和尚のちょっといい話
「一日清閑」
本日緊急事態宣言がすべて解除されると報道され、世の中の空気が一変し久々に穏やかさを感じる一日となりました。まだまだ気を抜いてはいけませんが、道行く人に笑顔が戻って来たのは嬉しいことです。
寳勝寺山門の鉢花
今まで本当に静けさを感じていた街も急に騒々しくなったようで、社会全体に活気を呈して来たようにも感じます。突然発生した新型コロナウイルス感染の問題は、世界中の人々に「生きる」ことへの色々な問題提起をしている様に思います。
「竹 涼風清し」
禅語に「閑坐」と示されるように、人生いちど立ち止まって静かに自分を見つめるチャンスで有ったのかも知れません。所謂「ストップ」する為の、「自己ブレーキ」の効き目を自覚することが出来たようにも思います。
「 閑日 」
多くの市民が忍耐強く協力した「辛抱」というブレーキの効果が、この度の緊急事態宣言解除に繋がった事を国民の一人として誇らしくも思うものです。友峰和尚より
金沢市野町 少林寺の庭園
ここしばらくはお天気が続くとの予報で、先日除草剤を散布した少林寺墓地に出向き2度目の散布をしました。もちろん全ての場所に散布できるわけではなく、手仕事での杉苔の草引きは時間を掛けて丁寧にやらねばなりません。何事もそうですが、手を掛けた分、あとの仕事が楽になります。
「閑中 日月長し」
少林寺本堂裏手の杉苔の庭は、こじんまりとした枯山水庭園ですが実に美しく歴史を感じさせてくれます。少林寺に引き続き、寳勝寺「奥の院」歴代墓の草引きも合わせて行いました。「先手必勝」の言葉は草引きにも通じる言葉で、草茫々となっては手の施しようも有りません。
寳勝寺ふれあいパーク霊苑 奥の院にて
「花 閑かにして 鳥 自ずから啼く」
「和気 堂に満つ」
さて寳勝寺ふれあいパーク霊苑の薔薇を始めとする四季の草花が現在満開となっています。「花閑かにして鳥自ずから啼く」の禅語あり!草引きの中、さえずる初夏の鳥たちも開花を楽しんでいるように思います。禅寺の佇まいは何処までも「閑中日月長し」の様相です。友峰和尚より
「青山 元より 不動」
朝方は涼しかったものの日中気温は26℃と汗ばむ程で、体調管理が難しい昨今の気候です。花菖蒲園の整備を終え金沢に入りましたが、北陸自動車道は緊急事態宣言が解除されたためか一挙に車が増大した感じでした。特に輸送車両が多く走行するのが印象的で、再び経済活動に活気が戻って来たように思いました。
「千里同風」
白山連峰を右手にしながら一路金沢に向かって走らせましたが、大パノラマのように広がる美しい初夏の野山の景色は実に心が安らぐものです。
寳勝寺玄関にて / やつで・定家かずら・隅田の花火(紫陽花)
定家かずら が 咲き始めました
寳勝寺の法務も少しずつ遂行されていますが、カフェは依然休業中で、霊苑に参詣される方も戻りつつ有る今日、状況を見ながら参詣者の休息場所として配慮して行きたいと考えています。
「歩々清風を起こす」
さて「歩々清風を起こす」の禅語が有りますが、一歩一歩あゆむごとに清涼な風を起こす、そのような穏やかな日々を念じています。友峰和尚より
雪ノ下が咲き始めました
アカメガシの剪定
申し分のない素晴らしいお天気に恵まれた一日となりましたが、本日も引き続き園内の整備に入りました。整備が進むにつれ、すべての植物や樹々が輝きを増していく気がします。「もう少し!もう少し!」と自分を励ましながらの作業ですが、今日も無事に予定通り終了出来嬉しく思っています。
バラ園にて 妻とご友人達とともに
この5月25日より感染防止対策を徹底し一般拝観を開始するとのことで、どうやら花菖蒲園の整備も間に合ったようで安堵しています。妻が担当するバラ園ではすでに開花が始まっており、今日は妻のお友達とともに作業の休憩時間を楽しむことが出来ました。
テラスにて 茶礼をしました
2020年5月21日 バラ園のようす
恒例の「花しょうぶ祭」は中止としましたが、拝観者の方々には入場制限をしながら園内を観賞して頂く予定となっています。明日からも副住職が整備を続けていきますが、6月中も園内整備に尽力して参りたいと楽しみにしています。友峰和尚より
コロナウイルス感染者もここに来て全国的に減少傾向に有り、緊急事態宣言も福井県・石川県は今日より解除となったものの依然として感染防止には十分に気を付けなければなりません。三密を避けて外出制限を守る事の大切さでも有りますが、全国の感染者数がゼロになる日を願って頑張って参りましょう。
華蔵寺御住職です
斉藤公一氏です
昨日に引き続き早朝より園内整備に入りましたが、本日は華蔵寺住職並びに斎藤公一氏が加わり、副住職と共に4名での作業となりました。多勢に無勢の言葉の如く、予定通りの作業を無事夕刻までに終了出来、安堵いたしました。
新命副住職です
作業の休憩時間にはバラ園を観賞しながらの茶礼となりましたが、バラ園からは東方に白山連峰を望み眼下には九頭竜川の清流と坂井平野が広がり、まさに「山紫水明」の絶景です!ハードな作業の中での短い休息でしたが「値千金」のひと時でした。
幕末の歌人・橘曙覧(たちばなあけみ)が大安禅寺で詠んだ歌 「うちわたす 野山のひろさ ゆく水のながさ目にあく 時なかるべし」 時を経ても心なごむ情景は変わらないようですね。友峰和尚より
今朝方の気温が16℃と外作業をするには実にちょうど良く、しかも曇り空だったため作業がはかどりました。昨日作業を中止したのは良い判断だったと思いました。
気候と作業の進み具合とは絶妙な関わりが有り、人間の身体がスムーズに動いてくれる為には特に気温の状況が大切ですね。花菖蒲の成長も気温と連動しているだけに、このところの気候不順には困ってしまいます。
新命副住職も園内の草引きに加わり、手ごわい雑草がビッシリとはびこり時間を掛けての厳しい作業となりました。明日も引き続き園内整備に入りますが、明日は強力な助っ人作業員が2名加わる予定で、今から期待しています。
午後からはバラ園の周辺整備にも入り、主に刈込作業に集中! 作業はスロー、スロー、クイック、スローと立ったり座ったりでしたが、夕刻まで身体もなんとか持ちこたえてくれました。
今日も孫達の黄色い声援を受けながらの大満足の一日となったようです。友峰和尚より
和尚の書斎にて
お天気がどうも定まらない不安定な一日となり、当初予定していた花菖蒲園の整備を中止し、自室アトリエの大掃除に徹底した一日となりました。最近では金沢寺院での滞在が長くなっている為、自坊の自室はカビ臭く、色々な昆虫が割拠する様相には唖然とします。人の住まなくなった部屋はあっという間に廃墟のような雰囲気になってしまい、寂しい限りです。
アトリエにて
特にアトリエの水回りには今まで見たことのない虫が我が物顔に居座っており、近づこうものなら「家主は俺だ!!」と言わんばかりに睨みつけられる始末。なんとも情けない気がするものです。しかし大掃除を始めると流石にどこかに姿を消してしまうのも不思議です。
掃除終了後には、床の間の掛軸を季節のものに替え、気分を一新させました。悠久の時を経て鬱蒼とした杉木立の中に佇むアトリエは全く別世界で、隔世の感が有ります。
さて掛軸は、「雲深くして処を知らず」です。「唐詩選」の中の一句ですが、たまには山中深く立ち込める雲の中に包まれるのも風流かもしれませんね。 友峰和尚より
大安禅寺 バラ園にて
午前中に花菖蒲園と薔薇園を一周し明日からの園内整備に備えましたが、薔薇園では色とりどりの花が咲き始めており、現在三分咲きくらいでしょうか?どこも初々しい薔薇の花の香りいっぱいで癒されます。お手伝いに来ていた妻のお友達そして妻や孫たちと一緒に休憩時間を楽しみましたが、例年であれば多くの花見客で賑わう園内も今年は実にひっそりと静まり返っていました。
さて副住職の依頼で達磨図を描いてみました!賛は「無」の一字!で、「なんも言えね~」ではなく「なんにもね~」の心境です。
「ね~」とは方言で「無い」の意味です。達磨に成りきっての渾身の「無」の一字! 「無一物中無尽蔵 花有り 月有り 楼台有り」の心境です!友峰和尚より
「山水 清音有り」
大安禅寺駐車場の片隅に、約5年程前から小森庭園主・末政幸憲さんが自作の水車をを造られ、寺を訪れる参詣者の心を和ませてくれています。最初は1台だった水車も現在では7台に増え、流れ落ちる水の音が涼しさを呼んでいるようです。
福井県は緊急事態宣言が明日18日に解除されますが、卑山は以前として拝観停止状態が続いており、訪れた参詣者の方々が水車を見入っていました。庫裡の裏山には竹林が有り、今年は筍(たけのこ)の表年(おもてどし)らしく、あちこちから筍が勢いよく伸びている風景には驚きました。
昔は寺の収入にする為、山奥深くまで父親と共に筍堀りに出掛けたものでした。「山水清音有り」の禅語如く、竹林を吹き抜ける涼風と谷川のせせらぎの音が絶妙な音色を響かせていました。
「白雲 自ずから 去来す」
さて、明日からは再び花菖蒲園の整備に入りますが、薔薇園ではすでに多くの花が咲き始めているようです。友峰和尚より
「清風 修竹を動かす」 渓仙 書
大安禅寺では副住職が全国に向けてオンライン坐禅を開始したそうで、臨済宗青年僧の会も同時発信されているようです。パソコンやスマホの映像を通して丁寧に坐禅指導し、一緒に坐る試みだそうです。
臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会
なるほどこれまではお寺でしか体験する事が出来なかった坐禅でしたが、今後は自宅に有ってリアルタイムで誰もが自由に坐禅を修することが出来るのは大変良い事だと思います。今後はテレワークやオンラインを利用した学校の授業など、これまでと随分違った生活様式に変わりそうです。
「薫風 南より来たる」 渓仙 書
和尚は福井と金沢寺院間を行き来しながらの法務遂行となっていますが、現場での実践を大切にしながら未来志向の有り方も模索して参りたく思うものです。友峰和尚より