和尚のちょっといい話
ホテルの窓から見える 岐阜駅前の高層ビル
岐阜市内の風景
JR岐阜駅前のホテルに一泊し、昨晩は江月寺宗務所長様はじめ役職者の方々と夕食をともにしながら岐阜西教区御寺院の現状などを伺い歓談しました。午前9時過ぎにホテルに迎えに来てくださり、岐阜西教区住職研修会会場のアスピカ七条に到着する間にも教区の実情などを聞き、情報収集に努め講話の参考としました。午前10時より約60名の住職、副住職並びに寺庭様が出席するなか寺院に於ける今後の護持運営について、途中休憩を含め約2時間に渡って和尚のこれまでの寺院再建の経験を通してわかり易くお話しさせて頂きました。
岐阜西教区住職研修会 講話 「 これからの寺院運営について 」
まだ自坊や金沢兼務寺院が再建途中ながら、これまでの足跡を辿れば辿るほど困難な道のりであった事を再認識するものです。「ローマは一日にしてならず」という格言を身に沁みて実感します。禅語には「刻苦光明必ず盛大なり」と有りますが、苦しみを刻むことがいかに大変かを思い知るところでも有ります。今回で全国5教区の住職研修会での講話となりましたが、参加の各御寺院再興に少しでもお役に立てたら幸いに思うものです。何事もそうですが、やはり直ぐに実行に移す事が大切で人生は時間との闘いでもありますね。
それにしましても岐阜西教区の臨済宗妙心寺派寺院は約300ヶ寺ありますが、その半数が住職不在で兼務になっているとの事でした。寺院の後継者不足が深刻ですがたとえ後継者がいても結婚していない住職もおられ今後の寺院存続に影を落としているようで、寺院運営と後継者育成はセットで考えていく必要に思います。
15年程前の岐阜墨蹟展が懐かしい TAKUMIミュージアムへ通じる高架橋
午後からの講義は花園禅塾塾頭・大泉寺 桐野祥陽住職による「漢詩の作り方」と題して行われ、しばらく拝聴したのち帰路につきました。さて難しい話になりましたが頑張って参りましょう。講話を無事に終え安堵しましたが、和尚にとってもまだまだ寺院再興への苦難の道が待ち構えている事には違いないようです。残暑厳しき折、くれぐれもお身体ご自愛下さい。友峰和尚より
大安禅寺 開基堂
すっかり初秋の風情を醸し出している大安禅寺境内一帯の風景ですが、気温は高く午前中に33℃を超えました。まもなく秋季彼岸会を迎えますが、その頃までには涼しくなることを期待したいものです。
開基堂の格子窓から見える 境内の萩
午後1時から卑山第3期工事庫裡保存修理工事の会合が開かれ、御挨拶をしたのち一路岐阜県に向かいました。明日の午前10時より「妙心寺派岐阜西教区住職研修会」での講話のためですが、当日は約60名近い御寺院の住職・副住職が参加されての研修で、近年は全国の教区にお招き頂き「寺院の護持と運営」についてこれまでの寺院再建復興の経験を通してお話しさせて頂いています。
卑山第3期工事 庫裡保存修理工事会合にて
現在自坊の建築物は文化庁指導のもと保存修復工事が進められていますが、先代實道和尚の悲願でもあった諸堂の修復工事も今のところ順調に運んでおり大変有難く思っています。されどもここまでの道のりは大変険しく困難であって、特に修復工事の資金を得ることの難しさに直面し何度も挫折しそうになりました。現在の師匠でもあります妙心寺塔頭、雑華院華隠窟老大師様はじめ卑山をご支援くださる檀信徒の皆様、企業の皆様のおかげで「令和の大修理」と銘打って約15年を掛けて保存修復工事が行われていることに深く感謝申し上げる次第です。
昨日夕方 アトリエからの夕焼け雲
全国27教区のうちこれまでに滋賀北陸教区、兵庫教区、愛知西教区、三重教区、静岡西教区の住職研修会で講話をさせて頂きました。ますます難しくなる寺院護持運営の今後ですが、少しでも参考になれば幸いに思っています。大安禅寺の復興はまだ道半ばですが、今後も緊張感をもって竣工に向け更に精進努力を続けて参りたく念じています。さて各御寺院の状況で再興の方法も異なりますが、基本的にはお釈迦様の教えを忠実に実践していくところに活路を見出せると信じます。刻苦光明必ず盛大なり。友峰和尚より
「 龍翔萬年寿 」 / 秋海棠 シュウカイドウ
今しばらくは日々32℃を超える真夏日が続くそうですから、皆様にはくれぐれも十分気をつけてお過ごし頂きたいと願っています。フランスから一時帰国されている画伯の荒木芳栄さんが所用を兼ねてご挨拶に来寺くださり、しばし高倉さん御夫妻ならびに職員を交えて応接間で久しく歓談しました。
荒木芳栄さんが来寺くださいました
現在もパリ郊外の邸宅で絵画など芸術作品制作を続けているとの事でしたが、以前サンリスでのアート・サクレ展覧会で墨蹟禅画展を開催した時には荒木さん御夫妻には大変お世話になりました。最近は和尚も法務遂行の関係で墨蹟や禅画などの制作から遠ざかっていますが、再び墨蹟展開催に向けて創作活動に入りたいと願っています。
高倉さん御夫妻
本日は午後より自坊に帰山しましたが、明日午後1時半からは第3期・庫裡保存修復工事の会合があり、その会議が終わり次第すぐに岐阜県へ向かう予定となっており東奔西走の慌ただしさが増している昨今です。
以前もブログで持論を述べてみましたが、人生には「起・承・転・結」があり和尚にとっては愈々最後の「結」を目指しての日々の行動であるように感じます。少しでもお役に立てるなら東奔西走しながら求めに応じて尽力して参りたいものですね。さてさて「気力・体力・決断力」が減退するようでは説得力を失いかねませんから、日頃からの体力アップも欠かせない今日この頃のようです。友峰和尚より
瑞光寺庫裡にて / みなと石材・中町氏 と 造園業の多田氏
ひと雨欲しいところですが以前残暑厳しく、毎日約30℃を超える真夏日となっています。金沢兼務寺院本多町・瑞光寺へ午前中に出向き、本堂裏山の民家の屋根に掛かる樹木の枝伐採計画に関する現地視察と行政指導を受けました。現在金沢市内4ヶ寺の兼務住職を拝命しており、各寺院それぞれに色々な事情を抱え寺院護持管理と問題解決のために奔走しているわけですが、瑞光寺の裏山は「特別緑地保全地区」に指定を受けており樹木伐採や剪定には行政の許可と指導が必要となっています。
金沢市の担当者の方と 瑞光寺特別緑地保全地区についての会合
本日は日頃お世話になっているみなと石材の中町社長と業者の方ならびに金沢市役所・都市整備局・景観政策課・景観係担当者の方々と現地視察をし、今後の樹木保全などについての指導を受けたわけですが、市街地の寺院にとって樹木保全はなかなか悩ましい問題でもあります。と言いますのも、何十年もの歴史を経た樹木保全は極めて大切ですが、樹木が近隣の住宅にご迷惑をかけることも問題です。
皆様とともに 現場視察へ向かいました
大きくそびえる 保全地区内の樹々
数年前にも 剪定作業を行っています
金沢市役所担当者の御名刺を拝見してもいかに歴史観光都市・金沢が街づくりに重点を置いているか思い知るところで、今後も御指導を仰ぎながら慎重に樹木の整備を進めて参りたく思うものです。
上杉鷹山の「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」との言葉が重く圧し掛かる今日この頃となっています。本当に“苦労は若い時にこそ買ってでもせよ”ということで、加齢とともに事を為そうにも身体が思うようにならなくなることへの無念さでもありますね。「若い時は二度無い!」と厳しく叱咤された師匠の言葉を有難く思い出す毎日です。友峰和尚より
午前9時半より 和尚の「楽く楽く法話」が行われました
秋の観光シーズンを迎え本日は岐阜県高山市より約20名の団体のお客様が御来寺くださり、午前9時半より約40分に渡って「宝勝和尚の楽く楽く法話」を拝聴くださいました。朝には少林寺お檀家・中山家の月参りが予定されていたためいつもより早めに宝勝寺を出発しお参りを終えた後、法話が始まる15分前に寺に帰山しました。すぐに身支度を整え団体のお客様を無事に迎えることが出来安堵しました。
久しぶりの法話遂行でしたが、団体の皆様は和尚と同年代の方々で楽しくお話しさせて頂きました。大安禅寺でも今年の秋口から12月にかけて新命玄峰和尚の「生き生き法話」の団体予約が入り始めているという事で有難く思っています。約4年間に及ぶコロナ禍に有っては観光客の減少で寺院運営の面で大変心配したものですが、ようやく観光復活の兆しが見えて来たようです。宝勝寺でも今後は和尚の「楽く楽く法話」コースを順次催行していきたいと願っています。
「 一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま 」
今月14日には岐阜市内で開催される「妙心寺派岐阜県西教区住職研修会」での講話が予定されており、午後からは資料作りなどその準備に入りました。最近は卑山での年忌法要や墓前での御供養の際、読経終了後に短い法話を通して祖霊供養の大切さなどを分かり易く説きながら故人の霊を偲んでいます。
さて秋季彼岸会も近づいてまいりました。一期一会の人生ゆえに1日1日を充実させながら感謝の念とともに過ごして参りたく思います。残暑厳しき折、くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
日中友好の朝顔 種収穫の時節
このところ気温は高いものの日中でも約31℃と、全国の気温から比べれば金沢市内は幾分涼しいほうかと思います。午前中に墓前供養が修業されましたが、一昨日に引き続き法務遂行を桃雲寺御住職にお願いし和尚は御供養施主の方々との御挨拶を致しました。
塚本家納骨之儀 御供養諷経が修業されました
北原家 墳墓開眼納骨供養諷経にて
7月8月と続いた盂蘭盆会修業の疲れが取れずお盆明け頃より静養を心掛けて来ましたが、今少し休息が必要との自己判断で地元の御住職に法務のご加担を願っています。お蔭様で慢性疲労からは回復傾向にあり、今後も卑山年中行事をはじめ墓域での御供養にご加担して頂くようお願い申し上げた次第です。
御法要の前に 桃雲寺(金沢市野田町) 御住職との懇談
やはり人間にとって休息は不可欠で、若い頃のように直ぐには疲労回復が儘ならないのが現実と自覚する毎日です。とはいえ「報恩菩提・愛山護法」を主体とする住職としての法務遂行は人生最期まで精進努力せねば師匠にも申し開きが立ちません。
明日の「楽く楽く法話」 設え準備中…
さて明日は久しぶりに「楽く楽く法話」が午前中に予定されておりその設えをしましたが、やはり「坊主は説法!」が大切です。「笑う門には福来る!怒る門にはホスピタル!」頑張って参りましょう!! 友峰和尚より
風に揺れる 中庭の萩
朝方に地面を叩きつけるような猛烈な雨模様となり大変心配しましたが、しばらくして雨も上がり再び日差し照りつける夏日となりました。午前午後とも本堂での年忌法要と納骨供養諷経修業となり空模様はさほど憂慮しなくても良かったのですが、それでも天気の良し悪しは大変気になるものです。
午前10時半より 西村家 年忌の御法要を修業いたしました
時々“夢枕に観世音菩薩が現れ不思議な現象を体験した”などの話を聞きますが、和尚も最近それに似たような体験をすることがあります。と言うのも、本日のように終日ご供養が続きますと頭の中では常にお経が流れており、就寝中にも夢の中でしきりにお経を唱えている自分がいてその目前に観世音菩薩が神々しく現れるといった感じで、どうやら潜在意識がそうさせるのでしょうか。僧堂での修行時代などは日々の寝不足から夢を見るどころか只管爆睡していましたが、深夜に寝言の如くお経を唱えている和尚の声を想像するだけでも不気味ですね。幸いに寝室は一人きりですから大丈夫ですが。午後4時にすべての御供養を終了した後などは放心状態に陥り、頭の中がジンジンします。その感覚が就寝中に蘇ってくるのかも知れません。
午後より 高田家満中陰忌法要
桂岩寺御住職が維那を務められました
引き続き ふれあいパーク霊苑にて墳墓開眼納骨供養諷経をいたしました
15時より本堂にて 玉作家納骨之儀 御供養諷経をいたしました
さて無事に法務を終えると本当に気持ちが良いものです。卑山ふれあいパーク霊苑を通して、その名前が示すように多くの方々との御法縁が結ばれていく今日この頃となっています。友峰和尚より
風露草 フウロソウ / ふれあいパーク霊苑石垣
相変わらず残暑厳しい日々が続いています。午前中には池田家一周忌墓前法要が修業されましたが、時折涼しい風が霊苑内を吹き抜けて行きあまり暑さを感じることも無く有難く思いました。
池田家一周忌 墓前御供養諷経
午後からは田島家ならびに浦山家の墓前開眼納骨供養が修業されましたが、遠くは山形県、千葉県よりご参詣され最近は本当にご遠方よりお参りに来られるご家族が増えているように思うものです。田島様は山形県酒田市より自家用車で約6時間以上かけてご参詣くださったとの事ですから、故人の霊も嘸かしお喜びになられた事と察するものです。
午後より 田島家墳墓開眼納骨供養諷経
浦山家 墳墓開眼納骨供養諷経
本日の法務に御出頭賜りました 豊財院(羽咋市)御住職です
本日は和尚の法務遂行の都合上、豊財院ご住職に祖霊御供養諷経をお願いしましたが、ご供養の時間の合間には本堂で厳修される年忌法要修業のやり方など豊財院様と梵唄の打ち合わせをさせて頂きました。豊財院様のお経を唱える声が素晴らしく綺麗で今後法要修業にも御加担下さるようお願いした次第です。
寺カフェお手伝いの 坂野さん です
さて9月秋季彼岸会を目前にして祖霊供養を申し込まれる方も増えて参りました。大安禅寺の秋季彼岸会並びに放生会は9月22日(日)午前10時半より厳修予定となっております。どうぞ皆様には御家族お揃いでご参詣くださいますようお待ち申し上げております。友峰和尚より
柿の実 / 瑞光寺にて
大安禅寺の境内は今なお朝夕蝉しぐれの中にありましたが、宝勝寺ではすっかり秋の虫たちが主役となり夕刻ともなればいっせいに鈴虫やキリギリス、コオロギなどが鳴き始めいつの間にか蝉と入れ替わっています。それはそれは賑やかで秋の虫たちの縄張り争いは一昼夜に及びますから大変ご苦労様なことです。
朝一番に (株)ココ・プランニングの清野さんと懇談しました
昨日の夕刻に宝勝寺に帰山しましたが、あまりにも自坊で暮らす山中の佇まいと宝勝寺での街なかの佇まいの環境の違いには驚くばかりです。和尚さんはどちらが住みやすいですか!と問われれば甲乙つけ難しといったところですが、環境の変化に対応するのが難しく感じるようになって来ているのも歳のせいなのでしょうか。
午後より 瑞光寺墓域で除草剤散布作業中
午後より本多町・瑞光寺に所用で出向きましたが、先般散布した除草剤効果で墓域の雑草は綺麗に枯れており、本日は残っている部分に再び除草剤散布作業をしました。何事もそうですが「継続は力なり」で、懈怠の心ほど恐ろしいことはありませんね。
作業を終え宝勝寺に帰参してまもなく、卑山お檀家の稲場さんが来寺くださり曲録御寄進のご浄財を頂き感謝申し上げました。これまでにも檀信徒の皆様並びに卑山に御法縁を頂いている各企業の皆様方から温かいメッセージとともに過分なる御寄進を賜り心より深く御礼申し上げます。
この時期の和尚の大好きな一句に「秋なれや 月を追う雲 逃げる雲」という句があります。まさにその通りで足早に月日が過ぎて行きますが、名月だけはどっしりとして見事に輝いています。一体全体、雲が自分の心なのか、月が自分の心なのか、さてさてどちらでしょうか? 皆様!風流ならざるところまた風流です。月も良し!雲も良し!追いかけるも良し!逃げるも良し!さあ大変だ!さあ大変だ!和尚は駆けて行く!さあ今度こそ捕まえよう! 友峰和尚より
残暑厳しき日々が続いていますが、皆様にはお変わりなくお過ごしの事と大慶に存じ上げます。自坊で過ごす際の楽しみはと言えば朝の御来光を拝むことで、今日もアトリエ真正面、東の方向白山連峰より差し昇る神々しいまでの朝日を拝むことが出来ました。
写真の如く、あたり一面が少しずつ明るさを増していく情景には感動すら覚えます。しばしベランダに出て白湯を頂きながらゆっくり寛ぐ時ほどこころ安らぐものは有りません。
午前中に庫裡全体の拭き掃除をしたのち境内をぐるりと巡回し途中で本堂の修理工事現場を見学しましたが、いつものルーティンながらこちらも気持ちが落ち着くものです。京都大本山妙心寺の涅槃堂での法務遂行のため約1週間ほど出向いていた新命副住職が夕刻帰山するのに合わせ、和尚も留守番の役目を終え午後より宝勝寺へ戻りました。
お盆明けの休息を自坊で過ごしましたが、その間には日頃ご無沙汰していた地元の方々との交流を深める事が出来十分に寛ぐことが出来ました。明日よりは再び宝勝寺の法務遂行に専念して参りたく思っています。白隠禅師坐禅和讃の一説で「行くも帰るもよそならず 歌うも舞うも法の声」と遊戯三昧の心境で日々精進して参りましょう。友峰和尚より