9月, 2018年

第1849話

2018-09-10

本日は休息する間もなく、金沢国際ホテルで開催された「全日本司厨士協会北陸地方本部・石川県本部合同定時社員総会」にご招待を受け、午後4時よりの懇親会に出席致しました。「司厨士協会」とは西洋料理の料理人団体の国際組織で、厨房を預る料理長並びに経営者方々の集まりでも有ります。

平成29年度 物故者慰霊祭の折 全日本司厨士協会の皆様と愈好亭にて

大安禅寺には北陸地方司厨士協会会員物故者の慰霊碑が有り、毎年7月に慰霊祭が行われています。最近、どの会合に出席しても、来賓方々の冒頭の言葉は全国的に広がる異常気象による災害被災者へのお見舞いの言葉と、不幸にも亡くなられた方々への追悼の言葉です。また司厨士協会に於いても有事の際には、現地に赴き、炊き出しなどのボランティア活動に全力を尽くすとの力強い言葉が続きました。

 

枯木堂にて行われる 法要のようす

もはや日本全国どこにでも起こり得る自然災害だと痛感します。寺院にあっても有事の際にボランティア活動として何が出来るか、御来賓皆様の御挨拶を拝聴しながら真剣に受け止めたものでした。過去には被災者救済の避難場所として寺院が利用されたこともありましたが、近年は耐震構造の問題や、山津波などの大規模災害には対応出来なくなってきているようです。ならば非常食や電源の供給など、何か役に立つ防災対策を寺院同士で考えておく必要があるのではと強く思ったものです。

平成30年度 物故者慰霊祭の折

金沢プレミナンスの銘菓 「金澤ぶりゅれ」

石川県本部・川本紀男会長の御挨拶の中には、料理人としての強い責任感を感じました。災害に遭った時、一番不便に思うのは「食」だと思います。寺院でも非常食を常に準備しておくことも大切な事だと思った懇親会出席でした。友峰和尚より

第1848話

2018-09-09

 

岐阜県高山市  臨済宗妙心寺派  真龍山 宗猷寺(そうゆうじ)

まもなく式典がはじまる 本堂にて

 

臨済寺住職  阿部宗徹 無底窟老大師

 

飛騨高山市内は外国人観光客で大変な賑わいを見せていましたが、午前9時半より宗猷寺 東徹前住職の「退山式」に引き続き、第二十三世精徹和尚の「晋山の儀」が多くの僧侶並びに檀信徒の見守るなか盛大に挙行されました。心配された雨も稚児行列が出発する頃には小雨となり、戒師様より無事に健康成長の祈願を受けました。

出頭される御寺院方 の 控えの間 にて

 

稚児行列

宗猷寺第二十二世 東徹和尚退山式

宗猷寺第二十三世 精徹和尚晋山式

 

 

無底窟老大師 御挨拶

 

晋山の儀式は実に荘厳なもので、新しい住職を迎えるに相応しい厳粛な雰囲気が全山を包み込んでいました。約三時間に渡る晋山式! 万歳!万歳!万々歳! 精徹和尚様の今後益々のご活躍を楽しみに致しております。東徹前住職様は和尚の僧堂時代の大先輩です。長い間、本当に御苦労様でした。これまでにも沢山の御指導を賜りましたこと心から感謝御礼申し上げます。嬉しい出会いも有りました。花園大学の同級生で、現在は静岡・臨済寺住職、阿部宗徹 無底窟老大師に久しぶりにお会いし、大変嬉しく思いました。精徹和尚の修行時代の師匠で、今回の晋山式の主賓として来寺されました。

 

祝賀会にて

 

祝賀会場にて 無底窟老大師と懇談しました

多くの方々の御法縁を得て無事に晋山式が円成されましたことに、心より御祝い申し上げます。友峰和尚より

長野県飯田市 安養寺住職 と 無底窟老大師  / 「穆如清風」 老大師真筆の墨蹟

第1847話

2018-09-08

ふれあいパーク霊苑  秋の薔薇のなかでの御供養

気温がグンと下がり朝方の温度が23℃と、肌寒く感じるほどでした。ようやくエアコンから解放され自然の空気の中での目覚めとなりました。それにしてもこのところの天地異変の災害続きには気持ちも重くなるものです。被災された皆様のお気持ちを考えると本当に辛くなります。振り返るに、今年の北陸地方を襲った豪雪は約2メートルを超え、毎日が雪との闘いでした。その恐怖の記憶からまだ冷めやらぬ中での今回の台風21号と北海道大地震ですから、極めて重く感じ取っています。一日も早い生活復帰を切に願っております。

 

金沢21世紀美術館 レセプションにて

さて、昨晩は午後5時より、金沢21世紀美術館で開催された「東アジア文化都市2018金沢展覧会」の内覧会とレセプションに出席しました。

 

レセプション会場にて

金沢21世紀美術館 館長  島 敦彦氏 の御挨拶

中国の芸術家 邱志杰(チウ・ジージエ)氏 の御挨拶

沢山の関係者の方が 来場されていました

 

また本日は、明日の午前9時半より岐阜県高山市の宗猷寺 そうゆうじ 様で行われる「新命精徹和尚 晋山式」に出席するため、午後より一路高山市へ車を走らせました。宗猷寺現住職・今城東徹和尚様は、西宮市・海清寺僧堂の大先輩で、この度退山されて御子息の精徹和尚が晋山(しんざん)されます。後継者不足の今日において、無事に世代が継承されていく事を心からお祝い申し上げます。少子高齢化社会の進む日本社会! お互いの助け合いが安心の心を生んでいくようです。友峰和尚より

 

東アジア文化都市2018金沢 コア事業連携企画

邱志杰(チウ・ジージエ) 書くことに生きる

2018年9月8日(土) – 2019年3月3日(日)

展覧会の詳細はこちらから御覧下さい

第1846話

2018-09-07

芸術家 ソン・ドン氏をお迎えして

今月15日より始まる「東アジア文化都市2018金沢」展覧会を前に、少林寺にて作品展示をされる中国芸術家ソン・ドン氏が本日卑山を訪問されました。今回は日本・韓国・中国の芸術家22名が、金沢市の石引エリア・広坂エリア・寺町、野町、泉エリアの3か所の会場で作品展を開催することになっています。

 

この展覧会は、平成30年度「文化庁文化芸術創造拠点形成事業」の一環として、金沢21世紀美術館が共催して実施される大規模な芸術イベントです。少林寺を会場とするソン・ドン氏の作品展テーマは「在家・出家」で、寺全体に立体的な芸術作品を多数展示されます。

 

禅や書画のこと、芸術のお話しで盛り上がりました

 

映像作家のジョンさんが準備している プロモーションビデオを鑑賞

少林寺 本堂のようす

先日撮影した 展覧会に寄せる少林寺住職としてのメッセージビデオ

現在は作品を搬入、組み立て中で、今から開催を楽しみにしています。お寺全体がギャラリーとなるわけですから、ソン・ドン氏の作品とどのように建物が変容するかがポイントです。また寺町台重要伝統的建造物群保存地区の雰囲気とのコラボレーションも楽しみですね!

 

同じく重伝建に指定されている寳勝寺の最終修復工事打ち合わせの為、金沢市歴史建造物保存課担当職員の方と施行業者さんを交えて現場視察が行われましたが、最近の天地災害の多発に鑑み、重要建造物を後世に残していく為の懸命の努力が続けられています。今回の展覧会のテーマが「変容する家」となっていますが、創建当初の姿をそのまま後世に伝えていく事も大切な文化事業の一つであると自覚するものです。友峰和尚より

 

1966年北京(中国)生まれ、同地在住。1989年首都師範大学美術学部を卒業。パフォーマンス、ビデオから写真、演劇、彫刻と多岐にわたる制作を通じて、人間の努力の非永続性や儚さを明らかにする。2009年にMoMA(ニューヨーク)で個展開催。モスクワビエンナーレ、ドクメンタ、ヴェネチアビエンナーレ、リバプールビエンナーレ、光州ビエンナーレ、サンパウロビエンナーレ、イスタンブールビエンナーレ、アジア太平洋現代美術トリエンナーレ、広州トリエンナーレ、台北ビエンナーレを含む、数多くの国際展で作品を発表している。(ご本人の画像およびプロフィールは金沢21世紀美術館ホームページよりお借りしました)

第1845話

2018-09-06

この度のスーパー台風21号災害ニュースを置き去りに、今度は北海道安平町、厚真町を震源地とする震度6の大地震のニュースが早朝よりライブで報道され、北海道全土に地震の影響が及んでいます。関西空港に閉じ込められた1万人に近い旅行者でしたが、今度は千歳空港始め新幹線も高速道路もすべてのインフラがストップし、こちらでも多くの方が足止めという前代未聞の大惨事となっています。次々と勃発する自然災害に対応するため、日頃から防災用具の備えが必須となって来ています。

 

 

ニュースの報道から見えてくるのは先ず、電源装置(自家発電機・ガソリン等)の確保、水、乾電池、携帯電話の補助充電器、簡易トイレ、特に携帯電話の補助充電器は必需品と思われます。停電が長引いた時には外部との連絡方法が絶たれてしまいます。自家用車のガソリンも日頃から注意して満タンにしておくといいですね。備えあれば患いなし!和尚も防災用具の完備を目指したいと思います。

 

 

先日、古物商「いなり商店」を営む中山広之氏より、前東大寺管長・清水公照師の肉筆を木版画化した「花鳥風月」の作品寄贈を受けました。どれも本当に素晴らしい作品で、眺めているだけで心が落ち着くものです。後日、少林寺にて作品すべてを公開したいと思っています。中山氏には心より厚く御礼申し上げます。

 

 

まもなく野町・少林寺では中国の有名な芸術家ソン・ドン氏による作品展覧会が開催されますが、皆様も是非御来寺頂きたいと思っています。芸術の秋を満喫したいものです。友峰和尚より

 

第1844話

2018-09-05

台風一過、晴天の今朝 少林寺にて

台風21号がもたらした豪風被害は甚大で全国に及んでいます。昨日の強風から一変して穏やかな朝を迎えたわけですが、ニュースで報道される映像を見て驚きました! 何台もの車が次々とまるで紙の如く舞うように吹き飛ばされていくシーンには恐怖を覚えたものです。金沢市内は風速44.3メートルと気象観測史上最大だったとか。ひと晩中サイレンの音が鳴りやまない状況が続いていました。寳勝寺の看板もしっかり固定しておいたにも関わらず次々に吹き飛ばされ、慌ててヘルメットをかぶり半パン一丁でずぶ濡れになりながら看板を追いました! 廊下沿いのガラス戸は弓のようにしなり、釘を打ちつけてなんとか損壊を免れることが出来たようです。幸いに建物本体には被害が無く安堵しました。

 

金沢21世紀美術館 設営スタッフの方と

台風のため出国が一日遅れていたマークさんと荒木さんが朝方卑山に来寺され、無事を喜び合いました。昨日に引き続きフランス・サンリス市での展覧会の打ち合わせをした後、一緒に少林寺と傳燈寺に赴き、台風被害状況の視察に行ってきました。どうやら大きな被害は無くひと安心! ここに来て多くの寺院を兼務する事の大変さを思い知らされました。

 

金沢市指定文化財 少林寺梵鐘 と記念撮影されるマークさん

奥様 と ともに

展覧会準備が進む少林寺本堂

 

宮崎寒雉様寄進の殿鐘を撞くマークさん

清々しい音色を聴き 喜ばれていました

 

傳燈寺にて 荒木さんが 台風後の掃除を手伝ってくれました

 

掃除後、先代住職の御供養と御祈祷

 

 

今年に入ってから、豪雪被害に始まり豪雨被害、暴風被害と異常気象が続いています。災害国日本! 関西空港では多くの外国人観光客が足止めになったとか、一刻も早く全力を挙げて復旧に当たって欲しいと願っています。今回の台風で被災された多くの皆様には心よりお見舞い申し上げます。 友峰和尚より

第1843話

2018-09-04

台風対策をしました

最早言葉を失うほどの暴風雨となって寺を襲って来ます! このような暴風はこれまでに経験したことが有りません! 夕刻には金沢上空を通過するとのニュース報道で、朝から懸命に台風対策に当たりました。アイフォンでは特別警報がけたたましく鳴り響く始末! 大安禅寺の状況も心配で、電話で確認しながらの一日となりました。

 

金沢市香林坊の 「欧風食堂  ル マルス」さんにて

昨晩はフランスより来日しているマークさん・荒木さん夫婦と夕食を共にし、本日は午前中、来年4月に仏サンリス市で開催予定の「アート・サクレ」展覧会についての綿密な打ち合わせ会議となりましたが、なにしろ台風21号が気になってしまい会議は午前中で切り上げ、明日にもう一度打ち合わせをするという事で今日は散会しました。

 

渡仏日程や会場展示など 詳細打ち合わせのようす

 

少林寺では 金沢21世紀美術館スタッフの方との打ち合わせ

 

時折、もの凄い唸り声を轟かせて本堂を揺さぶります。今日はこの辺でブログを終了し、台風の到来に備えたいと思います。無事に通過する事をひたすら念じています。友峰和尚より

第1842話

2018-09-03

平成30年9月3日 午後3時   酔芙蓉 すいふよう 

またまた台風21号が日本列島に迫ってきました! 明日の夕刻より北陸地方は暴風雨で大荒れになるとか、クワバラ!クワバラ! 本当に無事に通過する事を願っています。それにしましても毎月のように大規模な自然災害のニュースが報道され、近年の気候変動にはまったく驚きます。2日間に渡った滋賀北陸教区住職研修会を無事に終了出来た事に心から安堵しました。

 

不如帰 ほととぎす

午前中はお檀家様の月参りに行き午後からは来客応対となりましたが、昨日まで多くの僧侶と接していたためか本日は心なしか空虚な気持ちになったものです。やはり寺院にとって僧侶の存在感は大きいものが有りますね。特に若き青年僧の姿には惚れ惚れするものです。願わくは大いに自坊において布教活動に邁進して欲しいと思うものです。さて相変わらず毎日が矢の如く過ぎ去って行く感がありますが「無事是貴人(ぶじこれきにん)」の心境をもとに精進一路、頑張って参りましよう! 友峰和尚より

桔梗 ききょう

 

第1841話

2018-09-02

研修2日目は粟津温泉「のとや」を会場に開催されました。昨晩は住職始め講師を交えての懇親会となりましたが、一年に一度、食事をともにしての交流の場でもあり、大いにリラックスした時間となりました。

 

本日はのとやの会議室において、午前8時半より第一講『日本臨済宗の祖・栄西禅師」と題して大阪・寒山寺住職・滝瀬尚純氏により講義が有り、引き続き花園大学准教授・藤井渉先生による人権学習講義が行われ、午前11時半に2日間に渡る住職研修を終了致しました。

 

大阪・寒山寺住職   滝瀬尚純氏による講義

 

花園大学准教授・藤井渉先生による人権学習の講義

教区宗務所長として毎年参加していますが、会を重ねる毎に「なるほどそうだったのか」と新たな発見が有ります。どうやら禅宗の世界では「ほぼ」わかったでは済まされないところがありますから、わからないことは充分合点がいくまで質疑応答が不可欠のようです。今回の法式梵唄(ほっしきぼんばい)の講義中においても、大安禅寺に昔より伝授されている数珠が「維納司(いのうす・お経を唱える役)」専用のものと知り驚きました。知らないというのは本当に恐ろしいことです。礼儀作法や威儀についても言えることですが、必ず約束事の中に成り立ってきた経緯があることを知る大切さなのかもしれません。

 

さて、住職研修会も無事円成し一安心といったところでしょうか。尽きることなく学ばねばならないことが山ほど有りますね。学べば学ぶほど味わい深くなっていくことも年のせいでしょうか? もういちど大学に戻って一から勉強したいと強く思った住職研修会でした。参加されたご住職の皆様、大変お疲れ様でした! 友峰和尚より

第1840話

2018-09-01

住職研修会を前に 滋賀北陸教区各部役員会議が行われました

雨上がりの爽やかな朝を迎える事が出来ました。それにしても昨晩は物凄い雨音に頻繁に目が覚め、おまけに午前3時には携帯電話から突然、豪雨警報がけたたましく鳴る始末。ゲリラ豪雨に振り回される昨今です。

 

本日は滋賀北陸教区住職研修会が午後1時より開催されました。豪雨の影響でJRのダイヤが軒並み乱れ、参加者も遅れて来られる方が続出しました。

 

開会に先立ち、参加ご住職全員で 般若心経を御唱えしているところ

大安禅寺 新命副住職

 

宗務所長 挨拶

司会の 滋賀北陸教区 教化主事 無量寺ご住職

開会式の後はレジュメに沿って講座を開始しましたが、講師の先生もJRの影響で到着が遅れたため、和尚の講義が先行され「宝勝寺ふれあいパーク霊苑の墓地運営」について講義し、引き続き㈱ココ・プランニング会長の中本隆久氏より、これからの墓地のあり方など詳しくお話しされました。

 

宝勝寺ふれあいパーク霊苑の運営について お話ししているところ

㈱ココ・プランニング 中本隆久会長によるご説明

宝勝寺霊苑開苑までの経緯や運営について、また、現在の墓地事情など

詳しくご説明され、質疑応答を受けておられるようす

 

妙心寺塔頭 慧照院 御住職による「法式梵唄」の講義

墓地運営の講義の後は、妙心寺塔頭 慧照院 御住職を講師に迎え「法式梵唄(ほっしきぼんばい)※」の講義が行われました。教区住職研修会は毎年この時期に開催されますが、住職にとっては情報交換の場でも有り、大変有意義な研修会となっています。講義終了後には全員で霊苑を視察していただき、第1日目の研修を終了しました。 ※法式梵唄…儀式作法

 

 

講義日程終了後 霊苑を視察されているようす

 

明日も引き続き早朝より講義が開催されます。人生最後の最後まで勉強ですね、もうこれで良いという終わりは無いようです。明日も頑張りましょう! 友峰和尚より

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