和尚のちょっといい話

iihanasi_top

友峰和尚のちょっといい話 【 第2476話 】
2020年 05月 28日 談

もう1ヶ月も前のことですが、買ったばかりの目薬の蓋(ふた)を紛失し、使用後は仕方なく点眼口をラップで包むという不便を強いられていました。ずいぶん探しましたが発見できずそのままの状態だったところ、寳勝寺でつい先日、何気なく普段使用していないカバンを開けるとポケットから青い蓋らしき物を発見し、思わず「これだ!」と喜びの叫び声を挙げたものです。

「たかが蓋されど蓋」で、出てきた時には実に不思議な感覚を覚えたもので、宝物のように自坊に持ち帰り、さっそく目薬の蓋をしました。蓋をした途端!涙を流すほど目薬の容器が喜んだかどうかは知りませんが、何故かホッとしたのは事実です。

目薬は日常欠かせない和尚の必需品の一つでも有り、じっと蓋が発見される日を待ち望んでいただけに、元の姿に戻った目薬をしばし眺めた「ちょっといい日」となりました。さて午後からは花菖蒲の肥料を買い求めにホームセンターに出向き、明日の散布に備えました。今のところ順調に苗も生育しているようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2475話 】
2020年 05月 27日 談

大安禅寺 庫裡玄関 「脚下照顧 きゃくかしょうこ」

自坊で過ごす一日は実にゆっくりとしたリズムの中に有ります。と言うのも、法務のほとんどを新命副住職が遂行しているからですが、和尚の仕事は専ら境内や堂内の整理整頓と掃除に終始しています。

修理保存工事の関係上、現在は本堂・庫裡ともに使用されていない為どことなく寂れた雰囲気が漂い、参拝客で賑わいを見せていた頃のことを思い出します。5年後には庫裡も解体修復されることになっており、本日は感謝の気持ちを込めて玄関を掃除しました。「玄関」という言葉は禅語でも有り、読んで字のごとく「玄妙な道に入る関門」という意味です。禅寺全体の掃除に於いても玄関は特に重要で、掃除の後には土間に「一円相」を水書きするものです。

「一円相」は悟りの当体を意味しており、玄関に一歩足を踏み入れると「ハッ!」とするものです。思わず合掌したくなるほどの張りつめた緊張感漂う玄関こそ、禅寺の命でも有ろうと思うものです。友峰和尚より

一昨日 宝勝寺にて ㈱ココ・プランニング様とともに

友峰和尚のちょっといい話 【 第2474話 】
2020年 05月 26日 談

昨日 ㈱ココ・プランニング 中本隆久会長、中本大資社長と、川面専務とともに

早朝に急用で自坊に戻りましたが、北陸自動車道はまるで新型コロナウイルス感染が終焉したかの如く、お盆並みの混雑ぶりには驚きました。おそらく感染予防の為、電車を避け自家用車で出勤されている方が多いのだろうと推察したものです。第2次感染拡大が心配されるわけですが、久しぶりに見る活気ある人の動きには歓びすら覚えます。

自坊に到着と同時に花菖蒲園の見回りをしましたが、先日除草したばかりなのに既に雑草がしっかり生えており、いささかガッカリしました。「夏草や 兵どもが 夢の跡」の言葉の如く、この時期の雑草の勢いには閉口してしまいます。「日々是掃除」で明日から再び草引きに集中しましょう!

駐車場から 大安禅寺 本堂を望む

桐の花 / 駐車場にて 

火曜日は休寺日の為、参詣者の人影も無くひっそりとした佇まいの境内でしたが、本堂修理保存工事は現在も進行中で時折工事の大きな音が全山に響き渡っていました。「静」と「動」が織りなす大安禅寺の絶妙な初夏の風情を味わうひとときとなったようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2473話 】
2020年 05月 25日 談

「一日清閑」

本日緊急事態宣言がすべて解除されると報道され、世の中の空気が一変し久々に穏やかさを感じる一日となりました。まだまだ気を抜いてはいけませんが、道行く人に笑顔が戻って来たのは嬉しいことです。

寳勝寺山門の鉢花 

今まで本当に静けさを感じていた街も急に騒々しくなったようで、社会全体に活気を呈して来たようにも感じます。突然発生した新型コロナウイルス感染の問題は、世界中の人々に「生きる」ことへの色々な問題提起をしている様に思います。

「竹 涼風清し」

禅語に「閑坐」と示されるように、人生いちど立ち止まって静かに自分を見つめるチャンスで有ったのかも知れません。所謂「ストップ」する為の、「自己ブレーキ」の効き目を自覚することが出来たようにも思います。

「 閑日 」

多くの市民が忍耐強く協力した「辛抱」というブレーキの効果が、この度の緊急事態宣言解除に繋がった事を国民の一人として誇らしくも思うものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2472話 】
2020年 05月 24日 談

金沢市野町 少林寺の庭園

ここしばらくはお天気が続くとの予報で、先日除草剤を散布した少林寺墓地に出向き2度目の散布をしました。もちろん全ての場所に散布できるわけではなく、手仕事での杉苔の草引きは時間を掛けて丁寧にやらねばなりません。何事もそうですが、手を掛けた分、あとの仕事が楽になります。

「閑中 日月長し」

少林寺本堂裏手の杉苔の庭は、こじんまりとした枯山水庭園ですが実に美しく歴史を感じさせてくれます。少林寺に引き続き、寳勝寺「奥の院」歴代墓の草引きも合わせて行いました。「先手必勝」の言葉は草引きにも通じる言葉で、草茫々となっては手の施しようも有りません。

寳勝寺ふれあいパーク霊苑 奥の院にて

「花 閑かにして 鳥 自ずから啼く」

「和気 堂に満つ」

さて寳勝寺ふれあいパーク霊苑の薔薇を始めとする四季の草花が現在満開となっています。「花閑かにして鳥自ずから啼く」の禅語あり!草引きの中、さえずる初夏の鳥たちも開花を楽しんでいるように思います。禅寺の佇まいは何処までも「閑中日月長し」の様相です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2471話 】
2020年 05月 23日 談

「青山 元より 不動」

朝方は涼しかったものの日中気温は26℃と汗ばむ程で、体調管理が難しい昨今の気候です。花菖蒲園の整備を終え金沢に入りましたが、北陸自動車道は緊急事態宣言が解除されたためか一挙に車が増大した感じでした。特に輸送車両が多く走行するのが印象的で、再び経済活動に活気が戻って来たように思いました。

「千里同風」

白山連峰を右手にしながら一路金沢に向かって走らせましたが、大パノラマのように広がる美しい初夏の野山の景色は実に心が安らぐものです。

寳勝寺玄関にて / やつで・定家かずら・隅田の花火(紫陽花)

定家かずら が 咲き始めました

寳勝寺の法務も少しずつ遂行されていますが、カフェは依然休業中で、霊苑に参詣される方も戻りつつ有る今日、状況を見ながら参詣者の休息場所として配慮して行きたいと考えています。

「歩々清風を起こす」

さて「歩々清風を起こす」の禅語が有りますが、一歩一歩あゆむごとに清涼な風を起こす、そのような穏やかな日々を念じています。友峰和尚より

雪ノ下が咲き始めました

友峰和尚のちょっといい話 【 第2470話 】
2020年 05月 22日 談

アカメガシの剪定

申し分のない素晴らしいお天気に恵まれた一日となりましたが、本日も引き続き園内の整備に入りました。整備が進むにつれ、すべての植物や樹々が輝きを増していく気がします。「もう少し!もう少し!」と自分を励ましながらの作業ですが、今日も無事に予定通り終了出来嬉しく思っています。

バラ園にて 妻とご友人達とともに

この5月25日より感染防止対策を徹底し一般拝観を開始するとのことで、どうやら花菖蒲園の整備も間に合ったようで安堵しています。妻が担当するバラ園ではすでに開花が始まっており、今日は妻のお友達とともに作業の休憩時間を楽しむことが出来ました。

テラスにて 茶礼をしました

2020年5月21日 バラ園のようす

恒例の「花しょうぶ祭」は中止としましたが、拝観者の方々には入場制限をしながら園内を観賞して頂く予定となっています。明日からも副住職が整備を続けていきますが、6月中も園内整備に尽力して参りたいと楽しみにしています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2469話 】
2020年 05月 21日 談

コロナウイルス感染者もここに来て全国的に減少傾向に有り、緊急事態宣言も福井県・石川県は今日より解除となったものの依然として感染防止には十分に気を付けなければなりません。三密を避けて外出制限を守る事の大切さでも有りますが、全国の感染者数がゼロになる日を願って頑張って参りましょう。

華蔵寺御住職です

斉藤公一氏です

昨日に引き続き早朝より園内整備に入りましたが、本日は華蔵寺住職並びに斎藤公一氏が加わり、副住職と共に4名での作業となりました。多勢に無勢の言葉の如く、予定通りの作業を無事夕刻までに終了出来、安堵いたしました。

新命副住職です

作業の休憩時間にはバラ園を観賞しながらの茶礼となりましたが、バラ園からは東方に白山連峰を望み眼下には九頭竜川の清流と坂井平野が広がり、まさに「山紫水明」の絶景です!ハードな作業の中での短い休息でしたが「値千金」のひと時でした。

幕末の歌人・橘曙覧(たちばなあけみ)が大安禅寺で詠んだ歌 「うちわたす 野山のひろさ ゆく水のながさ目にあく 時なかるべし」 時を経ても心なごむ情景は変わらないようですね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2468話 】
2020年 05月 20日 談

今朝方の気温が16℃と外作業をするには実にちょうど良く、しかも曇り空だったため作業がはかどりました。昨日作業を中止したのは良い判断だったと思いました。

気候と作業の進み具合とは絶妙な関わりが有り、人間の身体がスムーズに動いてくれる為には特に気温の状況が大切ですね。花菖蒲の成長も気温と連動しているだけに、このところの気候不順には困ってしまいます。

新命副住職も園内の草引きに加わり、手ごわい雑草がビッシリとはびこり時間を掛けての厳しい作業となりました。明日も引き続き園内整備に入りますが、明日は強力な助っ人作業員が2名加わる予定で、今から期待しています。

午後からはバラ園の周辺整備にも入り、主に刈込作業に集中! 作業はスロー、スロー、クイック、スローと立ったり座ったりでしたが、夕刻まで身体もなんとか持ちこたえてくれました。

今日も孫達の黄色い声援を受けながらの大満足の一日となったようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2467話 】
2020年 05月 19日 談

和尚の書斎にて

お天気がどうも定まらない不安定な一日となり、当初予定していた花菖蒲園の整備を中止し、自室アトリエの大掃除に徹底した一日となりました。最近では金沢寺院での滞在が長くなっている為、自坊の自室はカビ臭く、色々な昆虫が割拠する様相には唖然とします。人の住まなくなった部屋はあっという間に廃墟のような雰囲気になってしまい、寂しい限りです。

アトリエにて

特にアトリエの水回りには今まで見たことのない虫が我が物顔に居座っており、近づこうものなら「家主は俺だ!!」と言わんばかりに睨みつけられる始末。なんとも情けない気がするものです。しかし大掃除を始めると流石にどこかに姿を消してしまうのも不思議です。

掃除終了後には、床の間の掛軸を季節のものに替え、気分を一新させました。悠久の時を経て鬱蒼とした杉木立の中に佇むアトリエは全く別世界で、隔世の感が有ります。

さて掛軸は、「雲深くして処を知らず」です。「唐詩選」の中の一句ですが、たまには山中深く立ち込める雲の中に包まれるのも風流かもしれませんね。 友峰和尚より

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870