11月, 2018年

第1910話

2018-11-10

日が暮れるのがいつの間にか随分と早くなったものです。たそがれ時のふれあいパーク霊苑は、いつもとは違った雰囲気を醸し出しています。夕日が沈むさまは浄土を感じさせるほどで、思わず合掌して感謝の心を表しています。

昨日は自坊での記者会見に臨み、今日は兼務寺院・瑞光寺での法務遂行のため午前中はお檀家様の月諷経に出掛けましたが、毎日の居場所が目まぐるしく変わるのも一年の終わりの月を迎えているという実感が有ります。また年々法務の仕事が増えていくということは、それだけ自分が必要とされている事なのでしょう。

夕刻には(株)みなと石材の社長さんが来寺され、瑞光寺裏山の樹木枝伐採に関する金沢市の許可申請書類を持参されました。先般の台風で大木の枝が折れ、近隣民家に被害を及ぼした為ですが、何事も和尚一人の力では限界があり、多くの援護者のお蔭で無事に済んでいくことを本当に有難く思っています。高齢者の孤立化が問題視される現代に有って、家族の絆がより一層大切である事をしみじみ思う今日この頃です。友峰和尚より

第1909話

2018-11-09

車窓からの青空 九頭竜川 と 大安禅寺を包む山々

昨日から一変して、金沢は冷たい雨模様となりました。午前中の法務を済ませ、午後2時からの記者会見に合わせ一路電車で福井に向かいましたが、その車中から大安禅寺方向をふと望むと、雲間にポッカリと穴が開いたように青空が広がっていました。

吉岡泰英先生 (中央) と 責任役員総代 (右側から)藤田様、蒔田様 

今日の記者会見は、卑山重要文化財 諸堂修理事業の今年度着工決定を受け、その発表の席となりました。先代実道和尚からの悲願でもありました卑山の全面復興修復工事の決定だけに、和尚としても大変嬉しく思っています。

 

午後二時から記者会見が行われ、新命副住職の司会進行のもと無事に発表を終了する事が出来ました。福井に向かう車窓から大安禅寺の天空に青空が広がっている情景を見て、先代実道和尚が見守ってくれていると実感したものです。本日は多くの地元報道関係者がご来寺下さり、御取材賜りました事に厚く御礼申し上げます。歴史的建造物の保存修復継承は、住職としての使命でもありますから、副住職と檀信徒と共に精進努力して参りたく思います。

記者の方々へ 修復について説明される吉岡泰英先生 

これまで絶大なる御支援とご協力を頂いて参りました 吉岡泰英先生 にも記者会見に同席頂きましたが、今後とも引き続きご指導を賜りますよう切にお願い申し上げる次第です。また、この度の約十二年間に渡る大事業に際し、福井県生涯学習 文化財課 並びに 福井市観光文化局 観光振興課様には何卒宜しくご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げ、御礼の言葉といたします。高橋友峰

小菊の競演です!

2018-11-08

11月も中旬間近となり、北陸は今年最後の貴重な晴れ日和を満喫しています。あと十日もすればミゾレか雪が降ってもおかしくない時節、野の花を楽しむことが出来るのも、今年は残りわずかとなりました。以前からお伝えしていた境内の小菊も、この陽気でいっせいに開花し、清楚な香りを漂わせています。

10月28日頃 どんな花が咲くのかまだ分からず・・・

 

11月7日、月末月初の慌しい一週間のうちに満開に

 

11月8日、収穫(?)の喜びを、奥の院の御真前と地蔵尊にお供えしました。続いて、永代供養墓に。合祀墓「 宙 そら 」はいつも、お参りの方の供えるお花いっぱいに包まれています。

白菊のほかにも、品種もわからず移植した薄桃や紅の小菊が次々と開花しています。冬間近の落葉の季節ですが、新たな楽しみができました。これからもっと菊を増やしていきたいと思っています。

 

 

こちらは少林寺境内の菊です。 少林寺にもたくさんの菊が咲いています。

代々、御手入れされた樹や花々に魅了されています

万両に赤い実が沢山ついていました! 御正月も間近です

 

第1908話

2018-11-08

清々しい風が境内を吹き抜ける一日となりました。今日のような穏やかで気持ちよい気温は、今後望みようも無いと思ったくらいです。寺カフェ利用の観光客の方々も屋外でのカフェタイムを希望するぐらいで、毛氈が敷かれた床几台で長時間休息されていました。この時期の気候は一日で一変するだけに、終日十分に満喫できた日和でした。

ゆったりと休憩される 寺カフェ利用者の皆様

和尚は今日明日と法務遂行の準備のため金沢に留まっていますが、明日の午後2時からは重要文化財・大安禅寺諸堂修理事業の来年度着工決定を受けての記者会見が大安禅寺本堂を会場に予定されている為、午前中の法務遂行後は自坊に戻らねばなりません。「予定は未定」との言葉も有るようですが、確かに予定が入っていても次々に法務が増えていく昨今の状況にはギブアップ気味なれど、これまでに培った「禅定力」を頼りに頑張っているところです。

「 道 どう 」 渓仙 書

「苦あれば楽あり」の言葉は全くにその通りで、苦しみが大きければ大きい程、そのあとの楽しみも大いなるものが有ることは幾度も経験して来た事です。皆様!! 定年制が今後は七十歳になるそうですから、大いに人生悔いのないように頑張って参りましょうぞ!! 友峰和尚より

第1907話

2018-11-07

今日は立冬です。寺町周辺の木々は鮮やかに紅葉し、すっかり枯れ葉を落とした樹木も多く見受けられます。確かに「立冬」の気配は十分に感じられますから、気持ち的にも愈々本格的な冬シーズンに入るのだなとの実感が湧いてきます。

「水を掬すれば 月 手に在り」 渓仙 書

寳勝寺でも各部屋に石油ストーブや温風ヒーターが備えられ、いつの間にか扇風機が姿を消しています。テレビのニュースではアメリカ中間選挙の結果が大きく報道されていましたが、寺町の紅葉を眺めているとまるで別世界の心境です。人間の心ほど移ろい易いものはなく、枯れ葉が舞い散るように実に儚いものです。「勝った負けた」の一喜一憂の世界から脱却して見れば、いつもと変わらぬ自然の営みがそこには有ります。お釈迦様の悟りの教えは「中道」ゆえに、お互いに握手をして和合の道を歩んで行きたいものです。友峰和尚より

第1906話

2018-11-06

紅葉する 沙羅双樹の木 / 宝勝寺玄関にて

このところの寒さも和らぎ、今日は穏やかな一日となりました。寺カフェは火曜日でお休みという事で、寺内に篭ってしばしテレビの報道番組を見ていましたが、「裏アカウント」なるSNS即ちソーシャル・ネットワーク・サービス、「人と人とのつながりを促進する会員制のサービス」の裏アカウントについての特番でした。

青森県の市会議員の発信した裏アカウントの言葉が問題視されていましたが、近未来には、裏で自分の不満や意見をブッチャケなくても、普通に人と話していながら、自分の裏のこころが読み取れてしまうという末恐ろしいAI機能「裏こころ読み取り機」なるものが出現するとか? 口に出しては絶対いけない裏の言葉が総べてお見通しと言いますから「あな恐ろしや!」、禅語に「両鏡相照らして中心に影像なし」と有るように、「言葉と思いは一つ」でなければ信用を失います。情報過多社会の進む今日、便利電子機器の普及によって最早自分の心すらコントロールが出来なくなっていく傾向にあるようです。友峰和尚より

少林寺の南天

第1905話

2018-11-05

収穫の秋の作物を お供えしました

哲学の秋ということでしょうか?「住職とはいったい何ぞや?」との素朴な質問を自分に投げかけてみました。和尚の七十年の人生を振り返って、僧侶としての本分を全う出来ているかどうかを問うわけですが、昔と違って住職としての立ち位置はずいぶんと変化してきているように思います。一時期「葬式仏教」と揶揄された事も有りましたが、今では葬式どころか寺院そのものの存在が危ぶまれています。寺離れや直葬、墓じまい、挙句の果てに葬儀後の遺骨の引き取りを放棄するに至って、故人の年忌法要などは無縁のこととなり始めています。AI知能がもてはやされる現代社会にあっては、人間の心すらも次第にコンピュータ管理されつつあるようです。

㈱豊蔵組様が 自社栽培の立派なさつまいもをお届け下さいました

砂地で栽培された 丸々としたサツマイモです

 

豊蔵享一社長とともに

江川部長 と 池田主任補佐とともに

 

 

お昼頃 守山市の 北川 一 様と 御家族の皆様が来寺されました

和尚の法話を契機に 三十年近く御縁を頂いている 北川様ご夫妻

御来寺頂き 誠にありがとうございました

 

 

夕刻  方山さまとともに / サンリス アートサクレ展覧会の準備

仏教の教えはあくまでも「あるがままの、なにものにも捉われない心の実践」ですから、これまで通りに自然体で人々の心に寄り添っていくことが住職としての大切な道であろうと思います。本日も何組かのお客様と懇談しましたが、「一期一会」の禅語の如く、一秒一生の「禅心」の中に僧侶としての意義を見出すものです。平穏無事をひたすら祈りながらの法務遂行が続いています。友峰和尚より

 

第1904話

2018-11-04

大安禅寺のアトリエにて

穏やかな日曜日の一日となりましたが、皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 自坊での法務遂行はある意味リラックス出来るものです。住み慣れた環境は否応なく心が休まるもので、特に部屋の匂いや境内に漂う秋の樹々の匂いが心の奥底にまで浸透していくようで、心地よく感じます。数日間の滞在でしたがリフレッシユ出来ました。11月は観光シーズンということで職員より依頼されていた色紙書きに専念しましたが、アトリエから望む紅葉木が色づき始めており、時折手を休め紅葉を観賞しながらの作業は実に気持ちの良いものです。人間の心は常に自然の営みの中に安らぎを見出すことが出来るものですね。

 

ところで、11月も相変わらず法務予定が多く入っており、日々不規則な生活が強いられるだけに出来るだけ長く自坊に滞在できるよう法務予定を調整しています。加齢のせいでしょうか、無性に旅に出たくなる気分が襲って来ます。そうですね!この時期は温泉がいいですね!どこかでゆっくり湯治を兼ねて出掛けたいものです。いい湯だなハハ~んって、本当にのんびり出来るのはまだまだ先のようです。友峰和尚より

 

第1903話

2018-11-03

於菊稲荷神社(おきくいなりじんじゃ 群馬県高崎市)からご依頼の 天井画

NHK大河ドラマ「西郷どん」も最終章に入ってきましたが、和尚は毎回楽しみに見ています。今日11月3日は明治天皇の誕生日ですが、明治維新の日本の動乱期には多くの人材が傑出した時代でも有ります。人物の多くは学生時代に日本史等で少々の知識を得たぐらいでしたから、本当のところは全くに「不識(ふしき)」で、江戸から明治維新を迎える政府の変遷を興味深く見聞しています。

 

福井の幕末時代には、松平春嶽公を始め由利公正、橋本左内、横井小楠、梅田雲浜などが活躍し新政府の樹立に貢献され、福井市民として大いに誇りを感じるものです。文化の日にあって「文化」とは何なのか、改めて自問自答しながら故人の功績を讃えたいと念じます。

 

さて、午前中には藤田責任役員総代 御母堂様二十三回忌法要が御自宅で営まれました。法要に先立ち卑山花園流御詠歌婦人部の皆様が奉詠され、厳かな雰囲気の中、法要が厳修されました。故人も長く御詠歌を修学されておられたので、きっと奉詠を喜ばれた事と思います。故郷の秋はすっかり晩秋の色を深めていました。このところの急激な冷え込みで全山がいっきに紅葉し、時折強く吹く風に乗って色づいた枯れ葉が舞い散っていくさまは見事です。人生七十年!どうやら身も心も真っ赤に燃えたいと願う今日の自分でした。くれぐれも燃え尽きないように、ご用心? 友峰和尚より

表具師 斉藤公一氏とともに

群馬県高崎市新町247 於菊稲荷神社 こちらから御覧下さい。

社殿の格天井に奉納されることになっています。

 

「変容する家」展覧会 住職インタビュー動画

2018-11-02

東アジア文化都市2018金沢「変容する家」髙橋友峰 嵩岳山 少林寺 住職

TAKAHASHI Yuho – Chief Priest, Shorinji Temple

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