和尚のちょっといい話
傳燈寺 参道の白梅
終日暖かい一日となりましたが、「暑さ寒さも彼岸まで」とは昔の人は上手く言ったものです。昨日は寳勝寺の春季彼岸会法要が厳修されました。檀信徒墳墓改葬移転がほぼ完了し、その安堵感からか今日は疲れが一辺に押し寄せて午前中は敢え無くダウンしてしまいました。もはや激務には耐えられない程、疲労が蓄積してきているようです。とはいえ、今年から新たに兼務住職となった傳燈寺視察予定が入っており、無理を承知で訪ねました。
既に依頼しておいた畳替えの床板張り替え工事も進んでおりホッとしました。人の住まなくなった建物はみるみる傷んでいきますから、早めの修復が求められています。特に傳燈寺は山を背にした建物で湿気の影響もあり、排水工事なども今後必要になってくると思います。就任してまだ一か月ですが、任命を受けた以上は責任をもって復興にあたりたいと思っています。
傳燈寺町会長 西川様と
和尚にとってはどの寺院も大切で、復興と共に後継者育成にも力を注いでいかなければなりません。和尚の本寺である大安禅寺では文化庁指導のもと大掛かりな全面修復工事が始まろうとしていますが、現在、金沢市内の兼務住職寺院を一か寺ずつ修復に当たっていることも、本寺の修復工事を進める上での重要な経験と勉強になると思います。どの建物にも多くの宮大工師が関わってるだけに、その気持ちを感じ取ることが出来ます。さてそれぞれの兼務寺院の修復を終えた際には皆様是非ご来寺下さい。昔から「家風」という事を言われますが、お寺にも「寺風」というものが有ります。人々に個性があるように、歴史を有する趣ある「寺風」を感じ取って頂けたらと思います。友峰和尚より
法要に先立ち、午前九時より先祖墳墓入魂の儀が行われました
快晴で暖かい春風がそよぐ気持ちの良い一日となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 寳勝寺では午前十時半より「春季彼岸会法要」が厳粛に執り行われました。現在、霊苑改葬工事が進められている関係で、檀信徒様はじめ工事関係者の方々も参席しての法要となり、法要終了後には㈱ココ・プランニング中本会長、社長様はじめ㈱豊蔵組・豊蔵社長様のご挨拶の後、工事進捗状況と今後の進め方また先祖墳墓移転の状況について、㈱豊蔵組 現場監督・高島氏ならびに㈱河原市石材・河原市社長様から説明がなされました。先祖墳墓の移転については全て完了し、本日は各家の入魂の儀式が行われたわけですが、和尚も心から嬉しく安堵いたしました。今後は六月完成に向けて、より一層の緊張感をもって進めて行きたいと思っています。
平成二十九年度 春季彼岸会法要の様子
御加担下さいました 宝光寺 御住職
檀信徒説明会にて ㈱ココ・プランニング 中本隆久会長の御挨拶
㈱ココ・プランニング 中本大資社長の御挨拶
㈱豊蔵組 豊蔵享一社長より御挨拶
㈱豊蔵組現場総監督 高島隆義課長より 進捗状況と今後の進め方について御報告
㈱河原市石材 河原市社長より 先祖墳墓移転について御報告
住職より 今後についての御説明
檀信徒説明会終了後、各御家の墳墓入魂式が行われました
昨日、三月十一日は東日本大震災発生から6年目を迎え、震災物故者の総供養が各寺院でなされましたが、その多くの寺院が被害を受け先祖墳墓もことごとく津波で流されたと聞いております。我々の心は祖先とともにあるだけに、言葉を失います。寶勝寺では今、約四百年に渡る祖先墳墓の改葬工事を行っているわけですが、今回は祖霊を弔う「永代墓」が新たに設けられ、有縁無縁の供養墓となっています。先祖供養の大切さはそのまま自分の心の供養でも有ります。思いやりの心は父母の恩、祖先の恩を忘れないところに有る事を思う毎日です。友峰和尚より
㈱豊蔵組様、小竹様とともに
寳勝寺春季彼岸会が明日の午前十時半より厳修されます。今日は、「ふれあいパーク霊苑奥の院」に改葬されたお檀家様墳墓の入魂諷経が行われました。殆どはまだ工事中ですが、それでも少しずつ霊苑の全体像が見えて来ています。午後からは㈱ココ・プランニング中本大資社長様はじめ工事関係者方々との工事進捗状況確認と打ち合わせが行われましたが、工事が進むにつれてお互いに力の篭った話し合いとなっています。
お檀家様の先祖墳墓入魂式
中本社長様との打ち合わせのようす
今回の寳勝寺霊苑改葬工事で和尚が最も嬉しく感じたのは、奥の院に整備された「三界萬霊塔」と歴代住職の慰霊碑「歴世塔」が復元された事です。祖先を思う気持ちは誰しも同じであろうと思いますが、我々僧侶に於いても釈迦仏法を的々相承されて来た歴代住職の慈恩を奉じる事も大切です。
三界萬霊塔 改葬施工中のようす
多くの方々との仏縁を得ながら改葬工事が進められています。明日は春季彼岸会法要が営まれますが、先祖の恩と父母の恩に心より感謝の真を捧げたいと念じています。さて桜の開花予測情報がニュースで報道されるようになって来ました。本当に待ち遠しいですね!人生、心の花を幾重にも咲かせていきたいものです。友峰和尚より
「桜花無尽蔵」 大安友峰 書
和尚の「ちょっといい話」も今日で1300話を迎えました。誰もが平穏な一日に過ごしたいと願っているわけですが、どっこい無常の現世にあっては中々そういうわけにも行かないようです。自分だけの心の世界ならコントロールのしようも有るのですが、これだけ社会が複雑化するともはや我が身のコントロールだけでは立ち行かない事も多々あります。世の中が複雑になればなるほど、いかに周囲の人達との関係をスムーズに保っていくかが求められているようです。
どなたの言葉かは知りませんが、和尚がよく使う法話の言葉に「おれがおれがの我(が)を捨てて おかげおかげの下(げ)で暮らせ」というのが有ります。なかなか良い言葉だと思っています。我々の肉体は生涯お借りしている物ですから、さらに色々と付け加えていく事はかえって不自由を強いられるようなものです。お借りしている間は日々感謝の気持ちで身体と心を大切に活用する使命があるかと思います。お金でも銀行からお借りすれば「利息」が付いていくように、我々もその利息を「感謝の心」と心得て世の人々に何かお返ししていくことが大切かと思います。
さて午後より女性のお客様が二名来られました。平成26年3月12日から17日までの約一週間、金沢市広坂「しいのき迎賓館」で墨蹟禅画展を開催した際大変お世話になった才田さんと、金沢の町屋改修を数多く手掛けられている建築家の山田さんです。お二方とも金沢市の文化発展に熱い想いを持っておられる方々です。しいのき迎賓館での当時の個展風景はこのホームページで閲覧できますので、是非ご覧頂けたらと思います。素晴らしい個展会場との御縁を才田さんから頂きました事に、改めて「おかげさま」の言葉をかけさせて頂きました。ブログを読んで下さっている皆様に感謝しつつ、頑張って続けていきたいと思います。「南無観世音菩薩」 友峰和尚より
それにしましても今年に入ってからも、大きな事件が次々と発生して不安社会を形成している感が有ります。山中の寺院に住する和尚にあっては一見、世の中の事象とは無縁に思われがちですが、情報通信機器が発達した今日では隠遁生活など出来るはずも無く、刻々と伝わって来るニュースにキチンと耳を傾けています。「このような時は一体どうすれば心が安心できるのか」と問われれば、「諸縁を放捨して万事を休息す」という禅語が有るように、いちど思い切って頭の中を空っぽにして、心の働きを停止することが一番です。何が故にそのことが一番良い方法かと言えば、人間は、いったん記憶されたものは「脳」というディスクに保存されてしまう為、見聞きした事が後から思い出され自分の事のように錯覚して不安を感じてしまうからです。「何にも思わぬが仏の稽古なり」なんですが、なんにも思わない事ほど難しいものは有りませんね。和尚などは長年坐禅をして来たせいか、心がモヤモヤする時は坐禅をすると実に爽快な気分を取り戻すことが出来ます。皆様も是非「坐禅」にトライして頂きたいものですね。「何にも思わぬが仏の稽古なり」ですね。世の中が複雑化すればするほど、坐禅の効能は抜群です。
御先祖墳墓 入魂式諷経 / 寳勝寺ふれあいパーク霊苑にて
さて寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事も日々着々と進んでいますが、本日はお檀家様先祖墳墓改葬の新地移転されてより、最初の入魂式の諷経が営まれました。あわせて本堂にて先祖代々法要も厳修しました。来る12日(日)の彼岸会法要では殆どのお檀家様墳墓の入魂法要が営まれる予定になっています。心のやすらぎは御先祖の御供養と共に有る事を実感する毎日が続いています。友峰和尚より
大安禅寺に再び雪景色が戻りました。暦は3月も半ば、12月頃の初雪とは違ってもはや余裕をもって景色を眺めることが出来ます。北陸人にとって、この時期はスノータイヤを外そうか外すまいかと悩ましいのですが、やはり4月の声を聴くまではそのままの方がよさそうです。それにしても春の雪には温もりさえ感じられますから不思議なものです。時折お日様が顔を出しますとみるみる雪が溶けて行き、その情景もまた春が来たことを証明しています。
さて金沢での日々のハードな法務から離れて今日は自坊にあってゆっくり休息しています。70歳近くになって日々無性に、亡き父(先代住職)と話がしたいと思う念を強くしています。今なら何でも話せるという心境なのでしょうか? いや別に理由も無くただ会話がしたいのかも知れません。親父の懐かしい言葉「おい、一杯やらんか!」本当に今こそ父と杯を交わしたいものです。人生とはそういうものなのかも知れません。こんな言葉が有りました「親孝行 したいときには 親は無し」全くにごもっとも、ごもっとも。雪解けと共に心までが緩んでいくような心境です。友峰和尚より
昨晩より気温がグンと下がって寒い寒い朝を迎えました。午前中には久しぶりの雪模様となり、宝勝寺境内にも雪が積もりました。前日までの陽気に慣れてしまっていたせいか、いっぺんに身体が強張ってしまい、思わず朝風呂に入ってほぐす始末!なんとも心身の不甲斐なさを感じたものでした。しかしながら朝風呂のリラックス効果は絶妙で、これからは健康維持の為、寒い時には我慢しないで率先して朝風呂入浴を心掛けたいと思っています。
「春風百花舞」大安渓仙 書
まもなくお彼岸を迎えるにあたり春季彼岸会法要の準備に入りましたが、今年はお檀家様のお墓が新しい墓所に移転した為、いろいろな事務や書類の整理をしました。歴代住職の移転先墓地には歴世塔が建てられる為、開山様始め代々の住職の法名などを確認しましたが、大本山妙心寺宗務本所より頂いたパソコン用「臨済宗妙心寺派 宗派図データベースシステム」のディスクには感心したものです。今やネット時代、パソコンデータの有り難みを痛感致しました。事務の効率化は各寺院に有っても必要不可欠の課題となっています。やれやれ和尚にとって事務処理は一番苦手な分野だけに、パソコンはまさに救世主的存在です。
歴世塔の御真前にて / 平成27年冬 檀信徒墳墓総供養慰霊祭
宝勝寺の春季彼岸会は12日午前10時半から法要が厳修される予定となっています。どうか是非お参りください。暑さ寒さも彼岸まで、今年も早三ヶ月が過ぎようとしています、皆様お元気にお過ごしください。友峰和尚より
今年の金沢市内の桜開花が4月3日頃と発表されました! 桜と聞いただけでなんとなく心がウキウキしてしまいます。特に犀川周辺の桜並木は毎年見事な開花を見せてくれます。日本の代表的な樹木といえば桜ですが、樹木をピンクに染める満開の風情は圧巻ですね。
さて午前中には寶勝寺ふれあいパーク霊苑工事に伴う「本堂上の間」の修復工事の為、金沢市歴史建造物整備課職員の方と工事関係者との打ち合わせ協議をしました。霊苑工事が進むにつれ本堂外観の整備も不可欠となり、さっそくに当局の指導を受けました。
本堂上の間 縁側部分の視察のようす
庫裡側外壁 と 霊苑側外壁 の 視察のようす
画像最左は 掘削が終了した井戸の浄水作業中
金沢市の文化遺産でもある寺町伝統的建造物群の中にあって、寳勝寺復興の全体像が日増しにはっきりと見えてきたように思います。歴史的建造物を後世に伝えていく事は創建以来の人々の精神をも同時に伝えていくことになる為、和尚も心を込めて復興に力を注いでいます。創建時もそうであったように、現在進行中の工事にも多くの職人の方々が携わっています。その一人一人の職人の技法や技術を後の世まで伝えていくことの大切さを思う毎日です。
本日の霊苑工事現場のようす
檀信徒様の墓石の復元が進んでいます
工事現場に立っていると、毎日が矢の如くに過ぎ去って行く感が有ります。「三日見ぬ間の桜かな」なんて言葉があるように、桜の開花を待ちわびている今が一番幸せなのかも知れませんね。友峰和尚より
リュウキンカ / 寳勝寺にて
3月5日は内孫、芭月の誕生日ですが、残念ながら和尚は金沢にて直接のお祝い出来ませんでした。誰しもが「孫ほど可愛いものは無い」と口をそろえて言います。全くにその通りですが、何が故にそんなに可愛いのかと問うてみれば、その答えは「無条件で可愛い!」「理由なんか見当たらない」と。まあ今の言葉で「めちゃめちゃ可愛い」とでも言いましょうか、いわゆる孫はジイジ・バアバの日々の活力剤でも有るのかも知れませんね。しかし中には孫守をバアバに委ねるお家も多く、バアバにとっては痛しかゆしでも有るようです。
そもそも加齢と共に身体が思うように動かなくなって行きますから、孫の動きのスピードについていけないぶん疲れてしまうのが現状のようです。昔と違ってショッピングセンターなどは実に子供にとって天国のような遊び場ですから、ジイジ・バアバと将に孫との攻防戦といったところでしょうか?いずれにしましても孫は「眼に入れても痛くない」ほど、可愛い存在である事には違いないようですね。孫達にとってもジイジ・バアバは救世主です。怒ると怖~い両親から解放される救いの時間でも有ります。核家族化が進む中で、ますますジイジ・バアバの存在感が増していくような気配です。
夕方、金沢市観光協会主催 モニターツアーの皆様が来寺されました
さて暖かい日曜日となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 今日の寺カフェは実に春らしく、お客様も寒さを忘れて笑顔がいっぱいでした。そう言えば今日は暦の上では「啓蟄(けいちつ)」で、春の虫が土から出て来る季節到来とか!まさしく暦通りの気候となりました。また一歩、春が近づいて来たようです。友峰和尚より
早春の暖かい土曜日の一日でしたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 霊苑改葬工事の為、土曜と日曜日のみ寺カフェをオープンして観光客への便宜を図っています。山門入り口からは現在、工事用バリケードが並べられていますが、そのバリケードと記念写真を撮って行く観光客の方が見受けられます。実にご当地アイデアと言いますか、バリケードの形が兼六園のあの有名な「ことじ灯篭」デザインになっていて、旅行者の好評を得ているようです。金沢市全体が歴史の見える町づくりに取り組んでおり、色々な箇所に於いても工夫がなされています。
寳勝寺のミニことじ灯篭
そんな長い長い工事用ガードの間を通ってカフェを利用されているわけですが、5月頃にはおしゃれなお庭の道が完成する予定となっています。㈱ココ・プランニング宮崎デザイナーの作庭コンセプトは、「自然な川の流れ」をイメージしているのだそうです。本当に今から完成を楽しみにしていますが、一般的にお寺には近寄りがたいというイメージが有るそうですから、尚更のことエントランスのイメージは大切ですね。
本日の工事現場にて 土地家屋調査士の西野様と
墓石の復元が始まっています
寺内には 荒木芳栄画伯の作品を展示
さて、パリ在住の荒木芳栄画伯が先般東京で個展を開催されましたが、その時の作品を卑山に展示する事になりました。「寳勝寺ギャラリー」でお茶を飲みながらお魚の作品をご鑑賞いただければと思っています。日々温かさを増す今日この頃ですが、各お部屋にも春のお花が活けられより一層華やいだ雰囲気になっています。皆様も是非、休息にご来寺下さい。きっとリラックスされること間違いなしです。お元気にお過ごしください。友峰和尚より