和尚のちょっといい話
清々しいお天気の休日となりました。大型連休の中盤ということで、観光客の方々も中休みといった感じでゆっくりとした流れでした。午前中には、県外の大学生からの寺カフェインタビューが有り、久しぶりにこれまでの寺院再建の経過などお話ししました。午後からは寳勝寺お檀家の北條直敬様が来寺され、サンリス市「アート・サクレ芸術祭」招待でのエピソードなどお話しさせて頂きました。
北條さまとともに
光陰矢の如しで、芸術祭参加がどんどん過去の出来事のように遠ざかっていきます。法務の合間を見て野町・少林寺の応接間の工事を視察に行きましたが、渡欧している間に修理工事も進み、本日は空調機取付工事が行われていました。お部屋の壁は漆喰工事で真っ白に塗られ、見違えるほどでした!
少林寺 空調工事のようす
応接室 漆喰の修復
まだまだ本堂や下間の間の壁面修復工事が残っていますが、第二期工事に委ねたいと思います。大型連休が終了次第、少林寺に入り、事務整理や寺院内の整備を進めたいと計画しているところです。今回の渡欧では多くの外国人並びにフランス在住の日本人方々との交流を深めたわけですが、皆様が来日を希望されている為、その受け入れ体制も視野に入れての普請となっています。
サンリスにて あやめさん(中央)とご友人とともに
生け花ワークショップを体験されているところ
さて、この度サンリスへ同行された野口社中の皆様から丁寧な御礼のお葉書やメールまたお土産が届いています。本当にご苦労様でした。日を増すごとに感謝の念でいっぱいになります。本当に有り難うございました! 友峰和尚より
昨晩は午前0時に新しき「令和」の年を迎え、御代の弥栄と日本国の平和を祈願致しました。午前中より多くの観光客の方々が新元号になった本日を記念するかのように御朱印を求められ、堂内の空気も何処となしか清々しい感じがしたものでした。仏前のローソクと香は終日焚かれ、参詣者が次々に合掌祈願していました。
清々しい気持ちで 令和と揮毫しました
午前中に天皇陛下即位式がライブで放映されましたが、本当に厳粛な儀式と天皇陛下のお言葉には心から慶賀を表しました。昭和、平成に続き令和の時代を迎えることが出来た事に、感慨無量の気持ちを覚えるものです。つい先日までのフランス・サンリス市での芸術祭参加が遠い昔の出来事に感じるほど日々変化していき、諸行無常で有る世事を実感する毎日です。
新緑のまぶしい 雨の寺カフェとなりました
さて10連休も中日に入りました。午後からは、高倉さん前田さんご両人の飛び入りサポートで台所方も大助かり! 寺カフェを開業した頃の、スタッフ不足で夕刻には疲労と腰痛に悩まされていた当時が懐かしく感じます。「寺カフェ!凄い!やっぱりお寺や!おしゃれ!素敵!」 色々な声が飛び交う寳勝寺カフェ、今では金沢観光客の憩いの場所として定着してきているようです。友峰和尚より
大安禅寺に一旦帰山して驚きました! 野町・少林寺お檀家の堀光子様よりお便りが届いており、その中には心温まるお手製の品々とお手紙が添えられていました。お写真の如くですが、御年91歳を越えられても尚、いつも矍鑠(かくしゃく)としておられ、少林寺でのご法要の時は楽しく歓談させていただいています。この度の渡欧に際し、はなむけの言葉とお祝いの金子をご恵送下さったわけですが、大安禅寺の花「花菖蒲」の自作の絵に手作りの花のブローチという真心のこもった贈り物でした。芸術祭は終了しましたが、さっそく絡子(らくす)に付けてみました。出来れば墨蹟大書の際に付けておればと真に残念に思いました。堀様、本当に有り難うございました!
最後の文に、「平成を締めくくる快挙と存じます」と御言葉が添えられていました。その平成は今日が最終日! 愈々明日から新しい元号「令和」になります。この31年間は和尚にとって怒涛の日々でした。先代住職が遷化したのが昭和63年11月23日でした。その翌年が平成で、住職に就任して31年になり、平成の元号と共に今日まで布教活動に邁進してきました。明日からは「令和」です、心機一転して新たな人生にトライしていきたいと強く念じています。友峰和尚より
桜由乃ちゃん と 「令和」の色紙と共に
寳勝寺式台玄関にて オダマキのつぼみ
大型10連休の3日目を迎えました。まだまだ時差ボケが残っているものの、少しずつ解消に向かっています。幸運にも、今回の渡欧では往路も復路も飛行機に空席が有り、しかも和尚の後ろの席3列が空席というめったにない事でした。おかげさまで長時間、横になることが出来、ずいぶんと腰の負担が軽減したものでした。しかしながら時差だけはどうにもならず、帰国して3日目ですが夜中に目が覚めるなどまだ身体が重く感じます。
今日は朝一番にお檀家様の月諷経があり、本格的に法務遂行に入りました。また午後からもふれあいパーク霊苑での供養諷経が行われ、サンリス芸術祭の余韻を残す間もなく次の法務へ集中が必要のようです。
サンリスの街角にて 美しい風露草
さすがに本日は一日中観光客で賑わいを見せた寳勝寺カフェでしたが、和尚も御朱印を書き続けました。いよいよ明後日、新しい元号「令和」を迎える為、御朱印書きの合間に記念の「令和」の色紙を書き、職員皆様に差し上げました。どこかしら気持ちが高揚して行くように覚える一日となったようです。友峰和尚より
寺カフェの朝、ファンヒーターを点火しました
ゴールデンウイーク2日目を迎えました! 例年とは打って変わって寒い寒い朝を迎え、とても4月下旬とは思えない気温となりました。観光客の出足も遅く、午後になって寺町界隈にも賑やかさが戻って来ました。帰国後の時差ボケがひどく、昨晩は午前3時ごろまで眠れず午前4時になってようやく床に就きました。時差ボケは3日目がピークと言いますから、明日が心配されます。
すずらん / 宝勝寺 境内にて
新しい元号を迎える5月1日まで残すところあと2日となり、今日は時間の合間を見て「令和」の元号の色紙を沢山書きました。連休中に元号が替わる為、観光客の方にとっては記念すべき旅行になると思います。御朱印帖も例年より多くの人が求められ、5月1日からは「平成」が「令和」に替わるという記念すべき御朱印となりますから、きっと希望者が急増する事と思います。良いお天気に恵まれた大型連休! 金沢市内観光を楽しむご家族の会話が終日続いた寺カフェとなったようです。
モッコウバラ / 宝勝寺 境内にて
それにしましても、国が替わるとこうも日常生活が違うものかと驚くばかりです。生活リズムも空気も鳥のさえずりさえも違って感じます。都会の喧噪の中で、人々の心もずいぶんと環境の影響を受けながら生きていることを知った、この度の渡欧経験でした。友峰和尚より
サンリス ホテル内のオープンカフェ
シャルルドゴール空港にて 荒木さんとのお別れのご挨拶
昨晩、無事に帰国しました。10日間に渡る渡欧でしたが、大変有意義な日々を過ごすことが出来たと思います。これまでにフランス・パリそしてアメリカ・ニューヨーク州で個展を開催しましたが、今回のサンリス市でのアート・サクレ芸術祭は規模も大きく、墨蹟の展示も歴史的建造物である聖ピエール教会を使っての催事で、やりがいのある環境でした。
参加の皆様 おひとりずつ、ご挨拶をしました
羽田空港、小松空港にて 各自 解散しました
開催第1日目の開幕イベントとして墨蹟大書といけばなデモンストレーションが実施されましたが、日本禅僧の墨蹟並びに伝統的華道の生け込みはサンリス市民の間でも大きな反響を呼んだそうで、終了後も事務局に多くの問い合わせがあったと聞いて大変嬉しく思ったものです。坐禅会にも多くの市民やアーティストが参加し、こちらも通訳を通して禅の心を説くことが出来ました。禅の布教には法話が一番ですが、言葉で疎通できない外国では、書の実践や読経・坐禅体験が最も効果があると思います。色紙に墨書しながら多くのサンリス市民と交流出来た事も、大切な禅の布教でした。
今回出展された 荒木さんの作品
禅語の意味について質問を受けながら、通訳の方が適切にその意味を解説するに至っては次々に書を求められ、有り難く感じました。初めて日本の茶道・華道に触れる方ばかりで、生け花ワークショップも人気でした。和尚の墨蹟に使用した紙は越前和紙作家・長田和也さんが漉いたものですが、こちらも多くのアーティストから問い合わせが有り嬉しく思いました。野口先生が生け花ワークショップで使用された花器も国成窯・前田和伸氏の越前焼で、とても素敵な器(うつわ)でお花とマッチして生け花を体験された方が喜ばれていました。
生け花ワークショップ 参加者の作品
今回の芸術祭は、ディレクターのマーク・イゴネ氏と荒木芳栄画伯が企画されたサンリス市で初めての大きな芸術イベントでしたが、期間中にはお隣りのシャンティ市からも芸術祭開催を願う要請があったと聞き、フランス国民の芸術に対する造詣の深さを改めて感じ取る事が出来ます。
マークさん・荒木さんと 各国の担当者皆様 / 4月21日 オープニングレセプションにて
世界中から約300名を超える芸術家が参加し、約700点の作品が展示された第1回アート・サクレ芸術祭に招待されたことに大きな誇りを感じた、この度の芸術祭参加となったようです。友峰和尚より
4月27日 桜由乃ちゃんとともに
荒木さんと オペラ座周辺からサンマルタン運河へ移動
今から7年前、サンリス市在住の荒木芳栄さんの友人、マーク・アンリさんが来日した折、親友のフランソワーズさんと大安禅寺に来られ楽しい時間を過ごしたものです。記念にと和尚の禅画を提案したところ、バッファローの水墨画に禅語の賛を希望されたので、特別に描いて差し上げました。大変喜ばれ、その御礼として革製バッグを製作して必ず日本へ送りますとの事でした。 あれから7年の歳月が流れ、今回の渡欧を知ったマーク・アンリさんから連絡が入り、バックが完成したので芸術祭が終了したらフランソワーズさんの会社に取りに行って欲しいとラインで伝えてきました。フランソワーズさんの経営する会社にて 久々の再会
最終日の今日、荒木芳栄さんが同行してくださり、パリ・リパブリック地区にあるフランソワーズさんの経営する会社を訪ねました。到着するやフランソワーズさん自身が会社の工房を案内して下さり、革製品が出来上がるまでの工程を実演して説明して下さいました。その後、社長室に案内され、約束のバッグを下さいました。お手製のショルダーバックをプレゼントされました
感激のあまり 思わず合掌しました
セ、マニフィック!素晴らしい!素晴らしい!の連発でした。世界にひとつしかないショルダーバッグです。フランソワーズさんへは、アート・サクレ芸術祭招待記念として、会場に展示された「和」の額を差し上げました。 フランソワーズさん曰く、7年の歳月をかけて制作したとのこと、これはジョークではなく本当の話です。真心こもった自作の革バッグでした。大切に使いたいと思います。フランソワーズさんも とても喜んでくれました
打ち合わせに来られていた ブランドデザイナーさんにご挨拶
さて、この度のサンリス市「アート・サクレ芸術祭」招待は、これまでに経験した事の無い新鮮な感覚と感動を覚えました。300名にも及ぶ各国から出展されたアーティスト作品との出会いやサンリス市民との交流など、本当に思い出に残る禅の布教活動になりました。催事ディレクター、マーク・イゴネさん荒木芳栄さんに深く感謝と御礼を申し上げます。友峰和尚よりパリ市役所
アート・サクレ芸術祭参加の余韻を残して、帰国の為パリに入りました。年間に約8000万人の観光客が訪れるパリ市は人・人・・人で溢れかえり、車窓からの眺めは何処もかしこも人の山でした。
ホテル近くのカフェにて 高城さんとともに
今日は8年前にパリ・ギャラリーメタノイアで個展を開催した折以来の友人・高城久幸さんの案内でルーブル美術館を訪れました。ここもぶんに漏れず大混雑の状態でしたが、高城さんの案内でスムーズに入館する事が出来ました。
ルーブル美術館にて
流石に世界の名品が収蔵されている美術館だけに、1度や2度見たくらいではとても回りきれない為、鑑賞したい作品を絞って見て回りました。限られた時間内での鑑賞でしたが、充分に楽しむ事が出来ました。 ルーブル美術館を後にして向かった先は、パリ市内が一望出来るモンマルトルの丘です。道中、高城さんとの会話が弾み、ホテルに戻ってからもサロンで歓談しました。
サクレ・クール寺院にて
モンマルトルの丘から、パリ市内を望む
高城さんのご友人で、画家の玉木さんと
マレ地区にて
今回の渡欧も今日が最終日、色々な出会いと思い出を胸中に、明日は元気に帰国したいと思います。友峰和尚より
日本国を始め世界中のアーティストが参加した「第一回アート・サクレ芸術祭」ですが、想像以上に反響があり、日を増すごとに開催評価が高まっているとの情報を得て大変嬉しく思っています。
開催地のサンリス市は中世の歴史的建造物が立ち並び、素晴らしい教会が多く保存され、今回の開催会場・聖ピエール教会も荒廃していた建物を市が全面的に修理したのが4年前で、その後は色々な催事に利用され文化芸術の推奨の場所となっているそうです。
お隣りのシャンティ市には、世界的な観光地としても有名な古城シャンティ城が有り、その美しさには定評があります。日本人の居住者が大変少ないサンリス市だけに、今回招待された野口社中皆様の着物姿には来場者からも溜め息が漏れるほどでした。その上、茶道・華道を長年されているご婦人皆様ですから尚更のこと立ち居振る舞いは見事で、一層美しく感じました。
会場にて親しくなった 哲学者のアダムさんと
毎回 大盛況となったお茶席
サンリス市の市花 ユリを描いたお茶碗
一席終了後、来場者の皆様をお見送り
最終日最後のお茶席にて 終了時スタンディングオベーションが沸き起こりました
皆様との記念撮影
アダムさんご夫妻とともに
日本のことを知らないわけでは無いにしても、茶道や華道そして禅僧の墨蹟大書に坐禅体験など、市民の皆様の前で披露出来た事に感謝するものです。芸術祭は27日まで開催され、まだまだ沢山のイベントが予定されているようです。
禅語の意味を訳してくれた 通訳担当の堀内さんと安村さん
さて、今回も沢山の人との出会いが有りました。フランスでの個展開催だったので言葉の疎通を大変心配しましたが、通訳を担当して下さった素晴らしい実力派の女性との出会いが禅の心をしっかり伝えてくださいました。
人生にとって、人との出会いほど大切なものは無いと改めて自覚と感謝をした芸術祭参加となりました。友峰和尚より
神々しい光の差し込む 朝の教会にて
坐禅会場となった 聖モリス小修道院
「第1回アート・サクレ芸術祭」の2日目、午前10時半より、聖モリス小修道院を会場に坐禅会が開催されたわけですが、坐禅場の素晴らしさに感動を覚えたものです。まるで禅堂そのもので、修道者の修行場として最適な落ち着いた雰囲気があり、最高でした。
開会前に、通訳の木村様との最終打ち合わせ
受付をする 荒木さん
当初、参加者は10名くらいかと思っていましたが、前日の墨蹟大書の影響からか総勢46名が参加され嬉しい悲鳴でした。芸術祭ディレクターのマークさんが、パリで経営しているギャラリー地下の坐禅堂から坐禅布団と鐘に木魚など持ってきてくれたお陰で、本当に立派な坐禅場になりました。
坐禅の仕方を説明しているところ
定刻より通訳・木村さんを通して坐禅の仕方や呼吸方法など説明した後、約1時間に渡って坐禅体験をして頂きました。参加者の中には長年坐禅をされている方もおられる厳粛な空気に包まれました。坐禅終了後も参加者の方々から坐禅に関する多くの質問を受けるなど、意義ある時間を過ごすことが出来たようです。
参加者の多くが 警策を受けることを希望されました
さて今回は、通訳を担当して下さった方々に本当に感謝申し上げます。昨日の墨蹟大書やその後の展示墨蹟の意味説明、お茶席での説明など、優れた通訳で来場者へ分かりやすく丁寧に説明して下さり、堀内千亜希さん、安村こずえさん、松下恵美子さん、萩理佳さん、木村美奈子さん、三井邦子さんには心から厚く感謝と御礼を申し上げたく思います。
お茶席の通訳をされた 三井邦子さん
墨蹟大書の通訳をされた 萩理佳さん
和尚の通訳を担当された 堀内千亜希さん
和尚の通訳を担当された 安村こずえさん
出展作家であり、通訳のサポートもしてくださった 松下恵美子さん
坐禅会の通訳を担当された 木村恵美子さん
一日終了後には、野口社中の皆様始め通訳の方々との懇親会も、話が弾み楽しい時間を過ごす事が出来ました。出会いの不可思議さを有り難く感じながらのアート・サクレ芸術祭2日目であったように思います。友峰和尚より