和尚のちょっといい話
「 あかあかと 日はつれなくも 秋の風 」
11月22日は数字の語呂合わせで「良い夫婦の日」だそうですが、そう言えば車のナンバープレートも“1122”番号の車体が多く見受けられます。日本に於いては昔から数字の語呂合わせによって縁起を担ぐ風習がありますが、海外の国々でもそうなのでしょうか? 数字の語呂合わせは兎も角もエブリデイ夫婦仲良く過ごして参りたいものです。
犀川沿い 芭蕉句碑横にある紅葉
このところ運動不足の日々が続いていたため、午後よりスローウォーキングに出掛けました。いつもの金沢城一周コースは時間が掛かるため久しぶりに金沢市本多町の「鈴木大拙館」を訪ね、寳勝寺から往復約8000歩のウォーキングとなったようです。
鈴木大拙博士
水鏡の池
鈴木大拙博士は世界的に有名な仏教哲学者で、特に禅宗に造詣が深く世界に「禅」を広めた方でも有ります。本日も外国人観光客が多く見学に来ていましたが、「ZEN」は欧米でも広く知られており大拙館は金沢市の観光文化施設としても人気を呼んでいるようです。「水鏡の庭」や「露地の庭」で瞑想している方もおられました。
意外と知られていないのが散策コースで、兼六園との繋がりから大拙館裏手には「緑の小径」があり、現在は紅葉真っ盛りで幻想的な晩秋の雰囲気を感じたものです。皆様も金沢に来られた際には是非鈴木大拙館でのしばしの瞑想体験と庭園散策をお薦めしたいと思います。
露地の庭
散策コース
さて11月も残り少なくなって参りましたが、和尚はいまだ病気療養中で12月5日の再々入院を控え健康回復療養に集中しているところです。皆様方のご健勝を心よりお祈り申し上げております。友峰和尚より
月曜日の寺カフェ 観光客の方々で賑わいました
このところ寒暖の差の激しい気候となっていますが、今年はコロナ禍に加えインフルエンザの流行が心配されているため油断は禁物で、ダブル感染ともなると高熱と喉の痛みと咳がひどくまた味覚も無くなると言いますから十分に気をつけて参りたいものです。ここに来てコロナ感染拡大の第8波がやってくると医療機関から警告されているものの人流はずいぶん増えており、金沢駅構内は多くの観光客で混雑の様相を見せています。今年の忘年会は久しぶりに個人客と団体客で賑わいを見せるとの予測ですから心配です。
髙倉さん 融雪装置が設置されました
11月も後半に入っており、本日は境内の融雪装置パイプ点検をいつもお世話頂いている高倉さんにお願いしました。パイプも老朽化が進み、今年は大雪になるという予報を踏まえて新しいパイプと取り換えてもらうことにしました。
刻々と 厳冬が近づいてきます
西王母 / ふれあいパーク霊苑にて
冬の花と言えば椿ですが、寳勝寺霊苑には金沢に由来のある椿「西王母(せいおうぼ)」が見事な花を咲かせています。また本堂裏側の椿は「一休」という名でこちらも可憐な花を付けています。来年は裏庭を整備して寺カフェ利用のお客様や霊苑参詣者皆様に野外でのお茶のひとときを楽しんで頂こうと計画しています。
江戸時代 金沢で作出されたと伝わる名花
さて明日火曜日は休寺日のため、終日ゆっくりと病気療養したいと願っています。休息時間もまた大切に思う今日この頃となって来ているようです。
椿咲く ぬくもり慕う 古寺の縁 友峰
冬支度 落雪除けの三角屋根が組み立てられました
高齢者でなくとも月日の過ぎゆく早さに驚くのは若者達も同じ感覚を持ち合わせているようです。その理由は何かと問われれば、現代社会は多様化が進み昔とはずいぶん刺激的で、時の経つのを忘れてしまうほどに熱中する事柄が多くなっているからなのかも知れません。
大工師 の 岩内さん
観光客で賑わう 門前のようす
この現象は世界全体に共通することで、特に先進国に於いては科学や文化・スポーツ・芸術等々様々な分野で発展すればするほど人々の時間の感覚が短くなっていくように思うものです。またその反面長寿社会にもなっており、楽しみが多ければ多いほど長寿になっていくのも納得出来るような気がします。
秋雨の中 年忌の墓前御供養諷経が修業されました
和尚も又しかりで、「和尚さんに定年はあるのですか?」という質問をよく受けます。75歳で現役ですから無理からぬ話ですが、その答えは「和尚は終身雇用なんです。」と冗談交じりに応えています。つまりは息を引き取る時が住職としての終焉ということだと思います。
午前11時より 満中陰忌の法要を修業いたしました
思うに「住職(じゅうしょく)」ではなく「自由職(じゆうしょく)」として最期を迎えたいと願っているのですが、さて本日も法務遂行の一日となりあっという間に過ぎ去った感があります。人生の残り時間が少なくなるに従い「今」の時間を大切に過ごしていきたいと念じる今日この頃です。寒さ厳しくなってまいりましたが、どうか皆様に於かれましてはくれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
晩秋の土曜日の寺カフェ
FIFAワールドカップ カタール2022が愈々明日から開催されますが、日本対ドイツ戦が23日(水)の午後10時キックオフで生中継される予定となっています。2018年ロシア大会ではフランスが優勝しましたが、今回初戦の相手となるドイツは2014年の優勝国でもあり手強い相手との戦いとなりそうです。
ほかほか温まる焼餅ぜんざいが人気 加賀棒茶とともに
日本の選手も最近では海外の有名チームで活躍されている方が増え、今回も多くの有力選手が代表に選ばれており大いに日本選手の活躍を期待したいものです。カタールと日本との時差の関係で試合の生中継が深夜に及ぶというので、応援する側も今後は寝不足気味の日々が続きそうです。和尚自身はサッカーとは無縁ですが、内孫が地元のサッカークラブで日々練習していると聞き、孫の姿を想像しながら声援を送りたいと思っています。
ハウチワカエデの紅葉
本日の御法要 七回忌の御供養を修業いたしました
さて本日も法要修業の一日となり「坊主はお経」で読経三昧!! サッカー選手と僧侶との共通点は、どちらも一所懸命に「今(いま)」に集中していることだと思います。要するに「ボール三昧とボーズ三昧」で無心無我の境地が求められています。「今という 今こそ今が 大事なり 大事の今が 生涯の今」でアスリート達の悔いのない戦いを見せて欲しいと願っています。友峰和尚より
寳勝寺中庭にて 縁側の雪囲いを設置しました
先般は雪起こしの雷が突然轟音とともに鳴り響きいよいよ北陸地方は雪模様になるのかと心配しましたが、本日は穏やかな日和となり一日でも雪の降る日が遅くなることを願っています。今後は晴れる日が少なくなっていくため外回りの冬支度を急がねばなりません!
大安禅寺では午後1時より滋賀北陸教区第5部秋季特別布教「法話の集い」が開催されましたが、和尚は明日からの法務遂行のため寳勝寺に留まってその準備に入りました。
雪囲い作業が完了しました
続いて古い障子戸を外し 桟を洗いました
今しばらくは体調を整えるために療養しなければなりませんが、降雪に備える融雪パイプの設置や雪囲いなどの作業も昨年とは遅れており、身体を動かすことも療養の一環ということで無理をせずに「そろ~り そろ~り」と十分気をつけながら進めましたが仕事の途中でつまずき膝を打つ始末!「そろ~り そろ~り」でもつまずくとは最早「アイアムソーリー」申し訳も有りませんといったところで急遽寺内での仕事に切り替え、障子張り作業をしましたが、こちらは安全作業となったようです。「障子と膏薬ははる方がいい」そうですから早速痛めた膝に膏薬を貼った次第です。
寺内に戻り 障子張りをしました
寳勝寺檀信徒の安田様が来られ しばし歓談しました
さて今日の「ちょっといい話」は障子を張り替えたら実に気持ちがすっきりしましたよ! やはり破れ障子をそのままにしていては「破れかぶれ」ですからね。
秋の暮れ 障子張る手の 強張りて 友峰
大安禅寺 開山堂から愈好亭へ続く回廊 / 11月15日撮影
大安禅寺には大安禅寺の寺風の良さが有り、寳勝寺には寳勝寺の寺風の良さが有ります。その事はそれぞれに創建当初の開山禅師の禅風を今に伝えているからであろうと思います。どちらにも共通する点は臨済一流の禅風が感じられ、寺院の大小に関わらず今なお仏法が生き生きとして伝えられているところに有ります。
本日午後より ふれあいパーク霊苑にて墳墓開眼供養を修業いたしました
そもそも仏法とは“仏陀の悟り”であり“無心無碍(むしんむげ)の実践”でもありますが、「おのれ無きものに安らぎあり」と言われた方がおられますように、寺院に参詣された際に心が安らぐ場所として常に活動している事が大切かと思います。大安禅寺では新命玄峰和尚(副住職)が色々な催事を計画し多くの参詣者と接しながら教化布教活動を積極的に行っており、老若男女に適応するイベントを工夫しながら活動している所に寺院としての意義が有ります。
副住職の案内による 福井藩主松平家歴代の御墓所・通称“千畳敷”を拝観するツアーの方々
地元の小中高校生が集い 枯木堂にて坐禅研修会を開催
寳勝寺に於いても近年はふれあいパーク霊苑参詣者との交流を重視して、宗派を超えた新たな布教活動を模索しながら活動しています。カオス状況にある今日、不安社会が増長する中で寺院の果たす役割がますます重要に思う今日この頃です。
伝燈寺町・西川久行家の納屋にて
さて本日は伝燈寺に出向き、先般「伝燈寺里芋収穫奉納祭並びに弁財天御祈禱祭」修業の際に供えられた伝燈寺里芋を生産者の西川久行さんから沢山分けて頂きました。法話の集いを始めとして坐禅会、囲碁大会、伝燈寺里芋豊穣祭、弁才天祈祷祭、寺カフェ、法要などを通じ金沢兼務寺院の再興と布教活動に今後も尽力していきたいと念じています。友峰和尚より
秋晴れの金沢駅 / 11月16日撮影
このたび完成した 大安禅寺 山門
11月18日午後1時より「臨済宗妙心寺派 滋賀北陸教区第五部花園会 秋季特別布教」が大安禅寺で開催されるため、この度完成した山門の扉が開扉され山門幕が美しい姿に花を添えていました。
駐車場より 山々の紅葉を望む
朝方境内をグルリと一周した後、本堂修理工事現場を高木主任の案内で見て回りましたが、現在は建物全体の歪みなどを正常に戻すための調整工事が行われていました。また同時に第2期工事の庫裡修復への前準備工事も進められており、工事の今後の進め方などについて高木主任より説明を受けました。
本堂内修理工事 現在のようす
文建協 高木主任とともに
本堂工事中の一角に腰を下ろして、建物全体を見回してみるのもなかなか面白いもので、修復が進むに連れ建物の威厳を増していくように感じます。
高木主任と工事関係者の皆様とともに
いつも話題になるのは約10年後完成時の年齢で、和尚は85歳となり工事関係者の中には退職される方も出てくる為、工事進行に合わせながら宮大工師の後継者育成が求められているという事で、この度は久しぶりに工事関係者の方々と歓談出来大変嬉しく思いました。
見事な 境内の紅葉
無心亭
さて山門より本堂へと向かう参道の階段途中に無心亭がありますが、紅葉が実に見事で思わず何枚かシャッターを切りました。和尚が約30年前にお茶処として建てたものですが、年月を経て周りの風景にすっかり馴染んで侘び寂びの世界を醸し出していました。
愈好亭からの景色
和尚のアトリエから 書院を望む
大安禅寺諸堂修理工事が完成しましたらゆっくりお茶を飲みたいと願った、ほっこりとした自坊での時間を過ごす事ができたようです。
紅葉散る 心も染めし 禅の庭 友峰
大安禅寺の境内一帯はすっかり秋色が深まっており既に紅葉した葉っぱを落としている木々も有りますが、枝に残っている枯葉を見るのもなかなか風情が有るものです。久しぶりの故郷の秋の風景を目にしていますが、特に遠くに見える白山系の峰々は初冬を感じさせ本格的な冬到来を予感するものです。
大安禅寺 樹齢350年の紅葉 / 例年11月下旬頃のようす
9月から11月にかけての3か月間は「病気療養月間」と位置づけ集中して食事療法に徹して来たせいか、あっという間に過ぎ去って行く感が有ります。お陰様で日増しに健康と元気を取り戻しつつあるようで、日頃の食事節制が効果を表して来たように思います。
もうすぐ 門松が設置されます / 写真:令和3年度
秋の木々が枯葉を落とすがごとくに、人間も1年間の心の垢をすっかりと落とす「リフレッシュ時期」なのかも知れません。まもなく卑山玄関に門松が設置される予定ですが、「松・竹・梅」の縁起物で制作される「門松」ですが本当に日々健康で長生きすることの難しさを思います。人生が50年と言われた戦国時代! 今では100年と言われますが、それでも短いと思う今日この頃です。友峰和尚より
秋のバラに囲まれて 本日も墓前御供養諷経が修業されました
「差し向かう 心は清き 水鏡」とは幕末に於けるあの有名な新選組の一人、土方歳三の一句ですが、俳句の号は豊玉と称し多くの句を詠んでいます。この句を和歌に変えて「差し向かう 心ぞ清き 水鏡 垢つきもせず 色つきもせず」と詠んだ方がおられます。新選組と言えば近藤勇、沖田総司などの剣客としての多くの同志がいますが、「お互いに心は純一無雑でひとつである」との思いを詠んだものと思われます。
禅語にも「両鏡相照らし中心影像無し(りょうきょうあいてらし ちゅうしんにようぞうなし)」とあり同じ意味かと思いますが、この時期の月は実に清々として美しく、まして水面に映し出される月の姿は風情が有ります。
「 無尽蔵 」
長き人生を歩んで来ましたが、「以心伝心」の如き友との出会いが多ければ多いほど心が豊かになっていく気がします。言い換えれば人生とは人との新しい出会いを求め続けて行く旅なのかも知れません。人との新たな出会いが自分の資質をより高め充実させていくことを願って止まない今日この頃です。さて今日はずいぶん気温が低くなりましたが、皆様に於かれましてはくれぐれも風邪を引かないように御自愛くださいますよう御祈念申し上げます。友峰和尚より
色づき始めた 寳勝寺山門前のもみじ
「秋雨の止む気配なし墓諷経」、昨日と一転して午後からは冷たい秋雨の降りしきる天気となりましたが、寳勝寺お檀家 髙畠家の墓前納骨供養が厳かに修業され、故人のご冥福を心よりお祈り申し上げました。
娘様が「父は雨男でしたから、いつも雨なんですよ。」と言われ、生前の毅然とした立派な御姿が思い起こされました。和尚とは同い年で寳勝寺の盂蘭盆会・お彼岸会には必ず参詣され、又ご法事の際にはご家族皆様と親しく歓談した時のことを懐かしく振り返っていました。
本堂にて 満中陰忌の御法要が修業されました
午前中には満中陰忌法要が本堂で厳修されましたが、大安禅寺先代住職・實道和尚(父)の祥月命日忌が23日(勤労感謝の日)に迫り、今年は35回忌を迎える事もあって月日の過ぎゆく早さには驚くばかりです。
最近はご家族ご親戚はじめ多くの方が揃って法要に出席されるようになり、ここ数年はコロナ禍の影響で少人数での法要修業が多かっただけに本当に嬉しく思うものです。人生にとっての大切な絆の根源でもある4つの儀式「冠・婚・葬・祭」の持つ深い意義を改めて強く思う今日この頃です。友峰和尚より