和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第808話 】
2015年 11月 04日 談

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墓石すべての法名と御家名を調査し、名札を付けています

今月18日に開催される「寶勝寺墓地改葬工事全体会議」を前に、今日も最終的な墓地調査が行われています。調査が進むにつれ墓地の全体像が良く見えて来て、約四百年に渡る卑山の歴史を感じています。日本国の新しい時代の幕開けとなった明治政府を迎えると同時に、此れまで幕府を支えて来た武士の時代の終わりでも有りました。卑山のお檀家様はその大半が武士で有った為、時代の移り変わりとともにその役目を終え今日に至っています。当然の事乍ら役目を終えた武士たちは全国に仕事場を求め離散して行くわけですから、先祖墳墓が荒廃して行くのもやむを得ない事だったのかも知れません。

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私が仏縁を得て寶勝寺に入り5年が経ちましたが、寶勝寺本堂の復興と共に、今回は霊園改葬工事に全力を注ぎ檀信徒の祖霊を奉じる寶勝寺永代供養墓「寶勝院顕彰碑」を建立したいと念じています。さて、祖先の霊に守られながらの毎日ですが、今後は法務活動にも力を入れて行きたいと思います。まずは坐禅会や写経会そして読経会なども視野に入れながら、お寺とのご縁を持って頂くように開催して行きたいと思っています。街なかの寶勝寺ですから、大いにお寺を利用して頂きたいと願っています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第807話 】
2015年 11月 03日 談

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大安禅寺 境内の紅葉

お手紙巻頭の季語が「晩秋」となっています。昔の暦では11月のことを「霜月」と言いますから、いつ霰(あられ)が降って来てもおかしくない時期を迎えていますが、ニュースでは毎日全国の有名な紅葉地の映像が流れ、お茶間皆様の眼を和ませてくれているようです。大安禅寺を取り巻く樹齢二百年ほどの紅葉の木の葉っぱも少しづつ色付きはじめ、全山を真っ赤に染めるのも もうまもなくです。この、大安禅寺でのゆったりとした毎日ですが、生活環境の違いが人間の心に及ぼす様々な影響を実感するものです。現代社会は「ストレス社会」と言われて久しいわけですが、ストレスを解消させる方法として、ときどき生活環境を変化させる事が大切なのかも知れませんね。

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最も効果が有るのはアウトドアでのアクションだと思います。この時期でしたら、トレッキングやサイクリングまた旅行にスポーツなどですが、やはり思い切って環境を変化させることによって気分も一新できるというものです。今、70代世代が「元気世代」と言われているのも、その要因は「自己コントロール」の出来る世代だからなのかも知れません。日常の食生活から健康維持の為の運動まで、実に見事に自己管理されている70代世代を大いに見習いたいものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第806話 】
2015年 11月 02日 談

人間は古来より108の煩悩を有すると言われていますが、どうしてどうしてそんなぐらいの数ではとても足らない程の色々な感情が自分の心を悩ますものです。大まかに言えば「喜怒哀楽」の感情が誘因となって複雑な思いへと発展して行くのでしょうが、文明が発展すればするほど煩悩も増えていくような気さえします。そんな事を思いつつも、今は亡き師匠の「へこたれるな!」の言葉を思い出しながら煩悩を菩提に変えていく為の努力を試みる毎日です。さて、その努力の一つが墨蹟ですが、今日は和尚の作った言葉「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま」を書きました。書きながら気持ちが落ち着いていくのを感じました。

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書道には「臨書」と言って、故人の素晴らしい書の字体をまねて書く方法が有りますが、まねればまねる程難しくなっていくのはきっと、故人の精神の深さが伝わって来るからか知れませんね。最近になって、読経も同じことが言えると気づき始めました。お経を唱えれば唱える程、お釈迦様の教えに近づいていくような感覚を覚えます。「煩悩即菩提」とは、限りない煩悩こそが大きな安らぎへの道しるべであることを知る昨今です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第805話 】
2015年 11月 01日 談

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昨日に引き続き、庭師さんによって雪吊りの作業がなされました / 大安禅寺 中庭にて

今日は11月1日、霜月に替わりました。今年もあと2か月を残すのみとなりましたが、皆様にはお元気にお過ごしでしょうか? 一にも二にも健康が大切ですが、この時期は大いに身体作りに留意して参りたいと思います。運動するには今が最適の気温状態で、少々運動しただけで体がぽかぽかしてきますからとても気持ちがいいですね。午前中は福井市内にある「家族動物霊堂」での月忌供養に参りましたが、多くの方々がお参り来られていました。少子化と高齢化の進む近年の日本社会において、家族動物は本当に大切な家族の一員となっているのがよく分かります。参列者の中には30年近く欠かさずに来ておられる方も有り、家族動物がいかに心の支えになっていたかを思います。今後も独居老人宅が増えていく様相を見せていますが、家族動物たちの存在はますます大きくなっていくようです。午後からは、石川県からの観光客の皆様に対して「生き生き法話」を致しましたが、最近はご近所同士のお仲間での旅行が増えつつあるようです。

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とても和気藹々として、和尚も皆さんに引き込まれてしまうほどの仲良しグループでした。いいですね!嬉しいですね! 何よりも笑顔が一番です! 深まりゆく秋です。皆さん元気にお過ごしください。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第804話 】
2015年 10月 31日 談

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 日昇前、早朝に行われる「朝課」

昨日より大安禅寺にて「企業役職者坐禅研修会」が1泊2日の日程で行われましたが、今朝方のぐんと冷え込む本堂での朝課(ちょうか:朝のお勤め)は身の引き締まる思いでした。住職に就任して27年になりますが、やはり、修行時代の初心に帰ることが常に大切であると思い知らされます。

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全国には臨済宗妙心寺派の寺院が約3千ヶ寺有りますが、その一ヶ寺一ヶ寺に於いて寺の有り様は全くに違っています。法務の執行から寺院の運営方法などもそれぞれのお寺に合わせたやり方で、住職が苦心しながらも強化活動に専心しているわけですが、唯一の共通点は僧侶としての志であるかと思います。「同じ釜の飯を食う」という言葉が有りますが、修行時代を振り返りながら心を同じくして頑張っています。

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修行を終えて寺に戻ると、ある僧侶は経済的に豊かな寺に、またある僧侶は経済的に恵まれない寺に、また大寺で有ったり小寺で有ったり、あるいは山奥で有ったり、大都会で有ったり、それぞれの縁に従って住職または副住職に就任し、禅僧としての人生を歩んで行きます。最近、全国の同派寺院のホームページを拝見し住職の法務活動を参考にしつつ新たな布教の有り方を模索していますが、やはり禅寺の面目は「坐禅に有り」と思いを強くしています。

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たった一泊の坐禅研修なれど、参加者の功徳は計り知れないものが有ると思います。読経や坐禅、作務の実践こそ「己事究明」の究極であると改めて感じ取った朝の朝課でした。 研修参加者の皆さん、ご苦労様でした。お疲れ様! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第803話 】
2015年 10月 30日 談

午前7時過ぎに寺を出発し、車にて一路、長浜・良疇寺へと向かいました。「滋賀北陸教区寺庭婦人研修会・総会」に教区宗務所長として出席する為でしたが、「寺庭」とは各寺院の奥様の事で、滋賀県、福井県から14名が参加されました。

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近年は寺院に於ける奥様方の住職サポートが欠かせない存在となって来ています。と言うより奥様方が檀信徒とお寺との仏縁を深めるのに大いに貢献している状況にあります。それはお寺の年中行事や御詠歌会を始め色々な催し物などにも参加されて、住職の一番の補佐役となっています。今日の研修はやや専門的で、我が宗派の歴史など講師を迎えての講義でしたが、皆真剣に拝聴されていました。これからも寺庭様には積極的にお寺の運営発展に大いに力を発揮して頂きたいと思います。

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さて、自坊大安禅寺では今日から、地元の会社経営者方々の一泊坐禅研修が始まりました。この時期の禅寺での研修は最高です。特に早朝の読経と坐禅は気分が一新するというものです。「自分が変われば世界が変わる!」です。皆様も是非いちど、禅寺の早朝坐禅を体験してみてくださいね。お外では卑山御用達の庭師さんによる冬支度、雪吊りの準備が進められていました。

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冬将軍の到来も間近に迫っているようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第802話 】
2015年 10月 29日 談

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越前松平家第二十代ご当主の宗紀(むねとし)様からサプライズの贈り物を頂きました。午前中、お檀家の三谷様より電話が入り「松平様からのお届け物が有るから、今からお伺いしたい」との事、しばらくしてお見えになり、さっそくにその御品物を拝見する事となりました。

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開けてビックリ玉手箱!! なんとなんと、立派な越前焼の大壺じゃありませんか! 三谷様にお聞きしたら宗紀様ご自身の作品だとの事。二度びっくりでした。

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写真の如き、登り窯で焼き上げた実に素晴らしい作品で、宗紀様が陶芸を嗜んでいるとは知る由も有りませんでしたので本当に驚きました。登り窯独特の自然釉が見事な景色を作り出していました。以前には真筆の「温故知新」の扁額を寄贈下さり、今回は陶芸品ですから、実に「非凡多才のお殿様」であると感心するばかりでした。将に書道家に陶芸家ですね。今年の4月29日には越前松平家御先祖供養「御像祭」に御参詣下さいましたが、いつお会いしても穏やかで紳士なお話しぶりに圧倒されています。本当に有り難うございました、卑山の宝物として大切にお飾りして参りたいと思います。

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来る11月、卑山で開催される催事「福時」にて、お花を活けてお披露目したいと思っています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第801話 】
2015年 10月 28日 談

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地元の皆様との交流が大切で、今日は「ふれあい探訪同好会」の方々が「楽く楽く法話」と昼食付きのコースで来られ、寺カフェは貸し切り状態にして皆さんにはゆっくりして頂きました。近年の「寺離れ」の原因には色々理由がありますが、総じて国民生活が豊かになり、しかも我が国が世界一の長寿社会を迎えているところに原因が有るかと思います。宗教は本来人々の心の救済のためのものですが、昔とは比べものにならないほど食糧事情の良い日々の生活の中では「感謝」の心が薄れていくのも仕方のない事かも知れません。

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寺離れのもう一つの原因としては、近年各町内に集会所が設けられて、これまでお寺に集まっていた市民も、近場の快適な設備の集会場に集うことが主流となって来ているようです。もう一つ挙げるならば、「葬送の儀」はお寺の本堂を利用されていましたが、各お葬儀屋さんが自社専用の会館を持つことによって、お寺を使う事が無くなってきていることも寺離れの原因ではないかと思います。そういう時代であるなら、お寺としても今後は色々な工夫をしながら、人の集まる状況を作り出していく必要に迫られているようですね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第800話 】
2015年 10月 27日 談

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休息日の今日、兼務寺院の瑞光寺を訪ねました。瑞光寺の駐車場の隅には一本の柿の木が有り、先日寺を訪ねた折、帰り際に奥様がその柿の実をくださりながら「駐車場の乗用車の上に、熟した柿の実が落ちるので取ってほしい」と言われ、本日の休暇を利用して訪ねたわけで、ナタと鋸と針金を持参してのお仕事でした。なるほど! 車を駐車させるエリア3台分が空いていて、たわわに実った柿が今にも落ちそうでした。さっそくに本堂裏の竹藪に入り、持参した道具を使って柿をもぎ取るための竿をつくりました。皆様! 街の真ん中での作業です、なんとも不思議な感覚でした。

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奥様にもお手伝い頂いて「柿もぎ」を開始しましたが、この柿、なかなかどうして美味しい甘柿なんです。午後からは近所の方が手伝いに来られるという話でしたので、ほどほどの所で引き上げました。こういう事からも、金沢市は歴史のある街だとわかるかと思います。ただ一本の柿の木なれど、街なかの大変珍しい品種の柿だそうですから、今後も大事にしたいですね。

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なるほど変わった形です

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そういえばもっともっと街の真ん中に、「柿木畠(かきのきばたけ)」という地名が残っている場所が有ります。きっと昔は沢山の柿の木が植えられていたんでしようね。「柿食えば 鐘が鳴るなり 瑞光寺」 どこかで聞いたことのある歌でした。友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第799話 】
2015年 10月 26日 談

このところずっと続いていた秋晴れの好天気も今日までとか。明日からは次第に秋特有の長雨が予想されるわけですが、金沢市を訪れる観光客は相変わらず増え続けている状況ですから、これからは雨対策が必要になりそうです。お寺の中もいつの間にか暖房器具が登場し活躍を始めています。

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午前中には、福井県小浜市、三方五湖近くにお住まいという団体様が来られ「楽く楽く法話」をしましたが、高齢者の皆様なれど笑顔満点でお聞き頂くことができました。昨今のニュースで報道されているように、日本国では今、70代の方々が一番の元気世代だそうです。さすがにどの方もとてもとても70代には見えませんでしたね。人生、やはり元気が一番だと思います。

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ところで、卑山の次はどこへ行かれるのかと尋ねますと、「のとじま水族館」だとか。やはり幾つになっても水族館は心の安住としての場所のようですね。「童心これ祖心に通ず!」です。わざわざ遠回りして和尚の法話を聞きに来て下さり、有り難うございました。和尚感激!!でした。

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夕方、金沢市役所歴史建造物整備課の新保さまとともに

さて、今月もあとわずか。事務書類も溜まってきましたので、午後からは宿題の原稿書きをしました。机に向かうのもなかなかいいものです。秋はロダン作の「考える人」スタイルで過ごして参りたいものですね。友峰和尚より

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