和尚のちょっといい話

iihanasi_top

友峰和尚のちょっといい話 【 第505話 】
2015年 01月 05日 談

IMG_4717

大安禅寺の参道を除雪中

「備えあれば憂いなし」「先手必勝!」などなど、北陸に住む者にとって厳冬を乗り切るためには絶対不可欠の格言です。それに加えて「油断大敵」でしょうか。一難去ってまた一難、明日から再び大雪になるとの天気予報でしたから、次の降雪に備えて現在の残雪を溶かしておかなければと、好天気の午後から除雪機を使っての作業となりました。文明の力はお寺にとっても実に有りがたい存在です。

IMG_4708

「看よ看よ!この除雪車の働きを!」 しかしながら何事もそうですが「タイミング」が大切で、除雪するにしてもタイミングを誤ると大変な作業となってしまいますから、そこんところは長年の経験がものを言うというものです。さて、午前中には新命和尚と分担しての年頭回礼に出ましたが、久しぶりに卑山の責任役員総代様・上田家にお参りに出かけました。年頭のお参りは一家揃っての読経となり、真に有りがたし有りがたし。

IMG_4695

読経後は上田様ご自慢の手打ち蕎麦に奥様の心の篭った御手料理を頂きました。流石にブログではお味までお届けできないのが残念です。趣味で御蕎麦を打たれる方も多いと思いますが、上田さまの手打ち蕎麦は出汁作りから始まり薬味に至るまで実に完全無欠です。写真に撮ってみましたが、御蕎麦は二種類の手打ちソバにてこれまた完璧でした。本当に御馳走様でした。

「新年の 読経親しむ 手打ちそば」友峰

一句出来ました。御蕎麦を頂きながら上田総代様と久しく広範囲な話題で花が咲いたのは言うまでもなかった正月5日目でした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第504話 】
2015年 01月 04日 談

IMG_4687

「笑う門には福来たる! 怒る門にはホスピタル!」って調子でお正月4日目を過ごしましたが、和尚的には例年に無いほどの、のんびり・ゆっくりで過ごすことが出来ました。と言いますのも、何か昨年までのお正月とは違った感覚を感じ取っているのです。アベノミクス効果が元旦より現れ始めたというのでしょうか。やはり景気が良くなる兆しというのは、周りの景色から良い気を感じ取ることだと思いますから、その意味ではなんとなく明るい気配を感じ取っています。真に不思議な現象です。特別自分が浮かれているわけでもないのに、お正月にお会いする方々からは福気を頂いています。なるほど!!なるほど!!「笑う門には福来る!」の通り、なぜか体の中から笑いが自然に生じてきます。お笑い番組に影響されたわけでもありませんよ。今年はきっと、福の神様が和尚の体に宿ったに違い有りません。

IMG_4689

さてさて「何が出るかはお楽しみ、ハイ、ハイハイハイ お楽しみ!」そういえば随分と久しぶりに大休息をした感覚が有りますね。お正月は神様がくださる「強制休息日」なんだと。初めて、笑う事の出来る健康状態は大休息によって生じるのだと知りました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第503話 】
2015年 01月 03日 談

IMG_4682

正月明けから三日続きの雪となりましたが、それでもお正月気分は依然持続中で、のんびりムードの終日を過ごしました。今日は年賀状の整理ということで、一枚一枚、裏も表もしっかりと読ませていただきました。一年に一度の各人様の消息を知る唯一のお便りなれど、やはり嬉しいものですね。添え書きも短いながら思いの篭ったものばかりで、親近感を感じさせてくれます。御一人御一人の姿を思い浮かべながらの拝読でしたが、なかには思い出せない御方もあり、なんとも申し訳なく思うものもあります。これまでには沢山の方々と出会ってきたわけですが、年賀状は簡潔にしかも確実にその人を身近なものにさせてくれる効能があるようで、極めて大切なものであることを再認識しています。いつも年の暮れになって慌てて作成してきた年賀状でしたが、来年の年賀状は家族情報満載のものにしたいと反省いたしました。毎日書いている和尚のブログも情報の一つだけに、多くの方々に読んでいただけるよう頑張って行きたいものです。何よりも嬉しく感じるのは家族揃っての写真ですね。またお孫さんの写真などもいいですね。

IMG_4681

年賀状はまだまだシンプルなものが多いですが、近未来には3Dの年賀状が登場するかも知れませんよ。‏親戚や友人たちの消息を知ることは本当に、こころからほっこりするものです。昨年は多くの新たな出会いを頂きましたので、初めて頂いた年賀状に早速お返事を書くことが和尚の初仕事となりました。明日からは年頭回礼(檀家様への新年のお参り)が始まります。檀信徒の皆様、本年もよろしくご法愛賜りますようお願い申し上げます。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第502話 】
2015年 01月 02日 談

大雪となりました元旦二日目、皆様に於かれましてはお健やかにお正月をお過ごしの事と思いますが、まるで時間が止まったかのような静けさです。実に心安らかなゆったりとした休日ですね。何もかもが冬眠しているようなお山の中の禅寺の風情を楽しんでいます。今年のテーマが「遊戯三昧(ゆげざんまい)」ですから、まさに「あるがまま」の心境です。お正月のテレビ番組では、現在活躍されている若き芸術家などを紹介、放映されていますが、普段はあまり取り上げられないために興味深く見ています。和尚なども書道に格別な思いが有ったわけではなく、父の書を書く姿を普段から見たり手伝っている内にいつの間にか書いていたというようなものですから、やはりDNAを感じる時があります。父の書はとても味わいのある書体で、子供心に「うまいなっ」と思っていたものです。今でも父の書を床の間に飾って在りし日の父を書から偲んでいます。今年は昨年にも増して書道に力を入れて行きたいと念じています。さて、昨年の暮れに、ニューヨーク‏のサラ・ローレンス大学、大山小百合先生より御手紙と生徒からの沢山の御葉書を頂きました。

IMG_4676

IMG_4677

IMG_4678

「和尚感激!!」です。個展開催の折、日本語1クラスの学生さんに書道を教えましたが、その時の生徒さんからの新年のメッセージと感謝の言葉が綴られた心温まる年賀状でした。もしこのブログを大山小百合先生がご覧頂いていましたら、生徒の皆さんに「ハッピーニューイヤー!」とお伝えください。先生始め学生皆さんのご来寺をお待ちしていますよ。個展開催のご法縁が実って行くことを切に願う元旦となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第501話 】
2015年 01月 01日 談

IMG_4663

新年あけましておめでとうございます。‏大晦日から一変して銀世界の元旦の朝を迎えました。なにもかもが洗い清められた感の新年となりましたが、本年も御法愛のほど宜しくお願い申し上げます。何度経験してもお寺でのお正月は全くに格別なる心境を得るものです。除夜の鐘を撞き、その音色が山々にこだまして、その余韻を残す中での目覚めとなりますが、本当に気分が一新しますから不思議ですね。「新年!!」という感じです。

IMG_3946 (500x333)平成26年大晦日 除夜の鐘のようす

IMG_3969

新年の御祈祷

古来より何百年もの間、連綿として続けられて来た新年の行事ですが、これこそが「仏法」の真理だと思います。ご祈祷の後に新年法話をいたしましたが、何と言いましても「家内安全、健康安心」が大切なことかと思います。一年を無事に過ごすことの困難さとまた無事に過ごせたことの喜びと感謝が大晦日と元旦に凝縮されるようです。除夜の鐘撞きにも多くの方が参加してくださいました。一撞き、一撞きされるその姿には喜びと感謝の心が感じ取られました。どうか皆様にとりまして、今年一年無事に過ごされますことを心より御祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。友峰和尚より

IMG_4665

友峰和尚のちょっといい話 【 第500話 】
2014年 12月 31日 談

IMG_4650

とうとう大晦日を迎えました。本日は23時50分より、行く年 来る年の除夜の鐘を撞きますので、ブログをご覧いただいている皆様、是非ご参加ください。ブログも記念すべき第500話を迎えました。来年の干支は「羊」ということで、その「羊」に因んで「遊戯三昧(ゆげざんまい)」という禅語を来年1年間の法話の題材としましたが、今日は午後より、その言葉の揮毫を致しました。「遊戯三昧」の意味は以前のブログでもお話ししましたが、御仏たちが、こだわりや捉われを捨てた自由自在な心の働きを見せる様子を表わしたものです。羊が群れを成して悠々と草を食む姿からそのような言葉を選んだわけですが、本当に心からとらわれの無い、心安らかな日々を過ごして参りたいと念ずる次第です。

IMG_4653

除夜の鐘をひと撞きひと撞きしながら108の煩悩を打ち払いたいわけですが、煩悩は無尽蔵に湧いてきますから108回撞いたぐらいではとてもとても断ち切れないのが本音ですね。幸いに鐘の音色と共に煩悩が幾重にも幾重にも消滅して行くという事ですから、そのひと撞きに値打ちがあるというものです。これこそ「本音!!」綺麗にお掃除の行き届いた鐘つき堂での御祈祷です。皆様方の今年から来年に向けての幸せを祈願する祭事ですので、大いに御参加下さい。年明けの0時15分より本堂にて家内安全、健康安心の御祈祷並びに和尚の新年法話をいたします。この一年間、皆様方には本当に御法縁と御厚誼を賜りましたことに深く感謝と御礼を申し上げます。皆様、良いお年をお迎え下さい。友峰和尚より

yjimage

友峰和尚のちょっといい話 【 第499話 】
2014年 12月 30日 談

愈々今年も残すところあと一日、今日は最後の最後のお掃除デーでした。「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま」この一年も掃除で始まり掃除で終わろうとしています。今年の三月に二人目の新しい命、内孫誕生に始まり金沢市しいのき迎賓館とニューヨーク、サラ・ローレンス大学での個展開催そして寶勝寺本堂全面修復工事開始と実にめでたい事柄の連続でしたが、何より健康で一同無事に過ごせたことを喜んでいます。「安閑無事」こそ、めでたしのめでたしですが、つらつら世の中を感ずるに喜んでばかりもおれなかったこの一年。特に全国的に波及した天地災害の被害はすさまじい物が有りました。こうしている間にも里帰り中の交通事故の悲惨なニュースが流れて来ます。一時として安心できない世の中、だからこその「お掃除」です。常に心の塵を払い、万全の体制にしてスタンバイしておくことが不足の事態に対応できる唯一の状態でもあろうと考えます。皆が無事であることを祈るばかりです。元旦から大荒れの天候になるとかで、大雪に対してのさらなる対策のため融雪装置の点検も大切なお掃除の一つ、掃除はまさに人間の持てる全知識、知恵を有効に使うための手段でもあります。明日の大晦日にはおトイレ、お風呂場、玄関、台所の掃除を徹底してこの一年を締めくくり除夜の鐘祈祷祭に臨みたいと思っています。

IMG_4636 (2)

それでは皆様! 大きな声を出して言いましょう! 「一に掃除 二に笑顔 三四元気におかげさま!!」「俺がオレがの我を捨てて おかげお蔭の下(げ)で暮らせ!」です。皆様、除夜の鐘を衝くこともお掃除ですぞ。皆様の参加を願っています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第498話 】
2014年 12月 29日 談

金沢市野町・少林寺、本多町・瑞光寺の師走諷経のために今年最後のお勤めをしました。いわゆるお経納めとでも申しましょうか、この一年の法務を無事に終えたことに対して開山様に報恩のお経を唱えたわけですが、穏やかなお天気の中でのお参りとなりました。朝方には、大安禅寺の御用達でもある福井の小森庭園主・末政幸憲様より御寄進頂いた門松一対を寳勝寺の山門前に設え、しめ縄飾りをして山門至福の御祈願をしました。

DSC01505 (500x375)

山門前に、門松を設置 / 寳勝寺にて

DSC01520 (375x500)

DSC01523 (500x375)

山門至福の御祈願をしました

DSC01517 (500x375)

今年も随分と多くのお経を唱えて参りましたが、さすがに感慨深い読経となり、門松もどことなしか微笑んでいるようにも感じました。さて昨晩、飛騨高山の安国寺様よりお電話を頂き、その内容は餅つきについてのご質問でしたが、所変われば品変わるで、餅つきにもそれぞれに地方特有の色々な工夫が有りますから、情報交換はなかなか面白いものです。突然のお電話でしたが、その日の和尚の鏡餅搗きブログをご覧いただいたそうで、早速のブログご訪問を嬉しく思いました。

IMG_3904 (500x333)

大安禅寺の鏡餅搗き / 昨日のブログから

ちなみに安国寺様は、和尚の大学時代からの親友です。世の中便利になったものですね! そうそう、お医者様の世界では、今日の手術はもはや遠隔ロボット操作で行うことが出来るとか、すごいですね。電子社会の恩恵は色々な分野に限りなく活用されていくようです。そのうち、「遠隔自動操作餅つき機」なんていう物が出てくるかもね、あまり売れないと思いますが。「もちろん」想像です。安国寺様でも、現在も臼で御餅を搗いているそうです。昨日の電話は「御餅で、もちきり」の年末の「ほっこり話題」となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第497話 】
2014年 12月 28日 談

IMG_3887 (500x388)

IMG_3888 (500x333)

大安禅寺庫裡にて

早朝から鏡餅の餅つきが行われましたが、今日は世話方の堀江貞富さんに加えて井上周三さんが加勢して下さり、孫も参加しての賑やかな台所となりました。石臼と杵で搗くお餅はやはり言葉では言い表せない、心のこもった微妙な粘りが感じられて、おろし餅やきなこ餅、ぜんざいにして食べると本当に美味しく頂く事が出来ました。

IMG_3883 (333x500)

IMG_3904 (500x333)

IMG_3917 (500x333)

午前中には本尊様はじめ諸堂の仏様にお供えする15組の鏡餅も無事に作り終え、また一歩新年を迎える準備が整いました。残すところあと三日間ですが、愈々山門や玄関の幕張をし、鐘楼の注連縄と除夜の鐘の御祈祷台の準備、最後に境内の掃き掃除をして全てが終了となります。約1か月かけての大掃除!そして迎春準備作業。代々引き継がれて来た準備作業ですが、それに伴って気持ちも次第に入れ替わって行くようで、なんとも御利益を頂きながらの有りがたい法務と感じ取っています。恐らくはこのようにブログに書かなければ誰も知り得ないお寺の師走風景ですね。昨日のNHK特番で小椋佳さんの「生前葬コンサート」特別篇が放映されましたが、このブログも和尚の生前葬ブログのようなものです。この31日で500回目となりますが、この66年の人生を振り返る時、とてもとても一冊や二冊の本で書ききる事など出来ないほどのドラマが有ります。誰もがそうであるように一度っきりの人生ですから、精いっぱいの思いを感謝の心と共に書き記しておきたいものだと感じている今日この頃です。それにしましても小椋佳さんの生前葬コンサートは素晴らしいものでした。心を後世の方々に伝えるには十分であったようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第496話 】
2014年 12月 27日 談

IMG_4577

明日はお正月の鏡餅搗きということで、妻がその準備に追われている中、和尚は残りの5日間でさらに干支の色紙書きとお掃除に専念です。大阪から帰宅してみれば晴れ渡った関西の空とは真反対に北陸の空はどんよりと曇っていてなんとも不思議な感じがしますが、長年住み慣れた生まれ故郷は、雪が降ろうが槍が降ろうが大変居心地が良いと感じるのは皆様も同じ心境だろうと思います。ニュースなど見ていますと、さらに極寒の不便な土地に住んでおられる方々もその地を離れないのは、故郷がそこに生まれたものにとって如何に心安らぐ場所であるかを物語っています。むしろ生活するのに困難な地域で有ればあるほど、土地への愛着はより強くなるのかも知れませんね。北海道などは現在では自然の極めて美しい農耕地帯として紹介されますが、それとて多くの開拓民の苦難の歴史を経ての苦労の美しさと捉えますと美しさも一段と際立って感じるものですが、その地域に住んでおられる方にとっては厳しい環境にある事には今もなんら変わりない事実でもあります。今年一年を振り返ってみても、日本のいたるところで災害被害を受けた報道が多かった年でもありました。日本は火山地帯国家でもありますから、古来より幾たびも大きな災害に見舞われ其の度毎に不屈の精神で今日まで耐え抜いて復興してきた民族でもあるように思います。福井県が「不死鳥」を旗印に掲げますのも、その事に端を発しての誓いのような言葉でもあります。「艱難汝を玉にす」とは真に、日本民族の魂の原点を感じさせる格言に思います。
この一年、どれだけ辛抱し助け合って来たかが、来年の平安を占う大切な要素なのかもしれませんね。明日は御餅つき!粘り強く頑張って搗きましょう!友峰和尚より

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870