和尚のちょっといい話
京鹿の子 の つぼみ / 寳勝寺式台玄関にて
「庵中 閑(しずか)に打坐(たざ)すれば、白雲 峰頂(ほうちょう)に起こる」という禅語が有ります。山中閑居(さんちゅうかんきょ)の様子で、「世事一切を放下(ほうげ)して悠々として大自然の中に身をゆだねる心境」と禅語の解説に有るように、これだけ喧騒の世の中に有れば思い切っていちど日頃のリズムを変えて「忘我」の心境を味わいたいと願うものです。
「 放下着 (ほうげぢゃく) 」 大安渓仙 書
一昨日は京都、昨日は福井、そして今日は金沢と実にゆっくり居を構える間もなく移動の毎日となっています。そんな中、ニュース速報で九十歳の女性の運転する乗用車が通行者をはね、そのうち一人の方が亡くなったとの内容でした。確かに最近は九十歳の年齢と言えども大変元気な高齢者を多く見受けますが、元気と安全は全く別の世界で、車ほど危険な乗り物は有りませんね。まして高齢者の運転となれば尚更の事です。近年、自動運転システムや安全ブレーキシステムなどが急速に開発されつつありますが、運転者の健康や心理状態を推し量るAI機能搭載自動車の登場はまだまだ先の話です。自分は大丈夫だ、という慢心には和尚自身も反省しきりです。安全にも安全を心得て運転したいと念じています。さて、今日は急遽金沢での法務遂行となっています。一日を健康で無事に過ごせるのがどんなに難しく又どんなに幸せな事か、本当にしみじみと感じるこの頃です。頑張って参りましょう!! 友峰和尚より
寳勝寺玄関にて しもつけ 都忘れなど
大本山妙心寺 法堂 / 妙心寺公式ホームページより
妙心寺管長晋山式の朝は素晴らしいお天気となりました。流石に管長様の御高徳を表すかの如く時折涼しい風が法堂(はっとう)内に吹き込み、真夏日の予報が出ていたにもかかわらず気温は二十八℃と過ごしやすく感じました。
花園会館での朝食
昨晩は花園会館に宿泊、朝食を頂いた後、妙心寺大方丈に向かいました。全国から関係者約二百名近い尊宿を始め一般縁者も多数出席され、法堂に於いて厳粛な雰囲気の中、晋山の偈(げ)を新管長・小倉宗俊老大師が唱えられました。和尚が管長晋山式に出席したのはこれで二度目になりますが、その御法縁に感謝しております。式終了後は大方丈での祝賀会となり、妙心寺名物「阿じろ」の精進料理を頂きながらしばし同僚たちと歓談し、自坊に戻りました。
祝賀会 / 大方丈にて
京都府知事 西脇隆俊様の御挨拶
京都市長 門川大作様の御挨拶
晋山式は二時間に及ぶものでしたが、法堂内は静まり返り、偈を次々に披露する新管長の聲だけが響き渡る様はまるで六百年前にタイムスリップしたような感覚を受けたものでした。伝統仏教の真髄に触れる思いのした新管長晋山式に出席出来たことを有り難く感じた一日となったようです。友峰和尚より
大本山妙心寺 大方丈 / 妙心寺公式ホームページより
少林寺にて 御檀家様の五十回忌法要が厳修されました
気温が一気に上昇する中、午前10時より野町・少林寺でお檀家様の年忌法要を営みました。50回忌の御供養でしたが、最近では50回忌法要を修業されるお家も少なくなって来ています。というより両親の年忌法要も営まない近年の状況です。法要終了後には御家の代々墓にお参りするため金沢市の野田山墓地に向かいましたが、ここでも今後の墓地後継者問題の話しになりました。
法要終了後 寳勝寺にて懇談のひととき
すべての法要を終えた後、皆様で宝勝寺に来て頂き、茶礼後にはふれあいパーク霊苑を見学されていました。現代社会は本当に、少子高齢化問題が身近なところにまで及んでいるようです。さて無事に法要を済ませ、一路京都妙心寺に向かいました。明日は新妙心寺管長の晋山式に出席致すこととなっています。新管長様は愛知県犬山市・瑞泉寺のご住職で、金沢宝勝寺の開山・千岳宗仭禅師が修行されたお寺です。しみじみとご法縁の不可思議を感じとったものです。どうやら京都の明日の気温は30℃を超える真夏日となりそうです。友峰和尚より
今年ふたつめの 睡蓮が咲きました
昨日に引き続き今日も爽やかな一日と成りましたが、和尚は外へ出る事も出来ず自坊から依頼のあった色紙書きに専念しました。明日は野町・少林寺に於いて年忌法要が営まれる予定となっており、施主の方に差し上げる姫観音図も合わせて描きました。姫観音図を描くのは本当に久しぶりで、筆を持つ手の感覚も忘れ、どうなることかと思いましたが次第に思い出し一枚の図を仕上げました。明日は真前にお供えしてからお渡ししようと思っています。
午前中から卑山ふれあいパーク霊苑の見学者の方が次々に来られており、風も温かくとても気持ちが良いため霊園に咲き乱れる薔薇の花を観賞しながらの見学となっていたようです。明後日は京都・大本山妙心寺での法務となっていますが、本日は精力的に依頼された作業を遂行したものの流石に疲労困憊して夕刻にはしきりに休息タイムを求める始末! 皆様!やはり休息はたいせつです! いま国会で論議されている「働き方改革法案」がどのような内容か知りませんがどうか休息時間だけは十分に取って頂きたいものです。
さて「苦あれば楽あり」の言葉を信じて再び頑張って参りましょう! それにしても大リーグ 大谷翔平選手の毎日の大活躍には目を見張るものが有ります。和尚も心から声援を送っているファンの一人です。和尚は「太田胃酸」が欠かせない日々が続いています。「太田胃酸(オオタニさ~ん)」 友峰和尚より
寳勝寺アトリエでの 色紙書き
暑くもなく寒くもなく大変気持ちの良いお天気となりました。少林寺の修復工事準備のため金沢に入ったものの宿題が山ほどあり、あれもこれもと先ずは出来るところから開始、まもなく開催される花菖蒲祭の志納所用色紙書きから始めました。本来なら屋外での仕事がしたいのですが、しばし辛抱して室内作業に集中です。
「一日清閑 一日福」 大安友峰 書
兼務寺院の少林寺は寳勝寺より徒歩で5分ほどのところに有る禅寺です。寳勝寺開山・千岳宗仭禅師が同じ開山和尚となっておりますが、寳勝寺に住職したのち、いったん京都大本山妙心寺の住職をされ、その後再び金沢に戻り加賀藩主第三代・前田利常公の庇護を受けて少林寺に住職されました。寺院の規模は寳勝寺と全くに同じで、寺内の構造も大変よく似ています。この度、寳勝寺全体の普請が殆んど終了した事を受けて来年度よりは少林寺に入っての寺院復興を予定しています。
少林寺 本堂にて 2017年7月 撮影
薫風のふれあいパーク霊苑 「奥の院」にて
スタッフによる清掃やお手入れ 美しく管理されています
兼務寺院の住職としての課題は山積みで、お堂の復興に合わせて後継者探しも重要な責務となって来ているようです。和尚に残された時間も限られてきているので、「善(禅)は急げ」の心境で頑張りましょう! ここに来て花菖蒲園整備からの関節の痛みが再び発生して悩んでいます。直接にも間接にも身体が一番大切に思う今日この頃ですね。どうか皆様、くれぐれも御身お大切にお過ごしください。南無観世音菩薩 オンマカキャロニカソワカ 友峰和尚より
禅語に「閑坐聴松風(かんざしてしょうふうをきく)」というのが有ります。意味は全くにそのままで、しずかに坐って松風の音を聴くという事ですが、一体どんなふうに松風の音を聴いたかが問題です。
松浦建設㈱ 吉田専務様 と 社員の方とともに
禅語は自分の心との対話ですからそれぞれにその心境は異なると思います。ならば和尚はどのように聴いたか? 禅語の字を確認すると「閑」と有ります。同じ「しずか」でも、静とは意味が違います。「閑(かん)」なのです。そう言えば芭蕉の「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」の有名な一句を思い出します。「閑坐して松風を聴く」とは、松風の音と自分の心が一体と成った忘我の状況を現わしています。
大安禅寺のアトリエにて
「閑坐して松風を聴く」 大安友峰 書
本日は梅雨入りを思わせるように朝からシトシト小雨模様となりました。そんななか、午後からはアトリエに引きこもって色紙書きをしました。何処からともなく風が吹き込んで来て、まもなくヒュルヒュルと松風の音が聞こえてきました。何処までも閑です。音が聞こえて来るのに心は穏やかで閑です。思わず揮毫しました「閑坐聴松風」と。なんにも思わぬが仏の稽古也とはそのような心境なのかも知れません。一気に数十枚の色紙を書き上げましたと言うより勝手に手が動いていきました。久しぶりに書いた禅語の色紙、とっても気分よく清々しい気持ちで書けました。
モリアオガエルの卵 / 大安禅寺 心字池にて 2015年撮影
松風だけでなく雨音もモリアオガエルの鳴き声も同化して自分と一体でした。そうそう、今日の福井新聞に、卑山西庭の心字池でモリアオガエルが沢山の卵を産んだ記事が写真と共に掲載されていました。不思議ですね~、なにもかもが有るがままです! さて、お車を運転の皆様、「無事カエル」よう安全運転を念じています。けえろ!けえろ!ケロケロケロケログワッグワッワ。友峰和尚より
快晴の中、早朝より花菖蒲園の整備に入りました。今日で2日目ながら、卑山世話方衆が早めの整備を進めてくれていたため仕事も順調に捗(はかど)りました。今日は、昨年に引き続き強力な助っ人・卑山御用達「春陽堂」店主、斎藤公一さんが加担してくださったお蔭で、花菖蒲の苗の植え替えも加藤職員と共にスムーズに進み、一日で多く整備をこなす事が出来たようです。
斉藤公一氏です
園内の作業はその殆んどが庭師職人の仕事なれど、長年培ってきた技術で庭木剪定から草刈りそして苗の移植までを担当しての大仕事でした。和尚自身が手掛けた事業ゆえに、花菖蒲園が存続するかぎり頑張って今後も整備をしていきたいと願っています。新命副住職も将来的には禅寺に相応しい庭造りをしたいという事なので、未来構想を念頭に於いてもっともっと美しい花菖蒲を開花させていきたいものです。
さて、昨日の夕刻には「重要文化財諸堂修復工事」に関わる会議が開かれました。会議には、文建協より佐藤武王調査技官と、福井県生涯学習課並びに福井市文化振興課の要職者そして卑山からは責任役員総代はじめ吉岡泰英氏、片岡正明氏参席のもと「大安寺修理委員会」が結成されました。
今後は、檀信徒皆様に対しての工事施工に関する丁寧な説明と、これまでに行われた事前調査工事の結果報告会が成された後、来年度より正式な修復工事が着手される予定となっています。先日も多くの檀信徒皆様が総出で卑山護持の「家並(境内掃除)」に参加くださいました。これからも寺院の護持に深い御理解とご指導を頂きながら前に進めて行きたいと思っています。友峰和尚より
満を持して今日から花菖蒲園の整備に入りました! 嗚呼!なんたることか、今年の豪雪でツツジやサツキまた垣根が相当ダメージを受けており、整備には随分と時間がかかりそうです。幸いなことに、和尚は金沢滞在で留守が多い事を知ってか卑山世話方衆が早めの整備を始めてくれていた為なんとか間に合いそうで、今年の祭りは催行出来そうです。
それにしましても約40年近く園内整備に携わってこれた事を有り難く感じています。1回の中止も無く無事に開催されて来た事も神仏の御加護と感謝の念で一杯です。今年で開園35周年を迎えるわけですが、県内外から多くの入園者を迎えその浄財が大安禅寺諸堂復興の礎を築いてきました。美しい花を咲かせる事の難しさや労力不足の現状など紆余曲折の40年間でしたが、来園者の喜びの笑顔が何よりの心の支えになって来ました。
和尚の法話のテーマが「第一回花菖蒲祭」から始まったことを思い出します。「人生の花を咲かせましょう」「夢・希望・志を忘れないで!」いいですね!その通りです! 特に「志」が大切です。「志」さえしっかりしていればなんでも出来る、そう信じての人生です。早朝よりの花菖蒲園草取り整備、実に充実した時間を過ごすことが出来て大満足です! 作業を終えて足腰はフラフラなれど、心はウキウキですね。明日も引き続き頑張って整備を進めましょう!頑張ります! 友峰和尚より
寒暖の差の激しい日々がこのところ続いていますが、今日はすっきりと晴れ渡った良いお天気となりました。天候の移り変わりと共に、人々のこころの状態も多少影響を受けるようです。
大安禅寺 山門のひろばにて
檀信徒の皆様へ 大作務開始前の御挨拶 のようす
総代様から 仕事の段取りを説明されているところ
本日は卑山の大作務(おおざむ)で、早朝より多くの檀信徒の方々が参加され、山門前よりお寺に至るまでの参道の草刈と掃除並びに薪割りの作業が行われました。和尚の子供の頃には「家並(やなみ)」と称し、卑山で消費される数年分の薪(たきぎ)を作る為に裏山から雑木を伐採し、鋸で引いて斧で薪割りをしたものでした。実にハードな作業で、雑木を山から寺の作業場まで運ぶ手立ては全て人力でしたから、それはそれは辛い仕事でした。寺院が今日まで護持されて来たのは言うまでもなく多くの檀信徒皆様方の奉仕活動によるものであったと心から感謝するものです。
薪割りのようす
午前11時からは檀信徒様のお宅で年忌法要が営まれ、久しぶりに導師を勤めました。最近では自坊の法務は全て新命副住職に委ねておりますが、年忌物故者との深い法縁から和尚が勤めました。法要の最初には「花園流御詠歌」が家内の導師のもと御詠歌婦人部の皆様によって奉詠されましたが、実に厳かで法悦を感じた年忌法要と成りました。さて明日からは本格的に花菖蒲園整備に入る予定をしています。毎年恒例の和尚の仕事ながらワクワクする思いでいます。土作業はいいですね! 土の匂いを嗅ぐだけで元気が出て来ます。泥の匂い!草木の匂い!花の匂い!汗の匂い!どれも最高です! 「真理を行ずる者には仏天の加護が有る」 自然と共に歩んで行きたいものですね。友峰和尚より
卑山ふれあいパーク霊苑から風に乗って薔薇の香りが境内に漂っています。見事なまでに色とりどりの花弁を大きく広げ、特に代々墓「奥の院」入口のつる薔薇に至っては文句なしの風情を見せています。同時に大安禅寺からも次々に薔薇園の開花状況が届けられ、写真を見るたびに幸せ気分に浸っています。
大安禅寺のバラ園 2018年5月19日撮影
大安禅寺の薔薇園は妻が手掛けており、今年で5年目を迎えました。現在は薔薇の品種に加えて樹木も随分と増え今年は例年になく苗の成長が良いそうで、それも妻と共に薔薇の花の管理を手伝っている多くの女性スタッフの真心が見事な開花に繋がっているようです。
バラとともに 多種のクレマチス 初夏の花々が咲きます
いよいよ明日から和尚も花菖蒲園の徹底した整備に入る予定をしています。開園以来今日まで欠かすことなく続けて来た園内整備でしたが、近年では金沢での法務遂行が増えている関係上、小森庭園主・末政幸憲氏始め世話方さんにお願いしています。長年手塩にかけて育てて来た花菖蒲ですが花達は実に正直で、自坊に戻って声を掛けてやるとたちまち嬉しそうにするものです。「それは気のせいでしょう?」なんて言われる方には花の気持ちなど知る由も無しです。花達はきちんと反応してきますよ! 皆様、乞うご期待ください! 和尚は頑張りまっせ!人生心の花を咲かせましょう!なにくそ!頑張るぞ! 友峰和尚より