和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1813話 】
2018年 08月 05日 談

橘曙覧  福井幕末の歌人 国学者 (1812-1868)

今朝方の福井新聞に「橘曙覧(たちばなのあけみ)の生き方子孫説く」という見出しで記事が掲載されていましたが、本日は、その橘曙覧の墓地の有る卑山に、子孫の吉田秊(みのる)氏を始めとする従妹会の皆様約30名が来寺されました。

橘曙覧 子孫の会の皆様

橘曙覧は福井の幕末の歌人で、「楽しみは 朝起き出でて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」という一句があります。平成6年6月、天皇皇后両陛下が日米親善でアメリカ合衆国を訪れた際、ホワイトハウスのレセプションの席でクリントン大統領が歓迎の言葉としてこの句を詠んだ事で一躍有名になりました。今年は没後150年を迎えるにあたり、子孫の方々が橘曙覧を偲ぶため墓参に来られました。お墓は卑山裏山200メートルほど登った杉木立の中に有り、墓参後には枯木堂で法話を催行しました。吉田氏は橘曙覧の子孫で、今年は従妹に当たる方々が全国から集まったそうです。

 

今日も気温がグングン上昇し、午後には34℃を超えるなかを中国からのお客様を迎えての坐禅が実施されました。本日に限り、坐禅堂の室温を26℃に保ちながらの坐禅体験となりました。

 


新命副住職が富山県氷見市の宝光寺様はじめ3ヶ寺の盂蘭盆会特別法話に出張したため、留守居の法務補佐役に入ったわけですが、自坊に戻ってもやはり休息は望めないようですね。それにしましても今日の坐禅体験、中国の学生さんは本当に素晴らしい若者達でした。謙虚な姿勢で坐禅に臨み、とても立派でした。また是非御来寺下さる事を願っています。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1812話 】
2018年 08月 04日 談

ご家族揃っての 霊苑でのご供養が修業されました

旧盆を目前にして、寳勝寺カフェ利用の家族連れの観光客と外国人の方が急に増えてきた感がります。ニュースではこの11日頃が交通機関がピークを迎えるとのこと、毎年恒例の里帰り風景も間もなくです。和尚も自坊の盂蘭盆会大施餓鬼法要のため明日から準備に入りますが、15日の行事の前に、お檀家さん回りの棚経(たなぎょう)を控えています。

 

本日も兼務寺院・少林寺お檀家様の納骨墓参と卑山ふれあいパーク霊苑にて開眼納骨の儀が執り行われました。金沢市市民墓地として野田山霊苑が有りますが、今から四百年前に加賀藩主・前田利家公の廟所が造られて以来、歴代加賀藩主の永代霊廟に隣接する形で市民墓地が今日まで併設されて来たようです。なにしろ約四百年の歴史を有する墓地だけに野田山全体の広大な敷地に何十万基もの墳墓があり、一度お参りしたぐらいでは場所が覚えられないほどです。本日は幸いにお檀家様が迎えに来て下さり安堵したものでした。

 

野田山墓地にて 少林寺お檀家様の 御納骨の儀

 

御墓参の後 寳勝寺にて

墓参後は寳勝寺に寄って下さり、ご家族の方と歓談しました。近年、先祖の墳墓にお参りされる回数も減少する傾向が見受けられるだけに、卑山ふれあいパーク霊苑のように墓参後にお寺で休憩出来る施設が市民墓地にも必要になって来ているように思えたものでした。大東亜戦争(第二次世界大戦)後、約七十年の時を経て戦没者英霊並びに祖霊供養の大切さに思いを馳せるものです。先祖の恩と父母の恩を忘れないように、日々供養を通して精進して参りたく思っています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1811話 】
2018年 08月 03日 談

朝陽に向かって咲く 日中友好の朝顔

皆様、猛暑にめげず元気にお過ごしですか! 和尚は60パーセント元気でどうにか日々をやり過ごしています。あとの40パーセントは惰性です。皆様から、「和尚のブログを読んでいると辛くなります」との御意見、その意味は「働きすぎ」とのことですが、言われてみればそうかも知れませんが、和尚にはもう残された人生の時間が少なくなって来ているのです。「今やらねばいつ出来る、俺がやらねば誰がやる」の心境で頑張っているのですが、若い頃とは随分違い、何をやるにしてもどんくさく時間がかかりますから寸暇を惜しんで闘っています。

「人生は二度無い」からこその努力なのですが、どうも思うように事が進まなくなって来ています。「ちょっといい話」も、読者の皆様が辛くなるのではいけませんね。昔むかし、父親が「あまりやりすぎると、ゴムのようなもので伸びきったまま縮まなくなるから加減してやれ」との注意喚起! されどとてもとても伸びきるほどの努力には及ばないのも事実、やはり頑張るしか方法はありませんよ。今後は皆様が辛くならないように気を付けて綴りましよう!

 

寳勝寺にて 檀信徒様の盂蘭盆会祖霊供養修業

 

今日は午後からの法務遂行で、東京在住のお檀家様の盂蘭盆会を兼ねた祖霊供養の御法事となりました。「坊主はお経!」と心得て読経に集中し全身全霊での「お経三昧」! 本当に「あなたの知らない世界」との交信で御先祖も大変喜ばれました。男は度胸!女は愛嬌!坊主はお経!ってしみじみ自覚しました。南無観世音菩薩 友峰和尚より

御来寺頂き 誠にありがとうございました

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1810話 】
2018年 08月 02日 談

冷えピタ で リラックス

記録づくめの酷暑です! 気温が40℃を超えた地域もあり流石にぐったりしてしまいますが、そんななか大活躍なのが「冷却シート」所謂「冷えピタ」で、額と頭の天辺に貼って脳内のオーバーヒートを防ぎながらの寺カフェサポート。台所の室内温度も30℃有り、クーラーに加えて扇風機もフル回転させながらのお手伝い。そのような状態で最も効果的だったのが「冷却シート」、それはそれは地獄に仏のような優れもので、職員などは冷却タオルを首に巻き付けての闘いでした。うっかりすると冷えピタを貼ったままでのお客様との応対!もう破れかぶれでした。

          

宇治金時が人気です

かき氷作りも担当しましたが、機械の設置場所が低かった為、約40キロある機械を高所に移動中に腰を痛めてしまい、敢え無くダウン! なんとも猛暑がもたらす悪影響は色々な所にまで及んでいます。皆様もくれぐれも油断召されるな! しっかり身体を冷やす対策をして頂きたいものです。ズボンを着用の方は、両ポケットに保冷剤を入れておくと身体を冷やすことが出来るそうですから、お試しあれ!まだまだ続きそうな猛暑日! 特に就寝中に熱中症になるとか、このところの熱帯夜には十分な注意が必要ですね。

 

 

さて、今月の24日(金)から26日(日)まで大安禅寺「渓仙舎」で開催される、現在パリで活動中の荒木芳栄画伯の個展についての準備に入りましたが、来年4月にはフランス・サンリスで「アート・サクレ」フェスティバルが開催され、和尚の墨蹟パフォーマンスが予定されています。そろそろ作品の制作に取り掛かりたいと気持ちを新たにしています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1809話 】
2018年 08月 01日 談

今日は「陰徳(いんとく)」という日本古来の深い精神文化について考えてみました。明治以降、西洋の教育に少なからず教育・精神面で影響を受け始めた日本社会。いつの頃からか、この「陰徳」という言葉も風化しつつあるように思います。イエス、ノーをはっきりと主張する欧米文化は大変結構乍ら、その意思の深浅には大きな違いがあるように思うのです。

 

岡部さまと、お母様とともに

 

昔から「はっきりものを言わないのが日本人」と言われて来ましたが、はっきり言わないのではなく、その気持ちの奥には言葉では言い尽くせない程の「陰徳」の心を有していたからだと思うのです。言い換えればイエス、ノーを言わなくても十分に自信が有るからこその曖昧さだったのかも知れません。また「不言実行」という言葉も有りますが、いちいち言葉で言わなくとも日頃からの怠りない実践行動こそが日本人社会を支えて来た「陰徳」の精神だと思います。「曖昧さ」は英語で「ファジー」と訳されますが、「いい加減」の言葉の取り違え同様に「ほど良くちょうど良い」ということでしょうか?

 

福邦銀行金沢支店 の 舟橋くんと

そもそも「陰徳」とはどういう意味かと言えば「思いやり」であり、常に真心を持って行動する姿勢を言うのであろうと思います。この行動は、人間のみならず自己を取り巻くあらゆるものに対しても言える事です。「陰徳」、この言葉をもっと深めれば「以心伝心」または「両鏡相照らし 中心に影像なし」ということでしょうか? 「陰徳」の行為こそ、人生を豊かに過ごす基本的姿勢だと思うものです。「老僧親切」の言葉ながら、古き良き時代の日本を想う今日この頃です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1808話 】
2018年 07月 31日 談

大安和尚の三種の神器とは「草刈機、ブロアー、剪定機」で有ります。禅宗寺院の行のモットーは掃除・坐禅・読経で、特に掃除は徹底してやらねば禅寺の看板など挙げられません。この掃除ですが、昔はその殆んどが手作業でしたから時間が大変掛かったものです。しかし現代社会は有り難い事に実に便利な器具が続々誕生し、短時間で広大な面積の境内を整備出来ます。

 

「夏草や 兵どもが 夢の跡」では有りませんが、つい先日掃除をして金沢に向かったものの帰山してみれば草茫々の有り様、早速三種の神器を使って庭の整備に入り、二時間ほどで終了! とても信じられません!本当に文明の力のお蔭です。昔ならば中庭整備に丸二日は掛かっていた事と思います。剪定も手鋏を使い、掃除は竹箒ですから実にレトロです。とは言っても現代も最終的には手作業になりますが。さて毎日の剃髪と同じく庭が見違えるほど綺麗になりました。

 

綺麗になったところに、タイミングよく愛知県から親戚家族の方々が来寺され、昼食を共にしながらしばし歓談しました。明日には娘家族も合流します。まもなく旧盆を迎え、どのご家庭も里帰りの家族達で賑わいを見せる事と思います。有り難し、有り難し。 友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1807話 】
2018年 07月 30日 談

早朝 の 散水

間もなく8月「葉月(はずき)」を迎えようとしていますが、皆様お変わりなく元気にお過ごしでしょうか? 葉月とは葉が生い茂る月、もしくは木陰が恋しくなる季節! しかしながら最早木陰どころではありませんね。冷たい水でも被りたい心境です。今日も午前中から30℃を超え、日中には36℃と、まだまだ猛暑の収まる気配が有りません。

 

本日の 「楽く楽く法話」のようす

昨日に引き続き地元・諸江町女性部の団体様への「楽く楽く法話」を催行しました。和尚の身体は熱中症状態で頭がぼーっとして身体がフラフラする状況でしたが、パワフルな女性リスナー皆様のお蔭で、お話ししながら元気を頂きました。法話後は寺カフェでゆっくりして頂き、その後ふれあいパーク霊苑を視察されました。

 

それにしても皆様大変お元気でこの猛暑にもめげず霊苑を熱心に視察され、そのパワーには圧倒されました。流石に今の元気社会をリードしているのは60代から70代のマドンナの皆様である事を実感したものです。

 

寺カフェにて 賑やかな会合のようす

 

寺カフェの後、霊苑見学のようす

 

霊苑スタッフの皆さんによる 説明会が行われました

 

炎天下の中 熱心に説明を聞かれる皆様

 

さて、昨日から愛知県在住の親戚家族方々が金沢に来ており、明日は大安禅寺に参拝したいと申し出で今日は夕刻には自坊に戻りました。滋賀県在住の孫達も合流しての大賑わい!夏休み中は子供天国ですね。8月もお盆月ですので、大いに家族団欒の時間を過ごして参りたいものです。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1806話 】
2018年 07月 29日 談

「 道 どう 」 

台風一過!一変して金沢の日中気温が37℃と猛烈な暑さになりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか? 毎日のように熱中症情報が流れている中で、本日はお檀家様の満中陰忌法要が午前10時半よりご自宅で営まれました。室内は空調が効いているものの、読経中には背中を汗が伝い落ちる有り様! 屋外となるとまるで砂漠にいるような暑さを感じたものでした。寳勝寺の堂内は、早朝よりエアコンが全室フル運転状態でなんとか28℃位を保っていたようです。観光客の方々も避暑を兼ねてか、いつもより長時間滞在されていたように思います。まだまだ続きそうな猛暑日、皆様に於かれましてもくれぐれも健康管理に十分気を付けて頂きたいと思います。

「  無   」

 

また本日は午後2時より、地元・能登町小木公民館の団体様が来寺され「楽く楽く法話」が催行されましたが、法話後は寺カフェで皆様ゆっくりと寛がれ、その後は「ふれあいパーク霊苑」を視察されました。お盆月ということも有って、当然の事乍ら和尚の法話内容はと言いますと「あの世とこの世、あなたの知らない世界!」。しっかり冷房(霊亡)の効いた本堂での法話に、皆様の表情は真剣そのものでした。

本日の 「楽く楽く法話」 のようす

寺カフェ中の皆様は和気藹々で、和尚の理想とする未来志向の寺院風景がそこに有りました。お寺は「憩いと、こころの安らぎの場所」なんですね。いつの頃からか入りにくい場所になってしまっていますが、本来は、説法あり、お茶あり、休憩あり、祈りあり、極楽!極楽!です。皆様の笑顔が堂内に花開いた和やかな日曜日の午後のひと時となったようです。ブログをご覧頂いている皆様も、和尚の「楽く楽く法話」を聴いて頂き元気いっぱい! この猛暑を乗り切ってくださいね。友峰和尚より

寺カフェのアルバイトさん、浴衣で北國花火へ行ってきます!

友峰和尚のちょっといい話 【 第1805話 】
2018年 07月 28日 談

ご親族皆様の御列席のもと 年忌法要のようす

「忙中に閑あり」では無く「猛中に閑あり」か? 相変わらずの酷暑が続いていますが、台風12号の進行方向が変わり北陸地方は再び強い日差しが照り注ぐ一日となりました。午前中には本堂で年忌法要を厳修し、午後は寺カフェをオープンしましたが、和尚は久しぶりに色紙書きに徹しました。

 

「坊主はお経!」との師匠の遺言を受けてここ数日間は読経三昧の日々でしたが、今日は「坊主は墨蹟!」と筆を執りました。住職(じゅうしょく)とは「10の職を持つ」とは和尚の持論ながら、墨書は職というより趣味なのかも知れません。筆を持つと自然に心が落ち着くもので、手が勝手に動く感じがします。そう言えば「読経」も「書」に似て心の中では宇宙に向かって壮大な字を描いている感が有ります。即ちお経の語句一字一字が声と共に宇宙全体に広がっていき、故人の霊と一体になっていくという事でしょうか。

「流 水」 渓仙 書

ところで今日はどのような字を書いたかと言いますと、写真の如く「遊(ゆう)」の字を沢山書いてみました。何が故に「遊」かと言いますと禅語に「遊戯三昧(ゆげざんまい)」と有りますように、心の自由こそ究極の悟りだと思うからです。どのような状況下に有っても、心だけは自由自在でありたいと念じます。

 

「 遊 」 渓仙 書

 

さて上手に書けたかどうかは別として、この猛暑の中での墨書の時間は実に楽しいひとときとなりました。皆様いかがでしょうか? 友峰和尚より

 

「 心 」 渓仙 書

 

「 一期一会 」 渓仙 書

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1804話 】
2018年 07月 27日 談

台風前のそよ風に揺れる 日中友好の朝顔

朝から蒸し暑くどんよりしたお天気となりましたが、台風12号が反時計回りに大きなカーブを描きながら明日の午後には伊勢湾沖に接近するとか! 気象庁が臨時記者会見するくらいですから、相当異常気象の状況下に有るのだと実感します。今日は早々に業務を終了して台風到来に備え強風対策をしました。

午前中はふれあいパーク霊苑で墓前法要が営まれましたが、比較的穏やかな気候の中で厳修することが出来ました。また明日明後日と法要が続くため台風の進路が大変気になるところです。午後からは暑さ対策のため、境内散水パイプの設置を高倉さんに見てもらいましたが、やらねばならない事が次々に生じて来るものです。なにしろこの猛暑の中での作業ですから、長時間の作業は禁物ですね。

 

この酷暑の中 霊苑のバラが元気に生長

さて、夏休みを利用して滋賀県在住の孫達がやって来るとの自坊からの便りが届きました。心の和む瞬間でも有ります。今年はこの猛暑で海水浴客が激減しているとか? この度の長期間にわたる酷暑が人間に及ぼす影響は色々な所にまで及んでいるようです。長い長い夏休み子供達の無事を願いたいものです。友峰和尚より

 

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