和尚のちょっといい話
北陸新幹線開業日から12日間が過ぎましたが、ここに来て金沢市も漸く落ち着きを取り戻した感が有ります。各学校は春休みに入っている為、この週の土日頃から再び観光客で卑山も賑わう事になるかと思います。
助野瑠梨香さま、中山さまとともに / 宝勝寺応接間にて
和尚は法話開始のための本堂の設え準備や法話内容についても構想を練る毎日です。また4月になりますと一気に観光ムードになると思う為、あらゆる要望に対応できるようにパンフレットや案内板の作成なども並行して準備に入っています。先般、カドカワ出版の全国版「金沢女子旅」に寶勝寺「寺カフェ」が掲載されました。最近は少しずつながら観光情報誌の取材を受けているので、観光資料写真なども今後は必要になって来るかと思います。
今日は、友人の西川氏の案内で地元某テレビ局の社長様を訪ねました。大変丁寧な応対をして頂きまた昼食を共にしながら寺町の今後の寺活などお話し致しました。地元メディアの取材も大変ありがたい事です。社長様の御話では、この4月上旬に寺町寺院の協力を得て坐禅体験や朝粥体験のイベントが企画されているとか、どうやら今後は寺町寺院群に光が当たって行くような気配を感じながら聞き入っていました。
寶勝寺内は今日も終日、お線香の「アラマ寺ピー」のほのかな香りが心を癒してくれた一日でした。友峰和尚より
桜の開花宣言がなされましたが気温はぐんと下がって、花冷えどころか真冬に戻ったような寒さの一日となりました。寶勝寺は火曜日でお休みのはずが、クローズの看板もどこ吹く風。せっかくの観光旅行中のお立ち寄りなので、急遽「寺カフェ」を開始することに。午前中は、先般お約束をした「ピルゼン会」(臨時ネーム)の仲間が来寺されて、応接間でのしばし楽しい時間を過ごすことが出来ました。もちろん和尚もお休みの日ですが、お友達の来訪は大歓迎です。
今後も多くの若者たちが集うお寺になるといいですね。久しぶりの休みを利用して、寶勝寺霊園の今後の計画について構想を練ってみました。まだまだ課題は山積みですが、少しずつ前進を見せています。これからの時代、墳墓の形や管理の仕方などは激変して行くことかと思われます。百年後を見据えた、我々の行く末に沿う霊園構想が重要となって来ていますね。
さて、今日は新しい発見が有りました。「ピルゼン会」に参席された「あとりいえ」代表の山田のり子さんが、和尚のアイフォンに「外国語同時音声通訳機能システム」をインストールしてくださいました。100万力を得た気分になりました。すごいですね! まったくに正確な音声同時通訳システムですよ!これで寺カフェ来訪の外国人観光客とも意思が通じ合うというものです。便利な世の中になったものですね。ますます進化して、今後は自分の声が同時通訳音声で発せられるとか。もう海外旅行での語学は必要なくなりますよ。そんなわけで、今日も大きな収穫が有りました。日々成長です。そうそう和尚の身長もまた少し伸びたように思います。どうしてなんでしょうね? 摩訶不思議!? 摩訶不思議!? 友峰和尚より
「寺カフェ」を利用するお客様が言われるのは、お寺は天井が高いため、お部屋のゆったり感がたまらないほどの魅力を感じるそうです。また、畳敷きのため、会話をしていても話す声がほどほどの感じでお耳に届くのかこれまた心地良いという事で、なるほど日本の家屋はもとより畳の文化であることを認識する場面でもありますね。ある意味防音装置効果みたいなものが畳にはあるのかもしれません。
本堂に焚かれたお香の香りもまた「アロマ寺ピー」の役割を如何なく発揮しているようです。もとより寺院の建築構造は人々の憩いの場所として設計された感が有ります。本堂でのお祈りもまた心の癒しの場所で有り、書院などは今で言う談話室的場所であったと想像します。寺院の事をサンスクリット語で「ビハーラ」と言うのもその意味は休憩するとか安息するとかの意味からして、「寺カフェ」は理想的な寺本来のスタイルという事が言えるかと思います。
今後、全国の多くの寺院がもっともっと「寺空間」を解放されんことを願ってやまないものです。そして、お寺に来られた方々とのコミュニケーションも大切です。現代仏教を葬式仏教と揶揄されていますが、お葬式も大切ながら、人々の集まる生き生きとした寺院活用の有り方をも模索しながらの「寺カフェ活動」が続きます。さて、彼岸会の御先祖供養も無事終了して、心爽やかな一日を過ごしました。無限の御霊に守られての寺生活。今日の早朝坐禅は霊魂との交流でもあったように思いました。友峰和尚より
桜の開花 寳勝寺式台にて
寶勝寺の彼岸会が午前10時半より厳修されました。地元の檀信徒皆様を始めとして東京、栃木、横浜からも多数参詣され、また、法要終了後には卑山霊園改葬の為の説明会が行われ、株式会社いせや・代表取締役社長の中本様から今後の構想など丁寧な説明がなされました。
くしくも今朝方のテレビ特番では、「これからの霊園の有り方」についてお坊さんも交えての討議が放映されていました。寶勝寺霊園は、これからの先祖供養の有り方を踏まえ理想的なシステムと墓地を目指していて、まさに今日の諸問題に呼応した墓地の形成をしようとしています。少子高齢化社会の進む中での思案が求められているようです。勿論の事、寺町は伝統的建造物群指定地区でもありますので当局の指導を受けながらの工事進行となります。
さて、連休の二日目ということもあって、午後からは寺カフェ利用の観光のお客様で賑わいを見せました。東京から新幹線を御利用の方も多く見受けられます。やはり「新幹線」効果は現実のものとなりつつあるようです。思いますに遠き昔、和尚の子供の頃は乗り物と言えばバスで、しかも「木炭車」でした。たった70年で時速300キロで走る乗り物が登場することなど夢にも思いませんでした。今日までの交通インフラの整備こそが、人・物・金の流通を促し、日本の高度成長に寄与してきたその恩恵を今まさに受けようとしています。新幹線の開業は御仏の御利益と改めて寶勝寺本尊観世音菩薩様に御先祖の御霊供養と共に深く御礼申し上げた「彼岸会法要」となりました。友峰和尚より
素晴らしいお天気になりました。鶯も春を待ちかねたかのように素敵な鳴き声を境内に響かせるなか、午前10時半より大勢の参詣者を迎えて涅槃・彼岸会法要が厳粛に執り行われました。最初に大安禅寺御詠歌婦人部の奉詠がなされましたが、日ごろの練習の成果が存分に発揮された、素晴らしい歌声が堂内の隅々に浸透するかのように、極楽浄土を現出してくださいました。
僧侶の皆様の読経もまた、天地宇宙に轟くがごとく生き生きとした聲明で実に有りがたく思いました。普段より多くの参詣が有ったことに和尚は安堵しましたものです。寺離れや墓じまい、そして散骨等最近の宗教感が急速に変化して行く世の中にあって、伝統的宗教行事の本分を後世に伝えて行くことの大切さをしみじみと思う今日この頃です。人とのつながりは御先祖すなわち故人とのつながりでもあります。
「有りとみて 無きこそ元の姿なれ とはいうものの 濡るる袖かな」とは、太田道灌の妻が亡き夫を思う心のこもった一句です。この世こそ、この世こそ、この世の行いこそが来世への道しるべであることを深く思った供養の一日となりました。友峰和尚より
「涅槃団子」と呼ばれているこのお団子、最近ではずいぶんと珍しい物になって来ていますが、それでもいまだに、それぞれのお寺で昔ながらの伝統的作り方を継承しつつ御供え物として作られています。大安禅寺の涅槃団子も、恐らくは約400年に渡って代々引き継がれて来たものと思われます。昔、物の無い時代にあっては、五色のお団子はとても珍しい貴重なお菓子的存在であったようにも思われます。御先祖への報恩の供養と共に、法要を通して参詣者の皆さんが御供え物を楽しんでいたのかも知れませんね。
そんなことを想像しながら今年のお団子の出来栄えを見て楽しみました。
和尚も毎年、色々と工夫を凝らして模様を変えてみるのですが、さて皆さん、今年のお団子の図柄は如何でしょうか?ハートの形をしたものや、サイケデリックな模様など色々有ります。大安禅寺の涅槃彼岸会と寶勝寺の彼岸会にはこのお団子を御仏前に沢山お供えし、法要終了後、参詣いただきました皆様にお分けしたいと思っています。涅槃団子を頂く事は、御釈迦様の御加護と天地宇宙の御利益有りとの言い伝えがありますから、今後も頑張って後世に伝えて行かなければなりませんね。話は変わりますが、「涅槃」という言葉はサンスクリット語の「ニルバーナ」から来ていて、その意味は、「吹き消す」いわゆる『心の「安心」』を言い、また「彼岸」は「パーラミター」で、「川の向こう岸」すなわち「極楽浄土の御悟りの世界」を言うとあります。いずれも”心安らかに過ごす一日とす”という事になりましょうか。明日がお彼岸会です。どうか皆様、御先祖の御供養をして、家族の和合を願いましょう。友峰和尚より
早朝4時より花団子作りのための台所準備が始まり、すべて終了したのは午後1時過ぎとなりました。檀家さんはじめ大勢の世話人皆様の加勢を得ての花団子作りでしたが、今尚、昔ながらの手法が受け継がれていることに誇りと驚きを感じます。
この「花団子」ですが、何より尊いのは、村々への涅槃托鉢で頂いたお米を粉に引き、さらに多くの方々によって手作りで作られていく所に有ります。人と人とのつながりが極端に薄れつつある今日、何が故にこのような、手間ひまをかけての作業が受け継がれて来たのかは究極、「報恩」の一語に尽きるかと思います。
あらゆる物事が簡略化されて行く時代にあって、「伝統的行事」を後世に伝承することの大切な意義が見えてきます。心のこもった手作りの「花団子」、その五色の意味は、「自然界の命」そして「心」を表します。涅槃・彼岸会の当日は、この花団子をお供えして厳粛に法要が営まれますので、皆様には是非お参り頂きたいと思います。
一年に一度だけ、涅槃図を公開しています。/ 大安禅寺・御成りの間にて
創建当初から伝わる、狩野元昭 真筆の涅槃図
彼岸会には、涅槃図の御前にお団子がお供えされ、法要が厳修されます。
さて作業もひと段落して、和尚は春雨の降りしきる大安禅寺の風情を楽しんでいます。この時期の雨は誠に春到来の喜びに満ちた「法雨」と感じます。寺を取り巻く木々は、春雨を受けてこれから一気に緑を濃くして行きます。こんなダイナミックな自然の有り様を感じることが出来るのも、山中に住むからこその御利益ですね。心休まる時間の流れる一日を過ごすことが出来ました。「南無観世音菩薩」 友峰和尚より
春季特別法話会 / 大安禅寺 書院にて
今年初めての鶯が鳴きました。いいですね!春が来た!!って感じです。今日は、御涅槃団子づくりのための「団子こね」が多くの世話人さんによって行われました。明日は和尚も加わって、早朝より五色の団子作りが行われることとなっています。
午後からは、卑山・大安禅寺の書院にて「春季特別法話会」が開催され、約二十名の方が拝聴されました。大本山妙心寺の定期巡教で、今回は岡山県の少林寺住職・華山泰玄高等布教師様が法話をされ、参加された方々は熱心にお話を聴いておられました。21日の「彼岸・涅槃会」を前に開催されましたが、暖かい陽気の中での心温まるお話で、お題は『「おかげさま」 社会の恩 生かされ支えられ・・』。分かりやすく説かれていたのが印象的でした。
近年、特に「衆生縁」が希薄になっていると言われています。自然災害が頻発する一方で、家族やお隣さんとのつながりが薄れつつある現状が危惧されていますが、どうすれば良好な衆生縁を結んでいけるのか。これはなかなかに難しい問題です。
さて、和尚は行ったり来たりの毎日が続いています。ところ変われば思いも変わるという事になりましょうか。大安禅寺の趣はこの時期、格別なものを感じます。悠久の寺の歴史がそう感じさせてくれるのかもしれません。理屈抜きに「おかげさま」の心が湧きいづる一日となりました。友峰和尚より
気温がぐんと上がり、なんと17度。ぽかぽか天気となった本日、寺カフェはお休みで、この休息日を利用してお部屋の設えを変えました。と言いますのも最近、寺カフェも昼食を希望される方が増えてきた為、食事台を改めて設定し直しました。なにか気の利いた、寺カフェオリジナルの食べ物が今後必要になってきそうな雰囲気です。所謂「寶勝寺釜飯」とか言ったものですね。それと同時に参拝のお客様とのコミュニケーションも増えて行くと思うので、談話室的部屋もおしゃれな創りにしたいと思っています。寺カフェ再開と共に近頃は、檀家様をはじめ来客の方も増えつつあるようで本当に有り難い事です。
須貝さま、東野さまとともに。須貝さまから頂いたケーキで茶礼中。
寺町台まちづくり協議会の宮本さま、山田さまとともに
午後からは、現代写真スタジオ(金沢市野町)の加茂様にお願いし、和尚のスチール写真を撮影しました。新しいパンフレット用の写真撮りですが、久しぶりの撮影に気合を入れて臨みました。たくさんの参拝客で賑わうお寺を目指していますが、そのカギを握るのもスチール写真の出来にかかっているようです。勿論、その被写体にも責任が有りますが。以前、和尚のプロフィール用写真を撮って下さったのも加茂様でした。和尚お気に入りの、お宝写真です。今回も加茂様には心から期待したいと思います。
和尚お気に入りの一枚
さて、間もなく「お彼岸会」。3月21日に大安禅寺で、22日に寶勝寺で、「春季彼岸会法要」が営まれます。御先祖御供養とともに、生きとし生けるすべての生命に対しましてもご供養申し上げたいと思います。皆様の御参詣をお待ち申し上げております。友峰和尚より
バヌアツ、ポートビラのサイクロン被害がトップニュースで報道されていますが、近年の自然災害被害には驚きを隠し得ません。今、国連防災世界会議が行われていますが、もはや一国の対策では災害リスクを減らすことは不可能で、早急な解決策を願いたいものです。地球温暖化現象を危惧する声が叫ばれて久しいわけですが、今後も地球上のいたるところで自然災害が拡大して行くと思われますので、我々も油断しないように防災グッズなどに日頃から関心を持って備えておく必要が有りますね。「災害は忘れなくてもやって来る!」です。そんなニュースとは裏腹に、金沢市は穏やかな暖かい陽気となっています。北陸新幹線開業のニュースも地元では熱気冷めやらぬ状態で、さかんに続編が報道されています。首を長くして待ちに待っていた新幹線開通は、地元の人々にとって久しぶりに味わった幸せな気分だったと思います。暗いニュースの多い今日、金沢だけは、金箔のようにいま一番輝いているようです。ところで先日、宇治の黄檗山・萬福寺を訪れたとき大発見が有りました。寶勝寺に保存されていた六角形の台、何に使うのかと今まで思って居ましたら、なんと写真の如く、木魚台であった事が判明しました。
さっそく設えてみました。これで和尚も一安心です。腰の悪い和尚には大変嬉しい発見でした。今後は椅子に腰を掛けて御経を唱えることが出来ます。皆さん、人間の脳の記憶能力の素晴らしさに改めて感心させられた出来事でした。「南無さん!!」 これはあんまり「カンシンセン」???って! 友峰和尚より