和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1660話 】
2018年 03月 05日 談

二日続きの20℃を超える暖かい朝を迎えましたが、残念ながら今日は雨模様となってしまいました。午前中にお檀家様の月参りに出掛けましたが、床の間に活けられた一輪のお茶花には全くに魅了されてしまいました。日本精神文化の極みともいえる「生け花道」には心から恐れ入るものです。

枯淡な一輪挿しに活けられた「クリスマスローズ」と「ヒューガミズキ」の添え木が凛として美しく、春の到来を告げるかのように可憐に咲いていました。このところずーっと豪雪の話題が続いていたためか、久しぶりに心がホッコリしたものでした。

さて、寺に戻ってみれば昨日とは打って変って寺カフェが賑わいを見せ、和尚も急遽台所方に入っての奮闘! どうやら「雨の寺カフェ」のようです。いったん雨模様となると、雨宿りにはお寺が一番ということでしょうか? 腰は痛いわ、膝は傷むわ、頭はグラグラ、でも頑張りました! 頑張りましたよ。文句などいったら罰が当たりますね。 お客様は仏様です! 玄関の来客者を知らせる鐘が鳴るたびに気合を入れながらの典座補佐の一日でした。今日は自分に言いました、和尚さんお疲れ様でした! ご苦労様。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1659話 】
2018年 03月 04日 談

日中の気温が20度とポカポカ陽気となった日曜日、思わず和尚もお庭の手入れを始めました。雪解け後の中庭は枝折れや雑草で足の踏み場も無いほどの荒れ放題となっており、無残な姿をさらけ出しています。杉苔も長く雪の下に有ったせいか心なしか元気がなく、漸く暖かい日差しを受けて復活しつつあります。

先日まで 残雪や倒木、倒れたベニヤ板で荒れ放題だった寳勝寺中庭

ようやく掃除を始められるほどになりました

生き生きとよみがえる杉苔

奥のほうには まだまだ残雪の山

霊苑の緑も次第に生き生きと

昨日は小浜市・常高寺様での教区花園会役員研修会に出席していましたが、常高寺様の境内には春の陽気が漂い、金沢の気候とは全く異なる風情を感じました。太陽の恩恵とは豪雪地帯に住む者にとって神様の如く絶大なる存在感があります。我が国において、その日の気候が挨拶代わりとなるのもうなずける話です。

㈱ココ・プランニング 中本大資社長 との打ち合わせにて

届いたばかりの 古稀内祝の品を贈呈させて頂きました

誠に有難うございました 今後 御祝いを賜りました皆様にお届け申し上げたく存じます

寳勝寺境内 利休梅の芽吹き

さて気温の上昇とともに行動意欲も湧き上がってくるようで、遅れを取っている庶務全般の処理に邁進して行かなければなりません。夕方には卑山アルバイト学生さんの卒業お祝いの茶礼をしましたが、カフェ業務に実に良く頑張って加担して下さった若人です。求人が極めて困難な状況下の金沢で、学生さんの働き手ほど有り難いものは有りませんね。ご卒業を心からお祝いいたしました。ご卒業おめでとう!! 友峰和尚より

卒業御祝い茶礼にて

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1658話 】
2018年 03月 03日 談

臨済宗妙心寺派 凌霄山 常高寺 (福井県小浜市)

「滋賀北陸教区花園会役員研修会」が小浜市・常高寺にて午前10時20分より開催されました。第四部婦人部連合会の皆様による御詠歌が奉詠された後、花園会会員物故者法要が営まれ、厳修後は全員で坐禅を修行しました。11時10分より「宗務所長講話」という事で、現在の宗教事情を踏まえた約30分間の講話をさせて頂きました。

研修会のようす

午後からは若狭歴史博物館を訪ね、館長様により約2時間にわたって展示品などの御説明を頂きました。毎年開催されている教区花園会役員研修会ですが、今回は各部より25名が参加され教区の連絡事項を始め最後まで熱心に修学されていました。

さて、本日の研修会場となった常高寺様は、小浜藩主 京極高次の妻・お初の方(織田信長の妹 お市の方の次女)が建てられた寺で、「花菖蒲と萩の寺」としても有名な寺院です。住職のご案内でお寺の歴史説明がなされ、改めて縁の深さを感じ取ったものです。皆様も是非いちど小浜市をお訪ね頂き、若狭の歴史と共に常高寺にもお参り頂きたいと思います。

明治時代の芝居小屋を復原した小浜市指定文化財「旭座(あさひざ)」の見学

このところの除雪で疲労困憊の心身でしたが、前日から小浜に一泊して研修会に参加したおかげで随分とリフレッシュ出来たように思います。今後も滋賀北陸教区宗務所長として、教区発展の為に尽力して参りたいと願っています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1657話 】
2018年 03月 02日 談

福井県小浜市  若狭湾の風景

明日午前10時半より小浜・常高寺様で開催される「滋賀北陸教区花園会役員研修会」に出席のため、本日は一足早く出発しました。春一番に啼く鶯の声を今か今かと待ち続けているのですが、いまのところその気配は無いようです。鶯が啼くためには自然の条件が有るようで、暖かい穏やかな南風が吹き、谷川のせせらぎの音が少し高めになって来た時に「ホッ、ホッ~、ホケキョ!」と力強く啼くものです。毎年、最初に啼く声を楽しみにしています。心が和む瞬間でもあり、「春が来た!」といっぺんに嬉しくなってしまいます。

           
これからヒヨドリやアカショウビン、セキレイなど沢山の小鳥たちが境内にやって来ますから、和尚も心待ちしています。
まもなく彼岸会を迎え次第に昼の時間が長く感じられるようになり、こちらも春の到来を感じさせてくれます。「春よこい、早くこい」なんて歌った昔の童謡の歌詞そのままに思わず口ずさみたくなりますね。

潮風からも春の香り

さて皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 時間が出来ましたら是非お寺参りに来てくださいね。山寺には山寺の風情を楽しむ醍醐味が有りますよ。我々の心は、季節の営みとともに和みを感じていくようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1656話 】
2018年 03月 01日 談

大安禅寺 本堂正面ガラス戸 応急修理のようす

強力な低気圧の通過で昨晩から猛烈に吹き荒れた強風の境内は落ち葉の山となり、足の踏み場も無いほどで、午前中の団体拝観までに職員とともに外掃除をしました。しかし強風は止まず、次々に吹き飛んでくる杉の落ち葉には閉口してしまいました。大雪の次は大風に襲われる始末! 今度は大雨となるのでしょうか? 一難去ってまた一難でしたが、ニュースによると今回の強風で屋根が吹き飛ばされた地域も多くあり、本当に心が痛みます。どのような災難に見舞われても不屈の精神で立ち上がらねばならないと気持ちを強くしています。

今日も上田工務店・上田達雄社長自ら補修材料と工具を持ち込んで、この度の豪雪で破損した本堂正面のガラス戸の応急修理をしてくださいました。一刻も早い雪害箇所の修復が求められていますが、福井市内の多くの家が被災したため、どの工務店も職人不足でなかなか手が回らないとの事。昔は卑山檀信徒の中に御用達の大工さん、左官屋さん、瓦屋さんがおられましたが、現在ではその殆んどの方が転職されているのが現状です。兎にも角にも今回の豪雪では本当に多くの方々に御見舞いとご支援並びに雪害復旧工事に御協力頂きました事を改めて感謝と御礼申し上げたく思います。

ここに来て和尚の膝関節に異常が発生し、うまく歩けない状況となっています。嗚呼!歳は取りたくないものですね。これまで多くの方々との御縁を結んで来ましたが、縁は縁でも「関節炎」はどうもいただけません! しかし無理もないことです、毎日の除雪から解放されて、今ようやく膝関節も休息できているのですから、しっかり養生したいと願っています。一日一日が矢の如く過ぎて行きます。一寸の光陰軽んずべからず!しっかり足を地につけて頑張って前進しましょう!そだね~そだね~ 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1655話 】
2018年 02月 28日 談

融雪が進む 大安禅寺境内

6月恒例、卑山「花菖蒲祭」の開催準備が始まっています。午前中にはポスターとパンフレット校正の打ち合わせに同席しましたが、近年は少子高齢化の加速に伴いイベント広報の在り方にも工夫が必要になって来ています。これまでのようなテレビコマーシャルやパンフレット配布だけではなかなか、広く確実な情報を市民に伝えることが困難となっているほど、価値観も多様化を迎えているようです。

卑山の花菖蒲祭も今回で35年目を迎えます。園内の紫陽花に加え、3年目を迎えた薔薇園では妻が手塩にかけて育てている幾種類ものバラが見事な花を咲かせます。長い長い雪の季節から解放され、多くの木々や花達に囲まれる初夏を一気に迎える水無月は本当に楽しみです。雪解けを待って園内整備が始まりますが、花菖蒲の世話も早38年間になり、当初の色々な苦労が思い出されます。和尚にとっては一年に一度の花達との会話期間でもあり、まもなく整備のスタンバイに入る予定です。


今日は、以前卑山に勤められていた木下昭子さんが豪雪被害お見舞いと手造りのケーキを持参くださいました。出来立ての温かいチーズケーキ、冷やしてから食べてくださいとの忠言でしたが直ぐに頂きましたよ。「ホットチーズケーキ」で、とても美味しかったです!御心遣いを頂き、厚く御礼申し上げます。境内の融雪作業が急ピッチで進められ、少しずつお庭も元の姿を現しつつある昨今です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1654話 】
2018年 02月 27日 談

雪解けの山里の風景には気持ちも和むものです。本日は檀信徒総代はじめ福井県・福井市文化財保護課の担当者様そして修理委員会の責任役員総代、卑山会計顧問片岡正明氏ならびに東京より文化財建造物保存協会技術主任・佐藤武王氏の御出席のもと、この度の重要文化財建造物豪雪被害状況の視察と今後の修復についての説明と指導を受けました。

雪が融けるにしたがって各御堂の被害状況が明るみになっていますが、修復は緊急を要するため本日の臨時会議となりました。屋根瓦の修復は明日より開始される事となり、一刻も早く雨漏りを防ぐことが求められています。修復工事は普段からお世話になっている上田工務店が担当されるため、さっそく上田社長が現場視察に来寺されました。

開山堂の被害状況を確認されているようす

今回被害を受けた場所は、老朽化による腐食が原因で雪の重みに耐えられず損壊したものが多く、これから始まろうとする全面修復工事の必要性を痛感するものです。ピョンチャンオリンピックで大活躍されたアスリート達の金メダルの重みもさることながら、こちらは豪雪被害による心身疲労の重みがどっしり来るもので、世の中は色々な重みを感じ取るものですね。

さて、まもなく弥生三月を迎えようとしています。三月三日は桃の節句! 桃と聞いただけでなぜか心もウキウキしてきます。白色からピンク色に変わる季節! そして緑へと景色も変化していきます。一年でとっても初々しい季節! 大いにリフレッシュしたいものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1653話 】
2018年 02月 26日 談

栃木県在住の北條総代様から賜った「とちおとめ」 早速にお供え申し上げました

いや~、本当に暖かくて好天気の気持ちの良い一日となりました。今日のような日があるからこそ、雪国の人達は春が待ち遠しいわけですね。境内周りの残雪がみるみる融けていきます。「雨あられ 雪や氷とへだつれど 融くれば同じ 谷川の水」の心境です。

寳勝寺 中庭の残雪

日に日に 低くなっていく雪山

昨日は寺町1丁目の「桂岩寺涅槃会」に出頭しましたが、なんとも厳粛な法要でした。最近はお寺の行事に出頭下さる御寺院僧侶も減少する傾向に有りますが、昨日は12名が出頭され荘厳な雰囲気の中、涅槃会法要が営まれました。やはり多くの僧侶たちの読経ほど有り難く感じるものは有りません。檀信徒の方々もきっと法悦に浸った事と思います。

昨日の 桂岩寺様での涅槃会法要のようす

桂岩寺住職 蒲田敬章師 (撮影/現代写真スタジオ 加茂正光氏)

桂岩寺先代御住職様とともに

涅槃団子撒きのようす (写真はすべて加茂正光氏が撮影されたものです)

本日午後 桂岩寺ご住職 加茂正光氏 木曜坐禅会の佐藤氏とともに

午後からは、桂岩寺様と現代写真スタジオの加茂正光氏が来寺され、昨年10月に挙行された「本堂修復工事落慶法要・ふれあいパーク霊苑竣工式典」の記念アルバムの最終打ち合わせをしました。堂内には加茂氏が撮影された当時の集合記念写真が飾られています。記念写真を毎日見つめながら当時を懐かしく思い出し、お世話になった方々といつもおしゃべり出来る事がなにより嬉しく思います。

写真っていいですね~、色々な感情が蘇えってきます! 加茂氏の撮影技術には驚きを感じます。「ちょっといい話」のスチール写真も加茂氏が撮影して下さったものです。写真を通し今尚、思い出の語らいが止むことはなさそうです。友峰和尚より

とっても美味しそうな苺 を 誠にありがとうございました

友峰和尚のちょっといい話 【 第1652話 】
2018年 02月 25日 談

午前十時半より厳修された「桂岩寺涅槃会並びに旧五百羅漢修復開眼法要」に出頭しました。昨年もお伺いしましたが、今回は旧羅漢像二体の修復開眼供養も合わせて行われ、法要終了後には修復に携わった京仏師・富田珠雲師の講話がなされました。桂岩寺様には五百体以上の羅漢像が安置されており、「かなざわ羅漢の寺」として知られています。斎座(昼食)には写真の如く、珍しい模様の涅槃団子とパンダ柄のお寿司が配られ、各寺院住職から感嘆の声が上がり、住職同士の会話は豪雪時における除雪の苦労話でもちきりでした。

涅槃団子を頂きました / 桂岩寺様(寺町1丁目) 涅槃会法要にて

午後からはご法要のため出掛けましたが、金沢市内はすっかり雪も融け観光客の方々が多く往来し、寳勝寺カフェも終日賑わいを見せていたようでした。相変わらず福井と金沢を行ったり来たりの法務遂行の日々が続いており、少々疲労気味の状況! 七十歳はまさしく「古稀」で「こき使われる?」いや、そうでは有りませんぞ!「故郷に帰る」すなわち「自分のこころの原点に立ち返る歳」だと思います。皆様にこき使われるほど有り難いものは有りませんね。自分の存在感が無くなったら寂しい限りです。日々働ける喜び! まだ必要とされている喜び! 人生の喜びとは、いつまでも働けるところに生きがいを感じるのかも知れません。頑張りましょう!頑張りましょうぞ! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1651話 】
2018年 02月 24日 談

春一番が先日吹いたそうですが、今朝方の大安禅寺の境内には春の匂いを満載した「喜び風」が吹き抜けていました。街ではなかなか感じることの出来ない贅沢な感覚です。昨日に引き続き豪雪後の境内整備に当たり、少しずつではありますが観光寺院としての景観復旧の作業にも全力を尽くしています。玄関先の雪吊りを施された松の木はかろうじて大雪の難を逃れ、新しい芽を吹いている様を嬉しく眺めたものでした。

雪解け後の 境内掃除

卑山職員始め多くの方々から今も豪雪お見舞いの言葉を頂き本当に感謝しています。それにしても約350年の歴史を有した重要文化財の各諸堂ですが、約2メートルを超える積雪にも耐え、多くの被害が出たもののその本体はピクリともせず不動の体勢を保っているのは見事としか言いようが有りません。当時の匠達の堅忍不抜の精神が建物から伝わって来るようで、心から畏敬の念を覚えるものです。重要文化財とはそういうものであろうと感服し、また、修復保存し後世に伝えていく真意を見出すことが出来ます。山のように積み上げられた積雪も、今では観光客のインスタ映えの格好のシチュエーションとなっているようです。

さてさて一難去ってまた一難、今度は諸堂の全面修復工事に力を注いで参りましょう!「成せばなる 成さねばならぬ 何事も 成らぬは人の 成さぬなりけり」友峰和尚より

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