寶勝寺日誌
今朝の寳勝寺 式台玄関にて
穏やかな春風の吹く今朝の寳勝寺玄関前です。植物がいっせいに育ち、花々が開き、一日一日の変化に心躍るような季節がやって参りました。この時期の寺カフェには、多くの外国人旅行者の方がお見えになります。(四月中、金沢港には欧米からのたくさんのクルーズ船が寄港しているそうです。)時には外国の方で席がいっぱいになるほどですが、皆様には本当に「お寺のカフェ」を喜んで下さっている様子で、スタッフもわずかの基礎英語と笑顔で張り切って応対しています。
まもなく スズラン が咲き始めます
野菖蒲が成長しています
エアコンの上に、季節を告げるお客様が・・・
そして今日は、寺カフェのオープンと同時に季節を告げるお客様が舞い込んで来ました。「つばめ」であります。本堂じゅうをバタバタと往来し大騒ぎでしたが、なぜか吉兆を運んで来てくれたような、嬉しい出来事でした。
じっとこちらを見ています・・・
このあと、本堂正面の大扉から飛び去って行きました
そして最後にやはり、嬉しい出来事がありました。寺カフェのお客様からのありがたいメッセージです! 本当に嬉しいお言葉でした。長い冬が明けてまた本格的な観光シーズンがやって来ますが、今年も一年、頑張って務めて参りたいと思います。
中庭にひっそりと イカリソウが咲いています
【平成三十年度 春季彼岸会 住職法話のご紹介】
「うかうかと 暮らすようでも瓢箪の 真ん中あたりに締めくくりあり」
なかなか粋な歌ですが、現代社会は立ち止まることなく前へ前へと進んで行きますから、うかうか暮らしているとあっという間に一生が終わってしまいます。 今日、3月11日は未曾有の東日本大震災が起こった日ですが、人生は本当にいつ何が起きるかわかりませんから、我々は常に自分を省みながら生きていかねばならないと思うものです。 ・・・臨済宗の祖、臨済義玄禅師の言葉を集めた「臨済録」の中に、次のような逸話があります。
師、因みに一日河府に到る。府主王常侍、師を請じて陞座(しんぞ)せしむ。(ある日、臨済禅師は県知事の王常侍に説法を請われて河北府へ行きました。)
時に麻谷(まよく)出でて問う、「大悲千手眼、那箇(なこ)か是れ正眼?」(臨済禅師が演壇の座に登ると、麻谷が進み出て禅問答をしかけました。「千手千眼観世音菩薩の、どれが本当の手であり、どれが本当の眼でしょうか?」)
師云(いわ)く、「大悲千手眼、那箇(なこ)か是れ正眼、速(すみや)かに道(い)え、速かに道え。」(臨済禅師は言われました。「どれが本物だと? お前こそ答えてみよ。」)
麻谷師をひいて師を下(くだ)らしめ、麻谷却って坐す。(その言葉を聞くや、麻谷は臨済禅師を演壇から引きずり降ろして自分が演壇に登り、この全身こそがその手であり眼であるということを示しました。)
師近前(きんぜん)して云く、「不審。」(すると今度は臨済禅師が麻谷に近づき、突然「ごきげんよう。」と挨拶をされました。麻谷が本当に悟り切り、真の手、真の眼に成り切っているかを確かめるためです。)
麻谷擬議(ぎぎ)す。師も亦た麻谷をひいて下らしめ、師却って坐す。麻谷便(すなわ)ち出で去る。師便ち出で去る。(思いがけない禅師の言葉に、麻谷は一瞬うろたえました。その隙に臨済禅師は麻谷を引きずり降ろし、再び自身が演壇に座られました。引きずり降ろされた麻谷は、さっとその場を立ち去りました。これもまた千手千眼観世音菩薩に成り切った自由な働きを示す行動でした。その思い切りのよい行動に、臨済禅師もまた、さっと演壇から降りられました。)
・・・禅問答というのはとても面白いですね。常に「自己の主体性」を試しているわけです。普段の生活の中でも、人間はいつも他人と比較してしまいます。「俺は駄目な人間だ。」とか、「俺は偉いぞ。」というふうに思ってしまうんです。奢ったり卑下してみたり、泣いたり笑ったりしながら、この肉体はいずれ朽ちていく。では、肉体を失ったとき、我々の心はどこへ行くのか。極楽か地獄かと迷うんです。ところが、真剣に坐禅を続けていくと、ある時、本来自己というものは何も無いとはっきり解かるようになります。「俺のものだ、俺の体だ。」と思っている、その「俺」が一番の問題で、この肉体も、生きているという証しの心臓も、自分が作ったわけではないのです。・・・修行時代、朝課(ちょうか・朝のお勤め)の際、師匠に「殿司(でんす※)、何しとるかー!」といきなり怒られたことがあります。(※でんす…お経を唱える役割を与えられた雲水のこと) 「何をしているんだ! 熱いじゃないか! よく見ろ!」と言われるので何のことかと思うと、仏壇の花にローソクが近づきすぎているというのです。「お前たちは、花に成り切っていないから解からないんだ! 顔の横にローソクがあったら火傷するだろう?!」と。そういう、対象と一体となった修行をする。常に相手に成り切る。成り切ったら自分を捨て切って、捨て切ったら思い切って行動する。それが禅です。
・・・今回の大雪では、霊苑職員の皆さんが来る日も来る日も除雪をして参道を確保してくれました。「雪はイヤだな、寒いな。」などと言っていたら人生は何も出来ない。寒くて辛いけれど、雪に成り切って、スコップに成り切って、外へ躍り出ていく。それこそが「彼岸」であり「パーラミタ」、すなわち「般若の智慧」です。もとより何も無いのだから、自分に執着する心を捨て切って、何事にも全身全霊で相手を思いやり人生を歩んで行くことが大切です。・・・今回は7回目の春季彼岸会ということで、今年も無事に円成出来たことを心から感謝申し上げます。お盆には、ふれあいパーク霊苑の合同供養などもありますので、また皆様そろって御出席頂ければと思います。本日はお参り頂きまして本当にありがとうございました。
2018年3月11日 春季彼岸会法話より (事務局が編集しました)
【寳勝寺檀信徒の皆様へ 平成三十年度 春季彼岸会のご案内】
平素は格別なる御法縁を賜り、厚く御礼申し上げます。「寳勝寺春季彼岸会」を来る三月十一日(日)に厳修させて頂きます。どうぞ皆様お揃いでお参りくださいませ。尚、近日中に下記のご案内状を送付申し上げます。何卒ご高覧の上、御返信賜りますようお願い申し上げます。合掌
立春と喜んでいたのも束の間、このたびの豪雪で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。福井のほうでは、街に住んでいても「買い出しに出かけるのも命がけ」「恐ろしいほど降り続けている」というお話しで、一日も早い復旧を祈念しております。
金沢も大変な大雪ですが、寺の境内に融雪水を流し、また主要道路に近いこともあり、なんとか保っています。今日は寺町在住の大工師・岩内様が、応接室縁側の窓ガラス補強のため緊急工事に来て下さいました。また瑞光寺や少林寺にも除雪応援が駆けつけてくれるなど、本当に有難いことです。
窓ガラス補強のベニヤ板 給湯器を保護する柱と壁板
掘っても掘っても 雪
昨日から気になっていた、本堂の屋根雪です。一昨年に全面修復工事をし万全ではありますが、日に日に嵩が増えていました。それが・・・とうとう本日、地響きのような轟音とともに、屋根から落ちました!
見上げると、「よかった!安心!」の光景ですが・・・
眼下には、「トホホ」と苦笑するしかない雪原(?)が広がっていました。
またコツコツと雪除けが始まります。気象予報によると雪は10日頃までのようす、諦めず対策していきたいと思います。
昨日からの寒波で、毎日コツコツ溶かしようやく消えかけた雪がまたいっぺんに戻ってきました…。今冬はもう3回目、4回目でしょうか? しかしこれまでと違うのは、暴風雪の中にも晴れ間があり、軒先からポタポタと雪解け水が落ちてくることです。立春とは名ばかりでは無く、春が来ていることを実感しています。
ふれあいパーク霊苑では、吹雪の合間を縫って朝からスタッフの皆様が通路の除雪をされています。この景色も今冬、何度目でしょうか!? 雪もいいものですが、やはり緑と花いっぱいの季節が待ち遠しいです。
霊苑の中には、ユキヤナギがたくさん植えられています。4月、白く小さな花を次々咲かせる雪柳は、もうすぐ芽吹きが始まりそうです。
寺の式台玄関横に植えた、紫陽花「隅田の花火」。なぜかこの紫陽花だけがぐんぐんと成長しているようす。もうこんなに葉が伸びています。直接に雪が当たらないので、縮こまらずに済んだのでしょうか。
今朝の門前のようす
昨夜の猛烈な吹雪から一夜明け、朝には久しぶりの本格的銀世界が広がっていました。寳勝寺前の道路は、融雪装置のおかげでなんとか往来出来ますが、郊外の町や路地などはほとんど除雪されておらず、道も車もすっぽり雪に埋まっています。
蛤坂 街じゅうの人が表に出て除雪をしています
久々に見ました 大きなつらら
寳勝寺 大屋根の雪が ドドドォー!という轟音とともに 滝のように落ちてきます
今冬はコツコツと大屋根から落ちた雪を割り溶かして来ましたが、ここまで大量に積もると、もうどうにも出来ません。圧縮され高くなった雪の上を久しぶりに歩きました。子供の頃、雪山に階段を作って遊んだ記憶がよみがえるようです。
「雪深くして百福兆す」
大雪になると思い出す禅語です。さっそく寺カフェに飾っている墨蹟作品を入れ替えたいと思います。
元旦 朝 の 寳勝寺山門 です
あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。穏やかな元旦の朝を迎え、寳勝寺の上空には青空が広がり、新年の清々しい風が吹き渡っています。
ふれあいパーク霊苑が完成し、境内が整備されてから初めてのお正月となりましたが、大晦日から元旦にかけては次々と御家族が墓参に来られており、本当に、寳勝寺霊苑が改葬されたことの意義を改めて感じています。
三界萬霊塔の御真前に 松飾りの仏花をお供えしました
帰郷され 墓参に来られた御家族
葉牡丹や南天 霊苑全体がお正月飾りをしているようです
明日から寺カフェをオープンすることになっており、本日はテーブル花やメニューの準備をしています。元旦からすでに観光客が歩く姿もあり、カフェも忙しくなりそうな気配です。2日から8日まで休まず開店しておりますので、お近くへお越しの方はぜひお立ち寄りください!
応接間 の 床の間 にも 鏡餅
平成30年は庫裡外壁修復工事や、霊苑のお庭も更に充実し本格的になっていく事もあり、更に活気ある濃い一年になるのではと思っております。御法務と、寺カフェと、お掃除と、、、と益々精進して参りたく、本年も相変わらぬ御法縁を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
いよいよ本格的な雪の季節到来です。朝から霊苑スタッフの皆様とともに山門前や玄関の雪除けに追われましたが、身体がこわばる冬の運動不足には格好の仕事兼体力作りと、張り切って取り組んでいます。ふれあいパーク霊苑もすっぽりと白雪に包まれました。常緑の木々や南天の赤色が映え、北陸らしい美しい冬の庭園風景となっています。
寳勝寺の中庭
中庭にもどっしりと屋根雪が落ちてきました。来春まで根雪となって残りそうですが、これが豊富な地下水の源となって夏の冷たい湧き水がもたらされると思うと、今年からはありがたくも感じています。
感動的な 夏の冷たい湧き水 です
今秋、泉小学校2年生の4名の生徒さんが2日間に渡り「寺カフェ取材」に来られましたが、先日、可愛らしい御礼状を持参され再び寳勝寺に来て下さいました!
10月の取材では、質問コーナーやお抹茶体験などをしました
寺カフェスタッフともすっかり打ち解け、リラックスタイム・・・
素直でのびのびとした子供達に、スタッフも元気をもらいました
A3サイズの画用紙をしっかりラミネート加工された大きな御礼状には、丁寧な文字で「ありがとうございました」「がんばってください」などと感謝の言葉が綴られており、感激です!
授業参観日に、寺カフェのことを発表したそうです
寺カフェの波ウサギマークも描いてくれていました!
授業参観に来られていた御家族や大人の皆様には、「へぇ~、こんなところだったんだ!」と言われたそうです…。楽しく発表できた様子が伝わってきて、本当に嬉しくなりました。寺カフェも応援に応えるべくますます頑張っていきたいと思います! 泉小学校2年1組の皆様、先生、御礼状を頂き誠にありがとうございました! 寺カフェスタッフより
引き続き、寳勝寺落慶法要並びにふれあいパーク霊苑竣工式「祝賀会」のお写真を御紹介させて頂きます。(写真はすべて、現代写真スタジオ撮影によるものです)
祝賀会は、「つば甚」にて開催されました
受付のようす / 式次第とお席表をお渡ししているところ
開 式 / 司会は大安禅寺副住職 髙橋玄峰和尚
寳勝寺住職 の ご挨拶
㈱ココ・プランニング 中本隆久会長 の 御挨拶
霊苑をデザイン・設計された ㈱ココ・プランニング 宮崎邦英氏 ご紹介
石川県議会議員 金原 博 様 の 御祝辞
妙心寺派 栗原正雄宗務総長 の 御祝辞と乾杯
二胡奏者 小林寛明氏による 祝奏
【 感謝状授与式のようす 】
㈱キタジマ(福井市高木中央) 北嶋幹補代表取締役会長
酒井化学工業㈱ (鯖江市川去町) 酒井清章代表取締役社長
㈱ペット愛葬社(福井市堂島) 中村修二会長
㈱ココ・プランニング 中本大資代表取締役社長
【 記念撮影風景 】
㈱鹿島建設北陸支店 建築部 岡安孝二技師長 の 御祝辞
(㈱)ペット愛葬社 中村修二会長 の 御祝辞
(有)片岡経営会計事務所 片岡正明先生 による 万歳三唱
寳勝寺 須貝外喜夫総代より 謝辞
大安禅寺 髙橋玄峰副住職 閉式の辞
【玄関にて お見送り】
㈱豊蔵組の皆様とともに
㈱ココ・プランニング様、㈱豊蔵組の皆様
第一デンタル㈱ (福井市二の宮) 土本会長夫妻とともに
滋賀県 良疇寺ご住職とともに
寳勝寺檀信徒の方々とともに
文房流晴心会 野口支部 野口翠智先生はじめ社中の皆様
この度の落慶法要並びに竣工式に御列席下さいました皆々様に深く感謝申し上げます。記念写真等は現在、現代写真スタジオ加茂氏に依頼し現像中です。出来上がり次第、皆様にお届け致したく楽しみにお待ちくださいませ。