和尚のちょっといい話
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大安禅寺 アトリエからの風景
急用で自坊に戻りましたが、境内一帯はすっかり春めいており早春の草花の匂いが妙に懐かしく仄々とした気持ちにさせてくれました。久しぶりにアトリエの自室に入れば、畳替えの新しいイグサの匂いがこれまた部屋いっぱいに充満しており新鮮な感覚に襲われました。さっそくに法務の仕事に取り掛かりましたが、窓を少し開け春の匂いを味わいながらの作業となりました。

愈好亭にて
自坊に帰ると寺内を一周したくなるもので、故郷を肌で実感する時は実に気持ちの良いものです。人影のない各部屋をしみじみと眺め、床の間の掛け軸や飾り物にも目配りをして一人楽しんでいます。隠寮の衝立には、妙心寺塔頭寺院 東海庵住職の岫雲軒老大師から頂いた色々な色紙が表具されておりそのユニークな墨蹟禅画には心が癒されるものです。

妙心寺塔頭寺院 東海庵住職 岫雲軒老大師から頂いた色紙の 貼交屏風

禅寺の風景は枯淡で、悠久の歴史と共に祖師の禅風を感じさせてくれます。仏法とは何ぞや?とよく問われますが、禅寺の佇まいそのものが真理の現れで、これと示すものが無いのが仏法そのものなのかも知れません。コロナウイルス禍の中いちど禅寺を訪ねてみては如何でしょうか!「いつ来ても 世離れ果てし この寺は 門入(い)るからに 心地異(け)にする」 幕末の福井の歌人・橘曙覧が大安禅寺で詠んだ歌です。いいですね。南無観世音菩薩 友峰和尚より


今日は天皇陛下のお誕生日、早朝に山門前に国旗を掲揚し心より慶賀の意を表しました。またふれあいパーク霊苑には仏旗も併せて掲揚し祖霊の追善供養を営みましたが、本日は大安禅寺先代住職實道和尚の月命日忌でもあり、報恩謝徳の諷経を本堂で修しました。

コロナウイルス禍の中、金沢市片町には夜間の営業時間短縮が発令されていますが、好天気だった日曜日には日中多くの老若男女の方たちが街を闊歩して賑わいを見せていました。大都市圏では緊急事態宣言解除が期待されますが、ワクチンの接種も始まり少しずつながら明るい兆しが見えてきた気がします。

以前のブログなど振り返って見ることが有りますが、多くの観光客で賑わっていた寺カフェの風景が再び戻ってくることを願うばかりです。コロナウイルス感染が減少すれば3月から寺カフェを再開したいと現在その準備をしており、最近では感染防止の為の消毒液グッズもかなり増え、あらゆる対策を講じてお客様をお迎えしたいと思っています。「心の触れ合う寺!心の和む寺!心の安らぎを感ずる寺!」寳勝寺寺カフェで 皆様にはひとときの安息を得て頂ければ幸いです。友峰和尚より


スノードロップ
今日22日は亡き母の月命日忌で追善供養を修しましたが、来る4月22日が祥月命日忌で間もなく9年になります。明日23日が父の月命日で、両親の不思議な仏縁を感じるものです。加齢と共に次第に父親の遷化の歳に近づき、それに呼応するかのように両親が偲ばれてなりません。人生は誰もが苦労を伴いますが、自分とは比べものにならないほどの父や母の並々ならぬ努力と苦労をしみじみ感じる今日この頃です。

近所の猫たち 縁側でひなたぼっこ

「人間、歳を取らなきゃその苦労など分からないものだよ。」とは昔からよく言ったものですが誠にその通りで、歳を重ねるごとに両親の恩徳や慈愛を思う気持ちが強くなっていくのは和尚だけではないと思います。さて2月は「逃げる」とも言われますように、瞬く間に過ぎて行きます。明日は天皇陛下のお誕生日、心から天皇陛下のご健康と益々の弥栄を念じお祝い申し上げたいと思っております。友峰和尚より


しだれ白梅 / ふれあいパーク霊苑 奥の院
時折暖かくて強い南風が境内を吹き抜けていく一日となりました。昨日は春一番が吹き気持ちがいっぺんに解放されたような気がしましたが、本日は更に気温が上がり、つい先日の雪景色が噓のようです。寒暖を繰り返しながら少しずつ春に近づいていきますが、まだ今しばらくは我慢が必要のようです。

満中陰忌並びに納骨法要が修業されました

午前10時より本堂で満中陰忌法要が営まれ、法要終了後にはふれあいパーク霊苑墓前に於いて納骨諷経が修業されました。今がコロナウイルス禍の中に有ることを忘れてしまうくらい穏やかな雰囲気の中での読経となりました。

穏やかな青空の下

一年の四季を通して多くの霊前供養が修業されますが、その度に故人の御徳を感じる瞬間があります。それはその時の気候状況であったり参詣者の敬虔な祈りの姿であったり、鳥たちのさえずりの中にもふと実感するものです。人間の徳とはそういうもので有るのかも知れません。「風は息 虚空はこころ 日は眼(まなこ) 海山かけて わが身なりけり」読み人知らずの歌なれど、しみじみと陰徳を積むことの大切さを祖霊供養から自覚する毎日です。友峰和尚より


寳勝寺境内のしだれ紅梅
“淡き光り立つ俄雨(にわかあめ) いとし面影の沈丁花 溢るる涙の蕾から ひとつひとつ香り始める・・・” 松任谷由実さんの「春よ、来い」の歌詞ですが、本日金沢地方に春一番が吹きました! 暖かい南風を伴って風速16メートル程の強風となりましたが、実に心地よい風でした。

歓迎の茶礼にて
午前9時にはふれあいパーク霊苑宝勝寺事務所に新しく赴任される職員を川面専務より紹介され、歓迎茶礼の席となりました。3月から就任される予定との事、力強いスタッフが加わり有難く思っています。

春一番が吹く境内で 記念撮影をしました


キンギョソウをお供えしました
さて東京にお住まいの寳勝寺御檀家 額様が、季節のお花・キンギョソウをお届けくださいました。さっそくに真前にお供えしたところ堂内にも春を呼び込むことが出来ました。桜の開花予報も報道され、コロナウイルス禍の中であっても気持ちは次第に軽やかになっていくように感じます。

寳勝寺檀信徒 額様御夫妻 (2020年11月 撮影)


少林寺檀信徒 桑島様とともに
少林寺お檀家の桑島様と歓談しながら、心は満開の桜の花に包まれていくように楽しい時間が過ぎて行きました。春はもう直ぐそこまでやって来ているようです!ホーホケキョ! 友峰和尚より


「無一物中無尽蔵」 渓仙 書
禅宗に於いてはよく「茶礼」をします。その時その時で茶礼の意味も異なりますが総じて「和合」の意味が深く、また「慰労」ということでもよく行われます。修行時代などは作務が行われると一日に何度も茶礼をしましたが、単に休憩するだけでなくその休み時間中に結構アイデアが湧いて来たものです。おそらく一般社会の日常の仕事でも、「茶礼」の時間を作るときっと仕事の効率や職員間の和合にも役に立つと思うものです。コロナウイルス禍の中、最近はリモートでの仕事が急増しつつありますが、職員間のコミュニケーションを円滑にするためにもお互いに時間を決めて「リモート茶礼」を取り入れると良い効果が表れることと思います。

さて、午前中にふれあいパーク霊苑の職員の方と「茶礼」をしましたが、本日は「感謝」の茶礼となりました。禅語に「喫茶去(きっさこ)」の言葉が有りますが、これはなかなか油断がならない言葉でも有ります。「どうぞお茶を召し上がれ」の意味なのですが、お客様へお茶を入れる所作の中に既に相手に対しての問答は始まっているのです。差し出された一杯のお茶を頂くときの心境や如何! 日常の物事は常に心の余裕をもって望みたいものです。友峰和尚より


寳勝寺 境内の除雪作業
「嫌だ!嫌や!嫌や!」って 叫んでみたところで誰も加勢してくれません。 やはり自分でやるしかないのです。除雪機を使って作業するには73歳の体には重労働で、ずっしりと足腰に重く圧し掛かってきますが、気を取り直し気合を入れて、いざ出陣!除雪を開始せよ! 昨晩から積もった雪の除雪に入るまでにはしばし時間が掛かります。ウオーミングアップが不可欠で、いきなり作業に入ると「心室細動」や寒さの為「心筋梗塞」の恐れがあるので十分に体をほぐしてからの作業開始です。



この時期の雪は水を多く含み、除雪するにも運転技術が求められかなり神経を使うものです。寳勝寺境内の除雪を終え少林寺の除雪に参上しましたが、庫裏玄関で91歳の老奥様が出迎えてくださり合掌する姿に接すれば俄然勇気が出ます。

野町 少林寺にて

今年の北陸地方は例年にない豪雪で今日までに何度も除雪に汗を流してきましたが、今日で最後!今日で最後!と自分に言い聞かせながらの除雪作業。北陸の豪雪地帯に住む以上やむを得ないと承知はしているものの、冬季における除雪作業は高齢者にとっては大変な労働だと思います。

㈱ココ・プランニング 中本社長と 霊苑コマーシャルの打ち合わせ

㈱ココ・プランニング 川面専務と スタッフの清野さんとともに
さて除雪を終え寺に戻れば、境内にはさっそくにご参詣の方の車が2台駐車されており、ギリギリセーフ!でした。住職とは10の職を有しているから「じゅうしょく」と言う。所謂便利屋さんですね。 除雪終了後には東京より御来寺の大切なお客さんとの会合となり、境内には春の日が差し込み早朝の喧騒とは裏腹に、実に穏やかな一日となりました。南無観世音菩薩 友峰和尚より


やつで / 寳勝寺玄関にて
東京都内の医療機関で国内最初の新型コロナウイルスワクチンの接種が始まり、その第1号者の院長先生の接種シーンが全国に放映され次々に看護師さんも続けて接種を受けました。ようやくと言うのか愈々と言うのか、日本でも本格的にワクチン接種が開始されウイルス感染の収束に期待がかかります。65歳以上の高齢者に対しての接種は4月頃になると言いますから、今しばらくは感染防止に留意しなければなりません。世界的に見ても感染者が激減しつつあるそうですから、ワクチン接種者の拡大が急がれます。

ふたたび 雪景色となりました

この1年間は自粛生活を余儀なくされて来たため、多くの国民方々はストレスを抱えていると思います。そのストレス解消の方法としてそれぞれに色々工夫されていたかとは思いますが、最も気になるのが「気力」の衰えです。気力が衰えると「記憶力」も俄然落ちていく気がします。「記憶力」が落ちていくと体全体の動きが鈍くなり「体力」も落ちていきます。「気力、体力、記憶力」は三位一体ですから「気力」の充実のために何が一番効果的かと慮る時、やはり「坐禅」が効果が有ると思います。

金沢市役所文化財保護課 石塚主査 と 長池主査とともに
「気力」充実の為には「呼吸方法」が鍵となり、坐禅の腹式呼吸こそが「気力」を高めていきます。どうやら家の中で出来る「気力」の充実には「坐禅」をすることをお勧めしたいと思うものです。1日に約10分間坐禅することでコロナストレスからの脱却を図りたいものです。

寳勝寺檀信徒 安田様とともに
さて本日も大荒れのお天気となりましたが、午前中にはお檀家の安田様と金沢市役所文化財保護課の長池主査と石塚主査が来寺され歓談しました。話題はワクチン接種と文化財保護に関する看板設置の件、一見話の内容が違うようで合致するのは、人間にとって大切なことは「思いやり」であって、お互いに協力し助け合いの心を大切にしたいと思うものです。


「 自燈明 」 伝統工芸士 長田和也氏による手漉越前和紙
「ワクチンでラクチン」と行くでしょうか? 新型コロナウイルス感染予防のワクチン接種が国内で愈々医療従事者の方から始まるそうですが、イスラエルではすでに大きな効果を上げ、感染者が急激に減少しているとの報道で本当に期待したいものです。

「 知 足 」
次は65歳以上の高齢者を対象に優先的に接種が開始されるそうですが、全国には約4千万人ほどおられ、大変な作業になることが予想されます。東京オリンピック開催を視野に入れての接種だそうですが、最早残された時間はあまりにも少ないように思うものです。

「 一期一会 」
さて、昨晩から再び寒冷前線の通過ということで、金沢市内は風速25メートルという猛烈な強風の吹き荒れる一日となりました。また夕刻からは雪模様になり大雪注意報も出されましたが、東北地方の方々にはコロナウイルス禍の中での地震被災と猛吹雪に見舞われている状況を思うと本当に心が痛みます。

「 身心一如 」
北陸地方を襲った先般の豪雪被害が遠い昔の出来事のように忘れ去られ、常に次の災害への備えを必要とする昨今の現状ですが、「災害は忘れた頃にやってくる」という格言は今の時代には通用せず、日頃から防災対応の意識を高めながら、お互いの協力と助け合いが不可欠となっているようです。友峰和尚より

フランス・サンリス市に在住の画家 荒木芳栄さんから新しい作品が届きました。縦横13センチの額に入った小作品の版画ですが、和洋のオリジナリティある可愛らしくモダンな絵柄で、これまでの作風とは一味違った雰囲気が有ります。



2019年、サンリス市で開催された「アートサクレ芸術祭」に 招待禅僧として参加しましたが、あれから早や丸2年を迎えようとしています。昨年2月に突然、新型コロナウイルスが発症しヨーロッパ全域にも拡大し、フランスパリも現在は厳しい外出制限が発出されているらしく彼女の個展開催も難しい状況に在るとの事で、この度は 小作品のみ展示用に送られてきました。



今後は寳勝寺で展示し、カフェが再開されましたら販売しようと考えています。ブログをご覧いただいている皆様で作品ご希望の方は是非、寳勝寺事務局までお申し出頂ければご送付申し上げます。

さて明後日から北陸地方は大雪になるとか。再び境内の融雪パイプ設置をしましたが、まだまだ春の到来は先に持ち越された感が有ります。宝勝寺カフェが再開できましたら荒木芳栄さんの作品を含め「ペコラモコラ」の羊毛フェルトの作品など、春の装いにアレンジして展示販売してみたいと楽しみにしています。友峰和尚より
