4月, 2017年

第1351話

2017-04-30

愈々明日から五月「皐月(さつき)」に入りますが、ゴールデンウイークも二日目を迎え皆様ごゆっくりとお過ごしでしょうか? 今年は最大九連休ですから、思いきって遠出をするのもストレス解消には最適かも知れません。なになに?ストレスなど無い!? ならば家の中でゆっくり寛ぐのも良いかも知れませんね。

おだまき / 寳勝寺式台玄関にて

昨日はNHKの番組で大安禅寺が禅体験のスポットとして紹介されたこともあり、さっそく外国からの観光客が来られていました。福井で禅寺と言えば永平寺が有名ですが、近年は大安禅寺も禅寺として知られてきたようです。同じ禅寺でも永平寺は「曹洞宗」、大安禅寺は「臨済宗」と宗旨が違いますが、坐禅を主とする宗旨である事では同じです。最近ではお寺で宿泊したいと希望される外国人観光客が増えてきているそうですが、大安禅寺でも先日イタリアからの一泊禅体験参籠修練が行われたところです。金沢でも、兼務している寺を外国人観光客に利用して頂き禅体験をして頂けたらと考えています。民泊や寺泊が新しい観光宿泊スタイルとして全国的に普及していく気配をみせているようです。

金沢の学生団体の皆さんが来山されました

さて、金沢でのゴールデンウイーク初旬は昨年と違ってゆっくりとした流れを見せています。きっと五月三日からが本格的に混雑するのではないでしょうか。和尚にとって更にハードな連休となりそうです。皆様の御来寺を心からお待ちしております。友峰和尚より

 

第1350話

2017-04-29

大安禅寺は旧福井藩第四代・松平光通公が福井藩歴代藩主の廟所として1658年(万治元年)に創建したものですが、本日は開基光通公の供養「御像祭」が厳修されました。今年で344年忌になり、6年後には350回忌の遠忌法要が予定されています。早朝より外掃除に出ましたが、新緑の青葉若葉が美しく爽やかな風が吹き抜ける中での作務となりました。

本来の御命日は3月24日の為、来年度は3月の彼岸会に法要日を変更したいと考えています。多くの檀信徒の御参詣の中、午前10時半より「御像祭」法要が営まれ、松平家から代参の三谷様と熊谷様が参列されました。卑山の年中行事の中で最も大切な法要で有り、一年に一度だけ、重要文化財でも有る霊屋が開帳され一般に公開されました。昔は寺から約300メートルほど登った松平家永代廟所に於いても法要が営まれたと伝えられています。四代藩主光通公の「報恩菩提」の精神は今もなお息づいています。法要後の法話では「祖霊供養」の大切さをお話しさせて頂きましたが、近年、葬儀や法要また墓参などが簡略化されていく傾向が如実に感じられるようになって来ました。いつの時代も「先祖の恩 父母の恩」だけは忘れないように、供養を通して継承して行きたいものです。

法要後の斎坐にて

さて一つの行事を遂行していくにも多くの裏方さんの協力が有っての事です。本日もお手伝い頂いた皆様方には心から感謝致したいと思います。本当にご苦労様でした。友峰和尚より

第1349話

2017-04-28

愈々明日から最大9連休の大型ゴールデンウイークに入りますが、休日を目前にして寳勝寺では観光客を迎える為の準備が進んでいます。現在も山門前より霊苑に至るまで工事中の為、業者の皆様にお願いして境内整備のご協力を頂きました。寺内も初夏の設えに替える為に職員が朝からその準備に追われていました。最近では兼務寺院先檀家様の月参りも始まり、午前中に月諷経の法務を済ませましたが、明日は午前十時より大安禅寺の年中行事「春季御像祭」が厳修されるため、夕刻には帰山するという気忙しさが続いています。

とにかく皆さん! 人生にはタイムリミットが有ることだけは、常に心に留めておく必要があると思います。いつまでもいつまでも元気で生きれるなら何ら問題はないのですが、そんな簡単なものでは有りませんね。元気な時こそ、グズグズせずに即行動を起こすべきだと和尚は思っているのです。「あとからやる」なんていう言葉は和尚には無いのです! 「今やらねばいつ出来る 俺がやらねば誰がやる」って心境です。嗚呼、人生とは刻々と自分の命を削って行きます。待った無しの人生 !一回きりの人生! なにくそ! 負けてたまるか! 友峰和尚より

第1348話

2017-04-27

傳燈寺 新緑の参道

傳燈寺(でんどうじ)は金沢市郊外の伝燈寺町に位置していますが、その歴史は古く約七百年の歴史を誇る禅刹です。建立当時は後醍醐天皇より三天皇の勅願寺として多くの信仰を集め、室町時代には十刹に准じられ、二十一ヶ寺の塔頭寺院と末寺五十ヶ寺を数えたといわれるほどの加賀の名刹寺院でしたが、元亀元年〈1570年〉 加賀一向一揆の紛争に巻き込まれ、兵火の為ことごとく焼失し現在に至っています。

由緒ある禅寺ながら檀家が一軒も無く、代々の住職が寺院運営の苦労を余儀なくされて来たようです。この度は無住寺院対策のため兼務する事になりましたが、先代恭黄住職の懸命なる寺院復興の努力の後を受けての拝命となっています。

本日は、先般お願いしていた工事が完了したとの事で、視察に行って来ました。爽やかな風とともにウグイスやキジ、そしてカエルの合唱で迎えられ、大変気分の良いものでした。本堂裏庭の池の泥を排除する工事も行なった為、池も再び蘇えった感じでした。池の横には大きな水芭蕉が植えられており、枯淡な雰囲気を漂わせていました。

伝燈寺町会長の西川氏とともに、工事後の確認

今後の寺院活動については難しい問題が山積みですが、先ずは「傳燈寺」の名前から「ともしび」をテーマに、寺院活性化に繋げていければと考えています。

寳勝寺 式台玄関前にて

寳勝寺では山門前と庫裡玄関前の敷石工事が㈱ココ・プランニング 宮崎デザイナーの指導のもと、㈱大島石材の職人の手によってデザイン通りの川の流れを想像したものが作られています。ふれあいパーク霊苑は、白山、犀川、浅ノ川、加賀伝統的文化がテーマとなっているだけに、その風景が霊苑に次々と現出していくようです。「楽しみは 朝起き出でて 昨日まで 無かりし庭の 生まれ来るとき」友峰和尚より

竹垣が出来上がりました

第1347話

2017-04-26

㈱ペット愛葬社 中村会長様とともに

”窮して変じ 変じて通ず”とは、岐阜県美濃加茂市伊深にある臨済宗妙心寺派寺院「正眼寺(しょうげんじ)の故・梶浦逸外老大師(住職)がよく言われていた言葉です。人生に於いては大なり小なり色々な難事が起きてきますが、受け止め方や対応の仕方によって幾重にも変化していくものです。大凡どのような出来事も自分の心と無関係には生じて来ないので、先ずは自己反省から始まり、閑(しずか)に自分の心と対面することが大切かと思います。

強雨の中、境内敷石施工の打ち合わせ

寳勝寺ふれあいパーク スタッフの皆様とともに

世界中の国々の政治や経済が大きく変動していますが、自分の周囲に於いても次々と不可解な問題が発生しています。それらをよくよく観察してみると、今、世界で起きている事象と本当によく似た点が浮かび上がってきます。「一即一切」の真理の立場から言えば「自分が変われば世界が変わる」という事ですから、和尚自身の心に問いかける時間が続いています。以前「なんでだろう? なんでだろう? なんでだ?なんでだろう?」という言葉が流行しましたが、まさにその「なんでだろう?」そのものです。「急いては事を仕損じる」という故事も念頭に、問題解決の道を模索中といったところでしょうか。さて今日も来客応対に集中しました。「来る人も又来る人も福の神!」っていう心境でした。久しぶりの雨で心も落ち着き、寳勝寺の敷石がどこまでも美しく感じた心安らぐ一日となったようです。友峰和尚より

「薫風 南より来る」 渓仙 書

 

第1346話

2017-04-25

白やまぶき / 寳勝寺 中庭にて

会議・会議・また会議と連日のように会議が続いていますが、会議の内容も相手も毎回違うため脳がウニウニになりそうです。しかし脳は使わねば加齢と共に退化していくと言われていますから、今のままでいいのかも知れませんね。

霊苑会議 / 中本会長様、中本大資社長様と 片岡正明先生とともに

今日は寶勝寺での会議でしたが、「ふれあいパーク霊苑」の工事もスピードを加速しながら進められているようで、完成まで残すところあと三ヶ月余りとなってきました。写真の如く境内もすっかり様相を変えつつあります。敷石のデザインは清流をイメージしているそうで、まもなく植栽が始まるとさらに自然の情景が浮かび上がって来るものと思われます。伝統的建造物群の寺町にまた新しい名所がお目見えするのも、もうまもなくです。

さて、昔から「工事魔多し!」いやいや「好事魔多し!」と言いますから、油断は禁物です。慎重に過ごして参りたいものです。友峰和尚より

第1345話

2017-04-24

早朝より鶯の啼く声が境内に心地よく響き渡っていましたが、今日の天気は鳥さんにもきっと気持ちの良い気候だったに違いありません。午前10時より滋賀北陸教区公職者会議が開催されましたが、暖かい爽やかな風が吹き込む中での会議と成りました。

滋賀北陸教区は滋賀県・福井県・石川県の3つの県で構成されており、本日は平成28年度の監査と会議が行われました。教区住職間の情報交流の重要な場ともなっているだけに協議内容は多義にわたり、真剣な討議が行われました。

夕刻には無事会議も終了し、この一年を活動内容に沿って始動します。新緑の目に染みる好時節! 若き青年僧には大いに布教活動に参加して頂きたいと願った会議となりました。さあ老僧も負けてはおれませんね。大いに精進して行きたいと思います。友峰和尚より

第1344話

2017-04-23

快晴の一日となりましたが、皆様には爽やかにお元気にお過ごしでしょうか? 今日のようなお天気は一年を通してもそんなに多くないと思いますが、日曜日ということも有ってのんびりと過ごすことが出来ました。午前中には、日頃から御厚誼頂いている岡島様が北陸三十三観音霊場を満願成就されたということで、霊場御朱印の掛軸を持参され、早速に満願成就の御祈祷をさせて頂きました。近年では再び全国の有名な霊場巡りがブームになっているとか。特に若い女子の皆さんには御朱印帳が人気で、別名「ご朱印女子」と呼ばれているそうです。

写真の如く、霊場の札所ごとに御本尊佛の名号が中央に記され、お参りされた事の証明と成ります。本来は各寺院に納経(写経を奉納)された記しとして御札(おふだ)を頂いたそうですが、近年では趣味で集められている方が増えて来ています。困った事に「御朱印札」がネットでオークションにかけられるほどの人気ぶりだとか。札所の各寺院がそれぞれに個性豊かな御朱印札を作成していることもブームに火をつけたようです。大安禅寺の御本尊は正十一面観世音菩薩ですから「大悲閣」または「大悲殿」と御札の中央に記し、右肩には「奉拝」と日付、左肩には各寺院の山号と寺名を記す決まりがあります。インターネットで「御朱印」と検索すると、全国の有名な札所の朱印を見る事が出来ますのでお試しください。

大安禅寺 の 御朱印

岡島様とともに / 大安禅寺 応接室にて

小林様御夫婦とともに

夕刻には金曜坐禅会員の小林永尚さんがご夫婦で来られました。先般御子息にご長男が誕生した際、和尚が命名書を墨書したことの御礼でした。小林さんは腕利きの大工師で、副住職との親交を深めている方です。子供の成長を心から願った穏やかな一日となったようです。友峰和尚より

第1343話

2017-04-22

イタリアからの観光客に対する坐禅参籠修練2日目は早朝5時半起床で始まり、朝課(朝のお勤め)、坐禅、粥座(朝食)、写経、拝観の順で修練が行われ、午前9時に散会となりました。今回で3度目だそうですが、ツアーリーダーのマルコさんは禅宗に大変造詣が深く、この秋にも次のツアーが予定されています。

 

粥坐 しゅくざ (朝食)

写経体験

テレビでも紹介されているように、最近は外国人観光客の「寺泊」が人気だそうで、京都大本山妙心寺塔頭寺院でも受け入れています。和尚の兼務寺院先である金沢の各寺も、無住寺院対策の一つの手段として国外観光客の方々への「寺泊」を奨励し、禅寺での修行体験コースを考えています。とにかく現在、各宗派で問題になっている寺院後継者不足は深刻な状況下に有り、一刻も早い対策が求められているようです。

寺内拝観 と 和尚が法鼓を打つようす

和尚の法務が毎日変化していきますが、どの仕事も油断出来ない緊張状態が続いていきます。それもこれもこれから始まろうとしている、大安禅寺諸堂大修復工事の為の準備でも有ります。我が国の文化遺産でも有る重要建造物の保存継承の為に全力を投球する日々が続きます。本日は本当に穏やかな日和となり、修練明けで心地よい気分の上に、天候がさらに心地を良くしてくれました。「気楽に 気さくに 気分良く」そんな一日となったようです。友峰和尚より

 

第1342話

2017-04-21

イタヤモミジ / 傳燈寺境内にて

お天気が良いと家の中に居るのが「もったいなく」思うのは和尚だけでしょうか? 午前中は昨日に引き続き兼務住職先の傳燈寺に出向き、昨日から始まった参道整備工事と池の泥上げ作業の進捗状況を視察しました。傳燈寺の参道は本来石の階段ですが、車道として作られている脇道の幅があまりにも狭いため、車が転回できるように道幅を広げています。また弁財天洞窟の前の池も泥で埋まっており、湿気が寺内に及ぶのを防ぐために泥を排除する作業も行っています。時間の合間をみて書院や玄関の掃除をして寳勝寺に戻りました。

傳燈寺参道脇の車道 と 車道拡張工事

池の泥上げ作業

本堂正面玄関 と 庫裏玄関の掃除

傳燈寺を取り巻く環境は大安禅寺に似て静寂そのもので大変気に入っています。和尚は山の中で暮らして来たためか、寳勝寺のような街での生活にあまり馴染まず、今後は傳燈寺に法務拠点を移したいと思うくらいです。

伝燈寺町の田園風景

さてゆっくりも出来ず、本日は夕刻大安禅寺でイタリアからのお客様を迎える為、一路福井に戻りました。最近は日本の禅寺での一泊体験が外国人の方々に人気があるらしく、卑山での参籠修練も今回で3度目だそうです。本日は15名のイタリア人観光客の方々が参籠修練カリキュラムに随って坐禅・読経・掃除・写経等の禅体験に挑みます。

午後より 参籠修練開講式のようす / 大安禅寺 枯木堂にて

薬石(夕食)のようす / 大安禅寺 書院にて

特に早朝の読経や精進料理は人気があるようで、今後も引き続き参籠修練コースで計画したいとの事でした。大安禅寺も国際色豊かな様相を見せ始めて来たようです。今では「禅」は世界中に広まっている為、ますます人気が出てくる感が有ります。和尚もイタリア語でお迎えしましょう!「Hi-there」「comebva!」ピコ! 友峰和尚より

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