和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第973話 】
2016年 04月 17日 談

強風に見舞われた一日となりました。昨日徹底的に掃除した中庭も含め境内は杉葉の山で、足の踏み場も無いほどの物凄い風でした。今日は日曜日という事で、午前中から法務が終日続き法要三昧の一日となりました。家族をはじめ故人の縁戚の人達が大勢集まっての盛大な法要でしたが、故人の霊を偲ぶことは勿論、つくづく法要の大切さを感じ取ったものでした。近年、何もかもが簡素化される傾向にありますが、親戚や隣人との関係を深める上でも冠婚葬祭は重要な祭事だと思います。今年に入ってから次々と色々な事が起きていますが、日頃からの人との繋がりが如何に大切かを教えられているようにも思います。久しぶりに多くの檀信徒皆様と歓談できたことも今日の喜びの一つとなりました。一日一日が貴重な人生の一日ですから一所懸命にお話しして一所懸命にお付き合いしていきたいものです。自分の周りに起こること全てが、自分の心への問い掛けでも有ると思います。

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午後には、大安禅寺での「生き生き法話」をしました。

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夕刻になって漸く法務も一段落し、心の中には不思議なほどの安らぎが広がって行くのを感じます。これを御釈迦様は「法悦」という言葉で示されているように思います。平安時代の僧・西行の言葉に、「何事の おわしますかは知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」と有りますが、そんな心境を味わったおかげさまの一日となったようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第972話 】
2016年 04月 16日 談

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大安禅寺は全山が新緑に包まれムンムンとする青葉若葉の匂いでいっぱいです。じっとして居れなくて思わず中庭の手入れに入りましたが、和尚の子供の頃からの習慣のせいか、雑草が生えてくるとたまらなく辛くなってしまい早朝から草引きに専念しました。今日は、アメリカからのお客様・仁さんの歓迎昼食会も予定されていたので、いつもよりスピードアップしながらの作業でした。

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勿論、昼食会を終えてからも再び草引きと庭の整備をしましたが、この時期の草は一気に伸びて行きますから「油断大敵」です。夕刻頃にはどうやら草との戦いも一段落しました。

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この度の熊本県と九州地方を襲った大地震で被災された皆様に対しましては、心からお見舞い申し上げますと共にお亡くなりになられた方々に対しましても謹んでお悔やみを申し上げます。東日本大震災に続いての大災害ですが、今後もいつどこに起きても不思議ではない為、日頃からどのような困難に遭遇しても屈しないよう心身を鍛えておかなければならないと改めて思ったものです。「働き者日本人」とよく言われますが、働く意義の中には協調性を養い心を豊かにすることも含まれると思いますが、いつでも行動できる活力を培う事が日本人には求められているのかも知れません。お庭の掃除と整備をしながらつくづく無事であることの尊さを感じ取った一日となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第971話 】
2016年 04月 15日 談

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良いお天気ながら肌寒い一日となりましたが、霊苑改葬工事着工を目前に今日は墓地の草引きと徹底したお掃除を業者さんにお願いしました。霊苑の工事に伴う山門かさ上げ工事の為、和尚は今まで植えられていた門前庭の草木の移植をしましたが、これまで素敵な花を咲かせて来たものばかりなので自坊の大安禅寺の庭に植え替えたいと思っています。

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夕方、清掃が終わり綺麗になった霊苑

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境内の坪庭には大変珍しいお茶花がたくさん植えられてますが、これらは以前、卑山にお住まいになっていた方が植えられたものです。その後も妻によって色々な品種の草木が植えられてきましたが、この度の霊苑改葬工事によって山門入口の庭を始め境内の坪庭なども作り直される計画の為、職員の手によって一つ一つ丁寧に掘り起こされ植木鉢に仮植えされています。

DSC08078 (500x375)霊園内にも珍しい樹木が多くあり、これらも総べて別の場所に仮移植する予定です。寺カフェを利用されるお客様には坪庭に咲くお茶花を大変喜ばれてきました。改葬工事終了後はこれらの草花を再び植え戻したいと思っています。松尾芭蕉のこの一句が思い出されます、「よく見れば ナズナ花咲く 垣根かな」。どのような草花にも思いを寄せる芭蕉の優しい気持ちが伝わってきます。これからは花の季節です、大いに春の草花を楽しみたいものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第970話 】
2016年 04月 14日 談

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雨上がり後の温かい日差しを受けながら、昨日に引き続き寳勝寺檀信徒各家先祖墳墓の記録用写真撮影を行いましたが、あまりの暑さにめまいを感じるくらいで、日よけの為に網代笠を被っての終日作行となりました。

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皆様は、御先祖を祀るお墓に対して日頃どのようなお付き合いをされていますでしょうか? 先祖からの墳墓を今後も末永く継承していく事は、少子高齢化社会の進む今、本当に深刻な問題となりつつあります。卑山を例えれば、江戸初期より今日まで約四百年を経た由緒ある禅寺なれど、幾多の歴史の変遷を受けて墓参に訪れる檀信徒の方も減少の一途をたどってきたわけですが、この度の寺院再興と共に霊苑も本来の姿に戻す努力を続けています。

DSC07804 (500x375)石材店の方との打ち合わせ

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和尚にとって無縁とも思えた寳勝寺の墳墓も、お精抜き諷経を続けて行くうちに次第に檀信徒祖霊の皆様と親しく霊交信出来るようになっています。この度、株式会社いせや様との仏縁で卑山の霊苑が再興されることを祖霊と共に喜びたいと思うものです。「あなたにとって一番大切なものはなんですか?」と問われた時、皆様は何と答えますか? その答えは色々あると思いますが、もし「命です」と答えるなら、その命を授かった両親そしてその祖先をきっと思う事でしょう。祖先の墳墓を継承していく事は、自分そして子供達の命を次の世代に繋げていく事になると思います。初夏を思わせる陽気の中での読経三昧の一日となりました。明日は境内に植えられている草木の移植作業が待ち受けています。日々是好日なり。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第969話 】
2016年 04月 13日 談

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気温のアップダウンの激しい昨今ですが、今日は午前中から暖かくて強い風が吹き荒れる中、寳勝寺霊苑各家先祖墳墓お精抜きの記録写真撮りをしました。先般、全ての墳墓のお精抜き諷経を終了していますが、記録として残しておくため再び一基ずつお経を唱えながら写真撮影をしました。まもなく始まる改葬工事を前にして、祖先の御霊にご挨拶申し上げながらの作業でも有ります。

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日差しが強く、網代笠を被ってお経を上げました。

毎日のように不穏なニュースが伝えられていますが、最も大切な祖先の恩を思う「報恩」の精神が薄れて行く感のある中での卑山墳墓改葬工事です。なんとしてもこの事業の大成を和尚は願っているところです。

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住職の法務の役割は各寺院によって異なりますが、近年では世の中の移り変わりとともに僧侶にも大きな期待が寄せられつつあるようです。金沢市役所・歴史建造物整備課様より、先般、東京の文化庁で開催されたシンポジウム「少子高齢化社会における宗教法人が参画した地域活性化の取組について」に参加した時のことをまとめた本を頂きましたが、和尚の活動も今はまだ初歩の段階に有り、今後はもっと地域の方々との交流を深める為の努力を続けて行きたいと思っています。全国に約七万ヶ寺ある寺院の僧侶達に布教活動のアイデアが求められているわけですが、それぞれの寺院の活動が人々の安心な社会形成につながって行くことを念じています。さて、北陸新幹線開業から一年と一ヶ月の今日、乗車数が一千万人を突破したそうです。想定日より早い達成だったとか。金沢は益々人気の観光都市となりつつあるようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第968話 】
2016年 04月 12日 談

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今日は地元のHAB北陸朝日放送の新番組「2時はドキドキ」にコメンテーターとして出演しました。6月までの火曜日と木曜日、時間の許す範囲で今後も出演する予定ですので、時間が有りましたら是非ご覧頂きたく思います。因みに次回は4月19日火曜日、午後2時からの生放送出演です。今日の番組内容は「漢方薬」を中心とした健康についての話題でしたが、曜日ごとに取り上げるテーマも変わるのでこれからの出番を楽しみにしています。寳勝寺での布教活動の方法として、寺カフェのお客様との交流や「楽く楽く法話」を通しての県内外の観光客皆様との交流、そして今日は地元メディアを通しての初めての試みとなったわけですが、一人でも多くの方々とのふれあいを願っています。今回は番組ディレクター・北村真美様とのご縁でしたが、牧野キャスターはじめスタッフ皆様の温かい「おもてなし」に感謝申し上げます。

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今日の番組の中で思いましたが、「漢方薬」と言えば禅寺の日常生活と深くかかわっている事を実感したものでした。「抹茶」や「ほうじ茶」なども見方を変えれば漢方薬的存在ですし、法要で使用する焼香用の真南蛮(まなばん)や沈香、丁子(ちょうじ)、桂皮(ケイヒ)などは「薬湯」として昔は大変珍重され、その効能として鎮痛・健胃・滋養など、修行には欠かせない漢方薬として用いられたと聞いています。番組に出演しながら色々な話題に接し学んでいきたいものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第967話 】
2016年 04月 11日 談

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毎年六月に開催される大安禅寺「花菖蒲祭」にこの三十年間お茶席を担当して下さっている田野宗冨先生ご夫妻が寳勝寺を訪ねて下さいました。週明けとあって寺内にはゆっくりとした時間が流れていましたが、昨日とは一変して今日は寒い一日となりました。人間はかくも気温の変化に左右されるものかとしみじみ感じた日でも有ります。昨日との気温差が10度近くありましたから、暖かい日のように身体が軽快に反応しないのも無理からぬ話です。思えば和尚が二十一歳の四月に、小雪の舞う中を西宮市・海清寺専門道場の玄関階段に頭を伏せて入門を請うた時の事を思い出していました。あれから約五十年の時が経過したわけですが、気候は当時とそんなに違わないのに、身体と気力の減退には驚くばかりです。御来寺下さった田野先生ご夫妻とのお付き合いも三十年以上になります。今日は昔々の思い出も交えての楽しい話題に花が咲いたものでした。「光陰矢の如し 時人を待たず」本当にその通りですね。時間ほど大切なものは有りませんが、その限りある時間を無駄の無いように使って行きたいと願うばかりです。

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さて、今日も外国からのお客様が寺カフェに来ていましたが、和尚の英会話もさっぱりで努力不足の極みです。外国の方とも「ええ会話」が出来るように頑張らねばと猛省いたしました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第966話 】
2016年 04月 10日 談

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皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 最近のニュースの中での気になる話ですが、近年、本を読む力が全体的に弱まってきているとか。成る程!和尚の日々のブログを読まれている方からは「和尚、長いからもっと短くしてくれ!」なんて注文を頂くことがありますが、どうか頑張って「辛抱」して読んで頂きたいと思っています。和尚も短い文章にすることを心掛けていますが、短くなればなるほど短歌や俳句のように、鑑賞される方の高度なセンスが求められていく為、一番皆様に苦しむことなく読んで頂けるよう工夫しています。日々読んでいるうちに「内観力(自分の心を見つめる力)」が高められこれがひいては「認知症防止」の効果を高める事必定ですぞ。また毎日の生活の中で「無心の働き」をテーマにブログを書き続けています。人生の色々な場面に遭遇した時、どのような心で対応するとお互いにスムーズに事が運んでいくかですが、結局は禅の公案(問答)の中に「無心の心を持ち来たれ!」というのが有りますように、「無心の工夫」に尽きると思います。所謂、ちょっとした心の工夫が自分を幸せに導いてくれるということでしょうか。

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「風光 日々新たなり」

さて、今日は日曜日。日頃お世話になっている方々への感謝の日でもあります。皆様に和尚の感謝の気持ちが届く事を願ってやみません。 間もなく今は亡き母の命日を迎えようとしています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第965話 】
2016年 04月 09日 談

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2020年東京オリンピックの最終エンブレム5案が発表されましたが、どのデザインも素晴らしい出来栄えで甲乙付け難しと言ったところでしょうか。発表されたような素晴らしいエンブレムが全国の多くの方々から応募され、愈々ひとつに絞られると言いますから誠に残念です。競技は色々と有るわけですから、全てのマークをどこかで使用して欲しいと思いますね。

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リオ五輪代表選考会を兼ねた水泳・日本選手権で惜しくも代表枠を逃した北島康介選手も何らかの役どころで、日本代表としてリオ五輪に招待してあげて頂きたいものだと切に思います。この度の、五大会連続出場を願っての北島選手のチャレンジは立派としか言いようが有りません。33歳という年齢での肉体的にも厳しい挑戦だったが故に、競泳に臨む彼の言葉は「やるしかない!」という一言でした。競技後に引退を発表されたわけですが、和尚も体育会系だった一人として称賛の拍手を送りたいと思います。スポーツはいわば自己の体力との戦いでも有ります。最後の最後まで全力投球で戦った北島康介選手、本当にご苦労様でした。

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暖かい穏やかな天気の中、観光旅行者が行き交う土曜日の寳勝寺門前ですが、道行く人それぞれが色々な人生を歩んでいるに違いありません。「喜怒哀楽」に翻弄されていく人々の人生ですが、やはり「無事」が一番のようですね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第964話 】
2016年 04月 08日 談

昨日は終日強風が吹き荒れ、満開となった犀川沿いの桜が「桜吹雪」となって散っていきましたが、今日は一変して穏やかなお天気となりました。4月8日は御釈迦様のお誕生日。朝一番に甘茶をお供えして「降誕会(ごうたんえ)」を営みました。

DSC07633 (375x500)寳勝寺に祀られている御誕生佛

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甘茶を注ぎ、お祝いしました。

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午後からは寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事の関係者による打ち合わせが有りましたが、御釈迦様の法力の御加護を頂きスムーズに話し合いが行われました。愈々工事が始まろうとしている今、つくづく、人とのご縁の不可思議さを感じたものでした。穏やかなニュースが少なくなっている昨今、我が寳勝寺に於いて今日のような会議は今年のトップニュースとなる出来事でした。

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御釈迦様が誕生された時、右手で天を指し左手で地を指し、七歩歩いて「天上天下唯我独尊」と言われたそうですが、この「独尊」の意味は、生きとし生けるすべての生命を指しているものと思われ、この世に命を頂く事の尊さを思うこの頃です。あまりにも限られた短い命をどのように活かして使っていくか、人々に問われ続けています。

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本来なら人生最後の家でも有る「お墓」の工事なのですが、和尚は喜びを以て進めているのも「現世」も「来世」も同じ心の中に有るからです。「一即一切(いっそくいっさい)」の理の中で御釈迦様のお誕生を心からお祝い申し上げた爽やかな一日となりました。「南無釈迦牟尼仏」友峰和尚より

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