和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1710話 】
2018年 04月 24日 談

 

寺カフェの模様替え

自分の人生を振り返ってみると、ずいぶんと美術部門に関わって来たような気がします。小さい時より絵を描くのが好きで、最初は水彩絵の具を使っていましたが、高校の時は美術部に属し油絵なども描いていました。今は専ら墨が中心で、禅画や墨蹟に力を入れています。また造詣デザインやインテリアのコーディネートなども好きですから、寺内、特に寺カフェの設えにはかなりこだわりを持って、家具の調度品の色合いから配置に至るまで色々吟味しています。時折お客様から室内の雰囲気などを褒められると、大村崑さんでは有りませんが俄然メガネが下がる思いです。

昨日は終日会議だったため、本日は疲れた脳を休息させるためにも寺内の飾り替えをしてみました。まもなく五月端午の節句を迎えるので、子供の成長を願う縁起物の兜や鯉のぼりを飾ってみました。また先日には、茶室の座布団カバーを夏用にと高倉さんが作ってくれ、部屋がとっても涼しげな雰囲気となりました。ちょっとした模様替えでずいぶんと室内の雰囲気が変わるものです。勿論の事、一番変わるのは自分の気持ちですから、実に楽しい気分になるものです。

「風光日々新たなり」 「薫風南より来る」

玄関や居間に活けられた生け花も重要な役割を担っています。日本文化のデリケートな精神面がお客様に理解された時ほど嬉しい瞬間はありませんね。初夏を迎えて、心も思いっきりリフレッシユしていきたいものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1709話 】
2018年 04月 23日 談

臨済宗妙心寺派 滋賀北陸教区公職者会議 監査のようす / 大安禅寺 応接室にて

全国的に気温も上昇し、暖かく穏やかな一日となりました。本日は午後1時より、卑山にて「滋賀北陸教区公職者会議」が開催され、本年度の行事予定などを協議しました。それにしてもこの時期の黄砂や花粉には本当に悩まされます。ニュースではPM2.5公害も深刻な状況だとか。これだけ空気が汚染されては、外に出るのも億劫になってしまいそうです。新緑の美しい時期だけに残念ですね。

臨済宗妙心寺派 滋賀北陸教区公職者会議 / 大安禅寺 書院にて

さて、会議の方は順調に進められましたが、少子高齢化社会に於ける人口減少によって寺院の運営にも大きな影響が出始めているようで、広範囲に渡って討議が行われました。臨済宗妙心寺派滋賀北陸教区は、滋賀県・福井県・石川県の三県で構成されており、1年に2回開催される役職者会は各部間の大切なコミュニケーションの場でもあります。和尚は教区宗務所長を拝命して5年目を迎え、本山での協議にも出席している関係で、教区役職者の皆様に綿密な情報を伝達することが重要な役割となっています。

雪害修復工事 の ようす / 大安禅寺 宝蔵館にて

開山堂 渡り廊下の修復工事

バラ園の整備

クレマチスのつぼみ

会議の間にも雪害復旧工事が進められ、また庭園の整備も同時に行われ、全山が復興の中にあり気の抜けない状況が続いていきます。「ちょっといい事、もっといい事、もっともっといい事」、一日を通しても沢山あります。じっとしている事が一番いけない事なのかも知れませんね。早朝に先代住職(父)並びに先代寺庭(母)の年忌、月命日法要を営みました。歳を経るごとに両親への報恩菩提の気持ちが深まる今日この頃です。南無観世音菩薩 友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1708話 】
2018年 04月 22日 談

紅椿 さつき 瓢箪木

 

一日を振り返ってみて必ず心に思う言葉は「ありがとう おかげさま」で、ほかに言葉は見当たりません。和尚の母がつねづね口にした言葉も、「有り難う」のひと言でした。「有り難う」とは「今ある事が難しい」という意味で、言い換えれば無事であることを喜ぶ言葉です。

 

春麗らかな ふれあいパーク霊苑の風景

咲き揃う アジュガの花々

 

今日は母の祥月命日で九十二歳の人生を全うしたわけですが、実に素晴らしい母であったと感謝の気持ちでいっぱいになります。現在は妻が暁鐘を撞いていますが、以前は母が担当しており、鐘を撞き終わると必ず卑山鎮守堂に向かって柏手を打ち深く合掌をしていた姿を思い出します。和尚も、母に習っていつの間にか暁鐘を撞いた後は同じく柏手を打ってお祈りしています。明日は父の月命日ですが、父と母の命日が一日違いということも不思議な気がします。

 

霊苑での ご供養が営まれました

 

さて、本日はふれあいパーク霊苑での法要が営まれました。先祖の恩、父母の恩を忘れないように、日々感謝の気持ちの中で供養できる事に深い仏縁を思うものです。友峰和尚より

京都香老舗 松栄堂さまとともに

友峰和尚のちょっといい話 【 第1707話 】
2018年 04月 21日 談

青々と萌え始めた苔

長野県木曽郡 臨済宗妙心寺派各寺院への長い長い春季定期巡教を終え、本日夜半には新命副住職が帰寺予定ということで、午前中の「生き生き法話」には尚更集中して副住職の代役を果たしました。新命には本当にご苦労様でしたと労いの言葉を掛けたいと思います。近年の各寺院に於ける布教活動も、少子高齢化の影響からか大変難しくなっています。とは言え寺にじっとしていてはますます寺離れが加速する一方ですから、昔のスタイルに戻って積極的かつダイナミックに仏法の神髄を伝道して欲しいものです。

本日の生き生き法話にて

「辻説法」と言って、場所を問わずあらゆる街頭に立って説法した時代が有ります。全国に約7万4千もの寺院が有りますが、江戸時代に幕府より「檀家制度」を施行されてからは、次第にお寺の中での説法に変わっていったようです。近年、集会場を始めとする多くの葬祭場や会館が増えるにつれ極端な「寺離れ」が進んでおり、妙心寺としても高等布教師による全国巡教に特に力を入れています。さて、今日の「生き生き法話」のお客様は大阪からで、チョコレート菓子を製造する会社の社員の皆様でした。和尚もこのところはスポットでの法話となっていますが、お客様の笑顔が何より嬉しいですね。

平安時代作造と伝わる 大日如来座像を拝観される皆様

幕末の歌人 橘 曙覧(たちばなあけみ)の子孫の方々 子孫会の打ち合わせです

雪害修復工事が続いています

明日からは金沢寳勝寺、少林寺、傳燈寺での法務活動です。初夏の風を感じながらの法務遂行は実に軽快! ありがとう!おかげさま!の感謝の気持ちで頑張ります。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1706話 】
2018年 04月 20日 談

掃除三昧

気温がぐんと上がり、身体を少し動かすだけで汗が滴り落ちていきます。この時期の外掃除ほど痛快なものは有りません。冬場の地面にこびりついた落ち葉を剥ぐように竹箒を使って掃くのですが、掃いた後から緑色の杉苔が顔を出す様には感動するものです。なにしろ広い広い境内ですから掃除も簡単ではないだけに作戦が必要で、掃除場所の順番がキーワードとなります。また、山のように積みあがった杉葉を一気に燃やすときに立ち上る煙は自己の煩悩を燃やし尽くすかのように爽快です。子供の頃は立ちのぼる煙と戯れながら兄弟で忍者遊びをしたものでした。次々に訪れる訪問客を横目に、煙の如くモクモクと外掃除三昧!

大安禅寺 世話方さん

開山堂渡り廊下 雪害修復工事のようす

午前中には卑山上田責任役員総代ご夫妻を訪ね、日頃のご無沙汰を謝し久しぶりに長時間歓談しましたが、いつもながらの深いご理解と温かいご厚情には感謝申し上げる次第です。寺に戻れば孫が嫁に連れられて駐車場に設置された水車のオブジェで遊んでおり実に長閑な風景でした。禅語に「一日清閑一日福(いちじつせいかん いちじつふく)」と有りますように、心の安らかなことほど有り難く感じるものは有りません。上田総代御夫妻との和やかな会話の時間が一日の幸せを覚えた自坊でのひと時となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1705話 】
2018年 04月 19日 談

大安禅寺 雪害修復工事が行われています

メンテナンスとは「保守・管理・整備・維持」で身体に於ける日々の補強が欠かせない今日この頃、一昨日は膝関節の痛みから歩行が困難になり急遽整形外科を訪ねたのですが、先生の治療が余程効いたのか、今ではすっかり正座も出来るほどに見事な回復を遂げました。

昔の自分では到底考えられないくらい、身体のあちこちに故障が生じて来るのは和尚だけの現象では有りません。言い換えれば、年齢的にも実にマニュアル通りだと思いますから、日頃からのきめ細やかなメンテナンスが必要だということです。レントゲン映像による先生の診察所見によれば「問題ない」との事でしたが、やはり運動不足から来る老化現象に違い有りませんね。

さて今日は自坊に戻って現在進行中の雪害復興修復工事の現場視察と工事打ち合わせをしました。こちらは建造物のメンテナンスです。この世の全てのものはメンテナンスなくして後世に伝えて行くことなど不可能な話です。そこで皆さん!身体のメンテナンスは「善は急げ」だと思います。愚図愚図していると手遅れ状態になってしまいますから、身体のどこかに違和感を覚えたらすぐに検診しましょう。「笑う門には福来る!痛む身体にホスピタル!」ですね。身体の不自由さを感じるにつれ、歩けること、物を持つことが出来ること、話せること等々、本当に有り難いことです。当たり前のように思っていた事が当たり前でなかったとつくづく反省する毎日です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1704話 】
2018年 04月 18日 談

暖かい朝を迎えましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 昨日は膝に激痛が走り、慌てて川北病院を訪ね治療して頂いたおかげで今日はすっかり痛みも取れ安心しました。もっと早く病院へ行けばよかったと反省です。身体のどこかに痛みがあると、心もどこか憂鬱になるものです。健康ほど大切なものは有りませんね。

さて、朝一番に、お抹茶の点前指導をしました。加藤さんから前々より依頼されていたお抹茶の点て方について、簡単な「盆略点前(ぼんりゃくてまえ)」を披露し説明しました。和尚が茶道の御点前を習ったのは遠い遠い昔の海清寺専門道場での修行時代で、最早ほとんど記憶から遠ざかっていましたが、今回はその当時を思い出しながらの指導でした。禅寺と茶道は切っても切れない関係に有りますから、お抹茶の点て方については熟知しておりますが、指導となると話は別です。

なんとか指導の方はクリアしたようで、加藤さんも今後はきっと美味しいお抹茶をお友達に提供できること間違いなしですね。めでたしめでたし。夕刻には、今月二十九日に兼務寺院・少林寺で行われる「茶道裏千家淡交会・石川県青年部教養委員会 坐禅茶道研修」の現場視察ということで、事務局の方々を少林寺へ案内しました。こちらは本物です。少しずつながら少林寺でもお寺を活用しています。

少林寺 奥様 と 事務局の方とともに

今日は本多町・瑞光寺も合わせて法務で出向きましたが、初夏を迎えて次第に活動も活発になって来たようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1703話 】
2018年 04月 17日 談

火曜日は休寺日で寺カフェも休業、今年の冬は毎日除雪に追われ膝関節が炎症を起こし坐禅が出来なくなって来たため、いつもお世話になっている川北病院(整形外科)を訪ねました。おそらく皆様の中にも除雪で膝や肩を痛め、通院を余儀なくされている方も多い事と思います。今頃になって膝がズキズキ痛み、就寝中には激痛に襲われる始末!すわ一大事ということで、本日は川北先生に詳しく診察して頂きました。

とっても優しく物腰の柔らかな「ベン・ケーシー」を思わせるダンディな川北先生、対面すると痛みもどこかへ飛んで行きました! とは言え、寺へ帰れば元に戻ってしまうわけですから、しっかりとお薬を処方して頂き、万全を期しました。近くに整形外科病院が有る事を心から有り難く感じた次第です。

休寺日の寺内は全くに静まり返り、気分爽快で部屋の大掃除をしましたが、溜まり溜まった書類の整理には閉口してしまいました。そんな最中にも大安禅寺からは職員より色々な情報が刻々と伝えられて来ます。昨年のこの時期のブログを懐かしく振り返りながら、新たな境地を模索しています。自坊では6月2日より開催される「花菖蒲祭」の準備が着々と進められており、妻が手掛ける薔薇園の花のつぼみも日々すくすくと成長しているようです。金沢までお花の香りが漂ってくるような気がしてきた今日この頃です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1702話 】
2018年 04月 16日 談

あけびの新緑 / 寳勝寺にて

近年の若者達のファッション感覚には目を見張るものが有ります。和尚の青春時代などは「ファッション」とか「おしゃれ」という言葉も知らないほど関心が有りませんでした。と言うよりきっとお金が無かったからなのかも知れません。JR金沢駅構内のお店には所狭しと素敵な洋服が陳列されており、そのデザインや機能性には心を惹かれるものです。今少し若かったら、和尚も今時の若者みたいに目いっぱいおしゃれをして街に出掛けてみたいものですね。本当にうらやましい限りです。

 僧侶は衣姿(ころもすがた)が一番だと思いますが、近年の青年僧の方々は洋服の着こなしも上手で、法要などを終え普段着に着替えて帰寺する時の姿はまるで服飾雑誌から飛び出て来たかの如くおしゃれで、とってもダンディーな姿には圧倒されてしまいます。でもいいですね! 昔では考えられない事でした。和尚など道中着は衣か作務衣でしたが、最近では洋服も着るようにしています。普段は衣姿なので、道中で知人と出会ってもなかなか和尚とわかってもらえないことが多々あります。それくらい僧侶と黒衣は一体のものと捉えられているようです。

着物姿の若者達 / 寺カフェにて

時代と共に服装も価値観も変化して行きます。子供の頃は着物姿の方を多く見かけましたが、今日ではさすがに殆んどの方が洋服になっています。いま、金沢では若者達が着物姿で観光地巡りをしている姿を多く見かけますが実にホッコリするものです。いつの時代も、ファッションは若者達の一番の専権事項となっているようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1701話 】
2018年 04月 15日 談

外国人観光客の 坐禅体験観光コース

青葉若葉の初々しさが目に染み入るような爽やかな朝を迎えました。雨上がりの境内の風景は格別です。本堂の本尊佛を始め歴代の祖師位牌並びに両親の位牌、檀信徒各各祖霊位牌にお香を供え、朝のご挨拶とともに心の安心に感謝申し上げる時間は、和尚にとって至福のひと時でも有ります。

「無事是貴人(ぶじこれきにん)」 この禅語に於ける「貴人」を「無事是無事の人」と言い換えたほうが、自分に合っているかも知れません。「無事」であることがどれほど有り難い事か、心の底から感謝するものです。されど、この「無事」さえも刹那のものですね。油断は大敵ですし、「好事も無きに如かず」だと思います。

午前中はお檀家様の年忌法要を営み、午後からは家族動物霊堂での慰霊祭と外国人観光客の坐禅体験観光コースの指導をしました。副住職が春季巡教で長野県木曽郡に出帳中の為、現在は大安禅寺にて法務を遂行しています。ここ数年、副住職に自坊の法務をほとんど任せている為か、久しぶりの自坊での法務には大変神経を使うものです。

平安時代塑造 文殊菩薩坐像 の 説明 / 坐禅修練道場 枯木堂にて

殿鐘の音色 を 披露しているところ

本堂御成の間にて 殿様 お姫様体験

午後より 大安寺家族動物霊堂 慰霊祭での法話

多くの皆様がお参りに来られます

廣岡さまとともに

後継者不足が問題視されている今日ですが、成る程、後継者がいる事をしみじみと有り難く思います。うっかりすると人間は自分が歳を取っていくことを自覚せず日々を過ごしかねません。「いつまでも 有ると思うな 親と金」若き頃、親から聞いた言葉でしたが、古稀を越えて心から納得です。一日一日、元気に法務を遂行して参りたいと願うものです。友峰和尚より

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