和尚のちょっといい話
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大安禅寺 松雲の間にて
暖かい一日となりましたが、皆様にはお健やかにお過ごしでしょうか? 所用で自坊に戻りましたが、山々は一段と緑色を増し青葉若葉が見事なまでに美しい好時節を迎えています。全国的に緊急事態宣言が発令されていますが、どうかくれぐれもコロナウイルス感染防止に留意して頂きたいと願うばかりです。

先般、新命和尚と共にこの度の修復事業に対し多大なる御心を頂いた方々への奉謝品を選定しましたが、本日はその表書を致しました。コロナ禍にあるために本格的な浄財勧募は開始していない中にあって多くの方々から御寄進を頂いていることに対しまして本当に有難く厚く御礼申し上げます。

大安禅寺との御法縁に感謝申し上げ和尚の墨跡を御浄財奉謝品として差し上げておりますが、コロナの収束状況を見て本格的な重文諸堂修復保存工事の寄進勧募に入りたいと思っております。

一人でも多くの方々との御法縁を結びながら、御国の宝でもありまた当時の匠の技を後世に伝承していく為にも勧募の努力を続けて参りたく、御寄進奉謝品の制作にもよりいっそう心を込めて書いていきたいと念じております。まもなく5月皐月を迎えますが、花菖蒲園の整備のほうも頑張って参りましょう!友峰和尚より

現在がコロナ禍に有るため毎年6月に開催されてきた恒例の花しょうぶ祭は今年も中止となりましたが、園内の整備は日々着々と行われており今はツツジの花が咲き誇っています。新しく園内に池を造成したことがかえって花しょうぶを一層引き立たせています。

お祭りは出来ませんが、通常の拝観は如常ですので是非5月連休に御来寺頂きたく願っています。また花しょうぶ園上段には薔薇園があり家内が整備していますが、今年で5年目となり例年より沢山の蕾を付けているとか、今から開花を楽しみにしています。

大安禅寺 薔薇園 / 例年 5月下旬から6月のようす




6月下旬には、山門から松平家歴代藩主の霊廟(通称千畳敷)に至る参道両脇、約600メートルに渡って約1000株の紫陽花が一斉に開花します。「人生、心の花を咲かせましょう」が和尚の法話のテーマでも有りますが、大安禅寺も寳勝寺も今では「花の寺」として定着しつつあるようです。

アジサイ / 例年 6月下旬から7月




金沢市野町 少林寺にて

本日は野町・少林寺に出向き境内と霊苑内の除草剤散布をしましたが、今後は少林寺も整備して「花の寺」を目指したいと気持ちを新たにしています。友峰和尚より

本日午後 会計監査のようす

「一華五葉を開く(いっけごようをひらく)」とはこの時期の禅語ですが、寳勝寺の境内には現在約130種類の草木が植えられており、ふれあいパーク霊苑の草木を合わせますと恐らく約200種類くらいあるかと思います。もしかするとそれ以上かも知れませんが、この時期はまさにフラワーショーの如くに次々に花が咲いていきます。一度その花達の名前と写真を展示してみたいくらいです。

おだまき

立浪草、木瓜

宝鐸草 (ほうちゃくそう)
普段はそれほど気に掛けることもない草木ですが、ひとたび花を咲かせるとその可憐さや美しさまた匂いに魅了されてしまいます。寳勝寺に御来寺下さった折には是非観賞して頂きたいと願うものです。

「竹葉々起清風」
さて本日は野町・少林寺のお掃除と久しぶりに墨蹟並びに色紙書きをしました。筆を持つのは本当に気分の良いもので、コロナ禍にあって心を落ち着かせるにはやはり墨蹟や色紙書きが自分に合っているようです。禅宗僧侶の日々の修行は読経・掃除・坐禅そして墨蹟が必須科目と自覚しながら精進して参りましょう! 友峰和尚より

「一日清閑」

寳勝寺玄関 の こでまり
東京オリンピックが開催されるかどうかが気になるところですが、感染拡大が続く現在の状況では次第に開催が遠のいていくような気がする昨今です。本来ならばウイルス禍にある閉塞感の現状を打破するためにも「スポーツの祭典」は大いに効果が有ると思うのですが現実はその反対で、開催中止を求める声が日増しに大きくなっていきます。アスリートの皆様には4年にいちどの大舞台への出場機会を失うダメージは計り知れ無い事と同情するものです。いずれにせよ今後のワクチン接種効果を期待したいと思います。


このところ爽やかで気持ちの良いお天気が続いており、霊苑内でのご供養修業は祖霊との交信に法悦を感じるものです。「一期一会」の言葉はあまりにも有名ですが全くに納得のいくもので、特に歳を重ねるほど実感出来る言葉でも有ります。今日一日が自分の一生と心得ての読経三昧の行が続く毎日です。

初夏の陽光のもと 法要が修業されました
「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山」 飛鳥時代、持統天皇の御歌ですが、今も昔も変わらぬ風景に心は古(いにしえ)へと誘われるかのようです。友峰和尚より


4都府県に25日より新型コロナウイルス感染防止のため緊急事態宣言が発令されるとの事で、ここに来て一段と緊張感が増して来たように思います。それを受け大型連休中は寺カフェを休業することにしましたが、終わりの見えないコロナウイルスとの闘いにはほとほと気疲れしてしまいます。

昨日金沢に入りさっそく法務の仕事に入ったものの、昨日までの畑仕事の影響からか体のあちこちの関節や筋肉が痛み、朝から湿布治療に追われました。午後には満中陰忌法要が本堂で修業され引き続き霊苑で納骨供養を営み故人の霊を偲びましたが、本当に素晴らしい初夏の風情の中でのご供養日和となったようです。



新命和尚の発案で自坊の大安禅寺に合祀墓を作る構想が持ち上がり、本日は㈱ココ・プランニング 中本隆久会長並びにデザイナーの宮崎邦英氏が来寺され事前打ち合わせが行われました。



情報によれば、コロナ禍の影響を受け今後20年以内に全国の約20パーセントの寺院が廃寺に追い込まれるとか、本当に鬼気迫るものを感じます。これからの寺院運営に向けて新しい改革が求められている昨今のようです。友峰和尚より


花しょうぶ園の整備には色々なメリットがあり、自然小動物達の営みに接する機会でも有ります。特にこの時期、多くの珍しい野鳥がやってくるのも昆虫を始めとする食べ物が急増するからだと思います。またカエルたちの繁殖期でもあり、作業をしながら幾種類かのカエル達の鳴き声を聞いているだけでも癒されます。

水の中の カエルの卵

土の中の カエルの卵
カエルの産卵場所も種類によって異なり、天然記念物のモリアオガエルは木の枝に、ヒキガエルは帯状のゼラチンのような液体の中に、ニホンアカガエルもゼラチンの塊を水中に産みつけ、そしてシュレーゲルアオガエルは畔土の中に卵を産みつけます。

池の上の南天に産み付けられた モリアオガエルの卵 (2018年5月撮影)
それぞれに外敵から卵を守るための親としての工夫で、モリアオガエルは木の枝の先端に卵を産み、孵化すると水辺にポトポトと滴れ落ちてオタマジャクシになります。作業をしながらカエルの生態の勉強が出来、おまけに求愛する鳴き声とその仕草には微笑んでしまいます。しかし喜んでばかりはおれません! 野鳥やイモリたちがオタマジャクシを狙っているからです。

高木裕雄樹 現場主任とともに
さて、今朝がた一番に現場主任の文建協職員・高木裕雄樹氏と鐘楼前でご挨拶しましたが、2日間に渡る文化庁・長尾充調査官の現場視察に対し重文諸堂修理保存工事説明報告の責務を無事に終えられ、天晴れ!天晴れ! 清々しい満面の笑顔でした。高木主任、本当にご苦労様でした!今後もご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。友峰和尚より


約40年も花しょうぶ園の整備を続けているとどの位の時間でどの位の作業が捗るかは自然に判断出来ますから、無駄のない動きが出来ます。昨日から園内の整備に入りましたが、段取りどおりに作業が進み今日は草取りに集中しました。

毎年同じ気分を味わうのですが、和尚にとって田畑の作業ほど楽しいものは有りません。春先の土壌の匂いや雑草の匂いすら元気を与えてくれます。作業中に孫がやって来て新しく造成した池の中に泳ぐオタマジャクシを見つけはしゃいでいる姿などは、遠い遠い昔の自分の子供の頃の姿を思い出すものです。


のんびりとした田舎の風景ほど大切なものは有りません。コロナ禍の今日、感染防止に心を配りながら何故か昭和30年代のスローライフに親しんでいた頃の、ゆとりある生活リズムが戻ってきたような錯覚に陥ります。本日は終日花しょうぶ園の整備作業でしたが、毎年「今年が最後」と言いながらの充実した一日となったようです。

さて昨日に引き続き、今日も文化庁・長尾調査官の本堂を始めとする諸堂視察が文建協・高木現場主任の案内で行われました。本堂の修復工事も愈々本格的に取り掛かるだけに、視察後には今後の工事方法などの懇談が行われました。大安禅寺重文諸堂修復保存工事も現在順調に進められているようで、関係者皆様には心より感謝申し上げます。友峰和尚より

花しょうぶ園の整備が始まりました
これまでの自分の人生を振り返ってみると有言実行の日々を優先して来たように思いますが、最近では不言実行を優先するようになっているような気がします。どうして変わったかと言えば、やはり加齢と共に「有言」の必要性が無くなって来たように思うからなのかも知れません。

手ごわい雑草引き
誰に褒められるでも無くまた非難されるでも無く、73歳になった今、両親や師匠そして尊敬する諸先輩方々も亡くなり、ある瞬間にハッと自分の存在の無常に気づき、これからは不言実行の日々を生きていこうと思ったに違いありません。


子供は親の背中を見て育つと言いますが、それなら猶更のこと不言実行でなければいけません。有言実行は自分を鼓舞するための手段でしたが、今後は不言実行の毎日を歩みながら残りの人生を楽しんで生きていきたいと願うものです。

齋藤公一氏とともに
さて今日から花しょうぶ園の整備に入り、いつもお手伝い下さる斎藤公一さん並びに副住職とともに作業を開始しました。いつの間にか手強い雑草が菖蒲の周りに群生して思いのほか時間が掛かりそうです。何事も辛抱との闘いですから頑張って参りましょう!

文化庁 建造物保護調整室長・長尾 充 調査官が来寺されました


午後1時半からは文化庁より長尾充調査官が来寺され、松雲の間にて福井県・福井市の文化財関係者並びに文建協関係者そして修理委員会吉岡泰英会長出席のもと会議が行われ、その後現場視察をしました。自坊に戻れば寸暇を惜しんでの活動が続いていきます。更に頑張って参りましょう! 友峰和尚より

松雲の間にて 長尾調査官によるご挨拶

関係者の方々が出席し 修理委員会が行われました


大安禅寺 創建当時の図を御覧になっている様子

大安禅寺 鐘楼前の菩提樹

明日は文化庁から担当者の方が来寺され「重文諸堂修理保存工事現場視察」が予定されているため午前中に自坊へ戻りましたが、現在は鐘楼の解体修復工事が始まっていました。工事は順調に進められている様子で、寺に戻ると同時に工事現場を一周して進捗状況を確認しました。境内を取り巻く山々は新緑一色で、そのスケールの大きさに圧倒されます。鐘楼前の菩提樹も新芽を吹き随分と背丈も伸び立派に成長していました。

保存修復工事中の鐘楼にて



新緑の紅葉 樹齢四百年の木々
「一樹春風両般有り 南枝は暖に向かい北枝は寒」という禅語が有りますが、真にこの時期の木々の枝は自分の位置をわきまえているかのように暖かい方向にある枝も北向きに有る枝も互いに太陽の日差しを分け合いながら見事に成長していくものです。我々の心もしかりで、和合専一に日々を過ごして参りたいものです。さて明日から一気に暖かくなるとか、やはり寒いのはどうも苦手です。まもなく5月、皐月を迎えます。元気を出して頑張りましょう!! 友峰和尚より


この時期の木々の新緑は目に染み入るほどです。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の句はあまりにも有名な江戸初期の俳人・山口素堂の一句ですが、「青葉」と「ほととぎす」と「鰹」の関係は、季節の移り変わりを視覚・聴覚・味覚で表したものと思われます。春から初夏の息吹を視覚を通して感じ、けたたましく啼く不如帰の声に感じ、鰹の味覚で感じ取っています。


寳勝寺の境内には色々な木々が植えられていますが、紅葉の新緑ほど美しいものは有りません。幼子の手のひらの如くに、透き通るような葉脈から生命の息遣いを感じます。紅葉の木も幾種類かあり、それぞれに葉っぱの大きさや色も違いそれがまた個性を映し出しています。お日様に葉っぱが照らし出されるとよりいっそう緑色が変化し、風が吹けばそよそよと揺らぎまるで会話をしているかのようでした。


さて5月を目前にして寝ても覚めても自坊の花しょうぶ園の状況が気になり、整備に向けての気持ちが逸ります。コロナウイルス禍で6月の花しょうぶ祭は今年も中止ですが、花しょうぶ達が和尚を呼んでいるようですから一刻も早く戻って作業に入りたいとわくわくしています。友峰和尚より