和尚のちょっといい話
2019年3月24日 アートサクレ芸術祭 事前発表会
パソコンの前に座る時間が増えてきている毎日ですが、昨年や一昨年の今日の出来事などをブログで振り返って見るとその折々の気持ちが伝わってきます。昨年はフランス・サンリス市で4月21日より28日まで開催された「アートサクレ芸術祭」に参加する為の準備で忙しい日々を過ごしていました。
3月24日には大安禅寺「枯木堂」での報道関係者向け事前作品発表と墨蹟大書があり、今では懐かしい思い出となっています。それが今年は一変して世界中が新型コロナウイルス感染問題で緊迫しています。
「無常」という言葉が有りますが、世の中一寸先は闇で、何が生ずるか想像もつきません!昨年と今年では雲泥の違いが有ります。全世界がウイルスとの闘いの中に有る今日の現状はまさに「無情」にて「悲惨」な光景を見せています。
金沢市内も昨日とは打って変わって静まり返った様相となっていますが、和尚の修行時代を思い出していました。約2週間、僧堂の門を固く閉じて早朝より深夜に至るまで坐禅三昧の修行の中にいた頃のことです。
瞑想は時空を超えて心を鎮めてくれます。坐禅瞑想から覚めた時、ウイルスもまた自然消滅することを願うばかりの毎日となっています。友峰和尚より
まるで時間が動いてないかのような毎日ながら、なぜかあっという間に一日が過ぎ去って行くように感じるのはいったい何故なのでしょうか?またずいぶん早く起床しているにも関わらず、今は一日を短く感じてしまいます。矛盾した言い方ですが、明らかに昨年の如き生活リズムでない事だけは確かなようです。
奥の院にて ツルバラの新芽
この事は、和尚のみならず多くの方々が新型コロナウイルス問題発生以降、感じる日常感覚ではないでしょうか。現在は通常の生活リズムから全くかけ離れた状況ながら、少しずつウイルス感染拡大防止を念頭に置きながら新たなリズムを作っているところです。
霊苑にて ㈱豊蔵組様 と ㈱アースグリーン様とともに
午前中に㈱豊蔵組の江川部長と香林氏が所用で来寺され、挨拶後はふれあいパーク霊苑の現場視察をしました。午後2時からは新墓納骨開眼供養が修業され、いつもと同じリズムでありながら来寺される方々は全員マスクを着用し、会話を1メ―トルほど離れての歓談となり、どこか遠慮がちでぎくしゃくとした光景に自然と違和感を覚えるものです。目に見えない、得体のしれないウイルスだけに、無理からぬ話です。
霊苑にて ご供養が修業されました
霊苑内のしだれ桜
なにゆえに1日が早く感じてしまうか、答えが分かりました!それは潜在的緊張感から来るものだと合点しました。そこで読書に集中したところ、実にリラックスしてゆったりとした時間に変化したものです。もちろん坐禅瞑想も効果があります。色々工夫を凝らしながら、1日を充実させる努力を続けています。友峰和尚より
境内用の テーブルと椅子を組み立て中
今月28日(土)より寺カフェを久しぶりに再開する為、境内に机・椅子などの設えの準備をしました。東京を始め大都市では新型コロナウイルス感染者が増えつつ有り、急激に増大するオーバーシュートが心配されますが、金沢市内は現在落ち着きを保っています。
先日の三連休には県内外より多くの観光客で市内有名観光地が賑わいを見せたそうですが、幸いに感染者が発表される事も無く安堵したものです。寺カフェはこの1ヶ月間、休業を続けておりますが、現在はふれあいパーク霊苑参詣者も増えており、ウイルス感染防止対策を十分に講じてカフェを再開する事にしました。当然のことながら、今後ロックダウン(首都閉鎖)などの措置が取られた場合は即刻休業するつもりです。
さて毎日が寺内での事務中心の法務遂行となっています。ずいぶん長い間デスクワークの時間が不足していた為、現在は机に向かって書類などの整理や作成に時間を使っています。身体全体を使っての仕事が得意の自分ながら、不思議な体験を強いられている毎日となっています。「事務が苦手」ではありませんが、どうやら得意とは言えそうに無いようです。友峰和尚より
本日の15時40分より、先日収録された「ふれあいパーク霊苑」がテレビ金沢「トクモリ!」の番組で放映されました。最近のテレビカメラは本当に性能が良く霊苑が実に綺麗に撮影され、また全体的に良い編集内容となっており有り難く思ったものです。
和尚自身テレビを見る機会も少なくなっているのですが、今日はじっくり自分の姿に見入っていました。今日まで地元テレビ局の取材には幾度も応じて来ましたが、自然体で話す事の難しさを今なお感じるものです。
「トクモリ!」のテレビ番組をご覧頂いた方々に少しでも和尚の気持ちが伝わる事を願っています。
さて卑山霊苑に参詣下さる方々の為に、28日(土)より寺カフェを再開したいと思います。十分な感染防止策を講じながら頑張って参りましょう! 友峰和尚より
地蔵尊の御供養が修業されました
ふれあいパーク霊苑の入り口には卑山の歴史ある石造り六地蔵菩薩立像並びに子安地蔵が祀られています。「地蔵菩薩」は仏教の信仰の対象である菩薩の一尊で、サンスクリット(梵語)ではクシティガルバと言い、クシティは「大地」、ガルバは「胎内」の意味で、意訳して「地蔵」としています。
地蔵菩薩の御利益は、「大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩する人々をその無限の大慈悲心で包み救う」ところから名付られたとされています。日本では民間信仰として、各村々の入り口に「道祖神」、特に子供を守る神様として信じられて来ました。また六地蔵とは「地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上」の六道を意味し、現世の苦悩から救う菩薩とされています。
㈱河原市石材 とともに
本日は快晴のお天気の中、地蔵菩薩のご供養を修業し、霊苑の無事を祈願しました。皆様もふれあいパーク霊苑参詣の折には是非お参りください。友峰和尚より
霊苑入口の 利休梅
お彼岸に 素敵な寄せ植えを頂きました
天候が定まらない今日この頃ですが、晴れたかと思えば突然強風が吹き付け雨模様となる実に奇妙な気象が続いているようです。外出を控え寺に篭っての法務遂行となっていますが、日々の食事も現在はほぼ自炊生活となっています。
和尚愛読の料理本
修行時代には典座(台所方)を担当した経験から、最近では料理のレパートリーも少しずつ増えて来ています。毎日の食事のメインはやはりお味噌汁で、特に材料を工夫をしながら美味しいお味噌汁やちゃんこ風味噌汁を作っています。
自炊を始めて約6年になり、買い出しにもすっかり慣れて、スーパーマーケットに行くのも苦痛にならなくなって来ました。また皆様から野菜や魚などを頂くことも多く、本当に助かっています。手作りの野菜ほど美味しいものは有りませんね!今後も頑張って料理に力を入れていきたいと考えています。友峰和尚より
「山中無暦日」 生花:文房流晴心会野口支部 /2014年 石川県政しいのき迎賓館個展にて
新型コロナウイルス感染拡散の問題はあらゆる分野に影響を及ぼしていますが、その影響のあまりの大きさに絶句するばかりです。世界のトップに於いては「最早ウイルスとの戦争状況に有る」とまで発言している事に驚いています。
本日の金沢市寺町5丁目 門前通り
大安禅寺春季彼岸会・涅槃会・御像祭を無事に修業して本日は金沢に入りました。この時期、寺町界隈は春の観光客で賑わいを見せるのですが、写真の如くに閑散として寂しい限りです。
金沢市内にある「金沢21世紀美術館」は一昨日より再び開館し、こちらは大勢の観光客で賑わっているそうですが、まだまだ新型コロナウイルス拡散防止のため休業を続けている観光地も多いようです。
寳勝寺に於いては感染予防の対策を講じ、4月上旬より境内地を利用したオープンカフェを設えて開業したいと考えています。いずれにせよウイルス拡散問題が沈静化することを願うばかりです。さて「艱難、汝を玉にす」の諺を肝に銘じ、いっそう「掃除」に専念し精進努力して参りましょう!喝!活!勝! 友峰和尚より
「活 勝 喝」
涅槃図の御真前にお供えされた 涅槃団子
春季彼岸会が始まる頃には雨も上がりお日様が差してくるという、実に神秘的な光景でした。天気予報では大荒れになるとのことでしたが、法力を以って無事に法要を厳修することが出来、心から感謝したものです。
越前松平家事務所の皆様 と 卑山責任役員総代様とともに
本日は卑山開基・旧福井藩主松平家の御像祭供養も合わせて修業され、越前松平家事務所より関係者方々はじめ卑山責任役員総代が出席されました。法要前には愈好亭にてご挨拶と茶礼をし、現在進行中の修理保存工事の現場も視察して頂きました。
午前10時半より卑山御詠歌婦人部皆様による花園流御詠歌が奉詠される中、法要が始まりましたが、新型肺炎コロナウイルス感染問題の影響から檀信徒皆様の参詣を任意としたため少人数での法要修業となりました。
今年は大相撲やプロ野球など無観客試合が続き、本日の春季彼岸会もまた初めての無参詣者状況で行われましたが、無事粛々と法要を円成出来た事に感謝した彼岸会となりました。友峰和尚より
工事の状況を視察されているところ
大安禅寺 涅槃図
明日の10時半より「大安禅寺春季涅槃彼岸会」並びに「御像祭」が厳修されるのに合わせ今朝福井に戻りましたが、なんと23℃を越える日中の温度に加え強い南風が吹き付ける一日となりました。昨晩遅くには福井市内でも新型肺炎コロナウイルス感染者が発生したとの知事の緊急記者会見が行われ、誠に残念な気持ちを覚えると同時に緊張感が走ったものでした。
一夜明けて自坊に戻りましたが、大安禅寺を取り巻く環境は実に快適でウイルスの拡散問題など全く異次元に感じてしまうほど長閑で、あまりの暖かさに境内は初夏のようでした。午後には、いつもの如くに卑山鎮守自仏堂に篭り、しばし瞑想にはいりコロナウイルス排除の祈願祈祷をしたのち感謝の坐禅をしました。
自仏堂にて
幕末の歌人橘曙覽(たちばなあけみ)先生が大安禅寺で詠まれた歌「いつ来ても 世離れ果てし この寺は 門入るからに 心地異にする」の境地をそのままに、落ち着き払った鎮守堂周辺の趣には感動を覚えるものです。新型コロナウイルスの正体が未だはっきりせず国民皆が不安の生活を余儀なくされているわけですが、人里をいったん離れればまったく無縁に思えるのも不思議な話ですね。明日は感染防止対策を講じながら彼岸会法要を厳修したいと念じています。友峰和尚より
今年も 涅槃団子がお供えされます
朝日が春の草花を照らし出し、霊苑全体が華やいだ雰囲気に包まれていました。和の庭園と洋のガーデン形式がコラボした霊苑は今尚新鮮さを増し偏に各々祖霊を慰めているかのようです。
集合墓(永代供養墓)には多くの色とりどりの花が日々供えられ、絶える事が有りません! まるで黄泉の国がそうであるかのように、安らいだ御霊の聖地となっています。また春風に揺らぐ五色の吹き流しも、新型コロナウイルスを退散させるかのように霊苑全体を掃き清めているようです。
さて、午後には㈱ココ・プランニングの中本隆久会長が職員皆様と共に来寺され、しばしの間歓談しました。「友遠方より来る、また楽しからずや」で、短い滞在時間でしたが十分に交流出来たようです。「両鏡相照らし中心影像なし」の禅の心境でしたが、和尚の「禅定力」もそろそろ充電が必要だと自覚する毎日です。友峰和尚より