寶勝寺日誌
5月9日の寳勝寺霊苑工事現場です。ゴールデンウィークを過ぎ、工事も本格的に再始動しています。植栽では、ツルバラのトレリス(支柱)が設置され、苑内にひときわ立体感が出て来ました。
棕櫚縄で バランスよく留められる ツルバラ
また昨日は、金沢市歴史建造物整備課の担当者の方が、庫裏側外壁と霊苑側外壁修復のための視察に来られ、各所を入念に調査されていました。
霊苑側の外壁 トタン板やアルミサッシなど 木で復元する計画をしています
山門玄関では、前庭工事に向けての工事や庭石のレイアウトなど、㈱ココ・プランニング宮崎デザイナーの指示のもと、確認が行われています。
クレーンで、庭石や敷石を降ろしているところ
洗い出しの中に所々配置される 大きな敷石
境内を飾る 庭石
ゴールデンウィークも最終日を迎えました、日曜日の寺カフェです。今年は4月29日から数えると9日間の大型連休で、金沢市内も大変賑わっていました。寺町界隈にもたくさんの観光客が往来し、快晴続きでとても爽やかな風景でした。寳勝寺でも、お参りの方やカフェ御利用の方や御朱印を求めて参拝される方など、連日多くの方が来寺され、スタッフ総出で応対させて頂きました。現在は霊苑と境内全域が工事中ということで、出入口のお足元をはじめ色々と気がかりなこともありましたが、無事終了することが出来、本当に安堵しています。
ゆきざさ / 寳勝寺 喫茶室
今年は「ガーデン&寺カフェ」と言いつつお庭が殆どありませんでしたので、寺内には沢山のお花を飾って皆様をお迎えしました。花や枝の一部は傳燈寺のお山から頂いてきたものもあり、春の山野草の清楚な姿は金沢の文化や風土にとても合っているように思いました。また忙しい連休中の秘かな喜びは、植物の生き生きとした成長です。毎日どんどん変わっていくので、朝夕の見廻りがとても楽しみです。雨のあとなどは一日のうちにも変化があり、この時季の雨の力に驚くばかりです。
睡蓮の水瓶から、花芽が出て来ました!
白スミレ / 寳勝寺 中庭
立浪草 / 寳勝寺 中庭
矢車草 / 寳勝寺 中庭
夕刻には、住職と本日の寺カフェスタッフの方々とともに、ゴールデンウィーク業務の終了茶礼をしました。お仕事を無事終えた後の、ゆっくりとしたひとときを過ごさせて頂きました。昨日まで御手伝い下さいました皆様、大変おつかれさまでした。有難うございました。そして、期間中、御来寺下さいました皆々様には、誠にありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
今日の寳勝寺霊苑です。連日の快晴に思いますのは、この霊苑の素晴らしい陽あたりの良さです。これは寳勝寺の境内でも感じることですが、暖かい朝陽が差し込んで植物が本当に良く育つ場所です。
霊苑では、昨日に引き続きバラの植栽が行われています。奥の院と新規分譲区画の間に立つ石塔モニュメントに、つるバラが植えられています。
丁寧にポットから取り出され、しっかりと植え込まれています。
各所で徐々に 完成の形が見え始めています
まだまだ工事中ですが、このスロープからも美しい庭園墓地空間がイメージ出来ます。
また本日、庫裏のほうではガス管の工事が行われました。これまで使用されていた古いパイプを外し、新しいガス管が設置されました。
玄関前では夕方遅くまで作業が行われていました。
明日の寺カフェに備え待機中(?)のお花たち
太陽をいっぱい受けて雲間草がぐんぐん咲いています
夕刻、先程までの工事現場がすっかりと整備され、明日の寺カフェ来客用通路が作られていました。いつも色々と御配慮頂き本当にありがとうございます。
本日の寳勝寺です。午後より、山門前スロープにコンクリートを流す作業が行われました。
狭い通路とスペース 大変な作業です
霊苑では植栽が進み、また、たくさんのバラの苗が搬入されています。
つるバラのポット
赤、黄、紫 多様な品種のバラ
夕方も続いています バラの植栽
成長が楽しみです
見上げると しだれ紅梅は 活々した青葉になっています
今日は爽やかな快晴で、午前中から外へ出て中庭の掃除をしました。
芍薬や紫陽花の芽が伸び、うぐいすが鳴き、愈々春の庭になって来ました!
下野
柊の花 甘い芳香です
北陸の春らしい花曇りの一日となりました。寳勝寺霊苑改葬工事は着々と進み、式台玄関前もずいぶんと整備されております。霊苑内では通路の石張りや植樹が引き続き進められ、日々、新しい霊苑の姿が整っていくのをわくわくとしながら拝見しています。
庫裏側では配線工事などが行われています。
山門では土の搬出・搬入などが行われており、この数日は通行できない様子です。
極楽寺様側の塀の上から撮影しています。
奥の院では、檀信徒様の御墓の周囲に新しい樹木が植えられました。
三界萬霊塔の隣に植樹されたもみじから、若葉が出てきました!
霊苑に自生していた山吹 鉢植えの中で今年も咲き始めました
新しく植樹された木々、また移植した木々からも次々と新しい若葉が伸び始めました。これから花と緑いっぱいの新しい霊苑が完成するのがますます待ち遠しい毎日です。
この数日の陽気で花や緑がいっせいに大きく成長、開花しています。本日4月7日は、妙心寺専門道場で修行をされている雲水様が遠鉢のため金沢へお見えになるとのことで、毎年ながら大変緊張の一日を過ごしました。
午後1時頃、富山県氷見市 宝光寺ご住職様の引率のもと、3名の雲水様が来山されました。(式台玄関にて、お湯とタオルを準備してお迎えしているところです。草鞋を履いておられるため、おひとりずつ御足を洗ってから入寺されます。)
始めに、まもなく北陸朝日放送「2時はドキドキ」生出演のため出発される住職とのご挨拶がありました。また住職と宝光寺ご住職様が今後の法務についての打ち合わせをされました。
住職が出発された後、宝光寺様と雲水様が本堂にてお経を上げられました。
そののち野町・少林寺様へ向かわれ、また寺町から野町、金沢市内へと托鉢に出掛けられました。
遠鉢のため 寳勝寺を出発されるところ
しばらく進まれたところで、雲水様同士が順番に向かい合って深々とお辞儀をされ、その後、網代笠を被って別々に托鉢に向かわれました。街の空気が一変するような、清々しい光景でした。
「ホーゥ、ホーゥ」と、大きな声を挙げながら進んで行かれます。今日は外国人観光客も多く、雲水様の姿に大変驚いて喜んでおられました。
あっという間に 外国人観光客の方が集合
約70ヶ寺のお寺が並ぶ寺町野町周辺ですが、修行中の雲水様にお会いすることは殆ど有りません。「ホーゥ、ホーゥ」の御声に、ご町内の方も表の通りまで出て来られ雲水様に見入っておられる様子でした。また寳勝寺霊苑工事中の方々も「雲水さんを初めて見ました!」と感激されていました。
住職のテレビ生出演が無事終了し、雲水様も托鉢から戻られ、寳勝寺で休憩された後に大安禅寺へと向かわれました。毎年4月のこの時節、妙心寺専門道場の雲水様が御来寺下さることが本当に誇らしく、新年度の最初に背筋がピンと伸びるような一日となりました。誠にありがとうございました。
夕刻、住職とともに大安禅寺へ向かわれました
平成29年3月12日 寳勝寺春季彼岸会 住職法話より
「病みてこそ道心(どうしん)の起こる候 不幸はこれ道(どう)の幸いなり」
この言葉は今から約六百年ほど前に、花園法皇が妙心寺開山・無相大師(関山慧玄)と出会った折に言われた言葉であります。花園法皇は子供の頃から体が弱く、若くして譲位されました。国の頂点に立つ運命にあって色々な悩みを持ち、体も病んでいた、そんな中で、「この運命であったからこそ、やがて生涯の師となる無相大師とめぐり合うことが出来た。心とはなんぞや、幸せとはなんぞや、あの世とはなんぞやと、自分の心に向かって問いかけることが出来た。なんとありがたいご縁を頂いたことか」と感謝する言葉です。やがて花園法皇は花園御所(離宮)を寄進され、無相大師を招いて妙心寺を開き、祖霊の供養とともに万民の平和を願ったということであります。 ・・・今日は、檀信徒皆様はじめ㈱ココ・プランニング様、関係皆様が集って無事、春季彼岸会法要を厳修することが出来ました。おそらく寳勝寺では、創建当初からこうして人々が集まって綿々と法要が行われてきたのでしょう。でも一度途切れかかった、そのぎりぎりのところで再びこの御縁を得ることが出来たことこそ、「病みてこそ道心の起こる候 不幸はこれ道の幸いなり」であろうと思います。私がここへ来たのも仏法の縁です。荒れ果てた寺だったからこそなんとかしなければと思い立ったわけです。そして今日のような彼岸晴れの佳き日に御先祖供養が出来たこと、これはすべて御先祖様との御法縁の現れであり、ここに集まっているお一人お一人の心がそうさせているということです。
・・・普段の忙しい生活の中では「仏法」に出会う機会も少ないことと思います。お寺というのは年に何度か訪ねて、御先祖供養とともに自分の心と出会う場所でもあります。人間は生まれて以降、ずっと外の世界ばかり見ています。「あの人は幸せ、自分は不幸」などと比較して、周囲の出来事に囚(とら)われてなかなか自分の心を見つめる時間が無い。我々は臨済義玄禅師を祖とする臨済宗ですが、その臨済義玄禅師が説いたのは“今ここに居る肉体の中に本物の自分が潜んでいる、自分の中にある真(まこと)を見よ”ということです。
「赤肉団上に一無位の真人あり 未だ証拠せざる者は、看よ、看よ。」
焼けば灰、埋(うず)めば土となっていくこの自分は一体なんなのか、自分に問いかけよ。と、臨済義玄禅師は叱咤激励しているわけです。われわれの肉体はずっと自分の物ではありません。いずれ返さねばならない、そうであるのに、「あれもほしい、これもほしい。」と体いっぱいに引っ付けようする。なにも欲しいものは無い、今、ここに居れば充分だという心。「本来無一物」「無心」だと悟ること。「無一物中無尽蔵 花有り月有り楼台有り」 そういう安心(あんじん)の心を忘れずにお過ごし頂きたいと思います。 (事務局編集)
あたたかな陽気の一日となりました。春季彼岸会も無事に終了し、引き続き着々と霊苑改葬工事が進んでいます。写真の如く、式台玄関から庫裏玄関にかけてのアスファルトがことごとく撤去され、地面がむきだしの状態になっています。また霊苑では、檀信徒墓域「奥の院」の通路に石畳が敷かれ、石塔のモニュメントが設置されました。
奥の院 最奥の通路敷石です
連日の好天気の中、霊苑の工事が着々と進んでおります。通称「奥の院」と呼ばれている寳勝寺檀信徒様の墓域ではすでに御墓石が復元され、ほとんどの墓所で完了しています。
来る3月12日に行われる「春季彼岸会」では、午前中の法要ののち午後より、復元が完了した御墓所の個別お精入れが行われることになっています。
少しずつ伸びていく、奥の院へつづく道の基礎
式台玄関の前でも、工事が進んでいます
「永代墓納骨の儀」修業後の霊苑工事現場です。昨年より造園業者で預かって頂いていた「しだれ梅」が、愈々寳勝寺霊苑にやって来ました。このしだれ梅は、大安禅寺責任役員総代の蒔田様より御寄進頂いた樹木で、たくさんのつぼみを付けた、紅梅です。
今日は、二月にはありえないほどの陽気(15℃)で、苑内の植栽を担当される中部緑地㈱の方々も「植樹には最高の日です!」と喜んでおられました。しだれ梅は住職が見守る中、寳勝寺檀信徒霊苑エリアとなる「奥の院」の中央に据えられました。
枝を確認しながら、住職と専門スタッフの方が樹木の向きを決めているところです。奥の院全体のバランスやお隣に安置される御墓にも配慮しながら、相談して決定されました。根元には3種類ほどの用土が施され、丁寧に混ぜ合わされていました。
添え木が施されているところ
たくさんのつぼみとともに新しい枝が伸び、益々大きくなるでしょうと言われていました。蒔田総代様には、心より厚く御礼申し上げます。これから寳勝寺にて大切に育てて参りたいと思っております。