和尚のちょっといい話
盂蘭盆会を前に金沢・野田山霊苑には多くの方が墳墓のお掃除に来ていました。寳勝寺お檀家様のお盆祖霊供養と納骨諷経のために久しぶりに野田山墓地を訪れましたが、近年では危険野生動物が出没するとのことで墓参も減少傾向に有り、墓じまいをするご家族も増えてきているように思いました。
野田山と言えば加賀藩主・前田利家公代々墓はじめ多くの御家来衆の墳墓が有り、史跡ともなっています。お檀家様の隣には、禅宗哲学で有名な鈴木大拙博士の墳墓があり、実に綺麗に掃除が成されていました。お盆には金沢市民の多くの方が墓参に訪れる為、毎年のように自家用車で大混雑となっています。
北嶋様ご夫妻とお孫さんとともに
午後からは、福井市より北嶋幹補様ご夫妻が来寺下さり久しく歓談しましたが、これからは次第にお盆参りの御檀家様の来寺も増えるため、その準備に入っています。7月はお盆月、どうか皆様、御先祖のご供養を通し感謝とともに御家族の無事安寧を祈念いたしましょう。友峰和尚より
梅雨前線の影響を受け、豪雨による熊本県球磨川の氾濫は地元に甚大な被害を及ぼしています。人吉市はじめとする多くの市町村に渡って臨済宗妙心寺派の寺院が有り大変心配しています。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
宝勝寺 境内を流れる雨水
石川県内にも大雨洪水警報が一時出され緊張感が走りましたがまだまだ油断できない状況です。最近の豪雨は1時間に300ミリ以上のまるでスコールのような降り方をする為、事前に察知して対応できないほどの災害が突然起こり、本当に気がかりです。
盂蘭盆会を前に 御内陣の掃除をしました
今月の盂蘭盆会を目前にしてその準備に入っており、コロナウイルス感染防止対策にも気配りしています。本日は少林寺お檀家の木村様が盂蘭盆会祖霊供養依頼の件で来寺され、久しく歓談出来た事を嬉しく思っています。
少林寺檀信徒 木村様とともに
行事当日にはなかなか十分なお話が出来ないため、最近では事前に来寺下さる方が増え有難く感じています。祖霊供養を介し檀信徒皆様との懇親も深まりつつある昨今です。友峰和尚より
昨日は文化庁より武内正和文化財保護調査官ならびに福井県生涯学習・文化財課、福井市観光文化局文化振興課の担当職員、そして修理委員会・吉岡泰英会長、文化財建造保存協会より安田氏、高木氏、また卑山副住職が出席し、午前午後に渡って山門と本堂の修理工事状況の綿密な視察が行われました。
本堂 屋根部にて
山門 屋根部にて
山門 地上部にて
本堂 建物内にて
打ち合わせを無事に終え、本日は再び山門を視察したのち盂蘭盆会準備のため金沢に入りました。山門もこれまで幾度か修理が施されてきましたが、写真でご覧の如くかなり破損が進み、今回の大修理保存工事はギリギリのところでの修復時期で有ったように感じました。
今朝 再び山門屋根部に登りました
所々 激しい破損があります
山門修復工事が完成すれば、創建当初の威厳ある姿が復活することと期待しています。本来は真ん中の石段が創建当初の参道で、今後復元が待たれるところです。
山門屋根から 旧参道を望む
旧参道の脇に 独鈷水(とっこすい)公園
山門左側の渓流沿いには、平成5年より7年にかけて、福井県の「せせらぎ渓流保存整備事業」で復活した独鈷水(とっこすい)公園が有り、蛍の生息地ともなっています。山門より大安禅寺に至る参道の整備も合わせて今後も進めていきたいと思います。友峰和尚より
午前9時より文化庁・武内正和文化財保護調査官が来寺され、現在進行中の本堂を始め山門修理保存工事について、関係者会議ならびに現場視察が行われました。
松雲の間で行われた会議では、最初に文化財建造物保存協会現場主任・高木氏による説明がなされ、特に山門に関する今後の修理保存方法について資料などが示されての丁寧な現状報告となりました。
会議終了と同時に、滋賀県東近江市の臨済宗妙心寺派寺院・長勝寺住職が寺用で来寺され、隠寮にて久しく歓談しました。境内には本堂屋根瓦を外す作業の音が木霊していましたが、梅雨の晴れ間のなか小鳥達のさえずりもまた賑々しく、まるで団体拝観者の声かと錯覚するほどでした。
花菖蒲も薔薇もすっかり花を落としましたが、今は紫陽花がひときわ美しく咲いています。庭師の末政幸憲氏がツツジの剪定に励んでおられる姿はとても83歳には思えない程でした。人呼んで「仏の末政さん!」本当にその通りです!
卑山の御用達庭師さんで、御縁を得てすでに40年が過ぎました。大安禅寺のお庭が美しいのは末政さんの恩徳によるものと深く感謝するものです。友峰和尚より
アカショウビン
アカショウビンがけたたましく鳴いて谷を渡っていきます。綺麗な谷川に住むというアカショウビンですが、この時期は毎年のように訪れます。
大安禅寺 庫裡玄関前の草引き
鳴き声を横に聴きながら境内の草引きをしましたが、取れども取れども夏草は「無尽蔵」で、天気の状態を見て除草剤を散布することにしました。庫裏玄関は現在、本堂の修理工事中で使用されていませんが、お掃除だけはきちんとしておかねばなりません。
玄関前に咲く紫陽花は参詣者を迎えるわけでも無く、ひっそりと咲いているのがまた可憐で美しく感じます。鐘楼もまもなく解体されるため、現在鐘撞きは休止されていますが、毎日欠かさず撞いていただけに鐘の音を懐かしくも思うものです。
さて明日は東京・文化庁より調査官が視察に来られるというので、本日自坊に戻りました。本堂修復保存工事も順調に進められており、有り難く感謝する毎日です。友峰和尚より
日中友好の朝顔 成長中です
梅雨の真っ最中ゆえに、日々の気温が定まりません。一日の中でも温度差が激しく、就寝時には暑くても朝などはうっかりすると風邪を引きそうになるほど気温が低くなるため油断は出来ません。コロナ禍に有ってクシャミなどしようものなら周りから怪訝な眼で見られてしまいそうですから要注意ですね。
宝勝寺 中庭にて / アガパンサス・ろう梅・縞ススキ
ノウゼンカズラ ・ 承証寺様 本堂を修復中
さて、6月も今日までで、今年も半分が過ぎてしまいました。ここに来て漸くウイルス感染予防対策にも慣れ、平常のリズムに戻りつつあります。振り返れば2月から6月までの5か月間は、毎日が本当に緊張の中での生活だったせいかアッと言う間に過ぎ去った感が有ります。
7月からは一日一日を大切に、これまでの時間を取り戻し感染防止に留意しながら年中行事や法務に集中して活動していきたいと願っています。人生苦あれば楽あり!刻苦光明必ず盛大なり!エイ!頑張って参りましょう!負けてたまるか!!友峰和尚より
クチナシ
宝勝寺 中庭の掃除
まもなくお盆月、7月「文月(ふみつき)」を迎えますが、今年は野町・少林寺が7月11日(土)、寺町・寳勝寺が12日(日)のいずれも午前10時半より盂蘭盆会を厳修する予定となっています。
すでに各御檀家様には案内状が送付されており、多くの方から出欠のお返事を頂いています。今年はコロナウイルス禍の中での法要となる為、感染防止対策には十分に配慮して修業したいと思っています。また今年は盂蘭盆会厳修後に「コロナウイルス疾病退散」「健康安心」ご祈祷も合わせて執り行う予定です。
山吹 伸びた枝葉を 剪定しました
お盆前ということで本日は中庭の掃除をしましたが、このところの雨続きであっという間に草茫々の有様でした。夏草の勢いには圧倒されてしまいます!どれが茶花かも見分けがつかないくらいでした。やはり日々怠りない掃除が大切のようです。自分の心も草引きと同じくすっきりした一日となりました。友峰和尚より
吉田さんご夫妻とともに
昭和34年9月27日 得度式 / 大安禅寺本堂にて
大安禅寺の山門修復保存工事が現在進められています。その山門横を通過するときには、車内に有って必ず合掌しています。以前は山門の中央を通り抜けていましたが、大型観光バスが通れるようにと今から約40年ほど前、山門横の道路工事をしました。
山門は「三門」並びに「産門」とも言い、寺院に於いては極めて重要な建造物です。確かに、卑山に於いても創建当初(1658年)は山門と中大門と本堂門の三カ所に門が有りましたから、その意味では「三門」が正しい呼び方なのかもしれません。
和尚の晋山式(住職就任式)の際には、山門で入寺の誓いを告げる香語(偈)を唱えてから門をくぐりました。 思えば昭和34年9月27日、小学5年生の時に得度式(僧侶になる式)を挙げて今年で法臈(ほうろう)62年になります。山門を通過する度に昔を懐かしく想う今日この頃です。友峰和尚より
令和2年6月28日 山門修復保存工事
卑山責任役員総代 藤田通麿様と / 愈好亭にて
コロナウイルス禍の中、梅雨前線の影響で大雨となっている県に於いては避難所生活を余儀なくされている方も有るとか、本当に心配は増える一方です。北陸地方も、本格的な豪雨は7月期に予想されるので気が抜けません。今日は梅雨も一服といったところで午前中から参詣者が訪れていましたが、青空を見るとホッとするものです。
大安禅寺 総代会にて
午後1時より、卑山盂蘭盆会並びに棚経の打ち合わせ会議が総代様参席のもと行われました。周知の如く新型コロナウイルス感染への心配は尽きませんが、県境をまたぐ移動も解除されている事を考慮して例年通り行事を開催する事になりました。
祖霊供養の大切さは勿論のこと、疾病退散、健康安心、家内安全のご祈祷も住職としての重要な勤めです。お盆の棚経で檀信徒各家にお参りする際には、特に今回はコロナウイルス疾病退散祈祷も合わせて行いたいと念じています。「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま オンコロコロ コロナウイルス消滅 八苦退散 ソワカ」 友峰和尚より
大安禅寺 修理保存工事中の本堂 境内にて
本堂内部のようす
大雨洪水警報が福井市内に出され大変心配しましたが、午後には小降りになり安堵しました。松浦建設㈱・東野現場監督の案内で現在進行中の本堂修理保存工事現場を視察して回りましたが、スケルトン状態の堂内に有っては全く不思議で、300年前にタイムスリップしたかのような感じで創建当時の面影を偲ぶことが出来ます。
松浦建設㈱・現場監督の東野氏とともに
解体された床木には宮大工が書き記した墨の後がくっきりと残されていました。さらに本堂屋根にも上ってつぶさに観察すると、実に細かい大工仕事を目の当たりにすることが出来、大満足でした。
本堂屋根に上りました
視察後は現場の方々としばし歓談しましたが、今後約10年間に及ぶ修復工事だけに話題は尽きず、コロナウイルス禍の状況であることを忘れるくらいに楽しい時間を過す事が出来たようです。
大工棟梁の前田氏 と 東野氏です
文化財建造物保存技術協会 の 高木氏 と スタッフの方々とともに
工事のため人通りのなくなった鐘楼へ向かう参道脇には紫陽花が見事な大輪の花を咲かせていました。何もかもが異時空間に居るような錯覚を覚える自坊で過ごすひと時となりました。友峰和尚より