和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1332話 】
2017年 04月 11日 談

昨日は満開の夜桜を堪能されたことと思いますが、本日の北陸地方は早朝より冷たい雨模様となりました。三日見ぬ間の桜かな!では有りませんが、いま少しばかりお花を観賞していたいものですね。この雨を受けて花菖蒲の茎も一気に伸び始めました。残念なことに、春先、園内にイノシシが入り花菖蒲の株をことごとくひっくり返してしまい、せっかく根づいた苗がダメになってしまいました。急遽、小浜市の常高寺様にお願いして花菖蒲の苗を分けて頂く事になり、本日はいつもお世話になっている斎藤公一さんと中西大さんに協力して頂き一路小浜に向かったわけです。

常高寺 ご住職様 です

常高寺様は「花菖蒲の寺」として有名で、多くの品種を育てています。この度は本当に沢山分けて頂き、心から感謝いたしました。最近のイノシシ被害は境内全体に及んでおり本当に困っています。なんとかしなければならないのですが、手の打ちようがないのが現実です。

斎藤公一 氏 です

中西 大 氏 です

午前中から始めた苗起こしも午後2時ごろには終了し、終了後は常高寺様にお礼の御挨拶をして直ちに帰路につきました。常高寺様の苗はとても元気で素晴らしい株でした。明日から時間の余裕を見て補植に入りたいと思っています。

和尚です

不思議な事に現地に着くまでは大粒の雨模様でしたが、苗起こしを始める頃には雨も上がり、作業が順調に進みました。また作業が終わる頃には再び雨となって、本当に有り難し有り難し、南無観世音菩薩! 助っ人の中西さんが43歳、斎藤さんが56歳で、和尚が69歳と随分と作業に歳の差を感じたものでした。お二人さんの力強い仕事ぶりに感心いたしました。本当にご苦労様でした。今年もきっと素晴らしい花を皆様にお見せできるように頑張って園内整備をしていきたいと思います。常高寺様には心より重ねて感謝申し上げます。友峰和尚より

臨済宗妙心寺派 凌霄山 常高寺 / 福井県小浜市

常高寺は、夫・京極高次の菩提を弔い、さらには父母などの供養のため、寛永7年(1630年)に常高院(浅井三姉妹の次女、お初の方)の発願によって建立された名刹です。

友峰和尚のちょっといい話 【 第1331話 】
2017年 04月 10日 談

お釈迦様のお誕生日「降誕会」4月8日付の朝刊に、大安禅寺檀家 堀江由隆氏が「瑞宝単光章」を受章された記事が大きく掲載されました。堀江家の菩提寺として大変嬉しく思いました。堀江氏は和尚のひとつ年上の先輩で、警察官として42年間勤務され、特に今回は危険業務従事者としての叙勲だそうです。和尚は子供の頃、学校帰りに堀江さんのお宅に立ち寄って長時間遊んで帰ったものでした。先輩でありながら当時から後輩の面倒をよく見て下さったことを思い出します。警察の仕事としては主に刑事、地域部門で活躍され、凶悪事件や難事件などを担当した事がこのたびの受章に繋がったと記されていました。さっそくお宅を訪問して心よりお祝い申し上げた次第です。地域の安全と安心を長年に渡って守られて来た事に敬意を表します。一生を通じて皆様も幾度か表彰されたことが有るかと思いますが、褒められるというのはいくつになっても嬉しいものですね。檀家様の喜び事は菩提寺住職の喜びであります。堀江さん、本当におめでとうございました。

さて昨日は法務が目白押しでしたが、月曜日の今日は休息を兼ねて孫達とお花見に出かけました。果たして和尚自身の休息となったかどうかは別として、三人の孫達のはしゃぐ姿から元気をもらったのは確かでした。童子の心は御仏の心ですね。「童心これ祖心に通ず」です。それにしてもさすがに日本有数の桜並木の名所・足羽川堤防と足羽山ですが、人、人、人、の波でした。皆様お疲れ様でした。友峰和尚より

福井市 足羽川の桜並木  / 福井市ホームページより

友峰和尚のちょっといい話 【 第1330話 】
2017年 04月 09日 談

 「今という 今こそ今が大事なり 大事の今が生涯の今」、本当におっしゃる通りです!「今やらねばいつ出来る 俺がやらねば誰がやる」って同じ意味だと思いますが、この時期、卑山では新入社員並びに新入生の坐禅研修が続きます。本日は地元福井県立大学・生物資源学部新入生の坐禅修学が行われました。「初心忘るべからず」という言葉も有りますように、何事も最初が肝心です。1時間半に渡る坐禅でしたが、学生皆さんが真剣に坐る姿に和尚も初心に戻るような気分でした。

毎日の世界的不穏なニュースに接していると若者達の将来を案じます。和尚の学生時代は大学紛争で荒れ狂った時代でもありました。それはそれで当時も不安社会だったわけですが、どのような時でも今を大切に粉骨砕身努力するしか打開策は無いようです。坐禅後はお寺で檀家様の年忌法要を営み、午後からは鯖江市にある家族動物霊堂・慈光堂に出向き動物総供養の法要をしました。新命副住職が現在、大分県の臨済宗各寺院への「春の定期巡教」に出掛けている為、法務がどっと和尚の肩に掛かっています。最早、体力的にギブアップ寸前での法務遂行で、冒頭の言葉を心に頑張っています。嗚呼!本当に健康ほど大切なものは有りませんね。さて桜が満開となっています「桜花無尽蔵」です。どこかでゆっくりと花見をしながら寛ぎたいと思います。友峰和尚より

 「春風 福寿を生ず」 石川県政しいのき迎賓館個展にて

生花/文房流晴心会野口支部 様 行燈/越前和紙作家 長田和也 様

友峰和尚のちょっといい話 【 第1329話 】
2017年 04月 08日 談

大安禅寺のソメイヨシノが満開となりました。世の中に美しいものは五万と有るかと思いますが、この時期に咲く桜の花は別格です! 兎に角、薄いピンク色から濃い桃色まで木々いっぱいに咲き誇る花の形には魅了されます。

大安禅寺境内の樹木育成に専心される 小森庭園主 末政幸憲氏

「花より団子」という言葉が有りますが、花無くしては団子など語れるものでは有りません。何が故にこのような言葉が作られたかと言えば「勝ち目のない」例えのようにも聞こえます。所謂あきらめの境地です。世の中あまりにも美しいものに出会うと、それを得ようとするものですが、それが得られないと思った途端に急にお腹がすくものです。確かに和尚も子供の頃、父親がよく足羽山の花見に連れて行ってくれたものです。どういうわけかおでんや団子を食べたのは覚えていますが、桜が咲いていたかどうかは記憶に有りません。でもすこぶる楽しかった事をよく覚えています。一年に一度のお花見です、大いに心を解放したいものですね。

昨日は北陸朝日放送「2時はどきどき」の番組に出演しましたが、番組内容も地元により密着したものになり、いつもよりリラックスして楽しむことが出来ました。東京各局の番組は最近、タレントさん中心の内容が多く、我々の日常生活とはかけ離れているように感じます。テレビ離れの進む現代社会ではコンパクトな情報が重要になってきているように思います。自分の周りには意外と面白くてためになる話題が多く存在します。いまや東京が中心ではなく、地方の個性豊かな番組が求められる時代に変化しつつあるようです。地方局に有っては地域に密着したドキュメンタリー番組を制作しながら、地元の活性化に繋げてほしいと願っています。ピコ!友峰和尚より

「2時はどきどき」ツイッターより 出演者の皆様とともに

友峰和尚のちょっといい話 【 第1328話 】
2017年 04月 07日 談

一気に気温が上昇して20℃をはるかに超える初夏のような陽気となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? この陽気を受けて桜も一斉に満開となったところが多いようです。金沢市内の桜の満開は2日ほど後になりそうですが、もう時間の問題です。

今日は大本山妙心寺より、妙心寺専門道場の雲水さんが卑山に托鉢に来て下さいました。毎年恒例の行事ながら、和尚にとっては待ち遠しい日となっています。昨日は入学式でピカピカの1年生の皆さんと出会いましたが、今日はピカピカの雲水さんの初々しい修行僧姿と接する事が出来ました。今後長きに渡って禅の修行をされる事と思いますが、心から頑張ってほしいと念じたものでした。

宝光寺ご住職(富山県氷見市) と 妙心僧堂 雲水さんとともに

寳勝寺の後は野町・少林寺にも寄り、その後は和尚と共に大安禅寺に来て頂きました。今回の托鉢は「遠鉢(えんぱつ)」と言って地元を離れて遠くの県に托鉢に出掛ける行事で、各修行道場で毎年行われています。

雲水さんの托鉢の合間をぬって、和尚は地元HAB北陸朝日放送「2時はドキドキ」の番組に生出演しました。最近では寺院の抱える色々な問題をテーマにした番組が全国各局で放映されるようになって来ています。社会的現象ともなっている寺離れや墓じまい・直葬などに対し、各宗派寺院の青年僧が中心となってその対応策の取り組みが行われています。和尚もまさにその問題の最前線にいますが、金沢を基点にあらゆる方法を模索しながらアクションを起こしているところです。今日のような番組が今後も継続して製作されることを願ってやまないものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1327話 】
2017年 04月 06日 談

本日は全国各地で一斉に入学式が挙行されたようですが、市内のあちこちで親子連れの新入生と出会いました。毎年恒例の風景ながらとても心がホッコリするものです。心もホッコリなら気温も一気に上昇して20度を超える暖かい一日となり、桜もここに来て一斉に開花を始めました。この3日のうちに満開を迎える事と思います。わが家に於いても内孫の二人が入学式と入園式を迎えました。本当にピカピカの1年生と幼稚園です。このところのニュースは事件事故や自然災害や紛争等の話題が続いていた為、今日ばかりは初々しい子供達の入学式風景のシーンに心が和むというものです。昔から「子供は宝なり」と言われているように、子供達のはしゃぎ声を聞いていると本当に元気が出てきます。最近では子供への虐待のニュースや園児の声に対する抗議などの話題が目立つようになって来ましたが、その原因の一つとして急速に進む核家族化が問題視されています。園児の声がうるさいと訴える事や子供への虐待、不登校またいじめの問題もやはり核家族化に一要因があると考えられます。誰もが想像もしえなかった少子高齢化社会問題は、孫達の学校の入学式や入園式に於いても深刻な問題としてクローズアップされてきているようです。ピカピカの1年生の孫達の育成をしっかりサポートしていくことはジイジ、バアバの役割なのかも知れませんね。


さて再びテレビ出演依頼です。明日午後二時より金沢HAB放送番組「二時はドキドキ!」でコメンテーターとして生出演しますので、お時間が有りましたらご覧ください。番組のテーマは「減るお寺 薄れる信仰 状況を脱する秘策とは?」だそうです。う~ん難しい問題ですね。和尚にとっても暗中模索の状態で今まさに無住寺院対策に取り組んでいるところです。頑張って参りましょう!

友峰和尚のちょっといい話 【 第1326話 】
2017年 04月 05日 談

新入社員坐禅研修会も2日目を迎え早朝5時半の朝課(朝の読経)より始まりましたが、普段はあまり大きな声を出す機会がないため、今日ばかりは修練の一環としてしっかりと腹の底から声を出しての読経時間となりました。人間の五感の中でも「発声」は特に大切で、人とのコミュニケーションには絶対不可欠の要素でもあります。また、坐禅に掃除に食事作法、法話なども、向上心を培うための修練科目となっています。

さて朝課後は福井市浜町「香櫨苑」で開催されている福井春祭りフェア、文房流晴心会・野口翠智社中の皆さんによる生け花展に行って来ました。そこだけは満開の桜や紅梅の花の甘い香りがお部屋いっぱいに漂い、春爛漫の風情を感じさせてくれたものでした。

香櫨苑の女将さんの御点前でお煎茶を頂きましたが、まるで時間が止まったように、静かでのんびりとした時間を過ごす事が出来ました。歴史あるお洒落なお部屋に活けられた数々の生け花が生き生きとして輝いて見えました。いつ鑑賞させて頂いても、文房流の生け花は実に自然体で伸び伸びとして大らかな雰囲気が感じられます。

お花見の後は香櫨苑の御主人様も加わってのおしゃべりタイムとなったわけですが、優雅な時間を過ごさせて頂き本当に感謝いたしました。しばし皆様には生け花をご覧頂きたいと思いますが、今月9日まで開催されているとの事、是非とも皆様には会場に御足を運んで頂けたらと思います。お花っていいですね! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1325話 】
2017年 04月 04日 談

「朝打三千 暮打八百(ちょうださんぜん ぼだはっぴゃく)」 この言葉を聞いて皆様はどのように感じますか? その意味は「朝には三千回、夕暮れには八百回、自分に鞭を打て!」 すなわち「自分を打って打って打ちまくれ!」ということです。別な言い方をすれば「鉄は熱いうちに打て」ということでしょうか? 昔の人はよく「若い時は二度無い、今やらねばいつ出来る」と若者に苦言を呈したものです。

今日は午後より「新入社員坐禅研修会」が行われています。今どきの新入社員方々にこのような言葉が通じるのか通じないのかは別として、明日の夕刻まで一泊二日の修練が続きます。和尚の青春時代は禅修行に明け暮れましたが、日々はまさに「朝打三千 暮打八百」そのもので、実に過酷なまでに厳しい修行の毎日を過ごしていました。その時の不屈の精神が今の自分を支えているように思います。

大安禅寺 本堂前庭

研修生を迎えるにあたって早朝より新命副住職とともに境内の掃き掃除をしましたが、ようするに研修の要は「掃除」に有ると思っています。これから新社会人として責任ある仕事を遂行していく為には、いちどすっかりと今までの自分を捨て切って頂きたいと願っています。いわゆるゼロベースからの新たな出発です。一にも二にも、徹底的に自己を粉砕して心機一転ピカピカの1年生として頑張って頂きたいものです。さて和尚は久しぶりの外掃除でしたが、心は晴れ晴れとして爽快な気分と成りました。エイ!この世の中は「掃除」が一番ですね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1324話 】
2017年 04月 03日 談

寳勝寺ふれあいパーク霊苑工事が順調に進んでいますが、本日は㈱ココ・プランニングの宮崎デザイナーと中部緑地㈱・中野氏と共に、園内植栽に使用する樹木や庭石を見に行きました。以前より寳勝寺境内に植えられていた花木も再び植え戻しをする為、その選定をしました。金沢市郊外のかなり奥深い山地に植木の仮置き場が有りましたが、移植されていたどの木も元気に育っていたので安心しました。

本堂前庭にあった 桜 の木

椿  むくげ 山椒など

不思議な話で、山に向かう途中にわかに雲が立ち込めて大粒の雨が降ってきましたが、現地に到着すると同時に雨も上がり「神ってる」感じでした。寺に戻る途中、庭材専門店に立ち寄り敷石や樹木も新たに注文しましたが、ここに来てより細やかな霊苑内の造形が始まったようです。和尚としても色々な想いが有りますが、これまで寳勝寺に植えられていた木々が再び戻されるのは有り難く嬉しい事です。

景石の選定

庭材専門店にて

垣根となる竹や庭木の選定

ふれあいパーク霊苑にも新しい木々が植栽されていますが、緑が増えるにつれより立体感を増していきます。和風庭園を意識しての霊苑工事が着実に進められており、一日も早い完成が待たれるところです。本当に青葉若葉が美しい好事節! 今日はお山を訪ねて春の匂いを満喫した一日となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1323話 】
2017年 04月 02日 談

とさみづき

桜の開花が待ち遠しいのですが、兼六園は桜お目当ての観光客で今大変な賑わいを見せているそうです。前情報では今年は4日頃が満開になるという予想だったので、旅行客にとってはガッカリといったところでしょうか。それと言うのもここに来て気温が上がらず毎日寒い日が続いている事が影響しているものと思われます。今年は全国的に「桜前線に異常あり」との報告がなされており、やはり今言われている異常気象の影響なのでしょうか? 日曜日の寳勝寺・寺カフェは好天気に恵まれながらも冷たい風が吹き抜ける気候のためか温かい飲み物を求めるお客様が多く見かけられました。「花冷え」という言葉が有るように、まだまだ春本番には時間がかかりそうですね。

バニラアイス と 珈琲ゼリー の パフェ 金粉入りです

さて昨日はエイプリルフールでしたが、和尚のブログ、読んで頂けましたか? 今日はワープしてあっという間に帰国出来ました。近未来には瞬間移動できる乗り物がきっと発明されるに違い有りません。でも、そのような時代が来たら旅行など何の面白味も無くなる事と思いますよ。なぜなら時間をかけて目的地に向かうからこそ旅の値打ちがあると思うからです。時代が便利になればなるほど、人間として生きている実感が失われていくように和尚は思うのですが、皆様はどうお考えでしょうか? 「旅ゆけば駿河の国に茶の香り・・ベンベン!!」って昔の旅はいいですね!ピコ! 友峰和尚より

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