和尚のちょっといい話
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宝勝寺 中庭
梅雨の戻りで天候が不規則ですが今日は涼しく過ごしやすい一日となりました。帰国して3日が過ぎ“自分は大丈夫”と自信を持っていた時差ボケですが、今回はさすがにひどく就寝時間を過ぎても一向に眠気が来ず、今朝方は午前4時ごろようやく眠りについたように思います。聞くところによると1週間程すれば自然に元に戻るそうですから期待したいと思います。
荒木芳栄さんが ご来寺くださいました
本日はこの度の渡欧に際し大変お世話になったフランス・アンジ-市にお住まいの荒木芳栄さんが宝勝寺へご挨拶に来寺くださり、先般の「日本禅文化交流会」開催の心からの御礼と感謝を伝えました。御家族の病気お見舞いに急遽帰国されたとのことですが現在病状は落ち着いておりお見舞いを大変喜ばれたとのことで、つい先日までアンジ-市でお世話になっていただけに世界の交通インフラもずいぶん発展し地球も狭くなったものだと感心しました。
今回の日本禅文化交流会の映像を見ながら 思い出話をしました
和尚も今回は短い期間ながらひとりでミュンヘンに滞在し自分で手続きをして帰国しましたが、空港内での搭乗手続きや手荷物を預ける際なども以前とはまったく違って全てが自動化され、オンラインでもチェックイン出来るなど本当に驚きました。
マーク・イゴネ氏の書斎にて
さてマーク・イゴネ氏のギャラリーでの墨蹟禅画展でしたが、その後も地元市民の方々が次々にギャラリーを訪れたそうで大変嬉しく思ったものです。まだまだ気持ちは国外にいるような錯覚の中にいますが、それだけ充実した日本禅文化交流会の旅だったと思いを深くしています。この秋には久しぶりに金沢で墨蹟禅画展を開催してみたいと計画を練っています。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
夏のバラが咲き始めました / ふれあいパーク霊苑
帰国の翌日にさっそく法務遂行となり、午前中に開眼納骨諷経を修業した際には時差の影響からか身体がフワフワとした感覚での読経となりました。昨日は妻が福井より宝勝寺へ来てくれ帰国の無事を喜び一緒に食事をしましたが、久しぶりの和食の美味しさには感動しました。時間が経つにつれ渡欧の思い出が蘇り不思議な感覚に包まれながら体調の回復を待ちましたがやはり昨日は眠れず、ようやく眠れたのは午前3時を過ぎてからだと思います。
梅雨空のもと 墳墓開眼御供養諷経を修業いたしました
本日は疲れを癒すために休息日とし、午前中に妻を金沢駅まで送った後は荷物の整理をしながら過ごしました。この度の研修旅行に参加された皆様からもグループLINEを通じて無事帰国の温かい御挨拶メッセージを頂き、一応に充実感に満ちた感謝と喜びの言葉が並び大変嬉しく感じたものでした。
須貝総代様ご夫妻が 御来寺くださいました
午後には卑山須貝総代ご夫妻が帰国を喜び御挨拶に来寺くださいましたが、須貝様御夫妻も時を同じくして渡欧旅行をされており、時間の過ぎゆくのを忘れて旅の思い出話に花が咲きました。
フランス・ドイツでの体験話に花が咲きました
何事もそうですが、あとになってから思い出や体験した事がじわじわと蘇り“渡欧ロス”状態に陥りそうになりますから悩ましいところです。さていつまでも余韻に浸っていては埒が飽きません。あすからは気持ちを切り替えて、7月盂蘭盆会を前にまずは境内の草取り作業から開始したいと思います。元気に頑張って参りましょう!! 友峰和尚より
日中友好の朝顔が 成長中
ミュンヘン空港を飛び立ちました
ミュンヘンに5日間滞在しましたが、その間、本当に色々な人間模様の姿を垣間見る毎日でした。何かを訴えるかのように大声で道行く人に話しかける人、また逆にひとりでブツブツと呟いている人、電車の中で歓声をあげる若い男性集団。かと思えば道端で深く頭を地につけ物乞いをする若い男性や年老いた女性達、真昼間から酒に酔ってヨロヨロと彷徨い歩く老人、スマホに向かって大声で叫びながら歩き続けている人、爆音で音楽を鳴らしながら走り抜けて行くオートバイ等々。本当に世界中からミュンヘンに来ている観光客集団とのあまりの姿の格差には言葉を失います。
いかに自分が心穏やかで、しかも落ち着いた静かな環境で毎日を過ごさせて頂いているかを思い知らされます。勿論のこと、和尚の見た街ゆく人達の姿がミュンヘンの全ての姿ではありません。先日訪れた臨済禅道場は実に閑静な住宅街にあって、坐禅会に参加されている方々は実に穏やかで、環境が人々に与える影響が如何に大きいか感じ取ったものです。
機内で 大安禅寺に眠る幕末の医師・笠原白翁の映画「雪の花」が放映されていました
羽田空港 着陸の前に撮影
大安禅寺 本堂修理現場 <6月23日撮影>
大安禅寺や宝勝寺は実に素晴らしい環境にあり、大安禅寺が長年に渡って坐禅会が続けられていることもその静寂な環境が支えて来たのかも知れません。普段は当たり前に感じている自然の環境こそ、最大の安心の場所なのだと改めて感謝したものです。人生いちどは何処か静かな場所を選んで自分の心を見つめる時間も大切だと思います。
宝勝寺玄関
和尚留守中の法務を遂行する 新命玄峰副住職
さて留守中は新命玄峰和尚が宝勝寺の法務遂行を全て担ってくれました。遠くミュンヘンから宝勝寺防犯カメラを通して確認することが出来ましたが、なぜか黄泉の国から眺めているような感覚を覚えたものでした。近代文明の力に遺憾なく助けてもらった今回の日本禅文化交流の旅となったようです。友峰和尚より
約2週間に渡る「日本禅文化交流会」の旅もついに最終日を迎えました。短いようで長く、長いようで短くも感じた今回の渡欧ですが、予定していた日程をすべて円成し安堵しています。人それぞれに違った人生を歩んでいくわけですが、いちど限りの人生ゆえに禅僧としての和尚の自己へのチャレンジとなっています。
23日の朝、タクシーでミュンヘン空港へ出発
フランス・アンジーでの坐禅会
アンジーにて 文房流晴心会野口支部の皆様による 御茶会に参席
ギャラリー Les Poissons du ciet 禅画墨蹟展
坐禅道場「臨済禅道場 ミュンヘン」 坐禅会参加
坐禅道場のマスター アンタイ氏との出会い
和尚にとって臨済禅の実践は人生のすべてであり、禅僧としての生き様を示す上でも己事究明は必須課題として捉えています。机上の仏教理論や説法は意味を為さず、禅の実体験の実践を通して自分の自覚向上を図るのみだと思います。
ミュンヘン空港にて
今回のフランス・アンジー市に於ける「日本禅文化交流会」催事開催において、大安禅寺並びに宝勝寺に御法縁を賜ります多くの方々から温かい御支援と応援メッセージを頂き心から感謝と御礼を申し上げます。帰国後も皆様のご支援に応えるべく精進努力を続けて参りたく念じております。本当にありがとうございました。友峰和尚より
ミュンヘン滞在も残り2日間となりました。なにより天気が良いのに加えて涼しく、ウォーキングには最適の気候が続いています。昨日に引き続きミュンヘン市内にある歴史的建造物の教会を訪ね、世界の平和と幸せを祈りました。
テアティーナ教会 (1669年 建立)
外国を訪ねた際には必ず教会に赴き祈りを捧げますが、ミュンヘン市内の教会の多くは歴史的文化遺産となっておりいっそう荘厳な雰囲気を感じます。ミュンヘンの観光地は金沢に似て市の中央に有数の名所や建造物が集まっていることもあり、世界中からの観光客で大変な混雑ぶりでした。
ミュンヘン中心部 街のいたる所で壮麗な建造物を見ることが出来ました
ミュンヘン 地方裁判所
カールスプラッツ広場
宿泊中のホテルからは歩いての教会巡礼となりましたが、本日も約1万歩を超える歩行となりまさに巡礼そのものとなったようです。とにかく、人の多さに圧倒されながらのウォーキングですが、行き交う人にぶつかりそうになる事もしばしばあり歩くのには気を使いました。
国が違えばなにもかもが違うように感じるものですが、ミュンヘンはどこか日本に似ているようにも思います。例えば整然とした佇まいや、道路が大変綺麗なことでしょうか。フランスパリ滞在とは全く違った感覚を覚えます。海外から日本に観光で来られる方々はどのような日本の印象を持たれるのか、興味深いところです。
グーグル翻訳中 / 立ち寄ったカフェで昼食をとりました
さて今回の日程もあと1日を残すのみとなりました。明日は帰国の準備に入りたいと思います。友峰和尚より
王の広場 (ケーヒニス広場) にて
ミュンヘンは気温23℃と過ごしやすい状況ですが、それでも日中は日差しが強くかなり汗をかきます。好天気の中を毎日市内巡礼をしているためか真っ黒に日焼けし、おまけに痩せこけてますます人相が悪くなりました。やはり旅先での食生活は不規則になり時差のせいか食欲もあまり有りません。また料理や味付けがまったく違うこともあって、和尚に合う食べ物探しが続いています。
国立古代遺物コレクション館
昨日は休息を兼ねてホテル近くの古代博物館を訪ねました。展示物は古代ギリシャやローマ帝国時代のものばかりで日本ではなかなか見ることの出来ない素晴らしい品です。特に彫刻館は見事で、近くで見るのは迫力満点で圧倒されました。どの作品も紀元前に作られた物ばかりで、歴史の重さを感じ取りながらの見学となり大変有意義な時間を過ごすことができたようです。
グーグル翻訳アプリで 説明を読んでいます
彫刻館に展示されていた 迫力ある古代彫刻作品の数々
博物館の中央に広場がありしばしカフェタイムを楽しみましたが、ようやく環境にも慣れ、片言ながら英語で飲み物など注文しています。グーグル翻訳アプリが本当に役に立ち、文明の力をまざまざと体験しています。
帰り際には博物館の隣の広場で野外フェステバルが開催されており、沢山の市民が楽しまれている姿は世界どこもかしこも同じ光景ですね。和尚もしばらく音楽イベントを楽しみました。
グーグルアプリで イベントポスターを翻訳中
お昼ごはんです
ホテルに無事に戻ったのが午後8時頃となり、本日も約1万歩のウォーキング巡礼となったようです。今のところ元気にミュンヘン巡礼の旅を続けており、感謝の毎日となっています。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
ミュンヘン臨済禅道場
前々よりドイツに行ってみたいと何度か渡欧の際に希望しましたが叶わず、この度はようやくミュンヘン訪問が叶いました。何が故にドイツなのですか?と問われましたがその理由は自分にもわかりません。しかしながら今回ミュンヘンの臨済禅道場を訪ねてその理由が分かった気がします。
ミュンヘン中央駅近くのビジネスホテルに滞在中
ホテル周辺の景色
フランス国内には沢山の禅道場があり、フランス人僧侶や坐禅会も有りかなり禅が浸透しているように思います。これまでの渡仏の際にも坐禅会に参加したことがあります。本日は夕方、かねてより調べておいた「ミュンヘン臨済禅道場」を訪れ道場のマスター並びに坐禅に来られた一般の方達と一緒に坐禅を致しました。
道中にて
道場の前にて
マスターが出迎えてくださいました
道場のマスター アンタイ・アンドレアス・トプシャット氏
毎週木曜日の18時半から 坐禅会を開催されています
和尚にとってドイツミュンヘンで坐禅をするのは初めてでどのようなシステムで坐禅会が開催されているのか大変興味がありましたが、参加してみて大変驚きました。実に見事なまでに坐禅規矩に準じて行われており、読経もすべてが日本語で、参加されている方々も日本語で読まれているのには感心いたしました。
約3時間あまりの坐禅でしたが大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。また坐禅終了後には和合茶礼があり、お茶菓子のマカロンには驚きました。とても美味しく思わず2個頂きました。
約3時間の坐禅会を終え、参禅者の皆様と記念撮影
ホテルへの帰路の際にはアンタイ氏が近くの駅までお見送りしてくださり、再会を約束して別れました。国は違えども禅に言葉は要りません。実に楽しい充実した時間を過ごすことが出来、心から感謝したミュンヘンでの一日となったようです。友峰和尚より
ミュンヘン市庁舎 (1867年-1909年にかけて建設)
ミュンヘンでの一人巡礼となっていますが、チェックアウトしたホテルに荷物を預け徒歩でミュンヘン市庁舎などを訪ねました。世界中からの大勢の観光客で賑わっていましたが初めてのミュンヘンで何処がどこやら道に迷い、グーグルマップアプリを使ってようやくホテルに戻り歩数は軽く一万歩を超え膝が痛む始末。野口御社中の皆様は帰国されたため和尚ひとりきりの滞在となっています。
今日からは中央駅近くのビジネスホテルで残りの期間を過ごしますが、さっそく電車に乗り臨済禅道場の下見に行って来ました。また金沢でご縁を頂いており今回のミュンヘン滞在について色々とアドバイスくださっているドイツ人のパトリックさんに電話し、和尚の坐禅会参加を道場へ連絡してもらいました。
ミュンヘン中央駅の構内にて
電車と徒歩で、坐禅道場までのルートを確認しました
無事、坐禅道場の前に到着
「臨済禅道場 ミュンヘン」 坐禅会参加が楽しみです
さてホテルの近くでようやく野菜料理の店を見つけホッとしました。明日からは常連客となりそうですね。ドイツと言えば「ソーセージ」と「ビール」で、和尚は食事制限中ですから大変心配しましたが明日からは大丈夫のようです。今のところ予定通りにドイツでの巡礼旅を続けております。ご支援頂きました皆様には本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。友峰和尚より
ドイツ・ミュンヘンの朝 / 宿泊したホテルにて
フランス・アンジー市ギャラリーでの「日本禅文化交流会」開催の疲れが今になって出てきましたが、それでも当初の日程に沿って行動を続けています。フランスからドイツ・ミュンヘン市に移動し市内のホテルに宿泊していますが、街の風景がどことなしか日本の都市の雰囲気と似た感じですっかり馴染んでいます。
昨日は休息を兼ねての史跡巡りとなりましたが、教会などは歴史があり1754年創建の世界遺産「ヴィース教会」は実に目を奪われるような装飾が施されており、否が応でも神聖な気持ちになりしばらくの間静かに世界平和を祈りました。
ドイツバイエルン州南部・ヴィースにある 世界遺産「ヴィース教会」
今朝方は野口先生始め参加された御社中の皆様が帰国の途につくため朝食を共にし、出発前に皆様に御挨拶をさせて頂きました。約1週間に渡る今回の日本禅文化交流の旅でしたが、これまでとはまた異なる感覚を覚えたものでした。
今朝 ホテルへ迎えに来てくれたガイドの佐々木さん
ロビーにて 帰国される野口御社中の皆様をお見送りいたしました
文房流晴心会野口支部 野口翠智先生と
6月14日 フランス・アンジー市「日本禅文化交流会」
野口翠智先生
御社中方々が、各所にいけばなの作品を展示されました
清々しい好天気のもと 御茶会を開催
ご来場の方々の前で 禅語を墨書いたしました
アンジー市はパリから車で約2時間ほど離れており日本人との接触はまったく皆無の地域らしく、地元市民の方々と親しく交流が出来た事を嬉しく思っております。自分の一度きりの人生の中で、異文化の方々との色々な交流と経験を通して「禅」の素晴らしさを改めて実感します。日本の禅僧の一人として只管己事究明に専心して参りたく願って止みません。本日はミュンヘン中央駅近くのホテルへの移動日となりましたが、明日からは坐禅会に参加したいと楽しみにしています。友峰和尚より
ミュンヘンの朝を迎えました。北海道と同じ緯度らしくとても涼しく初夏の風情を感じます。今日は久しぶりの休息日となり、野口先生、御社中参加者と一緒にミュンヘンで一番人気の城を訪ねました。
現地日本人ツアーガイド の 佐々木さんです
延々と続く 雄大な農園風景
ミュンヘン中心部から約2時間あまり走ったところの小高い山の中腹に建てられた「ノイシュバンシュタイン城」を目指して午前9時にホテルを出発しましたが、道中に広がる雄大な農園風景には圧倒されました。日本の北海道の風景にも似ていますがスケールの違いを感じ、地平線まで農園が広がり馬や牛の放牧されている数はすごいものです。風景を眺めているだけでも充分に癒されますが、あとは深い眠りに落ちていきました。
ノイシュバンシュタイン城
ドイツには古いお城が沢山ありますが、ノイシュバンシュタイン城は日本でいう明治時代に当時の王様が建てた城で比較的に新しいそうです。約2時間ばかりの拝観でしたがWi-Fiによる携帯用受信機をもらい実にわかりやすい説明がなされ、充分に城を楽しむ事が出来ました。
城の建つ山を登るための シャトルバス を待つ列
野口先生と皆様 連日のハードスケジュールのなか元気に過ごされています
ガイドの佐々木さん
城下に広がる湖の前で
ノイシュバンシュタイン城を拝観した後には「ヴィース教会」を訪ね参詣しましたが、キリスト像の眼から涙が流れたことで有名な教会だそうです。現在は世界文化遺産になっており世界中からその奇跡を信じ信者の参詣が絶えないとのことでした。キリスト教では奇跡を重んじますが、あらゆる宗教に於いても超常現象や奇跡をを信じて入信される方が多いように思うものです。
城の上空を飛ぶ パラグライダー
さて今回の日本禅文化交流の旅もいよいよ終盤に入り、明日は野口御社中参加者の皆様が帰国の途に就かれます。和尚はもうしばらくミュンヘンに滞在し、日本の禅僧として地元臨済宗道場の坐禅会に参加したいと楽しみにしています。人生は何事も出会いから始まりますから仏縁を求めて参りたいと願っています。今のところ元気に旅を続けており感謝の毎日です。皆様におかれましてもくれぐれもご自愛ください。友峰和尚より