、アジア太平洋現代美術トリエンナーレ、広州トリエンナーレ、台北ビエンナーレを含む、数多くの国際展で作品を発表している。(ご本人の画像およびプロフィールは金沢21世紀美術館ホームページよりお借りしました)

この度のスーパー台風21号災害ニュースを置き去りに、今度は北海道安平町、厚真町を震源地とする震度6の大地震のニュースが早朝よりライブで報道され、北海道全土に地震の影響が及んでいます。関西空港に閉じ込められた1万人に近い旅行者でしたが、今度は千歳空港始め新幹線も高速道路もすべてのインフラがストップし、こちらでも多くの方が足止めという前代未聞の大惨事となっています。次々と勃発する自然災害に対応するため、日頃から防災用具の備えが必須となって来ています。

ニュースの報道から見えてくるのは先ず、電源装置(自家発電機・ガソリン等)の確保、水、乾電池、携帯電話の補助充電器、簡易トイレ、特に携帯電話の補助充電器は必需品と思われます。停電が長引いた時には外部との連絡方法が絶たれてしまいます。自家用車のガソリンも日頃から注意して満タンにしておくといいですね。備えあれば患いなし!和尚も防災用具の完備を目指したいと思います。

先日、古物商「いなり商店」を営む中山広之氏より、前東大寺管長・清水公照師の肉筆を木版画化した「花鳥風月」の作品寄贈を受けました。どれも本当に素晴らしい作品で、眺めているだけで心が落ち着くものです。後日、少林寺にて作品すべてを公開したいと思っています。中山氏には心より厚く御礼申し上げます。

まもなく野町・少林寺では中国の有名な芸術家ソン・ドン氏による作品展覧会が開催されますが、皆様も是非御来寺頂きたいと思っています。芸術の秋を満喫したいものです。友峰和尚より


台風一過、晴天の今朝 少林寺にて
台風21号がもたらした豪風被害は甚大で全国に及んでいます。昨日の強風から一変して穏やかな朝を迎えたわけですが、ニュースで報道される映像を見て驚きました! 何台もの車が次々とまるで紙の如く舞うように吹き飛ばされていくシーンには恐怖を覚えたものです。金沢市内は風速44.3メートルと気象観測史上最大だったとか。ひと晩中サイレンの音が鳴りやまない状況が続いていました。寳勝寺の看板もしっかり固定しておいたにも関わらず次々に吹き飛ばされ、慌ててヘルメットをかぶり半パン一丁でずぶ濡れになりながら看板を追いました! 廊下沿いのガラス戸は弓のようにしなり、釘を打ちつけてなんとか損壊を免れることが出来たようです。幸いに建物本体には被害が無く安堵しました。

金沢21世紀美術館 設営スタッフの方と
台風のため出国が一日遅れていたマークさんと荒木さんが朝方卑山に来寺され、無事を喜び合いました。昨日に引き続きフランス・サンリス市での展覧会の打ち合わせをした後、一緒に少林寺と傳燈寺に赴き、台風被害状況の視察に行ってきました。どうやら大きな被害は無くひと安心! ここに来て多くの寺院を兼務する事の大変さを思い知らされました。

金沢市指定文化財 少林寺梵鐘 と記念撮影されるマークさん

奥様 と ともに

展覧会準備が進む少林寺本堂
宮崎寒雉様寄進の殿鐘を撞くマークさん
清々しい音色を聴き 喜ばれていました

傳燈寺にて 荒木さんが 台風後の掃除を手伝ってくれました

掃除後、先代住職の御供養と御祈祷

今年に入ってから、豪雪被害に始まり豪雨被害、暴風被害と異常気象が続いています。災害国日本! 関西空港では多くの外国人観光客が足止めになったとか、一刻も早く全力を挙げて復旧に当たって欲しいと願っています。今回の台風で被災された多くの皆様には心よりお見舞い申し上げます。 友峰和尚より

台風対策をしました
最早言葉を失うほどの暴風雨となって寺を襲って来ます! このような暴風はこれまでに経験したことが有りません! 夕刻には金沢上空を通過するとのニュース報道で、朝から懸命に台風対策に当たりました。アイフォンでは特別警報がけたたましく鳴り響く始末! 大安禅寺の状況も心配で、電話で確認しながらの一日となりました。

金沢市香林坊の 「欧風食堂 ル マルス」さんにて
昨晩はフランスより来日しているマークさん・荒木さん夫婦と夕食を共にし、本日は午前中、来年4月に仏サンリス市で開催予定の「アート・サクレ」展覧会についての綿密な打ち合わせ会議となりましたが、なにしろ台風21号が気になってしまい会議は午前中で切り上げ、明日にもう一度打ち合わせをするという事で今日は散会しました。

渡仏日程や会場展示など 詳細打ち合わせのようす



少林寺では 金沢21世紀美術館スタッフの方との打ち合わせ


時折、もの凄い唸り声を轟かせて本堂を揺さぶります。今日はこの辺でブログを終了し、台風の到来に備えたいと思います。無事に通過する事をひたすら念じています。友峰和尚より

平成30年9月3日 午後3時 酔芙蓉 すいふよう
またまた台風21号が日本列島に迫ってきました! 明日の夕刻より北陸地方は暴風雨で大荒れになるとか、クワバラ!クワバラ! 本当に無事に通過する事を願っています。それにしましても毎月のように大規模な自然災害のニュースが報道され、近年の気候変動にはまったく驚きます。2日間に渡った滋賀北陸教区住職研修会を無事に終了出来た事に心から安堵しました。

不如帰 ほととぎす
午前中はお檀家様の月参りに行き午後からは来客応対となりましたが、昨日まで多くの僧侶と接していたためか本日は心なしか空虚な気持ちになったものです。やはり寺院にとって僧侶の存在感は大きいものが有りますね。特に若き青年僧の姿には惚れ惚れするものです。願わくは大いに自坊において布教活動に邁進して欲しいと思うものです。さて相変わらず毎日が矢の如く過ぎ去って行く感がありますが「無事是貴人(ぶじこれきにん)」の心境をもとに精進一路、頑張って参りましよう! 友峰和尚より
桔梗 ききょう

研修2日目は粟津温泉「のとや」を会場に開催されました。昨晩は住職始め講師を交えての懇親会となりましたが、一年に一度、食事をともにしての交流の場でもあり、大いにリラックスした時間となりました。

本日はのとやの会議室において、午前8時半より第一講『日本臨済宗の祖・栄西禅師」と題して大阪・寒山寺住職・滝瀬尚純氏により講義が有り、引き続き花園大学准教授・藤井渉先生による人権学習講義が行われ、午前11時半に2日間に渡る住職研修を終了致しました。

大阪・寒山寺住職 滝瀬尚純氏による講義

花園大学准教授・藤井渉先生による人権学習の講義
教区宗務所長として毎年参加していますが、会を重ねる毎に「なるほどそうだったのか」と新たな発見が有ります。どうやら禅宗の世界では「ほぼ」わかったでは済まされないところがありますから、わからないことは充分合点がいくまで質疑応答が不可欠のようです。今回の法式梵唄(ほっしきぼんばい)の講義中においても、大安禅寺に昔より伝授されている数珠が「維納司(いのうす・お経を唱える役)」専用のものと知り驚きました。知らないというのは本当に恐ろしいことです。礼儀作法や威儀についても言えることですが、必ず約束事の中に成り立ってきた経緯があることを知る大切さなのかもしれません。

さて、住職研修会も無事円成し一安心といったところでしょうか。尽きることなく学ばねばならないことが山ほど有りますね。学べば学ぶほど味わい深くなっていくことも年のせいでしょうか? もういちど大学に戻って一から勉強したいと強く思った住職研修会でした。参加されたご住職の皆様、大変お疲れ様でした! 友峰和尚より
住職研修会を前に 滋賀北陸教区各部役員会議が行われました
雨上がりの爽やかな朝を迎える事が出来ました。それにしても昨晩は物凄い雨音に頻繁に目が覚め、おまけに午前3時には携帯電話から突然、豪雨警報がけたたましく鳴る始末。ゲリラ豪雨に振り回される昨今です。

本日は滋賀北陸教区住職研修会が午後1時より開催されました。豪雨の影響でJRのダイヤが軒並み乱れ、参加者も遅れて来られる方が続出しました。

開会に先立ち、参加ご住職全員で 般若心経を御唱えしているところ

大安禅寺 新命副住職


宗務所長 挨拶


司会の 滋賀北陸教区 教化主事 無量寺ご住職
開会式の後はレジュメに沿って講座を開始しましたが、講師の先生もJRの影響で到着が遅れたため、和尚の講義が先行され「宝勝寺ふれあいパーク霊苑の墓地運営」について講義し、引き続き㈱ココ・プランニング会長の中本隆久氏より、これからの墓地のあり方など詳しくお話しされました。

宝勝寺ふれあいパーク霊苑の運営について お話ししているところ

㈱ココ・プランニング 中本隆久会長によるご説明
宝勝寺霊苑開苑までの経緯や運営について、また、現在の墓地事情など

詳しくご説明され、質疑応答を受けておられるようす

妙心寺塔頭 慧照院 御住職による「法式梵唄」の講義

墓地運営の講義の後は、妙心寺塔頭 慧照院 御住職を講師に迎え「法式梵唄(ほっしきぼんばい)※」の講義が行われました。教区住職研修会は毎年この時期に開催されますが、住職にとっては情報交換の場でも有り、大変有意義な研修会となっています。講義終了後には全員で霊苑を視察していただき、第1日目の研修を終了しました。 ※法式梵唄…儀式作法





講義日程終了後 霊苑を視察されているようす



明日も引き続き早朝より講義が開催されます。人生最後の最後まで勉強ですね、もうこれで良いという終わりは無いようです。明日も頑張りましょう! 友峰和尚より

午前10時より ふれあいパーク霊苑にて テレビ収録 が行われました
秋雨前線が北陸地方に南下し、金沢市内も時折大雨となりました。思い起こすに平成16年7月18日未明から降り始めた豪雨が福井市内に氾濫し大きな被害をもたらした時も、今回とよく似た気圧配置で有ったように思います。また来週には大型の台風21号も本土に接近するとか。本当に気を緩める事の出来ない状態が続いています。



キャスターの森重さんと
さて不思議な事に午前中は大雨警報が出ていたにもかかわらず、地元テレビ局の取材中は陽が差すようなお天気となり、ふれあいパーク霊苑での収録も順調に進み安堵したものでした。今日の映像は9月7日午後2時から、HAB北陸朝日放送「2時はドキドキ」の番組中に放映されるそうですので、是非ご覧頂きたいと思います。

寺カフェ 撮影のようす


収録終了後、スタッフの皆様と茶礼をしました


午後より 住職研修会の準備

明日は寳勝寺を会場に「滋賀北陸教区・住職研修会」が午後1時よりが開催されるため、午後からは会場の設えをしました。天気予報の進捗状況を気にしながらの作業でしたが、連日30℃を超えていた気温も秋雨前線が影響してかグンと下がり、26℃前後と凌ぎやすくなりホッとしています。

住職研修会では「寺院の運営について」という内容で和尚の講義も予定されているので、楽しいお話にしたいと思っています。滋賀北陸教区各御寺院ご住職皆様の御来寺を心よりお待ち申し上げております。友峰和尚より

臨済宗妙心寺派 平安山 良疇寺 様

「滋賀北陸教区 花園流御詠歌 発展拡充講習会」にて
8月も残すところ1日となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 本日は残暑厳しい中、滋賀県長浜市・良疇寺様を会場に「滋賀北陸教区 花園流御詠歌 発展拡充講習会」が午前10時半より開催されました。各支部講員約60名が参加され、午後4時まで熱心に御詠歌の奉詠と同時に 慈恩寺 副詠鑑・東先生(岐阜県郡上八幡市)のご指導を受けました。近年、わが宗派では御詠歌を継承する方々が減少傾向に有り、それに加え講員の高齢化も加速しています。

御詠歌の素晴らしさは申すまでも無く、卑山年中行事の際、奉詠される度毎に参詣の皆様から称賛の言葉を頂いています。御詠歌が奏でる5・7・5・7・7の歌詞に調和のとれた鈴鉦のリズムは仏教の「声明(しょうみょう)」であり、法悦を感得する仏教音楽であります。日本古来の伝統的音楽「雅楽」等も仏教伝来に由来する古典音楽であり、色々な儀式に用いられて来ました。御詠歌は特に巡礼の際に各札所において奉詠されて来ました。伝統的日本文化が消滅の危機を迎えている今日、全国の教区に於いても花園流御詠歌の発展の為、講習を開催しながら後継者の育成に努めているところです。


宗務所長 終講の挨拶

本日は卑山からも寺庭と共に5名の講員皆様が熱心に講習に臨まれました。年中行事には欠かせない「無相教会 花園流御詠歌」の歌声が今後も継承されていく事を念じてやまないものです。本日は猛暑にもめげず最後まで練習に励まれた多くの講員の皆様、本当にご苦労様でした。友峰和尚より

長浜 北ビワコホテル グラッツェ からの風景
住職としての法務内容はその日によって様々ですが、基本的にはご供養がその多くを占めています。本日も朝一番にお檀家様の月諷経に参じ、今は亡き御母堂様の命日供養をご家族と共に修業しました。以前はどのお家も月々の命日供養諷経(めいにちくようふぎん)を依頼されたものですが、近年ではめっきり少なくなっています。祖先との繋がりが次第に薄れていくと同時に、家族の絆も比例するかのように同じ傾向に有るようです。「核家族化」が叫ばれる今日の社会現象ながら、祖霊供養の大切さを心から思うものです。

南条サービスエリアの 焼き揚げおろし蕎麦
明日の午前10時半より長浜市・良疇寺様で「滋賀北陸教区・花園流御詠歌発展拡充講習会」開催に合わせ、午後から一路長浜に車を走らせました。その道中、南条サービスエリアで昼食を取りましたが、花菖蒲祭開催中に、境内のお食事処「渓仙舎」で好評だった「焼き揚げおろし蕎麦」を懐かしく頂きました。ここ数年、車での移動が大変身体に応えるため、小刻みにサービスエリアで休息しながら運転しています。サービスエリアでの楽しみはご当地グルメを賞味するのが一番のようです。さて食欲も昔ほど旺盛で無く、加齢と共に和尚も野菜中心の食事を好むようになって来ました。果たして皆様は如何でしょうか? 焼肉モリモリでしょうか? 長浜到着後は琵琶湖を眺めながら、しばし瞑想してみました。湖畔にずらりと並んで停泊しているヨットを見つめながら、「あ~らよっと!」って口ずさんでしまいました。長かった猛暑の夏も終わりを迎えようとしているようです。友峰和尚より



