8月, 2018年

第1819話

2018-08-11

地元田ノ谷町のお檀家様家々にて お盆の棚経です

お盆の里帰りラッシュを迎え道路の交通量もぐんと増えましたが、皆様に於かれましては賑やかな家族団欒のお盆をお迎えのことと思います。本日は午前7時より地元お檀家様のお盆棚経(たなぎょう)に総代様を伴って出発! 毎年恒例の行事ながら、祖霊御供養と同時にご家族皆様との交流も大切で、特にお盆は初めてお会いする親戚縁者の方も多く時間をかけながらのお参りとなりました。

どの御家庭も世代交代が進んでいますが、昔ながらの祖霊供養の棚経仏事も先代からしっかり受け継がれていくことに安心を覚えるものです。お仏壇に小さな手を合わせ合掌する孫達の姿ほど可愛く微笑ましい姿は有りませんね。この棚経(たなぎょう)ですが、昔は仏壇とは別にわざわざ縁側に精霊棚(施餓鬼棚)を設け、天国から降りて来る御先祖の霊を待ち受けたところから「棚」の「経」と名付けたそうです。棚には蓆(むしろ)を敷き、霊供膳をはじめ旬の野菜やお米、果物やお菓子などを盛りだくさんにお供えして祖先の霊をお迎えしました。また胡瓜で作った馬と茄で作った牛を祖霊の乗り物としてお供えしたそうです。実に祖先への深い崇敬の念が伝わってきます。

ご家族との 懇親のひととき

本日も沢山の御供物がなされたお仏壇での読経となりました。最近では関西や関東地方に子供達が多く嫁いでいるため、お盆のお参りはいっそう賑やかなものとなっています。総代様を伴っての棚経、どの御家でも読経後の楽しい団欒の会話が弾んだ一日となりました。明日も引き続き新命副住職と棚経三昧の行が続きます。友峰和尚より

夕刻 蝉しぐれの中 境内のお掃除

寳勝寺盂蘭盆会住職法話

2018-08-10

平成三十年度

≪ 寳勝寺盂蘭盆会 住職法話のご紹介 ≫


 

今般は未曾有の豪雨災害により全国各地に甚大な被害がもたらされ、多くの方々が犠牲になられたことに対し心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。

 

 

… 和尚が寳勝寺を兼務してから早や7年が過ぎましたが、その間、多くの方々との御縁を頂いてこのお寺を復興して参りました。檀信徒皆様をはじめ㈱ココ・プランニング様、㈱豊蔵組様との御縁を得、そして今日は新たに同じ臨済宗妙心寺派として参列して下さったご家族もおられ、更にはふれあいパーク霊苑でも沢山の方々との御縁を頂いております。

 

 

…思えば、昨年は工事また工事で皆様には大変な御心労をおかけしたわけでございますが、代々墓区域である「奥の院」も立派に出来上がり、歴代住職をはじめ前田利常公からの檀信徒各家御先祖様もしっかりとお祀りする事が出来ました。今後は、本日御加担下さっている桂岩寺様、江雲庵(こううんあん)様、宝光寺様にもご協力頂き、盂蘭盆会法要に太鼓や鉢(はつ)を取り入れ、臨済宗本来の儀式の形を整えることに尽力したいと願っています。何かと簡素化されていく時代の風潮ではありますが、いまこそ丁寧な御先祖供養を行っていきたいと考えています。

 

 

… 仏教において「法(ほう)」といわれるものには、3つの要素があります。それは「真理」「形(かたち)」そして「規則」です。この3つの要素が守られますと、物事はおのずと前進して行きます。さきほど皆様とともに唱和した「白隠(はくいん)禅師坐禅和讃」の中に「因果一如(いんがいちにょ)の門(もん)ひらけ」とありますが、「真理」とは「因果一如」のことです。自分のしたことが、そのまま返ってくる。「棚からぼたもち」とはありえない話で、まず、ぼたもちを作り、そして棚に乗せる。そうすると、何かの拍子に落ちてくるかもしれないというほどのことです。何も行動を起こさないのに返ってくることは、まずありえません。そして「無二無三(むにむさん)の道直(みちなお)し」とは、二も無く三も無い。自も他もなく統べては自分と一体であるということです。人間は尊いものを外に求めがちですが、一番尊いのは自身と心得、自分が喜ぶのと同じように周りの人が喜ぶことを考えて無心に行動を起こすこと、それが「回向(えこう)」と言って廻り返ってくるのです。今回のような災害が起きた時にはお互いに助け合う、お見舞いをする、そういう一体の気持ちを持っていれば、お釈迦様の弟子として充分にその加護を受けることが出来、常に心が安らいでいるという「安心(あんじん)の法」を得ることができるのです。 

 

 

… 来年度には庫裡と本堂裏外壁の修復工事が予定されていますが、それを以って寳勝寺の修復は完了です。今後は少林寺の修復、そして傳燈寺での法務活動などにも全力で取り組んでいきたいと思っています。

 

ふれあいパーク霊苑 合同慰霊祭

 

最近は、ふれあいパーク霊苑にも御家族や御親族が次々とお墓参りに来られています。供養寺としてこれほど嬉しいことは有りません。どうか御先祖の恩、父母の恩をいつも心に留め置いて頂きまして、無事で心安らかな毎日をお過ごし頂きたいと願っています。そしてお盆や御彼岸の法要は勿論、お近くへ来られる際には是非、寳勝寺へお参りに来て頂きたいと願っております。【事務局編集】

第1818話

2018-08-10

8月15日の盂蘭盆会施餓鬼会法要も間近に迫り、また明日からは地元お檀家様の盂蘭盆棚経(うらぼんたなぎょう)に出掛けるため、今日は午後から境内の外掃除に出ました。先日徹底して整備をしておいたおかげで短時間で終了することが出来たものです。掃除の徹底は全ての仕事にも通じ、日々怠りなく整理整頓をしているのと同じく、次なる仕事が実にスムーズに運ぶものです。何が故にそうなるのかと言えば、常に「心を空っぽ」にすることが掃除の極意だからです。「要らざることを思わぬ」訓練のようなもので、一心不乱に掃除を徹底していくうちに「忘我」の心境を会得できるからです。本当に不思議な話で、「たかが掃除、されど掃除」なのですね。

普通に「掃除」と言えば清掃ぐらいに思いがちですが、「掃除」とは「除き掃う」わけですから、「色々な拘(こだわり)りを捨てきる」と言った方が良いかも知れません。「何をくよくよ北山時雨 思い無ければ晴れて行く」という世語が有るように、「思い無ければ晴れて行く」心境ですね。しかしながら「掃除」ほど難しい修行も有りません。広大な境内の何処から掃除を始めるか!またどのような器具を使うのがベストなのか!どれくらいの時間で完了できるか!等々、まったくに一般の仕事の出来具合と同じことです。どのような作業も仕上がりの是非が問われますが、掃除も同じく隅から隅まで輪郭が冴え渡る程の徹底したものでなければ合格とは言えません。

さてさて、掃除の徹底もさることながら、一番大切なのは「心の掃除」が徹底出来たかです。兎にも角にも皆さん!掃除です!「何にも思わぬが仏の稽古なり」で、お盆までに徹底してお仏壇のお掃除をお願い申し上げます。清々しい気持ちで御先祖の御霊をお迎えしたいものです。友峰和尚より

第1817話

2018-08-09

「第2回 修理委員会」に先立ち 愈好亭での御挨拶

昨晩から降り続いた雨のおかげで気温は下がったものの、今度は湿度が上がり蒸し暑さを感じる一日となりました。来年度より卑山「重要文化財保存修理事業」が開始される予定になっていますが、本日は文化庁・田中禎彦文化財調査官の現地指導を踏まえ、午後より「第2回 修理委員会」が開催されました。

修理委員の吉岡様 並びに 責任役員総代様と

卑山からは、責任役員総代3名並びに吉岡氏・片岡氏両修理委員が出席され、当局からは文化庁・田中禎彦文化財調査官を始め福井県生涯学習課担当職員と福井市文化課担当職員、そして文化財建造物保存技術協会(文建協)の担当職員皆様が出席されての会合となりました。

 

修理委員の片岡様と

台風13号の影響からか、時折強い雨が降る中での会議でしたが、午後3時には無事に終了し散会となりました。この15日(水)に盂蘭盆会大施餓鬼法要が営まれますが、法要終了後の檀信徒総会では、現在の進捗状況や今後の工事計画などが当局より説明される予定になっています。

 

文化庁 文化財調査官並びに県・市担当者の視察のようす

客寮にて

本堂にて

開基堂 松平光通公像御廟の御前にて

開山堂 大愚宗築禅師御像のご真前にて

なにしろこの先、約12年間に渡る文化庁指導の大修復工事だけに、綿密な打ち合わせが何度も何度も行われ、会合を重ねるごとに工事の全体像が明らかになって行くようです。不思議なことに、来年度より元号が替わりますから、「何とかの大修復工事」という見出しも元号が替わる初年度から出発ということになります。

松雲の間にて 修理委員会 会議のようす

さて、堅苦しい話になってしまいましたね。和尚にとっては本当にいい話、とっても有り難い話ですから、ついつい書き留めました。「ちょっといい話」も人それぞれに受け取り方が違いますから、どうかお許しください。雨が降って涼しくなったとたんに、夏蝉が元気よく鳴き始めました。こちらはとてもいい話だと思います。ただし「ジィジィ」って鳴かれると辛くなってしまいます。「つくづく元気がほしい~!つくづく元気がほしい~!」っても鳴いてますよ。友峰和尚より

第1816話

2018-08-08

 

台風13号の影響からか、午後から雨になり気温も27℃と過ごし易くなりました。かなり大型の台風らしく関東地方が大荒れの天気になるとかで大変心配されます。このところの気候変動による災害は、全世界的に拡大を続けています。今年に入ってから日本も立て続けに大きな災害被害を受けており不安が募る一方で、明日は我が身に襲って来るかも知れない災害故に、日々の気象情報には神経をとがらせています。

 

 

午前中は卑山諸堂修復工事に関する打ち合わせが有りましたが、これだけ日常的に災害が発生すると、修復工事にも万全を期して臨みたいと思っています。午後からはお盆の棚経(たなぎょう)に出掛け、読経後はお檀家さん家族との団欒になりましたが、御先祖の霊供養のみならず御家族との親交ほど心が和むものは有りません。

 

三上家にて ご家族揃ってのお盆のお参り

三上祐輔君は幼少の頃より、和尚がお参りに行きますと必ずお祖父様と一緒にお経を唱え、お寺の行事にも必ず参加していました。今日も和尚が諷経に行きましたが、その祐輔君も今では20歳! 一流のパティシエを目指して目下金沢で修行中! まもなく本格的実践に入るという話を聞き、大変嬉しく思ったものです。なにしろ祐輔君は「おじいちゃんっ子」でしたから、今年亡くなられたお祖父様も草葉の陰で眼を細めて見守っておられる事と思います。

 

現在は新命副住職が各御家の棚経をしており、お檀家様とも交流を深めているようです。お盆の棚経は、祖霊供養を通してお檀家皆様と親交を深めながら御仏の慈悲心の御利益を授かる安心のひとときとなる事を念じて止みません。友峰和尚より

 

髙橋友峰住職「第1回 アートサクレ芸術祭」のご案内

2018-08-08

2019年 4月、フランス・サンリス市で開催される芸術祭「第1回 アート・サクレ芸術祭」に、髙橋友峰住職が招待禅僧として参加することになりました。こちらはその芸術祭をご紹介するページです。ぜひ御覧下さい!

 

 

サンリス市 

 

「第一回 アート・サクレ」フェスティバル

開催期間:2019年 4月21日(日)~4月28日(日)

2019テーマ「大地から星への詩」

ノートルダム大聖堂 * 聖ピエール教会 * 聖フランブール礼拝堂

 

 

公式サイトを是非ご覧下さい↑ こちらをクリック

 

 

※動画の中で、住職のメッセージ映像が紹介されています。(2分52秒頃~)

 

 

 

       

       歴史あるサンリスの風景 芸術祭会場となる美しい教会

 

 

スピリチュアルな世界を表現するための舞台

 

このフェスティバルは、あらゆる文化・分野・時代を混ぜ合わせ、全ての宗教やスピリチュアルな活動から創造された美に門戸を開いています。コンサート、展覧会、会議など精神芸術の多様性や活発さを反映し、多彩なプログラムから構成されています。(公式サイトより)

 

 

芸術、最も普遍的な財産の芸術よりも重要なことは、人々が共に集うことでしょうか?

「芸術」…、文化と思想は欠くことの出来ない結び付きです。芸術は、生まれや言語、作者が誰であろうとも、様々な人々の象徴的・審美的・表現力豊かな世界に出会うことを可能にしてくれます。これが、この聖ピエール教会で8日間に渡って開催されるコンサート、展覧会、アトリエ、スタンド、会議などのイベントの骨子です。サンリス「アート・サクレ」フェスティバルは、スピリチュアルな生活や活動を行っているアーティストのみならず、感じたものを自由に表現しようとするアーティストにも門戸を広く開いています。

力の噴出

宗教の復活は、過去30年間に渡りフランスで観察された最も重要な事柄の一つです。が、この動きは、絵画や彫刻の下で、大部分が過小評価または無視されています。20世紀の初めから、芸術作品は魂を失った近代性を反映する傾向にあります。しかし、聖なるものは排除することが出来ません。それは灰の中から蘇り、私たちに力が湧き出る共通のビジョンを与えます。

 

存在をたたえる

このフェスティバルでは、集中力、繊細な感覚、感情、抽象、探究、バランス、混沌……表現するために歩み続け、自己を超える努力をしているアーティストが沢山いることを伝えたいと思っています。そう、世の中には、騒音から遠く離れて作業を続けるアーティストが存在しています。彼らの作品は、近代主義の基準にはそぐわないかもしれませんが、確かに近代社会の中に存在しています。そういった作品に光を与えることは私たちの誇りです。

 

神秘を解き放つ

サンリスには長い歴史と厳かな大聖堂が存在しています。「芸術」は、そのサンリスの懐でフェスティバルの一時を共に過ごすように導いてくれる糸です。宗教の枠を超え、サンリス「アート・サクレ」フェスティバルが出展者・来場者共に感嘆し、神秘を解き放ち、とりわけ敬意を共有できる機会になれば幸いです。御友人や御家族、そしてお一人でも是非ご来場下さい!

 


 

 

サンリス、「王家の街」…

 

中世の美しい街並みを残すパリ近郊の街サンリス(オー=ド=フランス地域圏、オワーズ県)。フランス・カペー王朝の始まりの地(987年)でもあるサンリスは、その後もシャルル10世(19世紀)の治世まで数世紀に渡り歴代フランス国王が訪問し、滞在地としてその地位を保ち続けてきたことから、現在に至るまで「王家の街」と呼ばれています。石造りの古い街並みが残るこの町は、「髪結いの亭主」や「王妃マルゴ」など、フランス映画の撮影舞台として数多くスクリーンにも登場し、映画人を惹き付けて止まない街としても知られています。

王宮の目の前に建つノートルダム大聖堂は、12世紀から16世紀にかけて建造されたサンリスのゴシック建築の象徴です。またユーグ・カペーの妻アデライード王妃(Adélaïde d’Aquitaine/945-952頃-1004)によって建てられた聖フランブール礼拝堂や13世紀にルイ9世(Louis Ⅸ/1214-1270)の命で建てられた聖モーリス小修道院など、街にはフランス王家ゆかりの歴史的建造物が数多く残されています。
その他にも、街の中心部にある3つの博物館が、サンリスの豊かな歴史と文化を今に伝えています。

 

第1815話

2018-08-07

今日は立秋です。いや~、今朝方からいっぺんに涼しくなりました。台風13号の影響からかも知れませんが、まったくに暦どおりで境内の風景さえ何処と無しか初秋の風情を感じさせてくれます。昨晩は内孫たちと夕食を共にしましたが、実に賑やかで楽しい時間でした。玄峰副住職の幼稚園時代のアルバムを孫達と囲んで見ましたが、大いに盛り上がりました。今では息子達の幼少の頃の写真を見る機会も少なくなっているだけにとても新鮮で、孫達も自分の顔と見比べながら「似ているね!似ているね!」って大喜びでした。写真っていいですね!ビデオ動画もいいのですが、写真はじっと長く見つめる事が出来、本当に懐かしい子育て中の色々な想い出が蘇えってきます。人生50年から今や人生80年!想い出も尽きません。

最近では終活の中で自分史を作成して、想い出の写真と共に子供達へのメッセージを残される方が増えてきましたが、成る程、自分の両親の人生についてどれだけ知っているかというと、殆んど知らないような気がします。今からでも両親の遺品を整理して「想い出史」を作成したいと願っています。

 

一回きりの人生、それぞれにいろんなドラマが展開されていきますから、最後の最期まで未完のドラマとして記録して行きたいものです。まもなく盂蘭盆会、祖先の霊供養を丁寧に修業したいと念じています。友峰和尚より

第1814話

2018-08-06

本当に久しぶりの雨模様となりましたが、しかしそれも束の間、瞬く間に雨も上がり強い陽差しが戻ってしまいました。それでも気温は一気に32℃まで下がり、どこと無しか涼しく感じたものです。おそらくはここ1カ月ぶりの降雨だったと思います。僅かの雨ながら境内の木々は息を吹き返したようでした。

本日はお盆の棚経(たなぎょう)のため、中村家に出掛けました。卑山にある「家族動物霊堂・慈光堂」が完成して約40年になりますが、中村修二氏 <ペット愛葬社 会長> と出会い意気投合し、卑山に動物達の霊を弔う「慈光堂」を創設しました。少子高齢化社会が進む今日、家族動物を飼われているご家庭が急増しているように思います。最近では「ねこカフェ」や「フクロウカフェ」また「ねこ寺」などの話題がマスコミに取り上げられていますが、家族動物の果たす役割が増えるにつれ動物達の霊供養も丁寧に行われており、大変嬉しく思っています。ペット愛葬社も今では福井県内を始め小松市、金沢市内と6カ所の霊堂を運営し、家族動物達の納骨堂では毎月、慰霊祭を修業しています。

 

 

盂蘭盆読経後は、中村幸雅社長も同席しての楽しい会食のひと時を過ごすことが出来ました。ペット愛葬社・中村修二会長には寺院運営の面でも多くのアドバイスと御支援を頂いており、感謝している次第です。本当に多くの方々とのご厚誼とご指導ご支援によって寺院の維持と復興が成されていきます。

 

花園流御詠歌婦人部 練習会のようす 盂蘭盆会に向けて  / 大安禅寺 書院にて


さて、午後からもご供養とご祈祷が有りましたが、15日の卑山盂蘭盆会大施餓鬼会法要日が近づくに連れ俄かに慌ただしくなって来ました。酷暑のなか、修行三昧の日々が続いていきます。友峰和尚より

 

第1813話

2018-08-05

橘曙覧  福井幕末の歌人 国学者 (1812-1868)

今朝方の福井新聞に「橘曙覧(たちばなのあけみ)の生き方子孫説く」という見出しで記事が掲載されていましたが、本日は、その橘曙覧の墓地の有る卑山に、子孫の吉田秊(みのる)氏を始めとする従妹会の皆様約30名が来寺されました。

橘曙覧 子孫の会の皆様

橘曙覧は福井の幕末の歌人で、「楽しみは 朝起き出でて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」という一句があります。平成6年6月、天皇皇后両陛下が日米親善でアメリカ合衆国を訪れた際、ホワイトハウスのレセプションの席でクリントン大統領が歓迎の言葉としてこの句を詠んだ事で一躍有名になりました。今年は没後150年を迎えるにあたり、子孫の方々が橘曙覧を偲ぶため墓参に来られました。お墓は卑山裏山200メートルほど登った杉木立の中に有り、墓参後には枯木堂で法話を催行しました。吉田氏は橘曙覧の子孫で、今年は従妹に当たる方々が全国から集まったそうです。

 

今日も気温がグングン上昇し、午後には34℃を超えるなかを中国からのお客様を迎えての坐禅が実施されました。本日に限り、坐禅堂の室温を26℃に保ちながらの坐禅体験となりました。

 


新命副住職が富山県氷見市の宝光寺様はじめ3ヶ寺の盂蘭盆会特別法話に出張したため、留守居の法務補佐役に入ったわけですが、自坊に戻ってもやはり休息は望めないようですね。それにしましても今日の坐禅体験、中国の学生さんは本当に素晴らしい若者達でした。謙虚な姿勢で坐禅に臨み、とても立派でした。また是非御来寺下さる事を願っています。友峰和尚より

 

第1812話

2018-08-04

ご家族揃っての 霊苑でのご供養が修業されました

旧盆を目前にして、寳勝寺カフェ利用の家族連れの観光客と外国人の方が急に増えてきた感がります。ニュースではこの11日頃が交通機関がピークを迎えるとのこと、毎年恒例の里帰り風景も間もなくです。和尚も自坊の盂蘭盆会大施餓鬼法要のため明日から準備に入りますが、15日の行事の前に、お檀家さん回りの棚経(たなぎょう)を控えています。

 

本日も兼務寺院・少林寺お檀家様の納骨墓参と卑山ふれあいパーク霊苑にて開眼納骨の儀が執り行われました。金沢市市民墓地として野田山霊苑が有りますが、今から四百年前に加賀藩主・前田利家公の廟所が造られて以来、歴代加賀藩主の永代霊廟に隣接する形で市民墓地が今日まで併設されて来たようです。なにしろ約四百年の歴史を有する墓地だけに野田山全体の広大な敷地に何十万基もの墳墓があり、一度お参りしたぐらいでは場所が覚えられないほどです。本日は幸いにお檀家様が迎えに来て下さり安堵したものでした。

 

野田山墓地にて 少林寺お檀家様の 御納骨の儀

 

御墓参の後 寳勝寺にて

墓参後は寳勝寺に寄って下さり、ご家族の方と歓談しました。近年、先祖の墳墓にお参りされる回数も減少する傾向が見受けられるだけに、卑山ふれあいパーク霊苑のように墓参後にお寺で休憩出来る施設が市民墓地にも必要になって来ているように思えたものでした。大東亜戦争(第二次世界大戦)後、約七十年の時を経て戦没者英霊並びに祖霊供養の大切さに思いを馳せるものです。先祖の恩と父母の恩を忘れないように、日々供養を通して精進して参りたく思っています。友峰和尚より

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