和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第2740話 】
2021年 02月 16日 談

「 自燈明 」 伝統工芸士 長田和也氏による手漉越前和紙

「ワクチンでラクチン」と行くでしょうか? 新型コロナウイルス感染予防のワクチン接種が国内で愈々医療従事者の方から始まるそうですが、イスラエルではすでに大きな効果を上げ、感染者が急激に減少しているとの報道で本当に期待したいものです。

「 知 足 」

次は65歳以上の高齢者を対象に優先的に接種が開始されるそうですが、全国には約4千万人ほどおられ、大変な作業になることが予想されます。東京オリンピック開催を視野に入れての接種だそうですが、最早残された時間はあまりにも少ないように思うものです。

「 一期一会 」

さて、昨晩から再び寒冷前線の通過ということで、金沢市内は風速25メートルという猛烈な強風の吹き荒れる一日となりました。また夕刻からは雪模様になり大雪注意報も出されましたが、東北地方の方々にはコロナウイルス禍の中での地震被災と猛吹雪に見舞われている状況を思うと本当に心が痛みます。

「 身心一如 」

北陸地方を襲った先般の豪雪被害が遠い昔の出来事のように忘れ去られ、常に次の災害への備えを必要とする昨今の現状ですが、「災害は忘れた頃にやってくる」という格言は今の時代には通用せず、日頃から防災対応の意識を高めながら、お互いの協力と助け合いが不可欠となっているようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2739話 】
2021年 02月 15日 談

フランス・サンリス市に在住の画家 荒木芳栄さんから新しい作品が届きました。縦横13センチの額に入った小作品の版画ですが、和洋のオリジナリティある可愛らしくモダンな絵柄で、これまでの作風とは一味違った雰囲気が有ります。

2019年、サンリス市で開催された「アートサクレ芸術祭」に 招待禅僧として参加しましたが、あれから早や丸2年を迎えようとしています。昨年2月に突然、新型コロナウイルスが発症しヨーロッパ全域にも拡大し、フランスパリも現在は厳しい外出制限が発出されているらしく彼女の個展開催も難しい状況に在るとの事で、この度は 小作品のみ展示用に送られてきました。

今後は寳勝寺で展示し、カフェが再開されましたら販売しようと考えています。ブログをご覧いただいている皆様で作品ご希望の方は是非、寳勝寺事務局までお申し出頂ければご送付申し上げます。

さて明後日から北陸地方は大雪になるとか。再び境内の融雪パイプ設置をしましたが、まだまだ春の到来は先に持ち越された感が有ります。宝勝寺カフェが再開できましたら荒木芳栄さんの作品を含め「ペコラモコラ」の羊毛フェルトの作品など、春の装いにアレンジして展示販売してみたいと楽しみにしています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2738話 】
2021年 02月 14日 談

「 無 今日無事 」 大安友峰 書

今の気候はいっだいどうなっているのでしょか? 温暖化現象なのか?異常気象なのか? とにかく今日も18℃と、この時期の気温では有りません! また明後日ごろからは大雪になるとかで、本当に気候変動が心配されます。

寺町 桂岩寺様とともに

昨晩は再び大地震のニュースが速報で流れましたが、このことも近年の異常気象と関係があるのかも知れません。地震お見舞いの電話をしましたが、今のところ皆様御無事ということで安堵したものの心配は絶えません。コロナウイルス禍の中、被災者の皆様には猶更ご苦労が重なるだけに心からお見舞い申し上げますと共に、早く収まることを願うばかりです。

大学時代にアルバイトに来てくれていた 吉田くんとともに

午前午後とも来客者の応対に当たりながら地震の続報ばかりが気になる一日となりましたが、今日はくしくもバレンタインデー、孫達が送ってくれた手作りチョコレートが何より心を癒してくれました。孫達の未来の為にも、コロナウイルス感染の収束と地球環境が穏やかになってくれることを祈るばかりです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2737話 】
2021年 02月 13日 談

なんと日中気温が18℃と、少し汗ばむような一日となりました。午前中にはふれあいパーク霊苑スタッフのお一人が退職されるというので送別の茶礼をしましたが、学生の皆さんも間もなく卒業式を迎えるように別れは実に寂しいものです。

卒業式に学生全員で唱和する楽曲も、和尚の頃の「仰げば尊し」とは違って最近は有名アーティストの歌が主流となっているようで、明るく感謝の気持ちを込めた人気の歌で卒業生を送るのはいいですね。昔は「蛍の光」も卒業式の定番曲でしたが、現在はどうなんでしょうか?

少林寺坐禅場

さて、午後から少林寺に出向きアトリエ整備の準備に入りましたが、静まり返った堂内でしばし坐禅をしてから作業を開始しました。禅寺の本分は坐禅にあり!坐禅なくして禅寺とは言わず!でしょうか。わずかの時間の坐禅でもずいぶんと気持ちが落ち着くものです。コロナウイルス禍の中でしばらく中止していた坐禅会をそろそろ少林寺で開始したいと願っています。友峰和尚より

孫達から 手作りチョコレートが届きました

友峰和尚のちょっといい話 【 第2736話 】
2021年 02月 12日 談

「 一黙如雷 」 渓仙

時として人は多くを語らないほうが相手に真意を伝えることが出来るもので、仏教経典「維摩経(ゆいまきょう)」の中に「一黙如雷(いちもくらいのごとし)」という維摩居士の言葉があります。お悟りの心境は言葉では言い表すことが出来ないとの意味でも有り、言えなくて黙っている事では無く「黙する行為」そのものが真如の当体であることを示しています。

月命日忌諷経を修業致しました / ふれあいパーク霊苑にて

しかしながら人間は言葉を以って自分の本意を相手に伝達するわけですが、その言葉の表現には限界があるのも現実で、それを補うために身振り手振り、また参考資料などを提示しながらより分かりやすく説明することが求められます。その点、自然の有様は実に正直で「無言の経」を唱えているように感じるものです。言葉に困ったときは自然の営みを観察するとおのずから解決の糸口が発見できるかもしれませんね。

植栽整備 / ふれあいパーク霊苑にて

さて本日はご供養の日となりましたが、霊苑内では春の訪れとともに植栽整備が職員の手によって行われていました。境内をぐるりと一周しましたが、山門には春の日が注がれ「玄関」としての役割を果たしているようでした。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2735話 】
2021年 02月 11日 談

大安禅寺 庫裡玄関にて

穏やかな日和の一日となりましたが、このところの寒暖差の激しい気温の変化に対し健康管理には十分に気をつけて頂きたいと願っています。朝方、境内を一巡して工事の進捗状況や豪雪による建物の被害箇所など見て回りましたが、思ったより被害が少なかったようでひと安心しました。ただ、豪雪の影響で野生のイノシシ達も食料が少なかったのか、境内のあちこちが掘り返されおまけに猪除けの柵までも無残に破壊されており、雪解け後にはその後始末が待っているようです。

駐車場の 山水の水車

庫裡玄関から望む工事中の本堂素屋根にも何処となしか春のぬくもりを感じ、また駐車場の隅っこに設置されている幾つかの水車の音が心地よく響き渡っていました。「いいですね!」「何がいいのですか?」「いや風流ならざるところまた風流って感じがいいんですね」。いつもと変わらない駐車場の風景ながら、水車の水の音そしてそよと吹き抜ける風の冷たさ、また黒ずんだ残雪の雪解け水・・なんだか気持ちが落ち着きます。心の安らぎは、なんでもない風景の中から伝わって来るように思いました。南無観世音菩薩 友峰和尚より

「越前 水仙之図」2008年制作

友峰和尚のちょっといい話 【 第2734話 】
2021年 02月 10日 談

大安禅寺 庫裡裏山の砂防工事

轟音(ごうおん)とともに門塀をくぐり抜けて行く工事車両には驚きましたが、現在卑山庫裡裏山で大規模な砂防工事が行われており大型車両が境内を往来し、また同時に諸堂修復工事も行われており境内はまるで戦場のようです。

午前中に藤田通麿総代ならびに修理委員会会長の吉岡泰英氏と御子息、高木現場主任、新命副住職を交え修理工事の現場視察と進捗状況について愈好亭で懇談しました。新型コロナウイルス禍のため観光も停止され寺全体が工事一色の様相となっており、今までの観光寺院の風景とは全く違った別空間を感じます。和尚のアトリエも修理中で今後は金沢に墨蹟禅画制作の拠点を移す予定です。

和尚のアトリエにて 建具屋さんが作業中

修理委員会会長 吉岡泰英氏と御子息

文化財建造物保存技術協会・高木現場主任 と 新命副住職

昔の大安禅寺山門写真を御覧になっているところ

自坊での日々の生活リズムは和尚の大休息を主としていますが、それだけに精神的余裕も生じ、コロナ禍終息後の構想を練るうえで重要な脳トレーニング時間ともなっています。健康管理と精神的発展は比例するものですから、大安禅寺で過ごす数日間は和尚にとって大切な休息タイムのようです。

責任役員総代 藤田通麿氏

さて社会全体がテレワークに移行する状況に有り、ウイルス感染予防の観点から今後の寺院運営もSNSやインターネット通信網の利用を余儀なくされており、月参りや法要そして法話に坐禅等すでにオンラインでの発信が始まっています。いま何を成すべきか!またどう有るべきか! 拈提(ねんてい)の日々が続いています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2733話 】
2021年 02月 09日 談

和尚のアトリエから望む 春の光

春雪です! 柔らかく真綿のようでフワフワ感が漂う淡雪は実に心が和むものです。いつまでもいつまでも見入ってしまい、春の訪れを待ち遠しく思うものです。

愈好亭の春雪

季節はまだ2月、北陸地方の降雪はまだまだ続きますがそれでも春の到来を待ち望む気持ちには変わりありません。午前中には卑山女性部の花園流ご詠歌の練習が妻の指導のもと枯木堂で行われていましたが、コロナウイルス禍の中に有る事を忘れてしまうくらい爽やかで美しい詠歌を奏でる御婦人皆様の声が堂内に響き渡り、こちらでも春の訪れを告げるかのようでした。

庫裡玄関にて

和尚の日課は掃除から始まりますが庫裡玄関の掃除は特に大切で、現在は修理保存工事中のため使用されていないだけにより丁寧に行っています。仏教の教理を示す言葉は沢山ありますが「脚下照顧(きゃくかしょうこ)」もその一つで、「自灯明 法灯明」の如くに常に自分の心と対象物が一つになるところに真理が自覚出来るものです。

掃除がひと通り終了し玄関全体を眺めて見れば衝立の達磨図が古びてあまりにも悲しげな顔をしているように思ったものです。達磨図は今から約30年ほど前、庫裡玄関を修復した記念に描いたものですから仕方のない事ですが、5年後に現在の庫裡が全面解体修復されるのを機に新たな七転八起達磨図を制作しようと思いました。

それしても庫裡玄関には厳として「韋駄天神」が卑山をお守り下さっている事に感謝したお掃除となりました。人生は一に掃除 二に掃除です!皆様!掃除を日々徹底してコロナウイルスを消滅退散させましょう!オンイタテイタモコテイタソワカ! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第2732話 】
2021年 02月 08日 談

「和心 大道を生ず」 平成戊子 大安渓仙 書

「無事」 令和庚子 大安渓仙 書

自坊での仕事と言えば各部屋の整理整頓となっています。5年後に始まる重文庫裡第2期修復保存工事のために、住居として使用している庫裡の自室や屋根裏部屋そしてアトリエなどを整理しつつ、今後の歴史的資料として残しておく物を仕分けしながらの作業となっています。

「歩々是道場」 平成己丑 大安友峰 書

「虎 一聲清風起る」 平成庚寅 友峰 書

「 龍は起つ一潭の氷 」 平成壬辰 渓仙 書

いつもそうですが、整理を始めて色々なこれまでの資料を見ていると、どの品も懐かしくなり時間が掛かってしまいます。今日はアトリエと執務室の整理をしましたが、長きに渡って描いて来た干支色紙などはカビが生えかかっており、ギリギリ資料として残しておけそうな状態でした。

「即身即佛」 平成十三巳年 大安友峰 書

「天馬 空を行く」 平成十四午年 大安友峰 書

「天地一指」 平成甲午 渓仙 書

今年の干支は「丑」でしたが、以前描いた丑の図も保管されており、恐らく干支色紙描きも本年で2巡したものと思われます。これまでの作品を少し紹介させて頂きますが、本当に自分が描いたのかと驚く作品も有ります。

「好日」 平成十五癸未年 大安友峰 書

「福寿圓満」 平成甲申 大安友峰 書

「福寿圓満」 平成甲申 大安友峰 書

過去の作品と現在の作品とを比べてみると、やはりずいぶん違うものです。何が違うのか?どこが違うのかは、自分にしか分からない世界なのですが、一番違いを感じるのは描いた干支の図の「画力」なのかも知れません。絵の持つ存在感と言った方が分かりやすいかも知れません。どの色紙もその時その時で一所懸命に描いて来た事には違い有りませんから、干支作品の記録として保存しておこうと思います。

「閑日」 平成乙酉年 大安 書

「日々好々日」 平成乙酉年 大安友峰 書

「敬天愛人」 大安友峰 書

「日々是好日」 平成丁酉 渓仙 書

「和気 萬福を生ず」 平成丙戌年 大安 書

「日々是好日」 平成丙戌年 大安 書

今年の干支「丑図」描きはひと段落していますが、そろそろ来年の干支「寅」の準備に入りたいと思っています。さて今朝方は一面真っ白の雪景色となり、再び寒さが戻ってしまいました。春の到来はまだまだ遠いようですね。どうか皆様、風邪には十分気をつけてお元気にお過ごしください!友峰和尚より

「無心」

「吾道 一以って之を貫く」 平成己亥 大安友峰 書

友峰和尚のちょっといい話 【 第2731話 】
2021年 02月 07日 談

境内に残る雪山 / 大安禅寺にて

豪雪による屋根雪の残雪がまだまだ多くあります。東京では春一番が吹いたそうですが、北陸地方も境内を取り巻く山々は確実に向春の様相を濃くしてきた感が有ります。もうまもなく春一番の暖かい南風が吹くものと期待していますが、2月も早1週間を過ぎ気持ちは逸る一方です。

現在順調に大安禅寺修復保存工事が進められていますが、既存の建物を創建当初の形に忠実に復元する為に過去の建造物写真の提示が求められており、両親の古いアルバムや記録写真を探しています。そもそも写真機そのものが昭和初期には高価で貴重なものでしたから、モノクロ写真と言えども資料として現在まで保存されているのは大変少ないものです。幸いに先代住職でも有る父が視聴覚に造詣が深かった為、当時の建造物の写真が僅かながら残されています。

卑山山門前で撮影された昭和20年頃の記念写真ですが、よく見るとその当時大変珍しい外国車2台と外国人そしてその横には昔の籠が映っており、背景の山門も当時のままで石組みの階段が有るのが確認できます。また右側には茅葺の民家が建っているのも印象的です。紋付き袴姿の地元の有志の方はじめ住職並びに松平家の関係者と思われる方々も見受けられ実に興味深い写真です。山門の姿もきちんと映されており、今後の修復保存工事に大いに役に立つことと思います。

修復保存工事中の山門 (2020年6月撮影)

長き時代を経ても建造物だけは修復保存をしながら創建当初の姿形をそのまま伝承していく事に歴史の重みを感じる今日この頃です。友峰和尚より

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