和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第742話 】
2015年 08月 30日 談

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毎年開催されます「住職研修会」なれど、やはり僧侶にとって重要な研修の場であるといつも思います。常に新しい発見とこれまでの教義の復習が大切で、もちろん、寺院間の意思の疎通を図る上での重要な会合でもあります。どの世界でも同じことが言えると思いますが、情報の交換が新たなステップを生み出しますね。二日間に渡って開催された住職研修会。宗務所長としての責務も有り、無事に終了できたことを安堵いたしました。

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昨夕の懇親会にて

近年は青年僧が多く参加され、主催者側として心強く思います。教団の未来は、青年僧のより一層の奮起がカギを握ります。それぞれに、それぞれの立場で教化布教に専念されているわけですが、やはり檀信徒皆様との融和が一番かと思います。どのような悩み事も、和合の中から解決の糸口が見えて来ると言うものです。

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今日の午後の日程では「人権研修」が有りましたが、大禅寺住職(岐阜県関市)で人権擁護推進委員の根本紹徹師の御話は実に素晴らしく、感銘を受けた講演でした。「大禅寺」で検索して下されば、住職の活動とお寺の情報を見ることが出来ますので、皆様も是非いちどご覧ください。本当に、人生は様々な困難に遭遇するものです。その「困難」に即した対処が出来るかどうかで方向性も多様に変わって行きます。そんな時、自分の身近にひとこと、適切な助言してくれる方が有るのと無いのとでは、解決策や心持ちもずいぶんと違ってくるのではないでしょうか。寺の住職の役割として、いつも檀信徒に寄りそう形での良き相談者でありたいと思うものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第741話 】
2015年 08月 29日 談

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臨済宗妙心寺派滋賀北陸教区・住職研修会に出席しました。

連合艦隊司令長官・山本五十六氏の言葉に、「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば人は動かじ」と言うのが有りますが、今日の社会は一方通行社会で、与えられた事はクリアしても自ら進んで次の行動をとることが出来ない若者が増えている、という小言を、年輩者からよく聞くようになりました。小言はそれとして、和尚が思いますに、いつの時代でもまず自分がお手本を見せて懇切丁寧に説明し、それをやらせてみる事が大切かと思います。

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山本文匡教学部長

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栗原正雄宗務総長

特に、平成以後に生まれた世代に於いては、平生の生活がすでに電子機器に囲まれ育まれていますから、否が応でも意思の伝達は一方的になりがちです。今まで以上に「やってみせる事」が重要になって来ていると思います。その次に、「やっている 姿に感謝で見守って 信頼せねば人は実らず」 これも五十六氏の言葉で、なかなか説得力のある言葉だと感心しますが、仕事の丸投げでは人は育たず、させながら見守る事も重要ですね。そしてもう一句、「苦しい事もあるだろう 言いたいこともあるだろう 不満な事もあるだろう 腹の立つこともあるだろう 泣きたいこともあるだろう これらをじっとこらえて行くのが男の修行である」 所謂「忍の一字」こそが、その人を成長させるのだと山本五十六氏は提言しています。今日の長浜で開催された滋賀北陸教区住職研修会も忍の一字で和尚は臨みました。忍、忍、忍。 つづく 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第740話 】
2015年 08月 28日 談

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人それぞれに色々な悩み事を抱えながらの日々の人生を送って行くわけですが、もし、なんにも悩みの無い人がこの世におられるとしたらそれはそれは素晴らしい事です。しかしながら、「人間は生涯悩みながら生きる動物である」と誰かが言ったか言わなかったかは別として、悩むからこそ生きることへの「生き甲斐」も出て来るのではと思います。ひと口に悩むと言ってもその内容は様々ですから一概には結論は出せませんが、「一病息災」ならぬ言葉も有るくらいですから、少々の悩みは反面、生きる力を養う原動力ともなるわけです。

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どうしたらそのようにプラス思考に変えられるかと言えば、「自問自答出来る自分」を鍛えて行くところにそのヒントが有ります。悩みはそもそも自分の因縁で生まれて来るため、自分以外のものが解決しようと思っても無理な話なので、自分で自分を見つめて行くことが出来れば因縁の因子も変えることが出来ると言うものです。チョツト理屈ぽくなりましたが、「悩み」こそ「大きな悟りへの因子なり」と思います。「窮して変じ 変じて通ず」 この変ずる力が今の社会に求められているように思います。ぐずぐずしているうちに、いたずらに時間だけが経過してしまうようです。多くの悩みも思い切って心を変じてみると意外に解決の糸口が見えて来ると思います。さて、女流画家の荒木芳栄さんがパリに帰国されるというので卑山に挨拶に来られました。孫達としばし送別茶礼をしましたが、大いなる活躍を願ってやみません。お元気に頑張ってください!友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第739話 】
2015年 08月 27日 談

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秋の気配が境内一帯に漂う、爽やかな朝を迎えました。日中はまだまだ気温が上がるものの、空気は確実に秋の匂いを届けてくれています。サトー八郎さん作詞の「小さい秋見いつけた」のように、木々の小枝にもどことなく夏の暑さから解放された安堵感を感じ取ることが出来ます。

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まもなく月も替わって九月「長月」に入ります。日の入りも早くなって、これまでしきりに鳴いていた蝉も夕暮れ時には秋の虫の鳴き声と交錯しています。日本は四季を感じる事の出来る素晴らしい国だと和尚は思います。今日は久しぶりに午前中の団体様に「楽く楽く法話」を致しましたが、とても気分よくお話がができたのもきっと爽やかな気候のせいだったのかも知れません。天気と元気は同じなのかもね。

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それと、今日のお客様は、今から約10年前に大安禅寺で和尚の「生き生き法話」を聞いて下さった方々だったとか。なおさらのこと気分は最高でした。わざわざ金沢まで聞きに来て下さったのですからお礼の言葉も有りません。本当に有り難うございました。

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長い夏休みもあと4日を残すのみとなっています。子供連れの観光客の方もめっきり少なくなってきました。観光地に子供の姿が見えなくなってきたことも秋の到来を告げているかのようです。ニュースではこの時期、登校拒否の子供達が急激に増えていると伝えています。和尚が子供の頃は、夏休みが終わりに近づくと学校に行きたくて仕方がなかったように記憶しています。子供達が楽しく通える学校とは、友達に会いたくなることを意味しているとふと思ったものでした。笑う門には福来る!怒る門にはホスピタル!涙の門には縁来る! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第738話 】
2015年 08月 26日 談

台風一過の朝を迎えましたが、金沢市内は強風が吹き荒れる一日となりました。寺カフェの看板も吹き飛ばされるほどの強い風で、流石に今日だけは玄関入口の五色の吹き流しは取りやめとなりました。昨日は見事な咲きっぷりを見せた朝顔も、空っ風にあおられて小さく縮こまって強風の過ぎゆくのをじっと堪えているような状態で、一日違いでこんなにも気候が変わるものかと驚愕してしまいました。何はともあれ台風も通過し、やれやれと言った感じです。

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そんななか、どういう風の吹き回しか、いつものイケメン3名が同時にやって来てしばし歓談したわけですが、これも風の影響なのでしょうか? そういえば、「掃えども 風がもて来る 落ち葉かな」なんて一句ありましたっけ! 落ち葉ではありませんでしたが、風の影響を受けて来られた事には違いないようです。

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昨日の穏やかな日和の中での「日中友好の朝顔を愛でる会」開催がまるでウソのような、終日荒れ模様の天気となりました。こうなったら大安禅寺から依頼されている宿題をクリアーしようと午後からは色紙製作に専念しましたが、これまた久しぶりに筆を持った指の感触がたまらず、一気に書き上げた次第です。明日は「楽く楽く法話」が予定されていますが、こちらもまた暫らくぶりの法話の為に、前練習が求められているようです。

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午前中の若者達との交流は実に楽しい時間でした。将来への夢を大いに語って頂きたいものですね。聞いているだけで頼もしくまた嬉しくなってしまいます。故人曰く「刻苦光明必ず盛大なり!!」未来の夢に向かって大いに鼓舞して頂きたいと念じました。ガッツだぜ!GP! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第737話 】
2015年 08月 25日 談

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一段と華やかに咲き競う日中友好の朝顔の中、午前10時半より「日中友好の朝顔を愛でる会」が卑山で開催されました。開催に先立ち、本堂で参加者各家の先祖供養と祈願祭が執り行われた後、会を代表して中川健造氏がご挨拶されました。台風の接近が心配されましたが、その影響も無く清々しいお天気に恵まれ、朝顔の花も濃い紫色と白渕の二色のコントラストが際立って美しく華やいで見えたものでした。

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ご先祖供養と祈願祭のようす

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中川健造様のご挨拶

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懇親会のようす

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どうしてこんなに美しいんだろうと思うくらいに大きく花びらを広げて、会員の皆様を迎えてくれました。今日は寺カフェはお休みだったので、ゆっくりとした時間を過ごすことが出来ました。此の会も結成して5年目を迎えましたが、朝顔を通して日中友好の輪も少しずつ広がりつつあります。来年はもっと多くの方々をお迎えして、朝顔を見て頂こうと思ったものでした。昨晩は、会員皆様とお食事を交えての交流会が行われましたが、終始和やかな雰囲気のなか親交を深めることが出来ました。驚いたことにお部屋には素晴らしい朝顔の絵の額が飾られており、不思議なご縁を感じたものでした。

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本日、寳勝寺に掛けられた「日中友好の朝顔」の掛軸  ~寿福~ 

この「日中友好の朝顔」はこれから益々見頃となって行きますので、是非見に来て下さいね。さて、明日からはまた普段の通りの寺カフェに戻りますが、明後日には和尚の「楽く楽く法話」が予定されており、夏休み終盤を迎えるなか「不退転」の精神で頑張って行きたいと新たな闘志を燃やしています。「安心してください! 元気ですから!」せめてもの口先だけでも元気で居たいものですね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第736話 】
2015年 08月 24日 談

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「日中友好の朝顔を愛でる会」が明日開催予定となっていますが、現在、その会に合わせるかのように朝顔が八分咲きとなっています。23日付の読売新聞に「日中友好の朝顔」の記事が大きく取り上げられて、明日開催される会に花を添える格好となりました。普段は静かな月曜日の寺カフェも、朝顔の花につられてか多くのお客様が来られ賑わいを見せました。帰り際には、立ち止まって朝顔と共に記念写真を撮られている方や、中には朝顔の説明書きを熱心に見ている人も有り、間もなく満開を迎えようとしている朝顔もいつもに増して輝いて見えたものです。

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この朝顔の種は、今から六年前、広島県福山市にお住まいで中川美術館館長でも有ります中川健造氏より譲り受けたものですが、来年はより多くの方々に見て頂くために、今から催事を計画したいと思っています。地元、加賀千代女の歌に「朝顔に 釣瓶とられて もらい水」という朝顔を一躍有名にした一句が有りますが、古来より朝顔は、日本の夏の代表的なお花として親しまれて来たようです。そこで和尚も一句詠んでみました。「朝顔に 心も開く 禅の寺」う~ん、如何でしょうか? どうか日中の人々が親しく交流し、末永く友好国となることを朝顔の開花と共に念じたいと思います。友峰和尚より

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友峰和尚のちょっといい話 【 第735話 】
2015年 08月 23日 談

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寳勝寺山門前の酔芙蓉

台風25号の影響からか蒸し暑い一日となった日曜日、午前10時より野町・少林寺で太田家の一周忌法要を厳修致しました。故人とは短い時間ながら思い出深いご縁を頂いたものでした。和尚が金沢の寺院を兼務することになって5年目を迎えていますが、少林寺の檀家様とのご縁も少しづつ深まって行くなかでの訃報でした。たとえ短いご縁であっても、忘れる事の出来ない御徳を感じることが出来た御方でも有りました。今日の御法事を通して、心より故人の御冥福をお祈り申し上げました。

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法要後の御親戚皆様とのお食事の時間は、故人との関わりを知る上でも大切なもので、よりいっそう故人の恩徳を偲ぶ事が出来ると同時に、なによりの御供養になると感じ取るものです。

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お盆が済んだとはいえまだまだ御先祖のお墓参りが続いています。お盆中にお参りできなかった方々が来られているようですが、墓参の姿に和尚も安堵いたします。「親思う 心に勝る親心 今日のおとずれ なんと知るらん」とは吉田松陰の言葉です。親の恩、父母の恩に深く感謝した一日でした。友峰和尚より

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夕方、少林寺御奥様にお越し頂き、墓地の聞き取り調査を致しました。

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友峰和尚のちょっといい話 【 第734話 】
2015年 08月 22日 談

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寶勝寺「寺カフェ」もここに来てようやく落ち着きを取り戻しています。時折お客様の打ち鳴らす鐘の音が本堂に響き渡ると、一瞬、蝉の鳴き声が止まり、境内に静けさが戻ってきます。午前中は法務のため、お隣りの極楽寺様と承証寺様を訪ねましたが、普段は疎遠になりがちな近隣のご住職との会話の時間は、実に楽しいものでした。寺町伝統的建造物群には72ヶ寺が集まっていますが、寺院間の交流があまり無いため、今後は積極的に親交をを深めて行きたいと思ったものです。

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午後には久しぶりに中越様のご家族が卑山を訪問してくださり、和尚も午前中に法務を済ませていたので、時間を気にせずゆっくりと歓談できました。お寺の面目は「縁」を結ぶことに有りますが、多くのご縁を頂いて居る方々が訪ねて来て下さるのは、本当に嬉しいものですね。今日は実に「安閑無事」の一日となったようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第733話 】
2015年 08月 21日 談

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小雨模様の一日となりました。それにしてもずいぶんと涼しく、過ごし易くなったものです。秋の気配を感じさせる中、午前11時より寳勝寺にて三回忌の法要が執り行われました。最近はお寺での法要が増えて参りましたが、やはり歴史建造物でもある卑山は荘厳さを感じさせてくれますから、法悦を感じますね。

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北陸新幹線開業のおかげで東京からのアクセスが大変便利になった為、今後もお寺での法要が増えて行くことと思います。午後からは寺カフェを再開しましたが、玄関入口に吊るされている「喚鐘」(かんしょう)がお客様に大変人気で、鐘を鳴らす音が心をも癒してくれます。

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この「喚鐘」は卑山の法器でも有りますが、音も良くまたお寺を意識させてくれますから、お客様の中には帰り際にわざわざ希望されて打ち鳴らす方もおられます。寺院と鐘はどうやら一体の物なのかも知れませんね。夏には夏の音色が有り、秋には秋の音色を感じさせてくれます。同じ鐘なのに、季節によって音色が変わるように感じるのは気のせいでしょうか?「そんな事ってあるんかね?」なんて言わないでください。和尚はデリケートでロマン主義なんですから。鐘の打ち方で、お客様その人の心を読み取ることが出来ますね。中には一度失敗をして再度挑戦される方もおられます。また、「こん畜生っ!」って力まかせに打たれる方もおられます。そんな時は「おっかね~」って音色です。現在は釣鐘ですが、お客様が打ちやすいように、床置きの「喚鐘」に替えたいとも思っています。お客様の打ち鳴らす鐘の音と共に、夏も終わりを迎えようとしています。「寺カフェの 鐘の響きや 夏涼し」 友峰

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