和尚のちょっといい話
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昨晩、急用で自坊に戻りましたが、大安禅寺の渓谷一帯は秋風に包まれ甘い香りが漂って来て、大変気持ちの良いものでした。朝から雨模様となりましたが、この雨さえもまた古刹の秋の風情を一層濃くしてくれています。室生犀星の詩「故郷は 遠きに有りて思うもの・・」の冒頭の言葉は全くに説得力のある言葉です。金沢と福井はそれほど遠く離れた場所では有りませんが、それでも尚、故郷を想う気持ちは遠くに有ればあるほど強くなるものです。

さて三連休の初日ですが、旅行を計画されている方が多いこの季節、やはり紅葉鑑賞が目玉のようです。時期的にはまだ少し早いのですが、北の名山からは紅葉のニュースが届けられています。大安禅寺には樹齢200年を超える紅葉の古木が有りますが、本格的に色づくのはまだまだ先で、毎年11月中旬ごろが見頃となります。日本人にとって春は桜、秋は紅葉見物と、本当に情緒性豊かな国民であるとつくづく感じます。学生の頃は京都に住んでいましたが、金閣寺の紅葉を見学に行ったとき、外国人の方々は紅葉の美しさにあまり興味を示していなかったことを鮮明に記憶しています。 成る程!と思ったのは、アメリカ・ニューヨークや北欧を訪ねた時、あまりにもスケールの大きいダイナミックな紅葉の景色に驚いたものでした。日本人はコンパクトな自然の中に宇宙を感じる国民性を有しているのかも知れませんね。例えば竜安寺の石庭などもそうだと思います。これからが本格的な紅葉シーズン、大いに眼を楽しませたいと思っています。友峰和尚より

蔦原仁平君 宗教章授与式
「天高く馬肥える秋」とは今日のような気候を言うのであろうと思いました。本当に秋本番を感じさせてくれるような爽やかな一日となりました。昨晩は、蔦原仁平君の宗教章授与式が卑山本堂で行われました。仁平君はボーイスカウト石川連盟金沢第6団に所属しており、この度、福井市・大安禅寺での臨済宗教義の研修を終えて目出度く「宗教章」を授与されることとなりました。授与式は、地元第6団隊長・副隊長様を始めお父様が出席された中、厳粛に行われました。今後の仁平君の益々の活躍を和尚も期待したいと思います。

賞状とバッジが授与されました



授与式終了後、祝賀茶礼の様子
さて、和尚のブログは「寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事 諷経(ふぎん)」のお話が続いていますが、兎に角、集中して法務に取り組んでます。今日は大阪より北條様ご夫妻が先祖墳墓お骨上げの為に来られましたが、ご夫妻とゆっくりとお話しすることが出来ました。檀信徒様との交流も最近では多くなりましたが、どのお家の方も実に親切丁寧な対応ぶりには感心してしまいます。「武士の魂」とでも言いましょうか、本当に感謝の言葉も有りません。



爽やかな秋風香る中での諷経となりました


今日は突然、東京よりデザイナーの宮崎様も来られ、霊苑「奥の院」についても色々相談をいたしました。改葬の為の御骨上げも現在順調に進み、月末には完了の予定となっています。何事もそうだと思いますが、何かを行う時には自分自身がワクワクした心をもって遂行しなければ良い物は出来ないと思っています。檀信徒皆様に心から喜んでもらえるような「未来墓地」を目指して、日々、創造を続けています。宮崎デザイナーには大いに期待したいと思います。友峰和尚より

昨夜の強風を物語る庭の草花 / 寳勝寺 今朝のようす
台風一過! 昨晩の恐ろしい唸りを上げた突風が嘘のような、穏やかな朝を迎えました。全国ニュースでも伝えられていたように風速43メートルの強風が吹き荒れた金沢市内。ひっきりなしにサイレンの音がこだまする一晩となりました。寳勝寺の看板や植木鉢なども片付けておいたものの、それすらも吹き飛ばされる始末。本当に最近の異常なほどの気象変動には驚きます。

午前中には鳳珠郡能登町よりお越しの「小木東町旅行会」の皆様へ「楽く楽く法話」を致しましたが、台風の影響も無く法話が挙行出来てホッとしました。流石に台風一過からか、午後は観光客の道行く姿も少なかったように思いました。不思議なもので台風が過ぎ去るのと時を同じくして午後からは休息を取ることが出来ました。何が不思議なのかと言えば、台風が来なければ休息など取らなかったと思いますが、台風が通過した途端にどっと日頃の疲れが出て、思わぬ休息日となりました。台風に感謝するのもおかしい話ですが、おかげさまでこのところの慢性的疲労を緩和することが出来たようです。「思いっきり!」という言葉が有りますが、やはりどこかで思い切って休息するのも大切な仕事なのかも知れませんね。


さて、皆様はいかがお過ごしでしょうか? お元気にお過ごしでしょうか? 「便りの無いのは元気な証拠」とはよく言いますが、なにしろ超高齢化社会の今日に於いてはそうとも言えないようです。時々は消息を確かめ合うことも必要だと思う今日この頃です。友峰和尚より
嵐の前の静けさなんでしょうか? 台風18号の北陸地方通過が心配されましたが、今日は穏やかな一日となりました。本日の深夜には日本海沖を通過するとか、只管に無事の通過を願うばかりです。

午後からは東京より御来寺下さった津田家先祖墳墓のお骨上げ諷経を修行しましたが、穏やかなお天気の元での読経となりました。終了後は津田様ご夫妻と久しくお話をさせて頂きました。津田様の御先祖も永く加賀藩前田家に仕えた武家一族であり、墳墓も大変立派なものです。此の度の卑山霊苑改葬工事に伴い御骨上げをしたわけですが、霊苑が完成した折には再び「奥の院」に祀られることになっています。



和尚のブログもこのところずっと霊苑改葬の話が続きますが、それほど集中して祖先の墳墓の霊と対面している毎日です。卑山に隣接する承証寺様とも立ち木伐採の件で本日お話しさせて頂きました。皆様にとっては、お墓とは無縁の現在なのかも知れませんね。和尚も間もなく70歳を迎えようとしていますが、他人事ではなくひしひしと身に迫るものを感じる今日この頃です。「今までは 人の事だと思うたが 俺が死ぬとは こいつぁたまらん」とは大田南畝(おおたなんぽ)の歌ながら納得の一句です。本当にクワバラ、クワバラ!! 友峰和尚より

お隣りの承証寺様と、垣根越しに立木伐採のお話し合い

昨晩より連続で報じられている、今年のノーベル医学生理学賞に決まった大隅良典教授のニュースですが、本当に日本人にとってこれほど素晴らしく、嬉しいニュースは有りませんね。日本が世界トップの長寿大国であるという事がこのようなニュースからも伺うことが出来るというものです。研究内容が「オートファジー」という人間の生命起源に関するものですが、このところ毎年のようにノーベル賞を受賞する日本の科学・物理学分野には称賛の拍手を送りたいと思います。近未来にはIPS細胞始めゲノムの分野の研究の進化によって不老不死の妙薬が開発されるのも夢ではなくなってきているような気がします。さて和尚も違った意味での「再生慰霊部門」に於いて毎日努力を続けています。今日もお檀家の額様の御祖先墳墓お骨上げを始め多くの墳墓の諷経に専念しました。





生命には始まりと終わりが有りますが、大切なことは「人類霊魂不滅」の尊重で有りその継承でも有ります。「温故知新」が和尚の今年のテーマになっていますが、いつの世にあっても祖先を奉じる事の大切さを後世に伝えて行きたいと思っています。 友峰和尚より
台風18号の影響からか、北陸地方は再び蒸し暑くどんよりとしたお天気となりました。午前中にはお檀家様の月参りと、北條責任役員総代様先祖墳墓お骨上げの諷経に従事しましたが、午後からも引き続き卑山責任役員総代・須貝様の先祖墳墓お骨上げが行われました。


墓地改葬の作業は現在順調に進んでいますが、それに伴い次第に和尚の緊張感も増して来ています。㈱ココ・プランニング デザイナーの宮崎様からは「ふれあいパーク霊苑 完成予想図」をもとにその都度説明を受けていますが、現地での法務に当たりながら一層想像を逞しくしています。

須貝家 御骨上げ諷経にて


お参り後 応接室にて

㈱ココ・プランニング 宮崎邦英デザイナーによる 完成イメージ画


本日は野町の希翁院様がご来寺下さいましたが、来年6月の完成を待ちながら今後は寺町・野町各寺院の住職様との交流も大切な事柄となって来ています。最近では霊苑に関しての問い合わせも少しずつ増えて来ました。そろそろ寺内にも「寳勝寺ふれあいパーク霊苑」の完成図などを展示して、これからの先祖墳墓の祀り方や祖霊供養の意義などを提案していこうと思っています。皆様も是非、未来志向型の卑山霊苑視察に御来寺頂きたいと思います。友峰和尚より
昨日は京都・大本山妙心寺団体参拝でしたが、大方丈(本堂)での本格的な「能の舞」には感動したものでした。台風の影響からか蒸し暑い気候でしたが、堂内は更に熱気に包まれた見事な能舞台でした。一夜明けて休む間もなく金沢に移動しました。寳勝寺の霊苑事業も本格的に始動し、日々、目が離せない状況となっています。午後からはお檀家様の法要が有りましたが、初秋の金沢は本当に爽やかな風が寺内に吹き込んで、実に法悦を感じさせてくれるに十分でした。
法要にて

応接室にて 墓地移転の打ち合わせもなされました

秋の爽やかな風が吹く式台玄関にて
今日は全国的にマラソン大会が行われており、金沢でもハーフマラソン大会が開催されていました。近年のマラソンブームからか予想を超えるほどの参加申込数となっているそうです。特に金沢マラソンの場合は、金沢城公園を横目に歴史的に由緒ある場所を通り抜けながらの素晴らしいコースとなっており、年々参加申込数が増え続けて大変な人気との事。大会関係者皆様にとっては「嬉しい悲鳴」といった処でしょうか。いいですね!健康の季節です!大いに身体作りに専念して頂きたいものです。和尚はと言いますと、もっぱら家の中で筋トレ中です。日々、背筋、腹筋を鍛えています。そのうちにポパイのような筋肉になるかもね。友峰和尚より


今日から10月、神無月に入りました。神様が出雲にお集まりになられるこの月に、滋賀北陸教区・大本山妙心寺団体参拝が挙行されました。参加者は三百名を超える盛大なもので、午前中には無事に花園会員物故者先亡供養を終え、午後からは今回初めて、妙心寺大方丈を舞台に「能」が奉納されました。


始めに、河村能舞台の関係者による、能に関する大変ユーモアを交えた説明がなされ、参詣者の方々も参加しての楽しい時間となりました。説明の後は実際に能が演じられ、幽玄な世界へと引き込まれました。六百年の歴史ある大方丈での能劇は見事なものでした。本当に充実した参拝と成りました。





能の名残りを惜しみながら、帰路につきました。本山団体参拝も毎年開催されますが、今回も思い出に残る有意義な参拝となりました。大安寺檀信徒の皆様、お疲れ様でした。友峰和尚より

和尚の住職地、萬松山 大安禅寺はその山号が示すように全山がアカ松で覆われた山中に有る禅寺という事ですが、今日は裏山に建設される予定の砂防堰堤工事・山地地境・境界線確認のため、福井県土木課担当者の方と川上測量の職員の方々と共に、久しぶりに山に登りました。本当に何年ぶりだったでしょうか? 子供の頃はよく松茸狩りに登ったものでしたが、最近では全くご無沙汰でした。


写真の如く、いまだに当時の山道が残っており、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。今回の事業は大掛かりなもので、近年多発する災害に備えての大事業でも有ります。卑山は国指定重要文化財のため砂防堰堤は必須の課題になっていました。それは別として、久しぶりの山歩きは快適そのものでした。昔の方々は秋山を人生の休息場所として十二分に堪能されていたことと思いました。それにしましても広大な寺の山地、何か利用方法がないものかと思案しながらの現地立ち合いとなりました。

酔芙蓉が咲いています / 大安禅寺 正面玄関にて


蓮池の掃除 / 中庭にて
午後からは境内地の掃除と整備に入りましたが、今日は本当にいい汗を流した一日となったものです。山登りをしながらまだまだいける足腰に驚き、いつの日か富士山に登ってみたいと希望を新たにしました。友峰和尚より

寳勝寺檀信徒責任役員総代の北條様の御先祖墳墓お骨上げ諷経が、御本人並びに御親族の立会いのもと午前9時より執り行われました。昨日は霊苑改葬工事関係者会議が行われましたが、現場視察に引き続き、工事の進め方について㈱ココ・プランニングの中本社長様始めデザイナーの宮崎様と工事関係者皆様とともに更に入念な打ち合わせがなされました。我々が人生の最後に眠る「未来への家」でも有るが故に「素敵」で「おしゃれ」で「理想的」な未来志向型の霊苑づくりを念じ、現世と来世を結ぶための新しい試みに挑戦しています。

金沢市役所担当者の方による視察

応接室にて 北條様とともに


さて、現世での幸せを未来に繋ぐ為のお墓とはどのようなものかと言えば、一言では、今「ワクワク」させてくれるようなデザインのお墓と言うことが出来るかと思います。時代の変遷と共に人間の価値観が変化を続けていくように、当然の事乍ら先祖に対しての思いを伝える形や行動も変化していきます。「寳勝寺ふれあいパーク霊苑」の構想は、その名前が示しているように「祖先の霊との触れ合い」を重視した公園化をコンセプトに掲げています。和尚は現在、これまで卑山を支えられて来た多くの祖先の方々と日々語り合っていますが、先人の方々に喜んで頂けるような「顕彰墓」を完成させていきたいと願っています。友峰和尚より


