和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第470話 】
2014年 12月 01日 談

皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 泣いても笑っても今年も残すところ、あと一か月という事になりました。「師走」という言葉を聞いただけで、何となく気ぜわしさを感じ取ってしまうものです。この一年を振り返る大切な月でもありますね。また来年に向けての計画を立てる月でもあるわけですから、大切に過ごして行きたいものです。

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応接室の大掃除中 / 大安禅寺にて

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皆様にとってこの一年はどのような年でしたか?和尚の今年のテーマは、午年にちなんで「天地一指」でした。天地一指、万物一馬という語からとったわけですが、その意味は「人生、何事も相手と一体になって一所懸命に全力を尽くして努力せよ」という事で、なかなか厳しい言葉ながら、今のご時世の動きに沿ってのテーマとなりました。今、アベノミクスの是非が取り沙汰されていますが、約20年に渡って続く経済不調の日本の景気回復を一年や二年で出来るリーダーがいるなら、それは神がかり的、超人様だと思います。国外に出て一番感じますのは、日本は素晴らしく美しく、心豊かな国であることを思います。確かに経済が豊かになることを和尚も臨みますが、このような時代には「原点回帰」の心構えが必要だと感じるものです。物やお金の不足した時代が懐かしく感じるのも「原点回帰」の心からですね。‏禅の言葉に「吾ただ足ることを知る」と有りますように、よくよく考えてみれば、この一年を健康で無事に過ごせたならば、まずもって有りがたし有りがたしという事です。‏日本は火山国でもあり、昔も今も大きな天地災害に対して、村々の人々が協力しながら困難を克服してきた経緯が有ります。‏いつの時代でも頼りになるのは「人」です。いろいろな「財」がこの世には有りますが一番大切な財は「人材」です。‏この人材が育っていくような国家づくりが今、最も求められているようです。‏

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大掃除の合間の楽しい茶礼

さてさて「師走」です。これから駆け込みの御法事も増えていきます。今が無事で有るのは、これ一重に御先祖の御加護のおかげに他なりません。‏お坊さんがこの時期、御法事で走り回っている姿から「師走」となったともあります。先祖の恩、父母の恩に感謝しつつこの一か月を過ごして参りたいものです。友峰和尚より‏

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