和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第3802話 】
2024年 01月 14日 談

地元の広場にて 左義長が行われました

 

まるで早春の到来を思わせるほどの穏やかで良い気候の一日となりました。早朝に新命和尚が導師を務め地元左義長が執り行われましたが孫達も参加したようです。

 

 

午前10時より「新年修正大般若祈祷会」が部内御寺院御出頭のもと、檀信徒とともに一年の無事を祈願し厳修されました。行事の前に檀信徒責任役員総代に年頭の御挨拶をしたのち、新命和尚によって式次第の報告がなされ、修復工事進捗報告と4月14日に予定されている「上棟式」についても詳しく説明がなされました。

 

 令和6年度 修正大般若祈祷会 が厳修されました

 

檀信徒様全員での大般若経転読が行われているところ

 

 

1年間の最初の行事ということで従来は法要終了後「檀信徒新年会」が開催されていましたが、コロナ禍を受けて当面中止となりまたこの度の能登半島地震発生も考慮して静かな新年行事となりました。

 

大般若祈祷会に引き続き 檀信徒総会 が行われました

 

さて昨年の除夜の鐘に続き大般若祈祷会そしてまもなく節分会を迎え、気持ちは否が応でも新しき年に向かって切り替わっていきます。言い換えれば伝統的行事を受け継いでいく事の大切さでも有ります。「一寸先は闇」という諺が示すように、「明日をも知れぬ露の命」が故に、今を大切に「己事究明」に注力し気持ちを常に一新して難事に向かって対応して行かなければなりません。本日は満身の禅定力で御祈祷申し上げました。どうかこの1年、檀信徒皆様のご家庭が平穏無事で有りますよう心よりご祈念申し上げる次第です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3801話 】
2024年 01月 13日 談

JR金沢駅構内 / 令和6年1月12日

 

新年「大般若祈祷会」修業のため自坊に帰山しましたが、帰路の途中金沢駅構内は人も疎らで閑散とした状況でした。例年ですと観光客も含めこの時期は活気に溢れる光景を目にして来ましたが、この度の元旦に発生した能登半島地震の影響で観光客は勿論地元の方々も遠出を控えているように見受けられます。

 

 

被災者の皆様には一時避難として金沢へ移動される方が増えているとの情報ですが、今日は午後より雪模様となり気温もグンと下がっているだけに避難所で生活を余儀なくされてる方々の健康を心配しています。高齢者にとって低体温症は命に関わるだけに、あらゆる暖房器具と身体を温める為の寝具などを支援して欲しいと願うばかりです。

 

 

本日は日頃よりご厚誼を頂いている(株)アイソウシャ会長・中村家の年頭回礼に出向き、社長はじめご家族御一緒に年頭諷経を修し、諷経終了後には久しぶりに中村会長、社長と現況を踏まえゆっくり歓談しました。帰山後は修理保存工事主任・文建協の高木氏ならびに松浦建設(株)現場監督の中島氏から新年御挨拶を受け、その後、今年4月に予定されている「上棟式」の式次第について新命副住職を交え打ち合わせ会議をしました。

 

中村家 年頭回礼にて

 

文建協・高木主任 と 松浦建設(株)・中島現場監督との 打ち合わせにて

 

この度の地震で多くの重要文化財建造物が被災しているとの事で、今後の工事進捗状況にも少なからず影響を及ぼす可能性があります。現在は順調に修復工事が進められていますが、更に緊張感を持って努力して参りたく思っています。明日は早朝に地元の左義長(縁起物のお焚き上げ)で御祈祷が予定されており午前10時より大般若御祈祷会が厳修されます。さて厳しい冷え込みが予想されるだけに、皆様に於かれましてはくれぐれも温かくしてお過ごしください。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3800話 】
2024年 01月 12日 談

気温がいっきに下がり今朝方は3℃と例年の気温となり明日からは雪模様との事、地震被災地で避難所生活を余儀なくされている方々にとっては本当に気の毒に思います。朝のニュースでは金沢市内の各ホテルや行政の運営する住宅などを一時避難住居として確保したとの報道にひと安心しますが、今後の厳しい寒さを思うと一刻も早く実行に移して欲しいと思います。

 

寳勝寺 庫裡廊下にて

 

少しずつ被災者支援のスピードがアップして来た感があります。東日本大震災の時には津波によって広範囲で大規模な災害被害を受け、仮設住宅が建てられるまでには相当な時間が掛かったように思います。今回はその時の経験を受け行政でもスピード感をもって実施されている様子で有難く思っています。まだまだ油断は出来ませんが、今回の地震では前回の地震を受けて耐震補強された多くの家々も倒壊している現状から、今後の住宅建設においても耐震補強の建築構造について更なる工夫が求められているように思います。

 

 

さて明後日自坊の新年行事「修正大般若祈祷会」を厳修予定のため本日は移動日となりました。金沢市内兼務寺院4カ寺とも今回の地震での被害は小規模に留まり安堵していますが、予断を許さない状況だけにいつでも戻れるよう準備をしておきたいと思います。防災対策に於ける大切な事柄は今回の地震体験で大いに学ぶことが出来たように思います。「備えあれば憂いなし」の格言を常に忘れずに準備していきたいと念じています。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3799話 】
2024年 01月 11日 談

 

沙羅双樹 / 寳勝寺境内

 

午前中に葬送の儀が厳修されましたが、現在はこの度の能登半島地震に関連し被災により御逝去された方々の御葬儀が増えつつあります。本当に突然の訃報にご親戚の方も悲痛でやりきれない気持ちの中にあり丁寧に対応しています。

 

クリスマスローズ

 

時間が経過するとともに地震被害の実態が顕わになり想像を絶する状況が続いていますが、金沢市内には自衛隊車両や県外からの救助隊の車両が多く目に留まり、また個人でのボランティア活動は禁止されているものの市内各所に義援金箱が設置され多くの市民が寄進されています。地元のニュースでは特番を組んで現地の悲惨な状況を伝えていますが、日本全国に十分に伝わっているかが伺われます。能登半島の地域によってはいまだに孤立状態の町村が多くあるとのこと、地震発生からすでに11日が経過しているため本当に被災者の健康が心配されます。

 

鹿島建設(株)金沢支店 南部氏とともに

 

午後には鹿島建設(株)金沢支店の南部氏が御挨拶に来寺くださいましたが、元旦より休む間もなく災害復旧に当たっていることでした。多くの困難の中にある石川県ですが、これまでの災害復旧工事の経験を活かして素早い復興を切に願う毎日です。どのような状況下に置かれてもお互いの助け合いと思いやりの心が復興への大きな原動力となることと念じています。友峰和尚より

 

リュウノヒゲ

友峰和尚のちょっといい話 【 第3798話 】
2024年 01月 10日 談

能登半島地震発生から10日が過ぎ少しずつ災害復興への動きが進んできたように思いますが、本日はその災害復旧に当たっておられる(株)豊蔵組の豊蔵享一社長はじめ幹部の方々が卑山霊苑工事施工説明と新年の御挨拶に来寺くださり、地震災害状況などを聴くに及んで被害の大きさや復旧工事の難しさを実感しました。

 

(株)豊蔵組の豊蔵享一社長 と 職員の澤本さん

 

午前中に少林寺総代・中山家の月参りに出向きましたが、諷経終了後にはこの度の元旦地震での体験を話され、生まれて初めて経験する地震の恐ろしさで発生当時は自宅の2階に居たため揺れが大きく逃げる間もなく、ひたすら地震が収まるのを待ったとのことでした。

 

江川顧問 と 香林課長 です

 

午後からは松浦建設(株)の松浦義一会長もご挨拶に来寺くださいましたが、金沢市在住の方の中には能登方面に親戚を持っておられる方も多く、その心配度も並々ならぬものが有り心痛の思いですと話しておられました。現在の金沢市内は余震も減少し生活リズムを取り戻しつつあるように思いますが、地震災害復興に向けての支援の声が広がりを見せている昨今となっています。

 

松浦建設(株)の松浦義一会長 と 職員の方

能登地方の御寺院 建物被害状況を スマートフォンでご覧になっているところ

 

新年の挨拶まわりを含め新年会なども中止または延期を余儀なくされていましたが、こちらも少しずつ復帰しつつあるように思います。引き続き急ピッチで避難者救済の避難所確保が続けられている状況です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3797話 】
2024年 01月 09日 談

1月14日午前10時半より大安禅寺新年「修正大般若祈祷会(しゅうじょうだいはんにゃきとうえ)」ならびに檀信徒年賀会が行われる予定となっており、早朝には地元町内の左義長御祈祷会が行われ正月縁起物飾りなどのお焚き上げが行われます。

 

大安禅寺 地元の左義長御祈祷会 (令和5年1月15日)

 

和尚の修行時代には1月元旦午前3時より3日の朝まで通しで大般若祈祷会が厳修され、大勢の雲水さんが御祈祷中に発する大きな声が堂内に響き渡り荘厳でしかも幽玄な世界が繰り広げられました。3日目の御祈祷を終了する頃には声も枯れ精魂尽き果てた状態になりますが、その時に振舞われる餅雑炊の味が今でも忘れることが出来ません。しかしながら餅雑炊のお振舞いはその後も延々と続き鏡餅が無くなるまで食べ続けるため最後にはギブアップする雲水も出てくる始末! 大変な僧堂生活でのお正月のひとコマです。今振り返ると僧堂時代ほど充実した日々の生活は無かったと懐かしく回顧しています。

 

大安禅寺 修正大般若御祈祷会 (令和5年1月15日)

 

大安禅寺では檀信徒皆様の手によって大般若経典の転読が行われますが大変珍しいことです。全国の寺院では教区内の僧侶が多数参詣して盛大な御祈祷会が修業されますが、現在では僧侶も減少傾向にあり年中行事も縮小せざるを得ない状況となっています。

 

創建以来連綿と続く 大般若経転読

 

大般若祈祷会は仏法を守る神々、天界はじめ寺院を守護する御法の諸善神に感謝し、国家の安寧と檀信徒各家の災難消除・健康安心・家門隆盛を祈願する最も重要な行事となっているだけに、全身全霊で御祈祷申し上げたいと念じています。

 

 

さて本日は桂岩寺住職が年頭の御挨拶に来寺くださいました。住職の話ではこの度の能登半島地震で輪島市、珠洲市を始め多くの地域で各宗派の御寺院も焼失、倒壊したとの報告を受け慚愧に堪えません。また被災された御寺院の檀家様の家も同じ状況下にあり、御寺院の災害復旧会議に出席されるとの事で寺を後にされました。いま何か出来る事がないかを模索する毎日となっています。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第3796話 】
2024年 01月 08日 談

今年最初の降雪

 

あまりの寒さに深夜に目が覚め窓の外を眺めれば一面が真っ白の雪世界! すわ一大事と防寒服を身に着けて境内の融雪準備に当たりました。午前中に年忌法要が予定されていたため深夜の作業となったわけですが、幸いに10センチ程度の降雪でした。夜が明けて卑山霊苑の職員さんが総出で境内の除雪をしてくださり本当に有難く感謝したものです。

 

本堂にて 七回忌ならびに十七回忌の御法要を修業いたしました

 

 

加齢に加え年々除雪作業が重荷になるのですが、地震被災地で避難生活をされている皆様のご苦労を思うと辛抱しなければなりません。新年を迎え少しずつ法務が増えて来ましたが、地元に於いては能登半島地震の救助活動のニュースが気に掛かり通常のリズムにはとても戻れない状況です。午後には名古屋より(株)エムエムシーの大竹社長とスタッフの久保さんが年頭の御挨拶に来寺下さり久しく歓談しましたが、今が1月であることを忘れるくらいに時間が早く過ぎていく感じがします。

 

(株)エムエムシー 大竹社長 と スタッフの久保さんとともに

 

今日は全国で成人式が行われたとか、20歳になられた皆様には心からお祝いしたいと思います。成人式を代表して青年の挨拶がありましたが、「被災地域の皆様の助けになる事を行動に移したい」と強い口調で話されていたのを大変嬉しく感じたものでした。「青春とは心の若さである」とは詩人サムエルウルマンの言葉なれど、やはり肉体の若さが如何に大切かを思い知る今日この頃となっています。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3795話 】
2024年 01月 07日 談

急激に気温が下がり終日愚図ついた気候となりましたが、夕刻よりは雷とともに霙混じりの荒れ模様の天気に変わり能登半島地震被災者皆様の健康が大変心配されます。ニュースでは、地域によっては農業用ビニールハウスの中に避難され寒さをしのいでいるとのことですが、本日は雪模様の天気に変わり石油ストーブも無いとかでなんとか救援対策を急いで欲しいと願うばかりです。現在は個人での救援活動が止められているためジレンマの中にいますが、被災地では人手が足りないとの事でボランティア活動さえ出来ない現在の状況からこの度の地震が如何に救援活動に困難を生じているか伺い知る事が出来ます。少しでも自分に出来る事が無いかを模索しながらニュースに聞き入っている毎日です。

 

アトリエ太陽の子主宰・代表 中嶋洋子 作

 

これまでにも日本全国で未曽有の地震が幾たびも発生し、その度ごとに多くの方々がボランティア活動に参加し被災地における被害者救済に当たって来られ地域の復興に尽力されて来られた経緯が有ります。「災害は忘れた頃にやって来る」という諺が通用しなくなってきた今日、日頃から地震や台風、水害など防災に対する各地域での訓練また防災知識と備えなどの更なる意識向上が求められていると痛感するものです。さて北陸地方の本格的な冬はこれからです。今後の大雪にも十分な警戒と対策を怠らずに進めて行きたいと思っています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第3794話 】
2024年 01月 06日 談

新年を迎えアッという間に一週間が過ぎようとしています。連日能登半島地震被害と被災者救助の続報が刻々と伝えられていますが、安否不明者の救助がなかなか進まない状況に心が痛みます。寺町から約1キロの所に大桑町陸上自衛隊金沢駐屯地があるため、連日災害派遣物資を積んだ軍用車やヘリコプターが陸空共に頻繁に行きかっています。ニュースによると道路渋滞を避けるため現在は個人での災害救援物資の輸送は止めて欲しいとの事でした。いずれにせよあらゆる機関が懸命の救助作業を続けている様子で、一人でも多くの人命救助を願っています。

 

少林寺御檀家の桑島様が来寺くださいました

 

午前中に少林寺御檀家の桑島氏が年頭の御挨拶と年忌法要修業の件で来寺されましたが、元旦地震発生当時の様子について色々大変だったことを語られていました。

 

令和6年1月1日夕方、瑞光寺にて

 

本多町の瑞光寺が今回の地震で被害を受けたため、地震被害の調査と片付け、掃除を兼ねて職員と出向きました。破損した平安時代作 観音菩薩立像は一端寳勝寺に移転保存して修復出来るか検討し、仏具等の破損は仏壇屋さんに修復を依頼することにしました。

 

本日、改めて瑞光寺へ出向き、整理と掃除をしました

 

バラバラに崩れた腕や冠、土台 / 平安時代作 観音菩薩立像

 

観音像の破片の数々を 箱に納めていったん寳勝寺へ持ち帰りました

 

また寺務室などはガラス製の置物が破損して破片が飛び散っていましたが、大きな被害はなく安堵しました。4か所の兼務寺院先の地震被害が最小限であったことに胸を撫でおろしましたが、今後は地震対策も急務になっているように実感しました。

 

 

仏壇から転落し割れた 灯篭の台座

灰やホコリがかかった仏壇を 掃除しました

 

瑞光寺墓苑 倒壊した墓石

 

今回の地震で思ったことは「気づき」の重要さでした。地震発生時に卑山に隣接しているホテルの水道管破裂で猛烈な漏水が発生しているのを見て、以前兼務寺院・少林寺の漏水があったことを思い出し直ぐさま出向いたところ案の定、台所の水道管が破裂しておびただしい漏水が発生していました。幸いに止水栓を止め事無きを得ましたが、本当に普段からの「気づき」の大切さを思ったものでした。

 

夕刻 寳勝寺檀信徒・高畠家のご家族 蓑屋様御一家が来寺くださいました

 

臨済宗妙心寺派の寺院の中には数多く兼務されている住職がおられますが、自然災害が生じた際の対応に対するご苦労を実感しました。いつ発生するかも知れない自然災害に対し日頃からの防災意識が如何に重要であるかを強く感じるものです。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第3793話 】
2024年 01月 05日 談

世の中一斉に仕事始めとなり経済活動が活発になって来ましたが、能登半島地震が収まる気配もなく石川県内の多くの事業所は重い雰囲気の中での動きとなっています。多くの安否不明者が発表され、現在で242名の捜索活動が続けられています。能登半島は海岸沿いの入り組んだ地域が多くまた道中に崖崩れや地割れが多く発生している関係上、被災地域まで救援に行けない状態だそうです。兎に角一刻も早く被災者の救援に当たって欲しいと願うばかりです。

 

 

今年の干支は「辰」で龍は水を呼び火炎を吐いて如意宝珠を掴むと言いますから、竜神の神力をもって地震を鎮め人々の救済に如意宝珠をもって穏やかな状態に戻して欲しいと鎮魂の御祈祷を続けています。さて金沢市内の観光施設はどこも休業しているようで街なかは静かな佇まいとなっています。今なお余震の続く石川県ですが、被災者救済と被災地救援復興を願う日々が続いていきます。金沢市内兼務寺院の災害被害の調査を進めながら再び寺院の復興整理に当たっていきたいと思っています。友峰和尚より

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