11月, 2017年

第1537話

2017-11-02

寳勝寺落慶法要 稚児行列より

「空気には味が有る」ということを、以前にある登山家から聞いたことがありますが、今回は本当にそうなんだと納得しました。成る程、旅行で海外に出た時にはその国々で空気の匂いが違うことをよく感じましたが、味となると考えもしませんでした。先般、自坊の大安禅寺に戻った時、しみじみ空気の美味しさを感じ取ったものです。自分の生まれ故郷であるのにいまさらという感も有りますが、人間、慣れほど恐ろしいものは有りませんね。そもそも人間の身体は実に良くできていて、どのような環境にも順応し素晴らしく適応力を発揮しますが、近年の環境汚染が問題視されている中では「慣れ」が一番危険かと思われます。現在は金沢と福井を行き来する生活が続いていますが、加齢と共に環境の変化が手に取るように伝わってきます。若い時には感じなかった環境の変化も、今では極めて敏感に身体が反応するようになった事はきっと「環境適応力」が衰えてきた証拠なのかも知れません。

それにしましても樹齢幾百年を経た木々に囲まれた大安禅寺境内の空気は半端では有りません。そこに住んでいるだけで計り知れないほどの御利益が有る事を感じ取った次第です。聖人孔子の両親は、子供の勉学の為に幾度も家族の暮らす場所を替えたという事ですから、きっと環境が子供に及ぼす影響がどれほど大きなものかを知っていたのかも知れませんね。

 

 

写真は 現代写真スタジオ様 の撮影によるものです

さて、本日は五百羅漢で知られている寺町・桂岩寺住職を訪ね、落慶法要御礼のご挨拶に行ってきました。和尚様は開山忌の準備をしておられましたが、この度の落慶法要では準備から後片付けまで本当にお世話になりました。また寺町の多くの御寺院様の御出頭のお蔭で、盛大に法要が挙行出来ました事に深く感謝申し上げます。友峰和尚より

第1536話

2017-11-01

滋賀県東近江市 大徳寺様にて

31日は寳勝寺が臨時休寺日となった為、ブログも続けて2回分書きましたが、今日は寶勝寺に戻り早速法務遂行に当たりました。昨日、滋賀県東近江市・大徳寺様を会場に開催された「滋賀北陸教区寺庭婦人会総会」にはいつもより多い約20ヶ寺の寺庭(住職の奥様)さんが参加されましたが、和尚が大徳寺様を訪ねるのは初めてで、写真の如くまるで京都妙心寺山内寺院を思わせるような枯淡で整然とした趣のある古刹でした。

本堂を会場に無量寺教化主事の開会宣言で総会が始まったわけですが、なんといっても寺庭さんの会合ですから、午後からは会長の大徳寺寺庭・藤田かおりさんが担当されました。午前中に開催された講義研修では、愛知県一宮市 耕雲寺住職・服部雅昭布教師により「私たちのご本山」と題して一時間余りの講話が有りました。

実にわかり易くご本人の人生経験などもユーモアーを交えてお話されました。寺庭さんにとっては大本山妙心寺の歴史や開山和尚の教えなどを知る良い機会になった事と思います。日頃は寺院間の交流が少ないだけに、毎年開催される教区寺庭婦人会には大いに毎年奮って参加して頂きたいものです。ご参加いただいた寺庭御婦人の皆様、大変ご苦労様でした。

さて本日は早朝より法務が目白押しで激務の一日となりました。若かりし頃、大安禅寺でこなしていたダイ・ハードな法務の日々を思い出していました。70歳になる今、スタッフ不足が否応なく心身に負荷を感じていきます。「成せばなる 成さねばならぬ 何事も!」などという格言も、どうやら30代の青年僧に通じる言葉だとつくづく思う今日この頃です。友峰和尚より

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